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2016-04-05

2016年4月1日 二格山 - 筆架連峰縱走 日本からの友人と歩く

筆架山山頂にて。南側を眺める
台北近くの二格山や筆架山は、アクセスもよい山で、登山道も整備されているのでハイカーが多い。今回は、初めてこの山々を訪れた四年前とほぼ同じルートを、日本からの友人と一緒に再び歩いた。この山塊は、最近では昨年10月に石碇から木柵まで歩いた。その時は、天候がすぐれないこともあり、かなりのペースで歩いた。今回も決して遅いわけではないが、数回目の訪問になるので気楽であった。全体のルートの中では、草湳からガジュマル大樹の分岐を右に行き、直接南邦寮山下の稜線に登る部分は、初回の歩きであった。

西側草湳からスタートし、石碇へ稜線を縦走する
最初に二格山の最高点を登り、その後石碇に下る
今回日本からの二人の友人、KさんとIさんは、日本でもしばしば山を登っている山ガールだ。そのうちKさんは、昨年慢集團の磺嘴山登山にも一緒に登った。前回訪台時には金爪石の茶壺山に登ったそうだが、その時は天気が良くなかったとのこと。今回は、天気予報通りの好天にはならなかったが、雨も降らずに歩くことができたのは幸いだ。台北近郊の山を楽しめたと思う。

草湳バス停で下車
日本から前日台北に着いた二人とは、MRT動物園駅で落ち合う。駅下のバス停で7時30分過ぎに棕15番バスに乗る。今日は平日だが、老人グループが多くバスは満員になる。立ち席だと、カーブの多いこの道では左右に振られる。約40分ほどの乗車で、出発点草湳バス停に到着する。8時20分、支度をすませ産業道路を歩き始める。5分ほどでガジュマル大樹の分岐にくる。以前見かけた野良犬はまだ健在だ。今回は、ここで右にとり進む。舗装路の終点では、ちょうどこれから歩き始めようとする登山者が車を泊めていて、挨拶する。

稜線へ続く山道の入口
急坂を登る
右に白い曼陀羅の花を見る。8時30分、左に階段があり、山道が小沢にそって谷に入っていく。これが、歩いてきた峠越えの道から分かれ稜線に続く道である。最近草も刈られたようで、道筋ははっきりしている。そのうち勾配がきつくなり、補助ロープの部分の現れる。ジグザグに登っていくが、少しつらい。登ったあとの二人の感想も、すこしきついということだ。20分ほどで、稜線上に出る。130mほどの高低差を稼いだ。

楠邦寮山山頂
稜線を二格山へ進む、頭上にはツツジの花
小休憩後稜線を左に登っていく。9時に南邦寮山(標高592m)に到着、もともと展望のない頂上なので次に進む。全体としては、登りだが小ピークを越えていくので、下りもある。赤いツツジが道脇に咲いている。岩の露出した場所も現れ、この山並みの特徴が出てくる。最後の長い上り坂を登りつめ、平らな石畳道を少し進む。9時34分、二格山の三角点基石を見る。標高678mで、今日の山行の最高点である。脇の展望台に上がり、休憩をとる。壊れた涼亭屋根の修復工事が進行中だ。霧が去来し、時々切れ間から周囲のピークが望めるが、残念ながら台北方向は雲の中で展望ができない。台湾では見かけないイチゴ味のブラックサンダーチョコをいただく。

二格山山頂からは、霧で遠望があまりできない
筆架連峰縦走路最初の岩場
十分ほどの休憩後、筆架連峰へ向かう。少し下り、左に石段道を下る。おばさんが、修理中の材料を担いで登ってくる。仕事とはいえ、大変だ。下り半ばで、左に土の道をとる。これは稜線上を行く道だ。10時5分、鞍部に到着。左は猴山岳への道、縦走路は直進だ。鉄の桟道を過ぎ、回り込むと岩場が現れる。筆架連峰縦走路の特徴だ。10時13分、山道脇の露出岩に登る。振り返れば、先ほど登った二格山が高い。霧がすこし少なくなり、猴山岳方向の稜線が望める。麓の深坑の街も谷間に見える。岩から降りて縦走路を進む。10号救援札を見る。これは、地元消防署が遭難のハイカーがどこにいるかを確認するためのものだ。石碇側から番号を振っている。

露出岩上から二格山を望む
筆架山頂上直下の石段
10時36分、9号札のある休憩ベンチを過ぎる。上り下りを繰り返し、11時10分、筆架山下の石段に来る。大岩に階段が刻まれたものだ。登り切り、筆架山のツインピーク中間鞍部に着く。先に東側のピークに登る。曇っているとはいえ、石碇に続く連峰は望める。坪林方向の山々や谷も見える。雨が降っていないのは幸いだ。ピークから下り、もう一つの西側ピークにも登る。こちらは、岩だけの東側ピークとは違い、樹木があるので視界はもう一つだ。標高は580m、今日の三番目に高い山頂である。

筆架山のピーク下中間鞍部
縦走路上の岩場を過ぎる
中間鞍部に降り、再びリュックサックを背負って縦走路を進む。ここから次の炙子頭山の間には、多くの岩場が現れ、上り下りを繰りかえす、筆架連峰中のハイライトセクションだ。11時55分、縦走路が右に大きく曲がる7号救援札の場所に来る。炙子頭山までは、まだ少し距離があるので、この場所で昼食をとる。この間の縦走路は、休憩をとれる平らな場所があまり多くない。

昼食休憩場所
30分ほどの食事休憩後、炙子頭山へ出発する。3分ほどでギャップの大きい岩場があらわれる。以前はここにアルミ梯子が取り付けられていたが、今はなくなっている。最後に長めの登りを登りきり、12時51分炙子頭山に到着だ。ベンチが設けられている標高528mの頂上は、周囲は樹木で展望はない。深坑方向に下る道の切れ目から、かろうじて望める。ちょうど101ビルがうっすらと見える。休んでいると、数名のハイカーがやってきた。我々は日本人だけのパーティであることを知ると、少し意外そうだ。

炙子頭山山頂
連峰縦走路の半分を過ぎた、前方には西帽子岩
ここからは、連峰は高度を下げていく。13時28分西帽子岩(標高480m)に到着。頂上というのではないが、中が空洞の大岩がある。更に下っていく。右側の山腹をしばらく進み、のっぺりとした岩壁を登ると、稜線上に戻る。ここからはしばらく、左側が開けた展望のよい道が続く。13時40分、3号札のある分岐を過ぎる。右に下れば、摸乳巷古道へ降りる。左下に、第五高速道路の高架橋が望めるようになる。2号札を過ぎ、露出岩をくだる。前方は、皇帝殿山が谷の対岸に座っている。ここまで来れば、石碇はもうすぐだ。
稜線の左側を望む、谷底には第5号高速道路がゆく

ガジュマルの根が岩を巻く
14時18分、ガジュマルの根が岩を抱えて伸びている場所を過ぎる。その先3分ほどで、救援札1号の分岐にくる。左は一般的な登山道である。ここは右に進む。少し下り送電鉄塔の脇から左に稜線を登る。この道は石碇小学校へ続く道である。ところが、少し下り始めると道筋が不明瞭になる。明らかに最近は歩かれていないようだ。ここで時間を費やしても意味がない、そこで鉄塔まで戻り摸乳巷古道へ保線路を下ることにする。14時34分、道からすぐ左に折れて展望点へ行く。ちょうど石碇の街と高速道路高架橋が下に望める。

一号救援札が現れ、縦走路は終了だ
登山道に戻り、さらに下る。14時49分、沢におり切り古道に合流、左におれてさらに下る。14時57分に石碇から烏塗窟へ続く石畳歩道との合流点につく。山道はこれで終わり、しばし休憩する。ここでも、持ってきたビールを開けて三人で飲む。石碇に向けて沢沿いに歩道を進む。15時21分、昔石碇が炭鉱町であったことを示す、沢にかかる炭鉱夫とトロッコのモニュメントを通り過ぎる。石碇小学校脇を過ぎ、15時25分バス停に到着する。まもなくやってきた666番バスでMRT木柵駅へ向かった。

展望点から石碇の街を望む
沢を渡り古道に合流
休憩込み約7時間、約11.5㎞の歩きである。累計で730mの登攀だ。全日はっきりしない曇りで、遠くが見えなかったのは少し残念だが、雨には降られなかった。太陽が出て暑い中歩くよりも、楽だったのはそれはそれでよい。日本の山は、この時期多く植林されている杉の花粉で、花粉症に悩む人が多いという。Kさんも花粉症があるそうで、台湾の山は杉が少ないので、よかったようだ。台湾も杉林がないわけではないが、中級山のふもとなどがメインで、日本に比べると確かに少ない。もともとKさんとは、このブログを見て連絡があり、このように一緒に台湾の山を歩けるのは、実にうれしいことだ。一人でも多くの日本の登山者が、台湾の山の魅力に触れてもらう事ができれば、まさに筆者の本望にかなったりだ。

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