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2026-05-31

台湾登山ルートガイド:陽明山 竹子湖から用水路道を経て天母へ  暑い時期の水際道歩き

北から南へ縦走
陽明山山系の山々は、昔からその斜面が開墾され農作物が作られていた。農業には水が欠かせない。そのため、沢の水を上流から引き農用や民用に供するための用水路(水圳)が造られた。今回紹介するルートは、その用水路に沿って下っていくものである。特にこのルートは、途中で複数の用水路をつないでいくことで、全行程のかなりの部分を水際を歩くことができる。もちろん木陰をでる部分もあるが、暑い時期の低山歩きとしては、尾根歩きに比べて楽である。もちろん、このルートを登りにとることができるが、交通機関で高所の出発点に行き、ずっと下っていくので、その点でも楽である。このルートでは、山頂は踏まない。

陽明山山系の南側
用水とは異なるが、台北の水道水も陽明山山系の沢上流からとっている。紹介のルートは日本時代昭和7年(1932年)に完工使用開始した台北草山水道の第一水取入口を訪れる。これも陽明山の水にかかわる歴史事物である。また、用水路のひとつ猴崁水圳は、今日も使用に供されている現役の用水路だが、二年ほど前台北市政府により登山経験がない一般遊楽客も歩けるように大きく改修され,手すりや金属桟道が取り付けられまた道標も整理された。その他の用水路道は、一部はそうした安全施策がない場所もあるが、大部分は整備されその点でも手軽に歩けるルートである。
猴崁水圳の水路上に取り付けられた桟道と手すり

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登山対象:

ルート

百拉卡公路入口バス停→(人車分道 5分)→頂湖分岐→(12分)→頂湖展望台→(20分)→湖區住民活動中心→(20分)→竹子湖バス停→(猴崁水圳古道 35分)→草山水道取入口→(25分)→百年土地公/草山觀瀑吊橋→(十八份水圳 18分)→(十八挖水圳 25分)→百年楓香樹觀景台→(拐圳步道 25分)→頂北投バス停→(10分)→龍泉宮→(泉源(媽祖窟)步道 35分)→龍鳳谷→(磺溪溫泉步道 40分)→天溪綠地→(行義路社區 15分)→天母公園→(5分)→天母圓環 休憩を含まず4時間50分 約11.5km 上昇120m 下降860m  コース定数16

頂湖/竹子湖 (標高約670m)

ともに陽明山七星山の西に位置する盆地である。湖という文字があるが、これは水のある湖という意味ではなく、台湾語のちょっとした山中の平地を意味する。台湾には、これ以外にも多くの湖がついているが、池や日本語の湖がない地名がある。広さとしては、竹子湖が大きく両者間には峠を挟むちょっとした丘が続き、二者を分割している。竹子湖は、日本時代に品質改良でできた蓬莱米の試験地であり、当時の研究などの資料をまとめた竹子湖蓬莱米故事館がある。

展望台からの頂湖盆地の様子、西側を望む

約50年ほど前に、この土地にあう農作物として海外から導入された海芋(水芭蕉のようなカラーと呼ばれる原産地南アフリカの植物)が生産され始めた。その後ほぼ同じ時期に開花するアジサイも栽培されて、いわゆる観光農場として4月~6月の開花時期に多くの遊楽客が訪れる。

子湖バス停近くから望む竹子湖盆地、背後は小觀音山

猴崁水圳

現在と数年前の猴崁水圳
水圳とは沢の水を取り出して山腹を緩い勾配で農地などに導くための用水路である。猴崁水圳は、磺溪の上流竹子湖溪から水を取り出し、左岸の山腹を伝っていく用水路である。陽明山山系のほかの用水路と同じく、長い歴史を有する。この用水路のほかに、このコースでは十八份水圳 、十八挖水圳、拐圳をつないでその用水路脇の道筋を下っていく。

竹子湖溪谷のかなり高いところを行く猴崁水圳わきの道は、谷側がかなり切り立ったところもあり、山慣れしていないと少し危険な場所もあった。その後市政府により、大幅な改修が行われ、谷側には手すりが設けられ、歩きにくいところには金属桟橋も設けられた。数年前にほぼ同じルートを歩いた。その時の比べてずいぶんとよくなっている。


草山水道取入口 (滾水頭)

台北の近代水道システムは、公館付近の新店溪からの水を利用した水道が、1907年に着工1908年から供給が開始された。その後台北人口増加などを受け、1932年に陽明山山系の水を利用するシステムが開設された。その水道取入口(標高541m)である。取入口から埋設された水道管が走り、玉龍谷青春嶺を下り陽明山公園の脇からさらに下って、紗帽路そして天母古道の脇を行き市街へと続いている。取入口の石門上部には、当時の台北市長であった田端幸三郎による滾水頭(あふれ出す水の場所の意味)の文字が刻まれている。ちなみに草山とは、陽明山の旧称である。陽明山という名は、戦後この地にやって来た蒋介石が、草山という名称を嫌い、明朝時代の儒教学者王陽明から命名したものである。

草山水道取入口

龍鳳谷

温水が噴き出す場所で、北投温泉の源泉の一つである。硫黄の煙が噴き出ており、ブクブクと熱湯が湧き出している。西側の尾根を挟んだ反対側にも源泉である地熱谷がある。その昔は、硫黄の採掘もおこなわれていたということだ。今は、源泉から温水を温泉施設へと運搬するパイプが多く敷設されている。

噴き出すガスのため荒涼とした鳳凰谷

磺溪溫泉步道

龍鳳谷に降った雨や地下水が温められ湧き出した、その水を流すための水路脇に設けられた全長700mほどの歩道である。歩道わきには、北投温泉にまつわる詩文や歌詞が記された木板が取り付けられ、またそれ以外にも解説文などが設けられている。流れる水は上部の水圳とは異なり白濁している。

磺溪溫泉步道,側溝に水が流れる

コース概要:

百拉卡公路入口バス停で下車し、陽金公路の反対側にある石畳の七星山人車分道を左に行く。対面に駐車場入り口をみると、人車分道は下っていき、沢脇で右からの道を合わせる。この沢沿い道を下り、頂湖の竹子湖頂湖產業道路にでる。右に曲がり進むと、展望台が現れる。展望台から沢沿いの道を行き、分岐を右に橋を渡って進む。少し登り、右に農場入口をみて竹子湖路を進む。湖區住民活動中心の建物を見てすぐ左に下っていく。ここまでは、すべて台北大縦走路になっており、分岐にはすべて道標があるのでそれに従っていけばよい。

百拉卡公路入口バス停で108番バスから下車
左に駐車場を見て、道は下り始める
沢のところで右に下る
沢沿いの道を下っていく
ここで右に竹子湖頂湖產業道路を進む
トイレのある展望台
右に橋を渡って進む
右へ竹子湖路を進む
バスが通う竹子湖路を歩いていく
湖區住民活動中心

バスが通う道を下り、そのまま竹子湖バス停まで行ってもよいが、左に小沢沿いに進む遊歩道を歩いた方が良い。ただし、車道には店舗もあるのでそちらによる場合は車道をそのまま行く。この辺りは、花の時期であればカラー(海芋)やアジサイを栽培してる観光農家があり、入場料を支払い立ち寄ってもよいかもしれない。竹子湖バス停わきには公衆トイレがある。

小沢沿いの遊歩道入口
沢沿いに進む
アジサイの向こうに大屯山

竹子湖バス停近くトイレ
バス停近くのトイレからは、橋を渡らず下っていく道をとる。下っていくと、青楓步道が右に分かれる。左の道が猴崁(水圳)古道である。古道は、前半は用水路わきの道である。少し行くとまだ新しい吊橋を渡る。以前は、渡渉が必要だった。橋の先で左に登る道を分けて、用水路わきの道をずっと進む。入口から約15分ほどで左に道を分岐する。その先数分で、また分岐が現れる。用水路はさらに進むが、ここで右にとり少し下ると、大樹のある十字路に着く。

右の道をくだる
この分岐は左へ、右は青楓步道
沢を新しい吊橋で越す
用水路の上に新しい手すり付き桟道、右側は谷へ切れている
整備された分岐
この分岐を右へ下る
十字路分岐
大樹の左側の道を草山水道取入口へ

十字路で右の道を3分ほど行くと、草山水道取入口がある。道はここで行き止まりなので、往路を戻り大樹分岐から、また右の道を下り始める。かなり急な坂は、最近の道整備で石段などが多く設置され歩きやすくなっている。九十九折の道を下りきると、土地公がある広場にでる。竹子湖から歩いてきた猴崁古道は、その昔麓と竹子湖を結ぶ道であり、その往来安全を祈願したのが土地公である。

取入口上部の文字
九十九折の急坂を下る

土地公のテラス
草山觀瀑吊橋
市政府の改修で新設された草山觀瀑吊橋を渡り、十八份水圳を進む。この用水路わき道も手すりが設けられている。少し進むと、谷が開け眼前に紗帽山を頂く景色が展開する。用水路わきの道は、左に東昇路へ下る道があるが直進し、その先左に下る道をとって東昇路へ降りる。東昇路を少し戻る方向へ1,2分行くと右へ下る道をとって下っていく。棚田の間を過ぎて、農作業小屋の脇で十八挖水圳に降りる。

橋の対岸から見る、右に土地公
谷が開けてきた、左奥に紗帽山
この分岐は直進
狭くなった用水路道を進む
ここで用水路を離れ東昇路へ降りる
車道わきから下る
下りきると十八挖水圳
農作業小屋のところで用水路に降りる
十八挖水圳は、それまでの用水路道と違い、ほとんど本来の姿でありハイキング用の整備はされていない。しかし、道筋はしっかりしているので追っていく。大きく下る部分を過ぎると、コンクリ製用水路は、歩く部分が狭いが注意して下ると百年楓香樹觀景台が現れる。ベンチがあるので、一休みによい。觀景台とあるが、樹木が高いので景色はあまり見えない。十八挖水圳の道は、道標はないので地図で確認する必要がある。

畑わきの水路を行く
大きな段差を流れる
百年楓樹觀景台についた

觀景台から下ると道標が整備された拐圳歩道となる。下ってすぐの分岐から右に登っていけば、頂湖バス停(出発点近くの頂湖とは別)へと行きバスで下山できる。用水路わきの歩道は、幅が広く軽快だ。斜面を上下に行く道との十字路を過ぎると、樂水、樂山とベンチのある二つの平台があるが、樹木が茂り展望はない。樂山平台を過ぎて間もなく、左に分岐する道を下り泉源路に降りる。降りたところには頂北投バス停がある。泉源路を右に5分ほど進み、龍泉宮の表示のある階段道を下る。下りきったところに龍泉宮がある。

拐圳へとの分岐点
広く歩きやす水路脇道
樂山平台
ここから左に泉源路に下る
頂北投から泉源路を少し歩く
ここから階段を龍泉宮へ下る
龍泉宮

龍泉宮から下の沢を橋で渡り、泉源步道へと登り返す。登り切ったところの分岐を右にとり、また沢へと下っていく。沢を渡って、ほとんど使われることのないたくさんのベンチが続く歩道を行き、右岸にわたって天上聖母宮の廟の下を行く。沢を右岸から左岸、また左岸から右岸へと二度わたり土地公や孫悟空像を見て進むと、硫黄臭に気づく。眼前に荒涼とした龍鳳谷が広がる。谷の右側には、トイレのある公園がある。木陰の下で一休みによい。

沢を渡って登り返す
上り詰めたあと反対側の沢に下る
ベンチが並ぶ道
休憩によい涼亭
道脇の濟公と土地公
孫悟空像
鳳凰谷が見えてきた

駐車場の左奥に公園
公園内部、左はトイレ
公園のすぐ上車道わきの階段道を登り、土地公の脇からさらに車道を登って行義路にでる。行義路を2,3分下り左に行義路402巷を下る。温泉施設や駐車場のある402巷を下っていくと、右に道しるべが磺溪溫泉步道の入口を示す。用水路わきの歩道を行く。歩道は数分で一度切れるが、駐車場わきからまたさらに歩道が始まる。用水溝の壁上のところどころに、北投に関係する詩文や歌詞が表示されている。

階段を登って行義路へ上がる
先に行義路402巷を左に下る
行義路402巷を下っていく
磺溪溫泉步道の入口
歩道の説明板
磺溪の谷間を俯瞰する
歩道わきの温泉施設の後方に七星山
壁に北投温泉に関係する歌詞の表示

歩道が終わったところで、右に行けば行義路に上がるが、左に行義路260巷8号の民家脇の道を下っていく。送電鉄塔をみて天溪綠地に入る。訪れる人はあまりいないのだろう、ちょっとさびれた感じの公園内を最後まで進む。末端からごみなどが捨てられた細い道を少し登ると、大きな住宅団地の一角に出る。

行義路260巷8号の民家脇を下る
送電鉄塔の向こうに紗帽山
天溪綠地公園
住宅区画の一角に出る

住宅ビルの間の道を下り、谷沿いになる中山北路七段219巷3巷を下っていく。左にプールを見ると、すぐに橋を渡り天母公園に入る。公園に入らずそのまま車道を登って行ってもよい。樹木の下の公園を進み、左に登っていく道から公園の門をくぐる。中山北路七段181巷を行くと、天母圓環が現れる。天母バス停は右に曲がってすぐだ。

中山北路七段219巷3巷を下る
天幕がかかるプールの向こうは天母だ
橋を渡って右に天母公園へ

天母公園
天母バス停

アクセス:

百拉卡公路入口バス停は、108番バスと1717番バスが通う。108番番バスはまず陽明山總站(バスターミナル)まで紅5番バスなどで行き乗り換える。1717番バスは台北市内から発車する。一方、天母バス停からは、多くの路線があり多くがMRTの駅に立ち寄る。都合よいバス路線を選んで乗車する。上記にあるようにルート上には、多くのバス停がある。もし天候が悪くなったり、疲れたりしたらそうしたバス停からバスで下山も可能だ。

装備:

一般日帰り登山装備で十分だ。途中に水場はないので、暑い時期には多めに持っていくことを勧める。


頂湖観光農園のアジサイ