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2026-03-10

2026年3月8日 三峽雙溪山~東眼山~東滿步道 20kmの長距離山行

東眼山山頂にて

昨年夏に東眼山を訪れ、そのルートをガイドとして記載した。今回の目的地も東眼山と東滿步道の同じ場所を含み、それを拡張したような山行である。出発点は標高250mほどのふもとで、支脈上の雙溪山経由で登り、東眼山登頂後東滿步道全行程を歩いて滿月圓へ下った。その結果、約20㎞の距離と、累計1500m近くの登攀となり、健脚山行となった。幸い参加メンバー全員が健脚で、9時間で歩き終えた。登りにとった雙溪山は、訪れる人が少ない山である。日曜日であったが、主稜線に上がるまで、他の登山者とは出会わなかった。いっぽう、主稜線に上がったあとは、多くの登山者や遊楽客と出会った。

雙溪站から滿月圓へ一巡り

山行には、日本からの友人や台湾のユーチューバーが参加し、少人数だがメンバーは多彩であった。三峽の街から滿月圓へと向かう807番バスは、休日は三峽発が6時の次は8時半となる。6時のバスは間に合わず、そのため歩き始めも当然遅くなる。当初の予定では不人気ルート雙溪山の道状態が不明なこともあり、東眼山を登った後東眼山森林遊樂區へ下ってバスで帰るつもりだった。しかし、14時前に東眼山登頂ができ、またメンバーも体力気力に余裕があったので、B計画としていた東滿步道を下ることにした。この歩道は状態が良いが長い、滿月圓発の最終バスにかろうじて間に合った。

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原住民モチーフの三峽一站バス停

ここしばらく台湾は天気が良くない。特に北部は雨の日が多く、山行もしばらく様子見だった。ようやく訪れた好天の予報、その日に定めてこの山行を決めた。過去の経験だと、週末の807番バスは登山客が多く満員になるので、かなり早めに三峽一站バス停に向かった。7時45分ごろに着いて一番であった。その後メンバーも集まり、バスは定刻8時半に発車した。しばらく天気が悪かったためか、今日は登山客は少なく空席もある。三峽の街中を過ぎる間に乗客が乗り、満席となった。

雙溪バス停で下車
八仙橋

台三線道路から大豹溪の谷間に入ると、俄然山間の風情となる。くねくねと曲がる山道を進み、9時10分雙溪バス停で下車した。雙溪というのは、大豹溪に支流熊空溪が合流する二俣だからである。支度をして歩き始め八仙橋を渡る。橋歩道の上に屋根がかかり、大豹溪の由来解説板もある。この辺りは、本来ダイヤル族原住民が多い場所である。その長老の話では、川の脇にちょうど豹が水を飲んでいるように見える大石があり、それが名前の由来という。さらにこの豹の妖怪は近くのガマカエル(蟾蜍)妖怪と象の妖怪と組んで水害を起こす悪さをした。そこへ、浄瑠璃の国姓爺合戦で日本でも知られる鄭成功が、やってきてこれら妖怪を退治し、豹の妖怪は石となったということである。

八仙橋の上の解説板
八仙橋から上流方向の清流を見る
左の道を登っていく

橋を渡り右に進む。少し登ると左に折れる道をとり、高度を上げていく。別荘のような建物を過ぎると、交通量は少なくなるようで路面もよくない。分岐から登ること約25分で、作業小屋と周りの畑を過ぎ、さらに10分ほどで右に曲がる道をとる。それまで轍があったが、この部分は土や落ち葉が重なり、車は通っていないようだ。9時58分、山道入口に着き、一休みする。標高は約540m、2㎞弱の舗装路歩きで300mほど高度を稼いだ。

檳榔園の脇を登る
山の上の畑、背後右の山は伝説に出てくるガマ(蟾蜍)
雙溪山登山口,左の尾根を登る
道筋はそこそこはっきりしている

山道は、入ってすぐに急坂が続く。入口近くで道筋がちょっと不明なところもあるが、そのうち踏み跡はしっかりする。思っていたより状態がよい。ただ、かなり急でも補助ロープは少なく、樹根などを頼りに急坂を登る。そこそこ平らな竹林を過ぎる。その後雑木林がメインの尾根道を登山口から登ること約30分、10時35分雙溪山山頂に到着した。周囲は樹木で展望はない。山頂直前に、3つほど深い人工の穴がある。構造物を立てるために掘ったが、その後廃棄されたものなのか。

樹根をつかんで登る
少ないがロープはしっかりしている
篠竹の平らな道を行く
雙溪山山頂
平らな雑木林や草はらを進む
尾根は広がり、緩やかな道となる。草むらにでると、道筋は草に覆われる。歩くこと数分で、まだ新しいトタン張りの作業小屋にでる。かなりの大きさがあるが、林業時代の遺物だろう。小屋前から幅広の道が山腹を縫って進む。小屋には廃棄タイヤが置いてあったが、当時はこの林道を車が通っていたのかもしれない。山の鼻を回り込むと、分岐がある。一つは谷に下るもの、そのまま山腹を進むもの、そして尾根に取り付いて登る道である。分岐を右にとり、11時尾根上に上がり休憩をとる。

廃棄(林業)作業小屋、左の道を行く
草に埋もれた林道を歩く
分岐、左は谷に下る道、直進は山腹を行く
尾根へ上がる道
尾根道を歩く人が少ないという表示
尾根へ上がった地点
雑木林の尾根道を登る

尾根上の道は、そこそこしっかりしている。分岐にはこの道は歩く人が少ないと説明があったが、踏み跡も明瞭で悪くない。尾根道を登ること約10分、カシの大木を見ると林相は、杉人造林になる。林の底もシダが茂り、ほとんど下草のない広葉樹林とは異なる。そのうちまた雑木林になって小さな登り下りを進む。尾根を左方向に離れ山腹を登り、また尾根に上がって間もなく左に回り込んで、長いロープがつく急坂をよじ登る。登りきったところは983峰で、半分ちぎれた標識が樹幹に着いている。緩やかになった尾根を進み、少し下って12時15分、分岐についた。昼食休憩をとる。

突然現れた大木

杉林の中を登行く

983峰の下部を登る
急坂が続く
樹木を縫って登る
983峰表示
緩やかな尾根道を進む
鞍部分岐に着いた
主稜線に向けて最後の登り
森の上の空が近くなる
12時40分、主稜線へ最後のセクションを登る。登ること10分ほどで、前方の樹間に主稜線が見え隠れする。最後の急坂を登り切り13時10分、主稜線分岐に着いた。標高は1200mほどあり、東眼山とほぼ同じ高さだが、中間に鞍部があるので、いったん大きく下って、またロープの急坂を登り返す。周囲はシャクナゲの原生林で、4~5月には多くのシャクナゲが咲く。岩のギャップを一本橋で越え、13時40分東眼山(標高1212m)についた。ここで距離約6㎞、標高差約1000mを歩いた。昨年末に完成した、東眼山森林遊樂區歩道整備一環の新展望台があり、登ってみる。説明板では、台北方向が広く見えるとあるが、白雞山山系の山に雲がかかりその先の展望は塞がれてしまっている。天気は良いのに、ちょっと残念だ。

苔むした森の向こうに稜線が見える
主稜線の分岐に着いた
シャクナゲ林を進む
東眼山下の鞍部に降りる

東眼山はもうすぐだ

登り切ったところのシャクナゲ林
岩のギャップを超える一本橋
山頂展望台にて
階段道を下る
思っていたより早く東眼山に登りつき、森林遊樂區バス停17時発のバスまではちょっと時間を持て余す。そこでB計画の東滿步道を経て滿月圓森林遊樂區へ下ることにする。メンバーも気力体力ともにOKだ。14時少し前に、昨年は整備工事中だった道を下る。30分ほどでトイレの分岐に着き、左に森林知性遊歩道を進む。木馬などの展示物を過ぎ、14時45分廃棄ウィンチの脇で下の道に降りる。広い砂利道を左に進んでいく。一般車両通行禁止の柵を過ぎて、15時地質走廊の化石展示物わきで休憩する。

森林知性遊歩道へ曲がる
森林知性遊歩道を進む
廃棄ウィンチ展示わきで車道に降りる
柵を抜けて地質走廊へ
小烏來の谷の向こうに南插天山
親子峰 この少し先から東滿步道が始まる

地質走廊をさらに下り、15時18分に7.8kmの東滿步道入口から歩き始める。はじめの1㎞ほどは、ほぼ平らだ。標高約860mの觀瀑橋を過ぎると、この先3.4㎞は標高1120mの峠まで登りとなる。平均8%の勾配である。もちろん途中の尾根上部分はほぼ平らなので、実際の勾配はそれよりきついところもある。道の状態はよくそれほど急な感じはしない。しかし、登りが続くと、午前中の長い登りもあり、ちょっと疲れを感じる。16時過ぎ、東眼山方向への分岐(東滿步道2.9K、標高約1055m)近くで休憩をとる。歩道上の落差260mの大半は登った。滿月圓バス停まで残りは、約6.5㎞となった。

東滿步道0.6K
觀瀑橋
1.3K付近を歩く

ここから勾配がきつくなる

杉林を行く(2.2K付近)
登りも残り少し(2.8K)

2.9K地点で最後の休憩
拉卡山登山口(左)
滿月圓発の最終バスは18時10分である。あと2時間でカバーする必要がある。16時20分、左に拉卡山への道を分ける。東滿步道は、山腹に取り付き登っていく。森に指す日差しは、だいぶ黄金色が深まる。16時38分、峠部分の分岐をすぎる。左は拉卡山からの道、右は赫威山である。登りが終わったので、ちょっとほっと一息であるが、まだまだ先がある。そのまま下り始める。



拉卡山

黄金色に森が染まる

峠についてほっと一息
杉林の階段道

滿月圓側の東滿步道も階段などで整備された道である。下りであり、歩を速める。そうはいっても、やはり山道である。気を抜けない。急な道を下ること約25分、ベンチのある休憩所を過ぎると、勾配や緩やかになる。山腹を行く道は、ところどころ木製階段で高度を下げる。沢側がかなり切れている場所には、ロープ手すりが渡していある。17時20分、歩道入口まで1.39㎞とある道標を過ぎて間もなく、道はつづら折れで大きく高度を下げる。


残り2.36K
歩を速めて下る

ベンチのある休憩所

木製階段で高度を下げる
沢を橋で渡る
ロープ手すり
つづら折れで高度を下げる
東滿步道7.8K終了

17時45分、東滿步道入口を通過、滿月圓遊樂區内の道をさらに下っていく。バス停まで残りは2㎞足らずだ。しかしバス発車時刻も迫っている。さらに歩を速め、18時過ぎ遊樂區料金ゲートを過ぎる。暗くなってきた中、舗装路を急ぐ。歩きながらバス運行状況をスマホで確認すると、予定より遅れている。18時15分、第二駐車場わきのバス停に着いた。東眼山直前ですれ違った二人の登山者が待っている。


滿月圓遊樂區の道を急ぐ
料金所を通過
駐車場バス停に着いた
バスがやって来た

バスを待つこと数分、18時23分に807番バスがやって来た。熊空バス停からの乗客は一人だけ、以前滿月圓で満車のバスの経験があるので、助かった。山道を行く揺れの大きなバスに疲れた体をゆだね、19時7分すっかり暗くなった三峽一站バス停についた。近くの食事処で食事をとり、台北に帰った。




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スマホGPSの記録は19㎞、スポーツ時計は21㎞強、中間で20㎞といったところだ。所要時間は休憩をいれて9時間、そのうち休憩は都合1時間ちょとなので、行程全体の平均速度は2.5~6㎞/hといったところか。東滿步道はよい道なので、山に登るときのゆっくりな歩調を考えてもこの速度が出たのだろう。通常は2㎞/hもいかない。累計で約1469mの上昇、1369mの下降、コース定数は37である。先月に行った天上山全域縦走よりきつかった。

天気は、3月9日からまた崩れて雨である。日本からの友人は、四日間の山登り日程のうちこの日が一番良天気が良かったという。わざわざ日本からやってきて全て雨だったら、ガッカリだ。その意味で、この山行はよかったと思う。今回は、台湾のユーチューバーも一緒に歩いた。彼女のビデオはこちら(当山行はこちら)だ。今日は、かなりきつい行程だったが、問題なく歩いていたので、体力はとてもあるようだ。