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紅河谷古道の渡渉、お互いに助け合って沢を越す |
再び
紅河谷古道を歩いた。今年夏に熊空からスタートし、加九嶺山を越えた後紅河谷古道を下った。今回は、逆の方向に登山グループの34名の道案内役として歩いた。長い道のりは同じであるが、秋は日が短い。幸いに、日暮れ前に全員歩き終えた。曇の天気は、午後加九嶺山を下る頃から雨が降りだした。大降りにならず、なお森の中を行く道なので、濡れずに下ることができた。
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東の成功加九寮橋から出発、熊空橋まで歩く |
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はじめはゆっくりと、その後急坂を登る |
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マイクロバスで加九寮橋まで |
登山グループでは、マイクロバスを用意したので、歩く距離は一般のバス利用よりも少なくてすむ。今回は、烏來の成功から出発だが、南勢溪へ下り加九寮橋までバスで行く。ここからスタートだ。長い歩きになるので、朝早く出発し加九寮橋には7時半過ぎに到着。メンバーへのルート説明後、7時40分過ぎに歩き始める。少し登り、古道入口の階段を登る。入口わきの水処理場は、まだ施工中である。自分も入れて35名の参加で、隊伍は長い。後部は見えないので、ハンドトーキーで連絡を取り合う。
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工寮までは良い道が続く |
平なコンクリート道が終わり、枕木階段の登りで高度を稼ぐ。沢沿いの道は、ゆるやかな道とこうした高度を稼ぐ登りが交互に現れて進む。登り方向にこのセクションを歩くのは二度目だ。前回はちょうど一年前の11月初旬に
拔刀爾山へ登る際に、途中の工寮まで歩いた。途中、谷の向こうにこれから行く加九嶺山が望める。まだ遠い。約40分ほど歩き、キリスト像と土地公が祭ってある祭壇のある休憩場所に来る。塩ビパイプを利用した長椅子が設けられている。道にそって引いてある水道用のパイプと同種のものだ。少し休憩する。
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一番目の簡易橋を渡る |
古道の少し先で、コンクリ水槽わきで美鹿山と、はじめの簡易橋を渡った後高腰山への道を分岐する。小沢部分で道が流され、少し登り下りする場所があるが、このセクションは概ね平らで歩き易い良い道だ。四番目の簡易橋を越えた左側の高台には、工寮がある。時刻は9時15分、加九寮橋から約4kmの道のり、今日の行程の約3分の1の位置になる。ここで二度目の休憩とする。拔刀爾山へは、工寮小屋の脇から登っていく。これから峠までの部分が、紅河谷古道の中で、渡渉や崩れた山道部分、急坂が現れるきつい部分だ。
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杉林の中の道を行く |
工寮からの古道は、はじめの部分はそれまでと同じような平らで歩きやすい道が続く。流されて再度造られた木製の簡易橋をわたる。杉林の道を進み、約30分ではじめの渡渉点が現れる。昨日の雨で増水を心配していたが、前回と同じようなレベルで飛び石を渡って対岸に渡る。メンバーの多くは長靴を履いて来ているので、この水深の沢越えは全く問題ない。それでも三十数名のメンバー全員が渡り終わるのは、時間を要する。数分で全員が渡り終わり、登りが始まる。渡った沢は、加九寮溪の支流で、枝尾根をこえ右に流れる主流わきへ下りる。道の両側は草が深く、昨日の雨で濡れた葉の間を進むので、ズボンはびっしょり濡れている。また、山腹を大きく登り行高度をかせぐ。10時40分、二番目の渡渉部に来る。標高約490m、標高約900mの峠までまだまだ遠い。
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二番目の渡渉部分 |
全員が渡り終え、左岸の道を行く。10分ほど歩くと、道が大きく崩れている場所が現れる。一度沢に下り、また登り返す。道は坂がキツくなってくる。沢もほとんど水がなくなり、大きくザレた涸れ沢を過ぎる。ここからは山腹に取り付き、つづら折りの登りを進む。11時37分、涼亭格への分岐に着く。三十数名のメンバーが休める場所は少ない。少し上に上がり、涼亭格で食事休憩とする。涼亭格というが、涼亭(あずま屋)があるわけではなく、地名である。少し開けた場所でメンバーは思い思いに座り食事をする。この登山クラブは時間があれば、その場で料理をすることが多いが、今日は時間的に厳しいので、それぞれ持参した昼食を取る。
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沢の上流部をゆく |
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古道峠の道標 |
12時15分、古道へ戻り標高差約230m、距離約1km先の峠に向けて出発する。山腹沿いに緩い坂で高度を上げていく。岩が露出し補助ロープがある場所を通過する。最後は、杉林の中を直線的に登る急坂だ。数十メートルを一気に登り13時に峠に着く。今日はこれで歩き5時間、大体予定通りに来ている。全員が着くまで待ち、集合写真を写す。ここからは、尾根上を右に加九嶺山へ向かう。
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倒木が道を塞ぐ加九嶺山道 |
標高989mの加九嶺山とは、単純な標高差は少ないが、間にはいくつかのピークを越えていくので、それなりに体力と時間を要する。途中、涼亭格へ下る道を分ける。峠までの古道では少なかったが、この山道は山蛭がとても多い。ズボンに二、三匹付いているが、他のメンバーもやられている。持ってきた塩をふりかけると、体を縮めポロッと落ちる。ナメクジなどと同じで、浸透圧の差で体液を塩に吸われてしまい、体が干からびてしまうのだ。13時55分、加九嶺山に到着する。本日の行程の最高地点である。
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加九嶺山頂上での集合写真 |
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補助ロープの下り道 |
残りは4km弱、標高差は500数十mの下り坂である。急な下り坂が始まる。右に竹坑山への道を分け、ヤセ尾根を下っていく。尾根上には苔に覆われて緑の大石がそこここにある。そのうちに山腹を下り、少し登り返して枝尾根を越す。更に山腹を進んで、西に下っていく尾根を下る。標高700mの休憩スポットを過ぎる。その先に補助ロープがある急坂を下る。ここは一人づつの通過になるので、全員通過に時間がかかる。その先には、岩場が現れる。登りより下りのほうが、より高さを感じる。ここも補助ロープを頼りに下る。一人ひとり下るのを手伝い、全員が下るに十数分を要した。その先の山道は、少しだ。16時43分に、産業道路の登山口に降り着く。そのまま産業道路を下り、17時に熊空橋についた。マイクロバスが我々の到着を待っていた。難所を通り越すのには、大人数だとどうしても時間を要する。予定より1時間多くかかったが、日暮れ前に到着し、ほっとする。
歩行距離13km、所要時間9時間10分である。今回は食事時に時間をあまり取っていないので、行動時間の割合が多い。登攀は累計で1114mだ。大人数パーティだが、全員問題なく完歩した。ここはまだ郊山の領域だが、同時に中級山の入口でもある。杉林も多く、歩きがいのあることを再認識した。
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