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2013-12-03

2013年12月1日 雙溪三方向山-宜蘭鹿窟尾尖 山越えをして太平洋へ

鹿窟尾尖から歩いてきた三方向山(右)と睏牛山(手前)を望む、中央の山は横山
今まで三回訪ねた雙溪區泰平は、美しい古道がそのまま残っている。その古道の魅力に惹かれて、また訪ねた。約1ヶ月前に、同じく泰平から横山を越えて桃源谷へ、さらに海岸の大溪へ下る予定で訪れた。しかし、雨にふられて途中、出発点の虎豹潭へくだった。山越えはできなかった。今回好天のもと、横山へは行かなかったが、直接三方向山へ登り、前回予定のルートを経て大溪へ下ることができた。

北の双渓泰平から宜蘭大渓へ山越え
山を越えて向こうの場所にいくのは、新しい世界が広がる如くのように、楽しいものだ。それが、向こう側が大海原であれば、もっとワクワクする。雙溪區泰平は、ゆるやかな谷間に住居や畑が点在する。標高も400~500mあり、泰平から歩き始め標高0mの海岸に下るほうが楽だ。泰平から帰る場合は、公共交通機関は一日二便のF811番バスしかない。一方、大溪は台鉄の汽車が通っているので、そうした制限ない。おのずと、泰平から大溪へという方向で歩くことになる。距離はそこそこあったが、登りが比較的に少なく、体力的には割合と楽な山歩きだ。

双渓の古道、桃源谷の歩道軌跡
軽快な古道歩き
台北市MRT信義線が開通したので、今回は南港駅ではなく台北駅に乗り換えなしで行き、4138番区間電車で雙溪駅へ向かう。7時半過ぎに雙溪駅に到着する。一足先に着いていたZさん夫婦と合流し、台北から一緒に来たHさんとで今日一緒に歩く四人が集まった。駅前に止まっているタクシーに乗り、出発点に向かう。バスであれば、雙泰産道と芊蓁坑產道の分岐から歩くことになるが、タクシーなのでそのまま芊蓁坑產道を走り、古道の入口まで乗って行く。今日もタクシー料金はNT$400だ。こうした場合、タクシーはメーターで走らないので、事前に値段を交渉する必要がある。

道の真ん中に放置された変圧器
8時10分、身支度を済ませて歩き始める。紅壇へ通じるこの古道は、今も使われている幅が広く路面も平な土の道である。四駆であれば通行もできる。少し登り気味の道には、木々を通して朝陽が射しこみ、快適な登山を約束している。木々の切れ目から、遠くに東北角の山々、草山や燦光寮山などが並んでいる。20分ほどの歩きで、分岐に着く。ここは、大平山への山道と紅壇へそのまま行く道、また左に谷へ下る道の四叉路である。電線のメンテ工事が進行中のようで、電線やその他の部品が道端に置いてある。これはもちろん古道を車でも運んできたものだろう。

大平10号の民家
左に道を下る。ここは10月初旬に歩いた場所だ。苔の石段が現れ、その先は沢が道のわきを流れている。開けた場所にでる。道の真中に変圧器が置いてある。運搬用に縄が掛けてあり、二人で担ぐための竹棒が渡してある。かなり重量があるようで、二人で持ち上げて見たが、担ぎ上げることも大変だ。上からここまで運んできたのだろうが、かなりの苦労だろう。更に下り、コンクリ製橋を越える。三方向山へは、左に沢沿いに回っていくか、直進して大平10(30)号の民家を過ぎていくか、どちらでも行ける。ここは直進して苔の石段を登る。

沢を渡渉する、幸いに水量が少ない
沢から数分で、民家に着く。最近手入れをしたようで、屋根や扉のペンキが新しい。もう誰も住んでいない。住所プレートが二つ付いている。ひとつは10号、もうひとつは新しい30号だ。以前は、このような山深い場所で暮らしをしていたのだ。今は打ち捨てられた沢沿いの棚田などで、農業を営んでいたのだろう。家の前庭から大平山が望める。民家のわきを進む。道は、それまでより自然に近い状態だ。杉林の中を回りこみ、三方向山からの沢の左岸を行く。9時10分、道は沢に降り立つ。ここで対岸に渡る。その前に、小休憩する。

水際の苔の生えた石段を歩いて行く
あと僅かで三方向山だ
今日は、幸い水量が少なく、飛び石をつたって楽に対岸へ渡る。この三方向古道は、貢寮や大溪川へ下っていくために、歩かれた道だ。緩やかな流れのわきには、棚田の遺跡がある。今は草や木々が生えて田んぼには見えないが、この平な場所は人工によるものだ。12、3分右岸を歩き、また渡渉する。沢の水際沿いに石段が続いている。びっしり苔に覆われている。途中、倒木が道を塞ぎ、その上を巻いて越す。左岸を約20分進む。三度目の渡渉だ。その少し先、左から沢が合流する。道は沢を離れ、尾根に取り付き登る。本来の古道は、この道ではなく、左に鞍部へ向けて行くようだが、そちらはもう歩かれておらず道筋も判らない。10時12分、西山方向から続いてくる尾根道と合流する。道は、森を抜け草の中を登る。周囲の景色がよく見えるようになる。これから歩いて行く、桃源谷方向もよく見える。10時24分、三方向山頂上(標高620m)に着く。

三方向山頂上から横山への稜線を望む
桃源谷方向を遠望する、左の山は灣坑頭山
頂上には、三角点基石が中心に埋め込まれている。周囲は草だけなので、360度の展望ができる。前回無念の山行であった、横山とそれから連なる稜線が南西方向に伸びている。この山塊は、海側は切り立った谷、山側はゆるやかな山容であることが、よく判る。深い大渓川の谷を挟んで、対岸に七兄弟山の山塊が控えている。東側は、福隆の海岸から桃源谷へのなだらかで広大な山容が広がっている。ここは、とてもよい眺めの展望台だ。遠くには、平渓の五分山も望める。頂上の草に黄色の認識リボンが付けてあるが、これが横山への稜線道だろう。ただ、草がびっしりと生えており、大変な道のようだ。風景を楽しみながら、しばし休憩する。

ススキの中の三方向山からの下り、前方は桃源谷
草の間を尪子嶺鞍部へ向けて下りはじめる。少し行くと、急坂が現れる。補助ロープの滑りやすい土の道が続く。雑木林の下りが終わり、草の間を進む。振り返ると、三方向山がすでに高い。道が緩やかになり11時10分に、峠に着く。ここはピークではないが、尪子嶺(標高435m)と名付けられ基石が埋められている。道脇に福徳祠土地公がある。中には香炉もあり、まだ焼香がされているようだ。十字路を右にとれば大溪川へ急坂が下っていく。左は、内寮へ下っていく古道だ。

尪子嶺の峠部分、右に大渓川への道が分岐する
鎌で切り開いた急坂を登る
直進して桃源谷方向へ進む。山腹を横切って行く道は、水量のある沢を越えていく。10分ほどで、睏牛山への道が右に分岐する。右へ睏牛山へ登る。こちらは、踏跡がはっきりしない。10分ほど登ってくると、道がわからなくなってしまった。よくよく観察すると、トゲトゲの草に道を塞がれている。そこで、用意してきた鎌を取り出し、草刈りを始める。この道は、もう相当期間歩かれていないようだ。草を刈ると、急坂に補助ロープが取り付けられている。その後も、鎌で道を切り開いていく。幸いにして、古い標識リボンがところどころあるので、助かる。それでも踏跡がはっきりしないので、注意深く観察することが必要だ。12時12分、山腹道の分岐から約50分、睏牛山頂上(標高588m)に着く。道の状態が悪いので、距離に比べて時間がかかった。基石もない樹木に囲まれた頂上だが、山林投を刈り取ると、海に浮かぶ龜山島が望める。

睏牛山頂上から見る亀山島、手前は七兄弟山の尾根
山腹道の一本橋
写真を写し、登ってきた道を引き返す。10分ほどで、登りの時には気づかなった分岐がある。古ぼけた藍天隊の道標が幹に取り付けられている。5年前のものだ。稜線を下っていく道があるが、先ほどの登り道を下る。稜線道の状態も同じように草に覆われている可能性が高く、時間がかかる可能性があるので、低リスクを選んだ。12時51分、山腹道に戻ってくる。鹿窟尾尖へ向けて、道を進む。道脇に石積みの塀や廃棄された茶畑も現れる。このへんは、その昔は人々の生活範囲だったわけだ。13時、棚田の遺跡で休憩し、昼食を取る。

ボコボコの土の道





13時20分、峠部分に来る。五方向に道が続いている。石碑が土の壁に埋め込まれている。どうやらお墓のようだ。道標がないが、沢山標識リボンが取り付けられている道を進んでみる。それで正しかったようで、そのうち東側へ向かって歩くようになる。ところどころ、森から出て草原を歩くようになる。一方、森のなかの道は、掘り返されたかのようにデコボコでぬかっている。ここには放し飼いの牛が歩くためだ。ちょうど、陽明山の擎天崗周辺の道のようだ。

草原を登る
広大な草原の眺め
鹿窟尾尖頂上の軌跡、灣坑頭山が遠くに望める
小草原を越え、高圧線鉄塔の下をくぐり、高度を上げていく。13時57分、大草原に飛び出た。もう桃源谷の一部だ。空は曇だが、遠くまで見渡せる草原は、爽快そのものだ。14時15分、基石のあるピークに登りつめる。ここは鹿窟尾尖だ。西を見れば、歩いてきた三方向山から睏牛山への稜線が、東は灣坑頭山を盟主とする桃源谷が、南側は龜山島が望める。桃源谷歩道が行く、蕃薯寮山の尾根が近い。北側は内寮の谷あいと、その向こうには東北角の山々が並んでいる。草原のピークは、絶好の展望点だ。今日は、出発からいままで誰一人として出会わなかったが、桃源谷方向からはハイカーたちの声が聴こてくる。

桃源谷は眼と鼻の先、前方に歩道が見える
ススキの向こうに蕃薯寮山と龜山島が望める
桃源谷歩道の土地公がある鞍部までは、眼と鼻の先だ。牛が崖に落ちないようにするためと思われる、有刺鉄線の柵沿いに草原を下っていく。ススキの中の道を進み、柵を越えるとそこは石のテーブル・イスがある土地公の峠部分だ。ほんの数分で降りてきた。ここからは、石畳の立派な歩道だ。何人ものハイカーと出会う。今まで、誰にも出会わなかったことが不思議のようだ。

桃源谷歩道に合流
歩道を10分ほど下る。公衆トイレがあるので少し休憩する。二、三分さらに下ると、左に土の道が分岐する。これは、蕃薯寮山の山腹を行く、旧来の古道だ。状態のよい土の道を数分下る。土地公の祠がある。その先は、道が崩れている場所を過ぎ、道幅が細くなる。森から抜けてススキのわきを行く。桃源谷の稜線がすでに高い。対岸は石観音山と、その尾根の向こうに灣坑頭山がある。15時19分、25分の歩きでまた石畳歩道に合流する。そのほんの少し先で、また左に土の旧道が分岐する。ここも左を取り下る。ここからは、坂が急になる。前方には海がだいぶ近く見えてくるようになる。15時40分、再度石畳歩道と合流する。ここには椅子もあるので、一休みする。

旧道にある土地公の祠と説明板
大渓漁港の様子、出店が沢山ある
夕日の中の漁船と背後の七兄弟山
うにの露天店
残りはあと1kmもない。石階段道を下り、15時54分、登山道が始まる公園部分に15時54分降り立つ。そのまま、大渓駅まで行って16時半の電車で帰ることも可能だが、せっかく漁港が近くにあるので、立寄ることにする。第二号省道に出て、漁港へ向かう。湾内には多くの漁船が泊まり、岸壁にはたくさんの魚介類を販売する出店がある。遊楽客も多く、魚を買ったりしている。実際、台北で買う値段の半分以下で買えるようだ。うにをその場で開いて売っている。試しに一つ食べてみる。新鮮なうには甘い。岸壁をひと通り歩き、上の商店に登る。その日にとれたイカやエビなどを食べる。ビールがとてもうまい。18時ごろ、暗くなった二号線を駅へ向かい、5分遅れでやって来た18時17分発区間電車で、台北へ帰った。

内地から山を越えて海岸へ、とても楽しいルートだ。快晴ではないが、天気もよく、ススキを見ながら歩くこともできた。先月の横山山行が残念な結果だったので、その分を取り返した感じだ。距離は13.5km、出発点が高いので三座山を越したが、累計での登りも約700mにすぎない。休憩込み行動時間は約7時間40分である。睏牛山往復が、道の状態が良くないため、予想より多く時間を費やしている。このルートは、人気のあるルートではない。それは、雙溪區泰平が山深いためだろうが、素晴らしい景観やとてもよい古道など、よく歩かれている草嶺古道からのルートに決して劣らない。もちろん、桃源谷歩道のような気楽なハイキングではなく、地図が読めルート判断ができることが、必要条件だ。困難度は、ルート、体力要求度ともにクラス4である。経験者にはおすすめのコースだ。


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