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草刈りされたきれいな中嶺山山頂 |
台北近郊の山は、登山者グループがボランティアで山道の整備をするものが多い。彼らは集中的にある山域の山に入り、手入れをしている。今まで、彼らのおかげで草深く倒木に悩まさる道がきれいになり、尚且つ急坂などにはロープを取り付けられているので、とても助かっている。今回の対象山域は、筆者は過去に訪れているが、ボランティアグループ聯合艦隊がこの一、二カ月入り整備がされている。そこで、この山域の未踏の古道と以前歩いた山道を逆方向で歩くことにした。
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東側蕃薯寮から入り雙坑に降りる |
台北の水瓶翡翠水庫ダムに沿って続く直潭山連峰縦走路は、
九年前に歩き,
去年また歩いた。今回のルートは、それとは重ならない部分を含んだものだ。北宜公路蕃薯寮から始まる蕃薯寮古道をへて稜線に上がり,中嶺山へは東側山腹の産業道路を進んで山頂へ、下りは西側山腹を十分子古道鞍部へ向かい,9年前に歩いた雞心尖経由で雙坑へ下った。天気も良く、快適なハイキングであった。
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青潭溪の渡渉点 |
MRT新店駅前のバス停に集合し、7時15分発の緑12番バスで登山口に向かう。平日なので途中にある雙峰國小へ通学する学童も途中乗車し、バスは満員だ。学童が下車した後、さらに北宜公路を登っていく。7時46分、約30分の乗車で先帝宮バス停で下車する。今日は5名の少数メンバーだ。蕃薯寮古道は少し道路を登っていき、まず青潭溪へ下る。沢は細いが、上流にある住居などからの排水があるので、泡立っていて異臭がある。沢を渡り緩い坂を登り始める。杉林の間を5分ほど登ると、右に道が分岐する。蕃薯寮山への道である。この道を行き、8時8分基石のある蕃薯寮山山頂⁽標高355m)に着く。
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蕃薯寮山山頂 |
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石段の番薯寮古道 |
薯寮山山頂といっても、本当のピーク上の山頂というのではなく、基石があるのでそうした呼び方だ。山の斜面のコブといったところか。往路を戻り蕃薯寮古道を登る。そのうち石段が現れ、古道の趣がでてくる。2月に草刈りされた道は、新しい倒木が道を塞ぎ、草がところどころ伸び始めている。勾配がきつくなり8時半、峠に到着する。
去年雷公埤山からやってきた場所だ。小休憩のあと、右に道を進む。すぐに土の道路に出る。右に進み果樹園の中を行く。8時49分、左に下る山道をとり進む。
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左へ車閂寮古道との分岐へ下る |
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対岸の山はまだ霧が濃い |
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中嶺山山腹の舗装路を行く |
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道路先のタケノコ畑 |
急坂を下りきると、左から車閂寮古道を合わせその先秀峰路105號民家にでる。今日の天気は悪くないが、霧がまだ晴れず対岸の山々はよく見えない。少し進み車道の分岐に来る。新しい道しるべは、左に九股山方向を記している。この道は、中嶺山の東面山腹を行く産業道路だ。路面の状態はとてもよい。少し行くと左に、祈祷録音を流している土地公祠を見る。道は、山襞を塗って進む。道脇にはタケノコ畑などがあり、地元農民の作業道路の感だ。20分ほどのほぼ平らな歩きで右へ登っていく保線路の分岐にくる。途中、車でやってきた農夫と会う。分岐で休憩する。
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送電鉄塔の保線路を登る |
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尾根上の道を中嶺山へ登る |
保線路の一部だが、こちらも舗装された道がジグザグで登る。5分ほどで舗装は終わり土の道が登っていく。9時48分、中嶺山から下ってくる尾根上に上がる。左に下れば九股山へと続く。まだ道整備がされていないが、いずれまた訪れるつもりだ。右に曲がり送電鉄塔の下を進む。道は勾配がきつくなる。緩くなったところで、右側が開ける。遠くには二格山から筆架連峰への山並みが見える。最後の坂を上り切り、10時2分中嶺山山頂(標高626m)に着く。昨年訪れたときに比べ、山頂は広く草刈りがされている。
9年前に訪れたときは、台北方向が見えたがその後樹木が育ったようで、遠望ができない。陽光が強くて暑く、早々に下り始める。途中左に翡翠水庫を望み、10時20分分岐に着く。風もあり、休憩をとる。
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二格山を望む |
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中嶺山山頂のメンバー |
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翡翠水庫を望む |
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半壊した家屋脇をいく |
10時43分、稜線道から離れ右に下っていく。このセクションは草刈りがされていないが、道筋ははっきりしている。数分で左からの道を合わせ、さらに下る。そのうち、数匹の番犬の鳴き声が大きくなり、人家の前に降りる。舗装路を下り、雙峰路を右に折れて登っていく。右に最近切り開かれた開発地を見ると、道は土の道になり古道然となる。11時2分右に稜線への道を分け、その先で左から沢沿いに登ってくる道と合流する。さらに2分ほど行くと、半壊した家屋脇を過ぎ、峠への最後の急坂を登る。11時1分、十字路の峠に着く。
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峠の新旧道しるべ |
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とてもよい雞心尖への道 |
峠は、直進すれば十分子へ下る。右は先ほど歩いた秀峰路105號民家へと尾根道が続く。我々は、中嶺山をぐるっと回ってきた形だ。左へ折れ雞心尖へ向かう。すぐ右に風呂桶を利用した水場を見る。9年前もここにあった。当時に比べ、道は下草も広く刈られ、とても状態がよい。途中のコブを越えていき、11時27分雞心尖山頂(標高515m)に着き、休憩をとる。凍らせた八寶粥が冷たく、おいしい。今日は、気温が高く冷たいものがうれしい。
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雞心尖での筆者 |
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古い道しるべの残る雞心尖前鋒山頂 |
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広く刈られたシダの間の急坂 |
20分ほどの休憩後、下り始める。すぐに古い道しるべが残る雞心尖前峰を過ぎ、急坂が始まる。前には苦労して登った急坂は、下りにとると速い。シダの草原も広く刈り取られている。道は右に曲がりこんでいき、そのうち沢筋に降りる。水が流れる小滝を見て、急な涸沢を下る。もとからのものに加え多くの新しい補助ロープが取り付けられている。12時20分、沢筋から抜けて右に山腹道を下る。樹木の切れ目から対岸の北宜公路が近くに見え、だいぶ下がってきたことがわかる。12時33分、土地公前の登山口に降りる。車が数台止まっており、近くにいた住民がバスは13時過ぎだと教えてくれる。
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涸沢の急坂を下る |
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雙峰を背後に北宜公路へ登り返す |
雙峰路を下って橋で青潭溪を渡り、北宜公路へと登っていく。登り返しの道は、長く感じられる。振り返れば先ほどいた雞心尖とそのすぐ左に尾根上のピーク二つ並んで天を突いている。12時48分、雙坑站バス停に到着する。まだ時間は早いが、次のバスは2時間後なので、急いで降りてきた。乾いたシャツに着替え、13時4分にやってきた緑12番バスで新店へ戻った。
歩行距離8.1㎞、総登坂606m、下降779m、休憩込みで5時間の活動時間だ。コースタイムは18、半日で終了した軽いハイキングであった。
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緑12番バスで新店へ |
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