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2023-04-30

2023年4月29日 石壁尾尖 - 皇帝殿東峰 - 天王峰 - 下橫坪山 皇帝殿山を不人気ルート経由で登り下る

皇帝殿天王峰、左遠くに前週歩いた二格山
かつての炭鉱の街石碇集落の上に聳える皇帝殿山は、砂岩が露出した稜線を有し、東峰山頂は大きな砂岩の塊である。南側からのルートは、石段道が整備されハイカーが多い。若い年代のハイカーも登り、岩塊の山頂でSNSで映える写真を写している。主要な登山道以外に、実は山塊の四方から続く道もある。こうした道は、交通の便や情報が少ないといったことで、歩く人が少ない。したがって、道の状態は良くなく草にふさがれたり、厄介な場所が多い。筆者は、過去数回皇帝殿山を訪れているが、まだ歩いてない道があった。去年、そうした道を含め聯合艦隊による道整備が行われた。ちょうど怪我をしたこともあり、すぐにはできなかったが、今回良い天気のもと、歩くことができた。

@下橫坪山(粗坑山)山頂
皇帝殿山は南側には崩山大崙とかなり高い高度でつながるが、それ以外は景美溪の支流である石碇溪や永定溪、またその支流に囲まれた独立の山塊である。また主稜線以外に、それから分岐するあるいは並行する支稜がある。そうした支稜などを行く山道、また山塊を越えていく電力送電鉄塔の保線路などがある。今回の登山は、まさにそのような道を経由しての登山である。東峰から天王峰への主稜線上では多くの登山者に出会った。一方、主稜線へのアプローチと下山のルート上では、他の登山者は全くいなかった。草刈りされてまだ一年未満なので、道の状態はかなりよいが、あと2年経てば今の登山者の通行量を考えると、ほぼもとの草に埋もれた道に戻るだろう。

東から西へ歩く
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藤寮坑バス亭で下車
今日は好天である。自宅を出てMRTで木柵に行く際にも、車窓から山々が見えた。木柵7:20発の795番バスで向かう。8時9分に藤寮坑バス停で下車する。今日は都合7名のメンバーだ。雙溪公路から右に分岐する道を行く。新しい橋の手前に以前の橋の基礎が残っている。只今歩いている藤寮坑溪をまたぐ橋は、実は一番古い橋である。橋を渡り右に西勢坑方向へ歩く。右に見える稜線の向こうに小霸尖の尖峰が頭を出している。

新しい橋とすでに橋げたをとる外して橋基礎だけの旧橋
皇帝殿石壩尖の稜線と頭を出す小霸尖
峯頭橋、背後遠くに峰頭尖
保線路を行く
更に舗装路を進み、8時41分左に玉桂嶺方向への道を分け、集落の間を進む。集落が切れたところで、右に峯頭橋を渡る。ここから高圧線鉄塔の保線路が始まる。この保線路と間に谷を挟んで、対岸に並行する古道があり、この道経由でも同じ石壁尾尖の支稜に上がれる。保線路は、幅が広く状態は悪くない。8時56分、左に尾根上の鉄塔へと登る道の分岐で小休憩をとる。

保線路をさらに進む
13年前の道標
新しいロープが架かるトラバース
保線路を引きつづき登り、9時15分古い道しるべの残る分岐を通る。さらに二、三分登り61号鉄塔で保線路は終わる。鉄塔の下をくぐると、山道が始まる。既に草が伸びているが、道筋ははっきりしている。すぐにまだ新しい白いロープが取り付けられた滑りやすい斜面をトラバースする。ボランティアは、実に多くのロープを取り付けている。道の勾配がきつくなる。9時30分、昨年7月日付の新しい道しるべがある分岐を通過。分岐する道は尾根を越えていく保線路だ。さらに急坂を登り、9時38分支稜の鞍部に着く。

去年の道標の分岐
たくさんのロープの急坂


鞍部分岐、先にここを登り石壁尾尖へ行く
石壁尾尖山頂
主稜線への坂を登る
消防局の警告板
皇帝殿東峰へは右だが、先に左に急坂を登り石壁尾尖を往復する。この勾配もかなり急で、ロープが長く続く。9時51分、樹木に囲まれた狭い山頂に着く。写真をとり、往路を下る。鞍部から登り返し、左に蝙蝠洞への道を分ける。勾配がきつくなっていく。道に倒木が重なり道を防ぐ。またいで反対側に回ると、この先は道がないので引き返すように、という地元消防隊の表示がある。東峰を訪れた経験の浅い登山者が、その先我々の歩いてきた道に入り迷わないように、ということなのだろう。実際、道の整備が行われていない状態であれば、おそらく困惑するだろう。

主稜線へ最後のひと登り

砂岩の露出する主稜線縦走路
更に急坂を二、三分上がりると、東峰へと続く主稜線に合流する。主稜線の道は、今まで数回歩いているが、多くの登山者が往来する良い道である。左に主稜線を登っていく。皇帝殿山の特徴である砂岩の露出岩を越えていく。登るにつれ、東峰が近づき、右側の開けた場所からは、峰頭尖とその向こうの平溪の峰々が続く。10時半、山頂の直下の木陰で休憩をとる。

峰頭尖が同じ高さに見える、前方には尖った小霸尖
砂岩の塊の東峰山頂
十数分の休憩後、東峰山頂へ登る。大きな岩峰の上には若いグループが写真を写している。撮り方によっては、かなり刺激的な写真も撮れるので、いわゆるインスタ映えを求めて訪れるハイカーもいる。岩峰の上には、まだ新しい山名金属板が据え付けられている。山頂の西端に立つと、これから歩く西峰方向の稜線や、西峰の左に下橫坪山へと続く枝尾根やその稜線上の小ピークも見える。
新しい東面山頂の銘板
山頂の様子
西峰を望む、左端には下橫坪山
天王峰へ進む
11時山頂を離れ、下り始める。登ってくるハイカーも少なくない。露岩セクションや二か所左に下る道を分け、11時37分天王峰山頂に着く。東峰や西峰に比べると、パッとしない山頂ではある。下り山頂下のベンチがある休憩広場で休みを取り、昼食をとる。食事をしていると、途中で追い越したハイカー達が通り過ぎる。

岩洞をくぐり抜ける

@天王峰山頂

天王峰下の休憩広場
食事後急坂を下る
岩をくりぬいた祭壇
長めの休憩後、12時15分下りはじめる。すぐ下の分岐で左にとり主稜線を離れる。天王廟へは稜線を進み別の分岐から下ることもできる。今回は、歩いたことがない山腹道を行く。かなりの急坂が谷間を進む。下ること10数分で、道は石畳の道になる。さらに行き、左に岩に穴を掘りぬき祭壇とした皇德神宮を見る。祭壇の中は神像はなく、皇德財神と記された石牌のみだ。野良猫がすぐ下で餌を求めて鳴いている。

野良猫が鳴いている
天王廟へ登る
石畳道は分岐に来る。手持ちの地図では、右にいってすぐ山道の入口があるようだが見当たらない。引き続き登り天王廟へ着く。ここには小商店があり、女将が休憩を勧める。メンバーはみな綠豆湯を食べ、休みを取る。時間はまだ12時40分だ。下橫坪山への道は、建物脇のガチョウや鶏を飼っている場所の奥にある、急な階段から始まる。女将は、ある日数十人が道整備をして出てきた、ということだ。

天王廟
建物の脇から登る
13:00,ガチョウ三羽が大きな声で鳴く脇を通り岩に刻まれた階段を登る。以前は何かに使われていたコンクリ製の建造物脇から急な稜線道が始まる。多くの部分に新しいロープが取り付けられている。もともとはシダ類植物が密生していた尾根上は、広く刈り取られている。ただ、すでにシダが生え始めているので、歩く人が少なければまたシダが密生するだろう。

急な尾根道

広く草が刈られた道にはシダが戻り始めている
小粗坑からの道
無名ピークを越し、下ってまた少し登る。13時25分、左に小粗坑から登ってくる道を合わせ、また稜線を登る。少し緩やかになりさらに進む。13時38分、下橫坪山山頂に到着する。樹木に囲まれた山頂は、草も刈られ気持ちがよい。今日の行程はあとは、下るだけだ。時間も早いのでゆっくり休む。メンバーがビールを取り出し、皆で飲む。

下橫坪山山頂
下橫坪山西南峰山頂
谷間の高速道路
岩の急な坂
14時18分、下橫坪山山頂から下り始める。稜線は広く草が刈られている。10分ほどの下りで分岐にくる。右に道が下る。そのまま尾根上を進み、ほどなく下橫坪山西南峰山頂にくる。ここも樹木に囲まれ展望はない。その先勾配がきつくなる。もともとかなりの樹木や草でふさがれていた場所も、きれいに刈り取られている。14時39分、左側がひらけ谷間を行く第5号高速道路や周辺の山峰が望める。山肌には白い花をつけた油桐樹が目立つ。

ここから稜線を離れて下る
岩脇の急
ちょっとした岩を下り、14時45分道は稜線を離れ右に下る。岩が切り立つ下に、細い急な道が下っていく。ちょっとしたギャップなどもあり、今日のルート中一番刺激的な場所だ。登りにとると大変かもしれない。引き続き急坂をくだり、15時舗装路上の登山口にでる。左に下って台106乙道路に出る。右に曲がって交通量が少なくない車道を行き、下橫坪バス停に着く。対面はちょうど馬告ソーセージを打っている店で、多くの客がいる。バスを待つこと約半時間、15時37分666番バスがやってきた。

登山口に降り立つ

666番バス
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天王廟のブルドッグ
歩行距離は約8㎞、登坂下降累計は、それぞれ約570m、560m、休憩込みで6時間50分であった。コース定数は20となる。登りは急坂が多かったが、道が良かったのでそれほどの苦労ではなかった。今回の山行で、皇帝殿山の登山道は、少しの部分を残しほぼ全部歩いたことになる。しばらくは再訪することはないだろうが、台北近くで面白いルートもあるので、台北の山に慣れてきたら訪れるのはよいと思う。


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