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西から東へ山越えして海岸へ |
台湾の東端は、三貂角(岬)である。この場所は、台湾の主要三大山脈のなかのひとつ
雪山山脈の北端でもある。山が海まで迫り、稜線からは海と山の雄大な風景が望める。台北から台湾国鉄で1時間半の地点であり、交通の便もそこそこよい。海側登山口も今は台湾好行のバスが通い、以前に比べ格段とアクセスが良くなっている。一方、山道については大部分が森の中を行き、この一帯に多いカヤが密生して道を塞ぐような地点も少ない。そのような理由で、登山ルートガイドとして、最近歩いたこのルートを紹介する。
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台湾島の最東地点 |
登山時期としては、盛夏はちょっと暑すぎるかもしれない。最適なのは、10月~11月、そして2月後半~4月ぐらいだ。秋にはススキの穂が風になびき、さらに風情を増す。冬は、台湾の東北一帯は季節風のために雨が多いので、天気が良ければ快適だが、日本からの旅行などの場合は、ぴったり合うのは難しいと思う。それは、九份が冬に雨天が多いのと、同じだ。台湾の極東地点の観光も含めて訪れるがよいだろう。
登山・訪問対象:
ルート
台鐵台北駅→(272次自強號や区間電車) →福隆駅 →北縣1号道(龜壽谷街)→(7分)→荖寮街→(20分)→荖寮街9之2號民宅→福卯古道(40分)→古厝遺址→福卯古道(15分)→峠分岐→(20分)→靈鷲山道場觀景台→(15分)→峠分岐→福卯古道南線(10分)→中南線分岐→(15分)→隆隆池→(45分)→內烘瀑布→(15分)→土地公→(15分)→卯澳登山口→台2線濱海公路・サイクリングロード(20分)→潮時間帶(20分)→馬崗→(30分)→三貂角燈塔,台灣極東觀景點→(25分)→台2線濱海公路脇馬崗バス停(馬崗三貂角燈塔バス停)→856台灣好行バス(黃金福隆線)→福隆駅或瑞芳駅 歩行時間約5時間15分(休憩含まない) 13㎞、コース定数20
福卯古道(隆隆古道)
濱海公路が開通する前、福隆と卯澳とを結ぶ道であったという。卯澳も隣の馬崗も漁港であり海を頼りに生活していた集落である。この道はそれらの集落との間で、必要物資や人の往来に使われた。東側は、峠から三つの道が分かれ、海岸へと降りている。そのうちの南線は、中でも一番長く、途中に滝や土地公祠がある。祠の周辺は、その昔は坑內溪の水を利用した棚田があった。また祠近くから、右に萊萊山から下る尾根を乗り越えて、海側萊萊集落へとつながる道が分岐する。
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廃屋の残る古道 |
靈鷲山無生道場雪山山脈が三貂角の海岸から始まるが、その最北端で隆隆山‐荖蘭山の山並みと萊萊山から灯台のある台地への二つの山稜に分かれる。
靈鷲山道場は、前者の荖蘭山に設けられた宗教の施設である。荖蘭山は、登山道があるが一般には開放されていないようだ。山頂には宗教の塔が建てられている。道場の住居や修行場などは開放されていないが、海が望めるところに大きな観音像が立ち、その一帯は展望台として開放されている。福卯古道からすぐに車道にでて、登りつめれば着く。
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靈鷲山道場、尖搭がたつ荖蘭山 |
卯澳漁港であるとともに、1970年代前までは坑內溪の水を利用し現在の濱海公路を挟んで棚田があった。当時は農業も漁業もその産業であった。その後自然災害や休耕で農地は荒廃し、現在では漁業だけが残る。100年以上の石屋なども現在に存在している。時間があれば集落に立ち寄るのもよい。
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卯澳、背後に三貂角燈塔のある岬と周辺の墓地 |
潮時間帶卯澳から馬港への海岸線にある、日本の鬼の洗濯岩のような形状の岩海岸である。干潮時には、広く姿を現し、その上を歩行できる。海岸の生物観察にも良い場所である。
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干潮時の潮時間帶 |
三貂角台湾島の最東に位置する岬である。既に上記にあるように、雪山山脈の突端でもある。そのすぐ下には馬崗漁港がある。三貂角の地名は、スペイン語のサンディアゴ(Santiago)がその起源という。17世紀20年代、フィリピンからやってきたスペイン軍船は、この地におとずれ、またその後ここに教会が建てられたという。日本統治時代の1929年と1932年に、この付近で船舶沈没事故があり、灯台が建設された。
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隆隆山山頂から見る三貂角燈塔方面 |
隆隆山
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