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2023-11-29

台湾登山ルートガイド :台湾島東端三貂角付近のハイキングルート

西から東へ山越えして海岸へ
台湾の東端は、三貂角(岬)である。この場所は、台湾の主要三大山脈のなかのひとつ雪山山脈の北端でもある。山が海まで迫り、稜線からは海と山の雄大な風景が望める。台北から台湾国鉄で1時間半の地点であり、交通の便もそこそこよい。海側登山口も今は台湾好行のバスが通い、以前に比べ格段とアクセスが良くなっている。一方、山道については大部分が森の中を行き、この一帯に多いカヤが密生して道を塞ぐような地点も少ない。そのような理由で、登山ルートガイドとして、最近歩いたこのルートを紹介する。

台湾島の最東地点
登山時期としては、盛夏はちょっと暑すぎるかもしれない。最適なのは、10月~11月、そして2月後半~4月ぐらいだ。秋にはススキの穂が風になびき、さらに風情を増す。冬は、台湾の東北一帯は季節風のために雨が多いので、天気が良ければ快適だが、日本からの旅行などの場合は、ぴったり合うのは難しいと思う。それは、九份が冬に雨天が多いのと、同じだ。台湾の極東地点の観光も含めて訪れるがよいだろう。

登山・訪問対象:

ルート
台鐵台北駅→(272次自強號や区間電車) →福隆駅 →北縣1号道(龜壽谷街)→(7分)→荖寮街→(20分)→荖寮街9之2號民宅→福卯古道(40分)→古厝遺址→福卯古道(15分)→峠分岐→(20分)→靈鷲山道場觀景台→(15分)→峠分岐→福卯古道南線(10分)→中南線分岐→(15分)→隆隆池→(45分)→內烘瀑布→(15分)→土地公→(15分)→卯澳登山口→台2線濱海公路・サイクリングロード(20分)→潮時間帶(20分)→馬崗→(30分)→三貂角燈塔,台灣極東觀景點→(25分)→台2線濱海公路脇馬崗バス停(馬崗三貂角燈塔バス停)→856台灣好行バス(黃金福隆線)→福隆駅或瑞芳駅 歩行時間約5時間15分(休憩含まない) 13㎞、コース定数20

福卯古道(隆隆古道)

濱海公路が開通する前、福隆と卯澳とを結ぶ道であったという。卯澳も隣の馬崗も漁港であり海を頼りに生活していた集落である。この道はそれらの集落との間で、必要物資や人の往来に使われた。東側は、峠から三つの道が分かれ、海岸へと降りている。そのうちの南線は、中でも一番長く、途中に滝や土地公祠がある。祠の周辺は、その昔は坑內溪の水を利用した棚田があった。また祠近くから、右に萊萊山から下る尾根を乗り越えて、海側萊萊集落へとつながる道が分岐する。

廃屋の残る古道
靈鷲山無生道場
雪山山脈が三貂角の海岸から始まるが、その最北端で隆隆山‐荖蘭山の山並みと萊萊山から灯台のある台地への二つの山稜に分かれる。靈鷲山道場は、前者の荖蘭山に設けられた宗教の施設である。荖蘭山は、登山道があるが一般には開放されていないようだ。山頂には宗教の塔が建てられている。道場の住居や修行場などは開放されていないが、海が望めるところに大きな観音像が立ち、その一帯は展望台として開放されている。福卯古道からすぐに車道にでて、登りつめれば着く。

靈鷲山道場、尖搭がたつ荖蘭山
卯澳
漁港であるとともに、1970年代前までは坑內溪の水を利用し現在の濱海公路を挟んで棚田があった。当時は農業も漁業もその産業であった。その後自然災害や休耕で農地は荒廃し、現在では漁業だけが残る。100年以上の石屋なども現在に存在している。時間があれば集落に立ち寄るのもよい。

卯澳、背後に三貂角燈塔のある岬と周辺の墓地
潮時間帶
卯澳から馬港への海岸線にある、日本の鬼の洗濯岩のような形状の岩海岸である。干潮時には、広く姿を現し、その上を歩行できる。海岸の生物観察にも良い場所である。

干潮時の潮時間帶
三貂角
台湾島の最東に位置する岬である。既に上記にあるように、雪山山脈の突端でもある。そのすぐ下には馬崗漁港がある。三貂角の地名は、スペイン語のサンディアゴ(Santiago)がその起源という。17世紀20年代、フィリピンからやってきたスペイン軍船は、この地におとずれ、またその後ここに教会が建てられたという。日本統治時代の1929年と1932年に、この付近で船舶沈没事故があり、灯台が建設された。

隆隆山山頂から見る三貂角燈塔方面
隆隆山
標高423mの三等三角点を有する山である。福隆駅近くからも、雪山尾稜の最終から二番目の山峰として間の福卯古道の峠を介して、その左の荖蘭山と並んでいる。そのすぐ近くの萊萊山にしても、この隆隆山にしても、その名前は中国語名としては少し異様なので、原住民の言語由来なのかもしれない。
荖寮街の橋上から見る山並み

コース概要:

台北を7時25分の自強号急行で出発すれば、1時間10数分で福隆駅に着く。駅前には、有名な福隆駅弁屋があるので、そのうちの一軒で弁当として買い求めるのも一興だ。現在は80元ぐらいだ。すでにプラットフォームでの販売はないので、下車した際に買い求められる。駅をでて、東に進む。貸自転車などがある前の道を進む。数分で、左に栳寮街へと曲がる。まもなく橋を渡る。橋上では、これから向かう福卯古道の峠である鞍部がぐっと落ち込んだ山並みが広がる。

自強號で福隆駅到着
福隆駅前、何軒か弁当屋がある
駅から龜壽谷街を進む
左へ荖寮街へ曲がる
道なりに進み、分岐から10分たらずで、左に細いコンクリ舗装に道が分岐する。道しるべはないが、マーカーリボンがたくさん取り付けられているので、すぐわかる。この道を進む。途中右のちょっと高いところに土地公祠がある。道わきに沢をみて進み、10分ほどで白い壁の民家を見る。建物の住所は荖寮街9之2號、まだしっかりしているがすでに移住したようで、人影はない。

荖寮街を進む
マーカーリボンがある入口
土地公
コンクリ舗装の道
荖寮街9之2號民家脇から土の道
土の福卯古道はここから始まる。民家のすぐわきに長い石段が始まる。登りきると道は緩やかになる。雪山尾稜のこちら側は、なだらかな斜面なので道もそれほど急坂ではない。坂の部分は、雨水でけっこう削られ溝になっている。民家から約40分ほどで、廃棄された本来頼家族の廃屋を見る。この廃屋はかなりの規模である。

長い石段
雨水に削られた道
途中で福隆湾が見える
登っていく

賴家古厝遺址
古道をさらに15分ほど登ると、峠に着く。ここは右に隆隆山へ尾根を進む道、またそのすぐ先に福卯古道の北線と中、南線が分岐する。左に登るとすぐに舗装路にでる。この舗装路を道なりに登っていくと、15分ほどで守衛所をすぎ靈鷲山道場の入口の大きな門を見る。門の左に大きな観音像が立ち、その前が展望台になっている。ここは開放されているので、立ち入ることができる。

台灣山菊の咲く道
枕木が敷かれている
峠分岐、右に隆隆山へ
すぐ舗装路に出る
舗装路を登る、背後は隆隆山
荖蘭山歩道は非開放
道場入口山門
観音像のたつ展望台

往路の舗装路を下り、峠分岐から古道中、南線を進む。山腹をトラバースしていく道は、10分ほどで左に中線を分ける。右に南線をとり進む。ほどなくまた右に稜線へと登っていく道を分け、隆隆池に着く。これは灌漑用に造られた人造池である。そのわきは平らなスペースがあるので休憩によい。池の周りを回れるようだ。また人口池なので、その出水口側には石積堤防がある。今は廃棄の状態なので、水はあまりない。

往路を下る

山腹をトラバースする古道
平らな古道
古道中、南線分岐、南線は右
隆隆池
それまで、ほぼ平らか少し下り気味であった山腹のトラバース道は、登りが現れる。山腹を15分ほど巻いていくと、枝尾根上にあがる。ここで大きく方向を換え、尾根上を進む。古道は、左の谷間に降りる。降りる部分から尾根上を行く道が伸びている。この先端には展望ができる場所があるが、その先はない。

坑內溪の源頭
古道の登りを行く
枝尾根上の分岐
枝尾根上の展望点
谷へと急坂をくだる。先ほどの山腹道で越した沢がまた現れる。ここからは、この坑內溪にずっと沿って進む。沢の上部を行く部分は結構急な坂が現れ、三回沢を渡る。石を積んだ土留壁の廃棄棚田も見る。三回目の渡渉のあと間もなく、岩が幅広く段差になって砂防ダムのように見える內烘瀑布を過ぎる。

谷へ下る
急坂が続く
廃棄棚田の石積土留壁
三回目の渡渉点
內烘瀑布
右下の谷はかなり下方になる。10分ほど左岸の道を行くと、また沢際におり谷が開けて平らになる。この一帯は、その昔は田んぼであった。さらに進むと土地公祠がある。脇には土地の団体が建てた説明板もある。土地公から先もしばらく沢はすぐ左下を行き、間もなく右に萊萊集落へと尾根を越して続く道が分岐する。

滝からさらに下る
沢はかなり下を流れる
沢が近づき、沢わきは平らになる
土地公と説明板
萊萊への分岐
また沢から高く進み、嶺頭仔と呼ばれる平地にでる。また説明板が立っている。ここから道は幅が広くなり、昔の用水路、棚田の説明板を過ぎて、濱海公路脇の登山口につく。道を渡って対面の道を行けば卯澳漁港へいく。馬崗方面は、濱海公路を右に進む。そのうちサイクリングロードが現れるので、大型トラックが頻繁に行きかう濱海公路脇でなく、サイクリングロードを進む。

沢沿いの道をさらに行く

嶺頭仔説明板
古道はすぐに終了
古道入口

サイクリングロードを進む

馬崗補給站入口
途中に馬崗補給站がある。トイレもあるので休憩するとよいかもしれない。その先すぐ左に海岸に降りる道を行き、海岸に降りる。そこが潮時間帶だ。筆者が訪れたときは満潮までまだ2時間ほどあったので、岩がまだ現れていた。長靴以外だと、時間によってはここを歩くのは靴が濡れる。

海岸線を歩く
釣り人も多い
少し潮が上がってきている
海岸で見た干上がったハリセンボン
海岸から道にあがり進むと馬崗漁港とその上の集落に入る。集落から右に濱海公路へ登り、渡って対面の遊歩道を登る。階段が続く道を15分ほど登ると灯台広場の一角にでる。落差は7,80メートルだ。すぐ左の道を行くと、極東展望台へと行く。灯台を見て回るのも良いだろう。同じ遊歩道を下り、濱海公路脇のバス停からバスで帰れる。856番バス以外にも緑19番台灣好行バスが宜蘭方面に出ている。石城駅あるいはその先の大里駅からも台北行の電車に乗り換えできる。

百年石屋
馬崗漁港
三貂角燈塔遊歩道入口、左にバス停(駐車場)
遊歩道階段
極東展望台
展望台からのパノラマ
アクセス:

上記コース概要でも触れているが、台北からは台湾国鉄の福隆駅へ電車がある。また馬崗からは856番バスで福隆駅、或いは緑19番バスで石城、大里駅などで台北行の電車に乗り換えできる。この記事執筆時(2023年12月)では電車は1時間か1時間半ごと、バスも同様な頻度である。最新情報は、ネットで確認ください。

装備:

一般日帰り装備で十分である。冬など季節によっては、雨が多いところでもあるので、雨具は必要。山中で日暮れにあうのは本来避けるべきだが、特に白昼時間が短い時などはヘッドランプは忘れずに。この古道は、政府などがメンテしている道ではないので、その点も考慮にいれて準備をしてください。道のメンテはボランティアによって行われている。もし、海岸に降りるのであれば、長靴でいったほうがよい。古道の沢渡渉は、増水時でなければ飛び石で渡れる。


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