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鐵砧山公園内にある台中の小百岳プレートの一つ |
筆者は、小百岳については機会があれば登る、といったスタンスでやってきた。北部の小百岳は近いこともあって意識しないうちに全部カバーしているが、その他の地区の小百岳はまさにそうしたチャンスがあれば登るという、ことでやってきた。今回も、
主要な3月24日の山登りの前に、立ち寄り登った。中部の小百岳で残っていた二座はカバーされ、これで中部については全部完登したことになる。
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3/23~24二日の登山対象 |
鐵砧山は、第三高速道路が大安溪を渡ったあとすぐ西側にある丘である。標高236mであるが、その上部はとても広く平らな公園になっていて、山という感じはあまりしない。そこそこの高度があるので、丘の端からは遠望ができる。日本であれば、城が建てらたような地形でもある。また、江戸時代近松門左衛門の国姓爺合戦の題材、鄭成功にまつわる故事や廟など、歴史人文も豊富だ。
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@暗影山山頂 |
一方、暗影山は台中盆地の東側を縁取る山並みにある、数座の小百岳の一座である。地理的には、
頭嵙山が近いが、途中には谷を挟み山塊としては別だ。標高は1000mを少し切る997mで、そこそこの高度がある。そのため、山頂から西側には前衛を山々の向こうに、台中の盆地もうっすらと確認できる。東南側の麓には、仙女溪という優雅な名前の溪谷があり、また仙女瀑布と名付けられた滝もある。
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9人乗りの車で出発 |
夜明け前の5時半に、9人乗りのシャトルカーで台北を出発する。今回は、メンバーの人数がそろったので、一台貸し切り二日間の行動の足とする。南下するにつれ夜が明け、7時少し前第三高速道路の苑裡インターチェンジで降りる。前方には上部が平らな鐵砧山が寝そべっている。近くのコンビニに立ち寄り、大安溪の橋を渡って、7時30分過ぎ麓につく。鐵砧山は上部まで道路が通じているが、我々は妙法寺の山門わき(標高約60m)から登り始める。
鐵砧山
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鐵砧山麓の妙法寺から歩き劍井へ降りる |
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地元民が犬を連れて散歩中 |
ここは、地元民の裏庭的な存在なのだろう、まだ早朝だが多くの人が散策している。丸石の階段や舗装された歩道を登っていく。台地の北側縁を近くを行く道を10数分進むと、広い公園の一部に入る。子供向けのあそび場や、涼亭、展望台などがある。展望台に上ると、北側に開けた苑裡やその向こうの通霄が広がっている。一月に訪れた
通霄の虎頭山が、発電所の三本煙突近くに立ち上がり、東方向へ伸びていく。視線をさらに東側に向けると、
火炎山から北へと続く山並みが、平地の縁を構成している。
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台地北縁の道を進む |
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@鐵砧山展望台 |
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展望台からのパノラマ |
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公園内モニュメントの一つ |
公園の中を横切って進む。様々なモニュメントや、石像、また鐵砧山と記された風車もある。自由時間を設け、メンバーはそれぞれに散らばる。一部のメンバーは、少し離れたところにある三角点を見に行った。8時50分、皆集まり下り始める。公園の柵には当座を含めた、台中の小百岳のプレートが並べて取り付けてある。
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公園内の広場 |
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別角度からのパノラマ、下に第三高速道路が見える |
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鄭成功石像 |
下ってい行き、鄭成功の石像を見る。さらに下って鄭成功を祭る國姓廟を通り、その下の劍井へと降りる。伝説では、この地に来た鄭成功は、その軍隊人馬が水がなく苦しんでいたところ、ここで剣を地に指すと泉が湧き出た、という。今日では、その井戸とその上の碑や説明など、観光スポットになっている。
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劍井 |
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ここで乗車 |
9時半過ぎ、劍井近くで車に乗車し、次の目的地台中市新社區にある暗影山へと向かう。車は大安溪沿いに進み、その後第一高速道路から第四高速道路、そして台中市街の東側を行く第74号快速道路とつないでいく。2,3年前に訪れた時にはまだ工事中だった第四高速は全線開通し、このようにスムーズに台中市街地をバイパスして進めるようになっている。
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左の大安溪の堤防に沿って進む |
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高架快速道路を降りる、周辺は住宅建設中 |
太平ジャンクションで高架道路をから下り、山中へと入っていく。11時20分ごろ、前方に暗影山の姿が現れてくる。暗影山は、山頂付近はかなり尖った形状である。登山口はいくつかあり、最短なのはその北稜を鞍部から登る道である。多くの登山者は、このルートで登るようだが、我々は別の長い道を行く予定である。11時35分、仙女瀑布へと続く道の入口で下車する。
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前方に暗影山が近づいてくる |
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ここで下車 |
暗影山 |
先に仙女瀑布を訪れその後登山 |
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沢を渡り対岸へ登り返す |
支度をして谷に向かい進む。車道が切れると山道になる。右にその昔は続いていたはずの道は大水で破壊され、今は当時の沢水を通していた大きな土管が、半壊状態で残っている。水量が多くない沢を渡り、本来の道へと登り返す。3,4分下ると、仙女瀑布へと下る入口にくる。入口には、危険なので泳ぐなと警告している。今まで7人が死亡したとある。ロープが付けてある急坂を下ると、そこが滝の上部だ。
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滝へと進む |
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滝入口の警告板 |
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仙女瀑布上部から滝つぼを望む |
滝は下部に大きく深い滝つぼがある。深緑の水面下は、暗流があり危険だという。またその仙女の名に似合わず、足を引っ張る妖怪がいるという伝説もある。我々は滝の上部で昼食をとる。ちょうど前後して、外国の若者三名がやってきて、滝つぼ上部の岩へと登っていく。中部の陽射しは強いが、それほど暑さは感じない。水際だからだろうか。
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滝うえで休憩 |
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沢へ降りる |
30分ほどの食事休憩後、往路を戻る。沢を渡って、右に草の間の道を行く。この道は途中で山腹に取りつき、暗影山南稜へと登っていく道へと続く。大水でこの付近の地形は影響を受けたようで、梯子やロープが取り付けられて、山壁ぎりぎりに進んでいく。数分進むと、損壊した道路ががある。どうやら本来は、沢沿いに下って仙女瀑布へと続く道が開かれていたが、ある時の大水で壊滅的な被害を受けたようだ。
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山壁際を行く |
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損壊した車道 |
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また山道を行く |
かろうじて少しだけ残っている車道は、またすぐに途切れて細い山道となる。13時少し前、車道に換わり間もなく、左に東南稜登山口がある。木製の道標が入口に取り付けられている。歩く登山者多くないようだが、道筋はまずまずで、迷いよけにロープがその勾配などにかかわりなくずっと続いている。勾配はかなり急で、高度を稼いでいく。登ること約20分で、すこし平らな場所に着き、休憩をとる。汗がしたたる。
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東南稜登山口 |
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迷いよけロープが続く |
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急坂を登る |
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小休憩 |
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急坂が続く |
急坂は相変わらずだ。そのうち人工の石積みが現れ、13時51分檳榔林の下にでる。そのすぐ上には農作業用の幅広い道がある。左にとって道なりに進み、作業小屋を過ぎて、また山道となる。14時7分、稜線上につき南稜道と合流する。
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檳榔林の下に出る |
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檳榔林の道と上に作業小屋 |
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稜線に登りついた |
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山頂目指して最後の急坂 |
ここからは、稜線上を進む。最後の急勾配部分を過ぎ、左からの道を合わせて間もなく、14時50分山頂についた。三角点のある山頂は、周囲にはベンチが設けられ、水タンクも取り付けられている。地元民がこうした造作や水の供給をしているようだ。
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山頂直下で左からの道を合わせる |
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暗影山山頂 |
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山頂から台中市街方向へのパノラマ |
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山頂の筆者 |
山頂は西側が開けて、展望ができる。ただ午後のこの時間帯は、光線や空気中水蒸気のためか、台中の街なみまでは見えない。当座の名前は、西側の集落から望むと、光線の具合で黒く影のように見えるから名付けられたといいう。 |
下ってすぐ右にトイレ |
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下りも急坂 |
15時13分、北稜を下り始める。すぐ下にトイレがある。こちら側の道もかなり急坂だ。15時24分、登山口についた。活動時間は、休憩も含め約4時間、上昇約580m、下降130m、距離は約4㎞である。コース定数は14となる。
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北稜登山口 |
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車で山を下る |
この北稜登山口から登れば、それこそ30分で登頂できるだろう。ただそれなりの登山としては、今回のような歩き方も面白い。我々の車は、まだ来ていない。連絡を取ると、別の場所に向かったようで、やってくるのを待つ。半時間ほど待ち、16時に車で下り始める。
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それぞれテントを設営 |
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施設内の食事テーブル |
今日は、近くの露営民宿
(賞螢觀溪渡假村)で夜を過ごす。20分足らずで到着した。3,4棟の小屋とその前の芝生では野営ができる。今回はテントを持参し、設営する。食事は、この施設内の野外テーブルや、また備え付けのコンロ、食器などを使用して対応する。それほど大きな施設ではないが、週末だけ経営するという家族はとても対応が良かった。テント設営は、その衛生費として一人当たり300元であった。20時過ぎには就寝した。
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