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2025-09-29

2025年9月21日 非官製登山道から紗帽山を登る

網のように巡らされた紗帽山の非官製山道

今回は、紗帽山だけを対象とした登山である。このような目的で紗帽山だけを訪れたのは、もう十数年ぶりだ。先週(9/14)に七星山を非官製山道から登った時に、本来紗帽山も同じように非官製山道で登るつもりであった。しかし、登山口に行ってみると七星山の非官製山道に比べると、最近に開かれたもののようで、その時の時刻がすでに15時近かったこともあり、改めて訪れることにした。当山行はそれを実行したものだ。

紗帽山山頂(メンバー撮影)

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今回の活動軌跡図

台北の9月はまだ暑い。標高600m代の紗帽山をそのふもとから登るとすると、かなりの暑さに苦労する。そのため、朝7時半に麓の天母に集合だ。天母は、その昔から外国人が比較的多く住む場所で、日本人学校やアメリカンスクールがあるため、日本人も多く住んでいる。この山行を、一週間前に公開したときは同行者はほんとどおらず、十数年前と同じに一人で登ろうかと思っていたら、その後多くの参加者があり筆者を入れて17人のパーティとなった。

半嶺產道から望む紗帽山、このすぐ先で右に猴洞圳へ

7時40分、歩き始める。坂に広がる天母の住宅地を抜け、半嶺產道を登っていく。この道は今まで何度も歩いてるが、下りがほとんどあった。登りにとると、その勾配を感じる。前方が開け、大屯山やその西峰や南峰が谷の向こうに連なる。回り込んでいくと、今度は目的の紗帽山が高い。道が森に入るところで、右の細い道を登り猴洞圳へ上がる。この水路はまだ使用されているが、水溝ではなく太い塩ビパイプに取り替えられ、半分地中に埋められている。山襞にそって細い道を10分足らず行くと、塀が現れる。塀の反対側は、一般山道として使われているが、我々が歩いてきたところは一応非開放なのだろう。塀を越し、石段道を半嶺產道へ下る。橋を渡った涼亭では、吹奏楽器の練習をしている。

塩ビパイプに置き換えられた猴洞圳用水路
用水路から降りて沢を渡る
涼亭で吹奏楽器を練習中
半嶺吊橋

右の舗装路を登る。その突き当りから山道が始まる。すぐにまだ新しい半嶺吊橋を渡り、さらに登っていき、分岐を左にとって市景平台へと進む。この展望台はその名の通り、台北の街並みを展望できる。最近は、空気が澄んでいることが多い。台北盆地を囲む山の向こうには、目を凝らすと遠くは竹東の鵝公髻山、苗栗の加里山鹿場大山(樂山)などの山々が判別できる。さらに左端には、なんと雪山主峰と北稜角も見えるではないか!歩き始めて約1時間、休憩をとる。

石段道を登りつめて左へ
紗帽山が近づいてきた
市景平台からのパノラマ
市景平台
住宅の間の急坂を登る

休憩後、先ほど紗帽山の中腹に見えていた住宅地の間の急な坂を登る。親山步道である半嶺歩道にでて、石階段を登る。車の往来が多い紗帽路を渡り、さらに少し階段を登りつめ、車道にでて右に少し行く。そこが橫嶺古道入口の駐車場である。ここは紗帽山直下の麓になる。小休憩をとる。気温は28度、360メートルほどの高度になるので、地上よりは少し涼しいか。



石段道を登る
橫嶺古道入口のサイン

移動式トイレや駐車場のある古道入口

9時18分、いよいよ紗帽山を縦横につけられた非官製山道に取り付く。地図上には、紗帽山の斜面を上中下の三段にぐるっと回る道と、それをつないで上下に登る道が数本ある(巻頭の地図参照)。これらは、一部その昔に農作業などのために設けられた道を除き、ボランティアがつけた道のようだ。道の状態がわからないので、とりあえずその場に行き、状態をみて進むことにする。できるだけ多く歩く目的で、下段のトラバース道をまず目指す。

石段道、右は廃棄された棚田のようだ
ここから下段トラバース道に入る

橫嶺古道に入ってすぐ右に道が分岐する。この道はよく歩かれている道で、そのうち左に曲がり、階段を登る。道の右側は廃棄された棚田のようだ。階段を登る途中で、左に細い踏み跡が始まる。下段トラバース道である。この道をとって進む。踏み跡はあるが、頼りないものだ。トラバースと言っても、そこそこの上り下りを繰り返す。急な坂にはロープが取り付けられている。20分ほど進み、そこから上に登る道に入る。

まだこなれていない踏み跡
ロープが取り付けられている

上り下りが続く


中段道へ登る

少し南に戻るような形で高度を上げる。10時19分、中段トラバース道に着き、左にとって北方向に進む。この道も同じような頼りない踏み跡である。西北稜と名付けられた道の分岐を過ぎ、回り込むにつれ下方から車の音などが聞こえてくる。樹木を通して、対面に七星山の斜面が見える。山頂は雲に隠れている。10時40分過ぎに、右へ分岐する道をとり、登っていく。十数分登ると、上段のトラバース道と合流する。その地点で小休憩をとる。







中段トラバース道
木々の向こうに七星山
上段へと登る
上段道分岐付近
上段道

上段道を少し西方向へ進む。先ほどの西北稜の道と合流、左にとって少し進むとカヤの中を行き、11時28分ひょっこり石畳の官製歩道にでた。そこで休憩していたハイカーは突然草の間から現れた我々に少し驚いている様子だ。石段道を左に少し行くと、紗帽山山頂だ。休日の今日はハイカーが多い。昼食を終え、別の非官製道で下ろうとしたとき、突然大雨が降り出した。近づいてきた樺加沙台風の影響である。まだにわか雨であるが、パーティ人数も多いので、予定を変更官製歩道で下ることにする。12時20分、陽明山前山公園わきに降りついた。歩いた距離6.3㎞、休憩を含んで約5時間、累計で630mの登攀である。




カヤの脇を登る
官製石畳道が見えた


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紗帽山という初級コースの山でも、飽き足らない登山者は、こうした道を開いている。それはそれで、面白い歩きを提供してくれる。今回は、天候のために歩かなかったほかのルートを、別の機会の訪れるつもりだ。

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