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2025-12-17

2025年12月14日 坪林火炎山主峰~仁里坂山縱走 ”山椒は小粒でもピリリと辛い”

火炎山東峰山頂
台北の水がめとでもいうべき翡翠水庫は、北勢溪を堰き止めできたダムである。そのダムの北側の山々は、その山腹を北宜公路が走っておりアクセスは比較的簡単だが、南側は坪林から金瓜溪にそって進む道からのアクセスになる。幸いF722新巴士がこのルートを走っており、一般交通機関利用でも訪れることができる。今までに、金瓜溪谷間の両側に連なる山々は、何度か訪れているが、その中で残っていたのが今回縦走した部分である。北面がダム湖水に面している山々は、烏來の奥にある桶後溪に沿った山から分岐して、ダムにそってずっと東に延びる尾根上にある。具体的には、九芎根山芋園尖,火炎山の南、主、東峰そして最東端の仁里坂山である。
金瓜溪の谷間から縦走し、坪林へ
今回の山行のきっかけとなったのは、藍天隊による上記山々の山道整備である。11月終わりから何度かこの地で、順繰りに整備を行っている。それを知って山行を決めた。対象は、未踏の部分である。実はその10年ほど前に芋圓尖から火炎山主峰まで歩いた時は、一気に仁里坂山まで行くつもりであったが、暑さに閉口して諦め、そのままであった。その後山道はまた草に埋もれていたが、今回の道整備のおかげで実行できた。仁里坂山を下った後は、北勢溪沿いのサイクリング道也遊歩道を歩き、坪林へ戻った。火炎山から仁里坂山登山口への間は、4㎞足らずと距離は短いが非常に狭い痩せ尾根や、梯子がかかる急坂が現れ、まさに”山椒は小粒でもピリリと辛い”縦走路であった。
北勢溪沿いの歩道にて。背後は坪林三星の山々
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9028番バスで坪林國中バス停に到着
久しぶりに大都會客運9028番バスで坪林へ向かう。坪林へのバスは、他に923番や緑12番があるが、最も速いのが9028番である。7時に大坪林バス停を出ると間もなく高速道路に乗るので、30分ほどで到着した。ただ、9028番バスは宜蘭方面に向かうバス路線で、すべての便が坪林に立ち寄るわけでない。7時半に坪林國中バス停で8時発車のF722バスを待つ。対面のバス停に視線を向けると、山道整備で来ていた藍天隊の江隊長が作業前の集合で立っている。道を渡って挨拶する。
F722バスで鐵馬新樂園に到着
遊歩道を歩き、新城坑產道の分岐へ
F722番バスは時刻通り8時に発車する。乗客は我々の他2,3人、この時刻のバスは冬という季節も関係しているのか少ない。8時13分に鐵馬新樂園バス停に到着、自家用車でやって来た2人が合流し、我々8人がそろい8時20分歩き始める。車道わきにはずっと遊歩道が続く。昨日までの雨で路面は濡れているが、天気は大丈夫だ。数分歩き、右に新城坑產道へと曲がり登り始める。はじめは緩い坂も、次第に勾配を上げ、歩いて約25分1.5Kサインをみると二、三カ所のヘアピンカーブで高度を大きく上げる。最高部の茶園を過ぎると、舗装路は草に覆われ、9時7分に登山口に着いた。

ヘアピンカーブを登る
だいぶ高度が上がってきた
前方左に登山口
急坂を登る
この登山口は、以前歩いた時はなく、おそらく藍天隊が切り開いたものようだ。急斜面を登り、9時12分に稜線上の分岐に着く。地図上ではこの近くから火炎山北峰への道が分かれるが、すっかり草に覆われまったく道筋がわからない。9時19分、火炎山主峰(標高545m)に到着。写真を撮った後、東峰へと進む。少し下って右に道を分岐する。前回はここから下った。左に尾根を追って東峰へ進む。痩せ尾根やかなりの急勾配がある。ロープはないので慎重に進む。湿った土の路面は滑りやすい。9時56分、草が広く刈り取られた火炎山東峰(標高520m)に登りついた。休憩をとる。
古びた火炎山北峰への道標

火炎山主峰山頂

急坂を下る
岩の露出した痩せ尾根

東峰へ最後の登り
東峰山頂
はじめは緩やかな尾根

尾根道は東峰から基本下りになる。勾配のきつい坂も現れる。マシダの部分は、まだまだ踏み跡が固まっていない。途中で登ってくる単独登山者とすれ違う。10時35分、右に下り道を分け、尾根をさらに進む。途中で左にダムの湖面が見えるところがある。かなり痩せた尾根をこえる。尾根の左右は切り立ち、左はダム水面へ落ちる。登って、鉄製梯子の急坂を下る。梯子はまだ使えるが、踏板がだいぶ腐食している。11時3分、狭い仁里坂山山頂(標高449m)に着いた。まばらな樹木を通してダム水面や対岸の山々が見える。

急な坂
単独登山者とすれちがう

シダの間の道
湖面が見える
赤色の鉄梯子を下る

両側が切り立った痩せ尾根を行く
岩のギャップ
仁里坂山山頂
山頂のすぐわきから急勾配
休憩後、すぐに急坂を下る。上から見るとほぼ垂直に切れている坂は、鉄製梯子や太いロープが取り付けられている。ロープは取り付けられてから、だいぶ時間が経過しているようだが、まだ大丈夫だ。二段の梯子を下り、ちょっと踊り場的な場所を過ぎてさらにもう一つの梯子を下る。このセクションが、今日の縦走中最大の難所だ。藍天隊の江隊長から登りにとった方がよいと提言があったがうなづける。幸いメンバーは経験者なので無事通過する。
一段目の梯子
二段目
三段目
捨てられたバスタブ、水槽に代用
仁里坂山から下ること約40分、尾根上に桶や捨てられたバスタブがある。これらは茶畑が以前あったことを示しているようだ。方向を換えた尾根上からは、仁里坂山の三角ピークが顕著だ。尾根は小さな登りを繰り返し、次第に高度を下げていく。左側の湖面も多く見えるようになる。ところどころ、左右が切り落ちた痩せた尾根もあり気は抜けない。12時18分、尾根を越えていく峠道との分岐に来る。仁里坂山山頂から約1時間だ。左にとり、数分くだって舗装路に降りる。これで山歩きは終了だ。道脇で昼食休憩をとる。
仁里坂山をかえり見る
湖面が見える道
まだ気は抜けない痩せ尾根

後ほど行く仁里坂橋などが見える


登山口
金瓜寮產道との分岐、左に進む
20分ほどの休憩後、坪林へ向けて歩き始める。朝バスで通過した金瓜寮の道に合流し、左に進む。F722バスがやってきて通り過ぎていく。仁里坂橋の袂からサイクリングロードが始まる。平らな公園状の場所を過ぎると、道は川沿いを行く。そのうち眼前には、緩やかに流れる水面の向こうに坪林三星の山々が控えている。土地公廟の分岐は左にとって川沿いに進み、橋を渡る。その先は親魚步道と名を換えた川沿いの道だ。13時45分、吊橋を渡って北宜公路に出て右に歩き、13時54分坪林バス停についた。待つことほんの数分で14時発の923番バスで新店経由し、帰宅した。
仁里坂橋の袂から右にサイクリングロードを歩く
川沿いのサイクリングロード
サイクリングロードから見る坪林三星の山々


坪林吊橋
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登りは累計で470mほど、距離は10㎞近くあるが、その半分近くは平坦で、本当の山道は4㎞足らず、体力的にはそれほどきつくない。休憩を含んで約5時間半の行程であるが、上記にあるようにそれなりの経験がないと、戸惑う場所がある。補助のロープなども少なく、経験者向けのルートである。しばらくは、登山者が訪れ道の状態もよいが、その期間を過ぎると、途中にはカヤやシダが繁る部分もあり、歩くのは苦労するだろう。


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