 |
| 火炎山東峰山頂 |
台北の水がめとでもいうべき翡翠水庫は、北勢溪を堰き止めできたダムである。そのダムの北側の山々は、その山腹を北宜公路が走っておりアクセスは比較的簡単だが、南側は坪林から金瓜溪にそって進む道からのアクセスになる。幸いF722新巴士がこのルートを走っており、一般交通機関利用でも訪れることができる。今までに、金瓜溪谷間の両側に連なる山々は、何度か訪れているが、その中で残っていたのが今回縦走した部分である。北面がダム湖水に面している山々は、烏來の奥にある桶後溪に沿った山から分岐して、ダムにそってずっと東に延びる尾根上にある。具体的には、
九芎根山,
芋園尖,火炎山の南、主、東峰そして最東端の仁里坂山である。
 |
| 金瓜溪の谷間から縦走し、坪林へ |
今回の山行のきっかけとなったのは、藍天隊による上記山々の山道整備である。11月終わりから何度かこの地で、順繰りに整備を行っている。それを知って山行を決めた。対象は、未踏の部分である。実はその10年ほど前に芋圓尖から火炎山主峰まで歩いた時は、一気に仁里坂山まで行くつもりであったが、暑さに閉口して諦め、そのままであった。その後山道はまた草に埋もれていたが、今回の道整備のおかげで実行できた。仁里坂山を下った後は、北勢溪沿いのサイクリング道也遊歩道を歩き、坪林へ戻った。火炎山から仁里坂山登山口への間は、4㎞足らずと距離は短いが非常に狭い痩せ尾根や、梯子がかかる急坂が現れ、まさに”山椒は小粒でもピリリと辛い”縦走路であった。
 |
| 北勢溪沿いの歩道にて。背後は坪林三星の山々 |
----------------------------
 |
| 9028番バスで坪林國中バス停に到着 |
久しぶりに大都會客運9028番バスで坪林へ向かう。坪林へのバスは、他に923番や緑12番があるが、最も速いのが9028番である。7時に大坪林バス停を出ると間もなく高速道路に乗るので、30分ほどで到着した。ただ、9028番バスは宜蘭方面に向かうバス路線で、すべての便が坪林に立ち寄るわけでない。7時半に坪林國中バス停で8時発車のF722バスを待つ。対面のバス停に視線を向けると、山道整備で来ていた藍天隊の江隊長が作業前の集合で立っている。道を渡って挨拶する。
 |
| F722バスで鐵馬新樂園に到着 |
 |
| 遊歩道を歩き、新城坑產道の分岐へ |
F722番バスは時刻通り8時に発車する。乗客は我々の他2,3人、この時刻のバスは冬という季節も関係しているのか少ない。8時13分に鐵馬新樂園バス停に到着、自家用車でやって来た2人が合流し、我々8人がそろい8時20分歩き始める。車道わきにはずっと遊歩道が続く。昨日までの雨で路面は濡れているが、天気は大丈夫だ。数分歩き、右に新城坑產道へと曲がり登り始める。はじめは緩い坂も、次第に勾配を上げ、歩いて約25分1.5Kサインをみると二、三カ所のヘアピンカーブで高度を大きく上げる。最高部の茶園を過ぎると、舗装路は草に覆われ、9時7分に登山口に着いた。
 |
| 古びた火炎山北峰への道標 |
 |
| 東峰へ最後の登り |
 |
| 東峰山頂 |
 |
| はじめは緩やかな尾根 |
尾根道は東峰から基本下りになる。勾配のきつい坂も現れる。マシダの部分は、まだまだ踏み跡が固まっていない。途中で登ってくる単独登山者とすれ違う。10時35分、右に下り道を分け、尾根をさらに進む。途中で左にダムの湖面が見えるところがある。かなり痩せた尾根をこえる。尾根の左右は切り立ち、左はダム水面へ落ちる。登って、鉄製梯子の急坂を下る。梯子はまだ使えるが、踏板がだいぶ腐食している。11時3分、狭い仁里坂山山頂(標高449m)に着いた。まばらな樹木を通してダム水面や
対岸の山々が見える。
 |
| 急な坂 |
 |
| 単独登山者とすれちがう |
 |
| シダの間の道 |
 |
| 湖面が見える |
 |
| 赤色の鉄梯子を下る |
 |
| 仁里坂橋の袂から右にサイクリングロードを歩く |
 |
| 川沿いのサイクリングロード |
 |
| サイクリングロードから見る坪林三星の山々 |
 |
| 坪林吊橋 |
-----------------------
登りは累計で470mほど、距離は10㎞近くあるが、その半分近くは平坦で、本当の山道は4㎞足らず、体力的にはそれほどきつくない。休憩を含んで約5時間半の行程であるが、上記にあるようにそれなりの経験がないと、戸惑う場所がある。補助のロープなども少なく、経験者向けのルートである。しばらくは、登山者が訪れ道の状態もよいが、その期間を過ぎると、途中にはカヤやシダが繁る部分もあり、歩くのは苦労するだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿