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2011-09-10

9月8日 陽明山 絹絲瀑布 - 竹篙山 - 七星山 を歩く


七星山と擎天崗は、前回5月末に行った後、久しぶりで登った。台北市内の天気はそこそこ晴れているが、山の上はガスが発生し、残念ながら前回のような景観はなかった。ただ、陽明山の山道は、国家公園管理下であるだけに、よく整備されていて歩きやすい。霧がでても迷うようなことなく、安心して歩ける。もちろん整備されていない、公認以外の道もあるが、一人で行くにはすこし冒険なので今のところは未知だ。

陽明山は台北の北側
ルート図(クリックで拡大)

今回の登山ルートは、絹絲瀑布から擎天崗に登り、竹篙山へ往復した後、七星山を超え、小油坑から陽金公路に並行する人車分道を陽明山まで下った。冷水坑から七星山頂上までは、前回歩いたが、それ以外ははじめてである。5月に歩いた部分も方向は、前回と反対である。

菁山小鎮 絹絲瀑布步道入口
MRT劍潭駅から小15番のバスで、絹絲瀑布歩道の入口がある菁山小鎮へ向かう。今日は特別なのか、年長者団体数十人が行列をなして小15番バスを待っている。740分、バスは来たが小型バスに乗りきれない。そうこうしているうちに席が埋まると、次のバスを待つ人がでてきたので、立ち席だがこのバスにのる。バスは満員で出発。途中のバス停では乗りのこしの乗客もでた。途中道が混雑しているところもあり、50分かかった。すしづめのバスをやっとの思いで降りる。ここで降りたのは、自分も含めて4名だけ。他の乗客は冷水坑や終点の擎天崗まで行くのだろう。

絹絲瀑布步道
菁山小鎮から冷水坑方向を望むが、霧のなかで見えない。絲瀑布歩道はバス停からすこし上に向かって歩くと、右側に石台と表示があり、すぐわかる。8時半過ぎに歩き始める。歩道は、はじめはほとんど水平である。コンクリ、石、土の道が続く。脇の溝にはきれいな水が流れている。この流れは日本統治時代に造られ、付近の農業生産に貢献したそうである。この溝が道から外れて下のほうにいくと、登りが始まり、まもなく絹絲瀑布についた。この滝は、囲いの奥に落差20mぐらいだろうか、細く流れ落ちている。周りは木が多く茂り、よく見えないのが残念だ。

絹絲瀑布
滝のわきで4人体操をしている。ここからもしばらく登りが続く。右側にはこずえを通して向こう側に、あとで登る竹篙山がそびえている。雑木林の道が切れると、背の高い草の道になり、まもなく冷水坑人車分道と合流する。ここは5月に歩いたところである。菁山小鎮から約1時間で擎天崗の草原にでた。前に比べると、草がところどころ茶色に枯れている。風もヒンヤリしている。ここはそろそろ秋が到来してはじめている。

道端に群生する水鴨脚秋海棠
牛がのんびりと草を食んでいる、変わらない風景だ。草原の道を竹篙山に向かって登る。はじめは擎天崗回遊路で、トーチカのある丘を登りきると右に竹篙山に分岐する。10時すこし前に標高830mの頂上についた。ここからは、七星山や前回歩いた風櫃口への山並みなどを展望できることを、期待していたのだが、七星山は半分雲の中、頂山などは見えるが、その先海側にあるべき山などははっきりしない。頂上にはトーチカがある。数十年前の緊張した時代は、ここは軍事要地だったのだ。

擎天崗草原 背景の山は七星山

トーチカのある竹篙山山頂
竹篙山からは、内寮古道が尾根を下っていくとういことだが、国立公園の管理対象歩道ではなく、それらしい踏み跡はあるが、歩くとしたらそれなりの準備が必要だろう。整備されている金山側の魚路古道と対になる道だそうだが、整備されていないのは残念だ。これは、環境保護の意味もあるのだろうか。

今来た道を戻り、擎天崗ビジターセンターを過ぎる。ここから舗装路を冷水坑へ向かって歩く。途中雍來廃坑跡を通り過ぎる。1993年までこの地で操業していたそうだ。さらに下り、冷水坑につく。ここには温泉の建物がある。温泉の脇に夢幻湖へつづく、人車分道の入口がある。これから登る七星山は全体の姿が見えてきた。頂上につくまで、この状態ならばよいのだが。

夢幻湖と台湾水韮
冷水坑から100mぐらい登り、向かいの七股山と同じぐらいの高さになると、展望台があり、このすこし先でコンクリ舗装路と合流する。さらに、この舗装道をすこし行くと、夢幻湖についた。湖は水が干上がっており、湖らしくないが、湖面には水草がおいしげっている。台湾特有でここにしか生息しない「台湾水韮」という植物である。前回七星山頂上から見たときは、水があったが、最近天気がよいので蒸発してしまったのか。奥にそびえる七星山は、だいぶガスがかかってきて、夢幻の雰囲気はすこし出てきているが、残念ながらおよそ湖の感じではない。ここで休憩、食事とする。時間は1120分。

七星山東峰頂上
20分ほど休み、腹ごしらえもでき、いよいよ七星山東峰へ向けて300mの登りをはじめる。舗装路を歩いていき、前回は下った来た七星山登山道と合流する。登りはじめて30分ほどするとガスがまいてきて、遠景はほとんど見えない。1210分過ぎに東峰頂上についた。温度計が道しるべに固定されている。28度を示している。何も見えないので、そのまま下り主峰を目指す。主峰へは、12時半に到着。多くの登山客が頂上で休んでいる。前回もそうだったが、大型のスズメバチが多く飛び回っている。

七星山主峰からの下り
小休憩のあと、小油坑へ下り始める。ここからは、はじめて歩く登山道となる。高く茂った孟宗竹をきれいに刈ってある山道を下る。下って15分、展望台につく。このすこし前に、金露天宮へ下っていく道が分岐する。この道は、やはり国立公園の管理下ではなく、整備状況はよくない。孟宗竹の間を押し分けて下っていく登山客がいるようで、竹がこすれる音が聞こえてくる。

七星山から小油坑への下り途中 硫黄が吹き出ている
展望台から振り返ると、七星山主峰のガスがはれて頂上にいる人が見える。麓の側はガスのために、はっきり見えない。そこそこにまた下り始める。頂上から約半分ぐらいのところで、硫黄ガスが吹き出ている場所にきた。さらに下ると、硫黄ガスがところどころ吹き出ている谷の上部につく。陽明山は火山であることを思い出させてくれる。硫黄のにおいが強い谷あいを下っていくと、小油坑の駐車場、ビジターセンタについた。ついでに、硫黄噴出孔の見学台へ立ち寄ってみていく。

小油坑のガス孔、七星山歩道は崖の左肩上を行く
陽金公路からこの小油坑駐車場へは、車道があるが、それとは別に歩道(人車分道)が造られている。この歩道を下り陽金公路へつく。駐車スペースや108番バスの停留場もある。若いころ車やバイクで何度か来たこともある。ここから、陽明山まで下る約5kmの人車分道がスタートする。下り始めるまえにすこし休憩する。

苔むした陽金人車分道
2時少し前に下り始める。この人車分道は、車道と平行して走る道である。車道とは近いところもあるが、離れたところでは車の音も聞こえない。国立公園管理下なので、整備はしっかりされている。前半竹子湖までは、あまり歩かれていないようで、石畳の道は苔むしている。実際、途中ですれ違ったのは、若者数人のパーティひとつだけである。ずっと天気がよく、それほどでもないが、びっしり生えた苔の石畳は滑りやすい。竹子湖をすぎると、石畳の苔の生え方がぐっと少なくなった。歩道は車道の谷側、山側を交互に行く。途中車道を横切るところがある。

分道に蝉の死骸、秋がそろそろ来ている



陽明書屋への分岐で、歩道はまた山側を行くようになり、しばらくすると前に上った七星山苗圃歩道への分岐点についた。ここにはバス停もあるので、小8か小9番のバスでくれば、すぐに七星山への登りにとりかかれる。
これからさらに下り、陽明山ビジターセンターを通りすぎ、
3時半過ぎに陽明山のバスターミナルに着いた。260番バスで下り劍潭駅からMRTで帰宅した。


今日の行程は約17km、時間は休憩も含め約7時間弱である。登り始めの絹絲瀑布歩道入口は標高560m、最公地点は七星山主峰1120m、陽明山バスターミナルは440m、標高差は700m弱である。そこそこ歩いたので、今日は疲れた。もし天気がよく景観があれば、もう少し気もはれたかも知れないが。

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