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2011-10-30

10月29日 坪林 獅公髻尾山から九芎坑山経由雙青公路へ


坪林はお茶の産地である。宜蘭への北宜高速道路が数年前に開通し、観光に力をいれているが、休日には無料の坪林周辺の観光スポットへバスがでている。今回は、これを利用し獅公髻尾山へ登り、その後稜線を九芎坑山へ下り、双青公路106号線まで歩いた。

獅公雞尾山は皇帝殿山の南東に位置する
南寺山から出発、北へ歩く(クリックで拡大)
台北のすぐ近郊の山から歩き始め、奥へ奥へと登山対象を広げてきたが、その流れで今回は坪林の山を選んだ。1ヶ月前の皇帝殿山から南に高速道路が見えていたが、その高速道路が長いトンネルで貫いている山並を東にいけば、この獅公髻尾山へ連なる。皇帝殿山に登ったときは、稜線あたりはガスのなかで見えなかったが。

坪林から南山寺への無料バス
坪林は、思っていたより近い。朝7時半の923番バスで新店から高速道路経由で行った。40分で坪林についた。自宅からは、乗換え待ち時間を入れて1時間半である。坪林ツーリストセンター(旅遊服務中心)バス停に下りると、南山寺行きの新北市観光無料バスが停まっていた。坪林区役所のWebサイトバス時刻表だと8時発だが、923番バスの到着を待っていたのだろう。ほとんど待ち時間無しで出発である。このバスは休日だけの運行なので、もし平日に登山となると、かなりの距離を歩かなければならない。

南山寺前を行く自転車競技選手、和尚さんも見守る
南方向の景色
坪林を出発したバスは、獅公髻尾山の麓を登り始める。この道は平渓に続く道であるが、本格的な自転車ライダーを何人も追い越していく。茶畑脇のかなり急なのぼりを登っていき、8時半には南山寺に着いた。ここで多くの自転車ライダーのわけがわかった。今日は坪林と平渓の間で自転車レースが開催されていたのである。南山寺は全競技コースのほぼ中間の位置になるが、補給所が設けられていた。ここからもう少し登ると峠になり(ちょうど獅公髻尾山への道が分岐するあたり)、その後はずっと下っていく。お寺の和尚さんも次々と前を通り過ぎる選手に応援の声を掛けていた。

獅公雞尾山への分岐
お寺の脇で準備した後、ライダーの行く舗装路を歩き始める。南山寺は標高558mだから、840mの獅公髻尾山頂上へは300m弱の登りである。舗装路を歩いていると、何台も自転車が登っていく。つらそうにがんばるライダー、前の自転車を追い越していくライダーなど、さまざまだ。台湾の自転車活動も非常に盛んだ。約1kmほど歩くと、南山寺が遠く見えるあたりに、獅公髻尾山への舗装路が分岐する。ここからは、自転車ライダーは来ないので、一人での歩きとなる。実際、下って九芎坑に出るまで、休日であるにもかかわらず誰とも会わなかった。

登山道からの茶畑
 この舗装路は、あまり車も通らないのだろう、路面に苔が生えているところもある。登っていくと右に石を埋め込んだコンクリート道があり、表示は獅公髻尾山登山歩道駐車場となっている。これを登っていくと、駐車場があり、一台車が停まっていたが人は誰もいない。ここからが登山道である。小石を敷き詰めた歩道の左右はしっかり草が刈ってある。はじめは少し日差しもあったが、登っていくとガスがかかってきた。今日は展望が望めないのか。頂上へはわけなく着いた、時間は9時20分である。南山寺から40分である。頂上も草がしっかり刈ってある。真ん中へんには木製のあずま屋もある。説明板によると、台北方向は101ビルや陽明山も見えるようだが、すべて霧の中。反対側も霧だが、登りの途中では見えていたところもある。長居をしても仕方がないので、そこそこに下り始める。これからは、基本的にずっと下り道である。この山は火燒寮山など全部で4つ名前があるそうで、傑士嶺と記している石碑も建っている。


獅公髻尾山山頂

リボンが頼りの山道
登山道はグレードがぐっと下がる。ここからは地方自治体の整備はほとんどないのだろう、標識もない。登山クラブの残したリボンや方向表示が唯一の頼りである。下草が行く先を妨げるように生い茂っている。さっき頂上でスパッツをつけておいてよかった。濡れた草でたちまち足回りは濡れる。途中南勢坑古道への分岐をすぎ、20分で伏獅山と九芎坑山とへの分岐についた。天気がよければ展望のある伏獅山を経由していくことを考えていたが、この天気では早く下ったほうがよいだろう。伏獅山は次の機会に譲って、九芎坑山への道をとる。

九芎坑山の頂上
結構急な下り坂を行く。それまでと同じような、草が多い道だが、しばらく行くと下草は少なくなってきた。天気は相変わらずガスっており、樹木のなかでは道は薄暗い。足音に驚いた鳥が飛びたったほかは、自分歩く音と風の音以外はない。幸いに雨にはならなかった。ところどころに結び付けられている登山クラブのリボンで確認し、道をくだっていくと右に大坪産業道路へくだる分岐が現れた。ここから少し登り返すと、10時半に九芎坑山の頂上についた。獅公髻尾山からちょうど1時間である。ここは木々に囲まれているので、展望はない。周囲は霧はなく、木々の間から隣の稜線も見える。登山クラブの標識はあちこちに取り付けられており、ちょっとやりすぎの感もある。ガサッと音がするので、そちらを見ると黒い犬が一匹いた。そのうち見えなくなった。

九芎坑山の下り道に咲く花
立ち木につけられたクラブの標識では、九芎坑へは急な下りの道と、ゆるい下りの道の2つがあるようだが、左のゆるい下り坂を下ることにする。とはいっても、ところどころかなりの急な部分もある。20分ほど下り、沢の音が左に聞こえるようになると、南勢坑古道と合流した。この分岐からさらに下ると、沢の水をためた地元用水源の大きなコンクリート製水槽の脇に出た。そこからは、わずかで登山口についた。ここで写真を撮っていると、先ほど九芎坑山で見た黒犬が降りてきた。あとを着いてきたのだろう。よく見るとこのオスの黒犬は右の後ろ足がない。おそらく事故か何かで切断されてしまったのだろう。3本だけの足なのに器用に山道を降りてきたものである。時間は11時を少し回ったところだが、今日はまだ一度も休憩していないので、ここで食事をとる。

黒犬と背後の獅公雞尾山
ザックをまとめ歩き始めると、黒犬は道案内をかってでたかのように、先を歩き始めた。舗装路を下っていくと、谷の奥に獅公髻尾山が見えた。山腹は見えるが、頂上は霧の中だ。なぜかほっとした。道は谷沿いを下っていくが、途中から舗装が切れ、土の道になる。黒犬は見えなくなったかと思うと、待っていたかのようにまた現れる。下り始めて約15分で、玉桂嶺二号橋につき、ここからは舗装路がまた始まる。黒犬はここまで来るといなくなってしまった。

106号線を行く1076番バスは1時間半に1本の運行である。時間は11時40分、次の便が藤寮坑バス停を通過するのは12時半ごろだから、急げば間に合うはずだ。足を速めて谷沿いの道を行く。集落を過ぎ、東勢格や平渓へと続く道と合流すると、交通量が増えた。大型トラックも通っていく。この道を3,4キロいくと106号線に出た。時間は12時5分。スパッツをはずすと、蛭が一匹スパッツについていた。スパッツとズボンの上からはさすがに血は吸えないので、小さいサイズのままだがよく着いていたものである。1076番バスは12時半過ぎにやってきた。平渓近在の住人で町へ行く人が多いのだろう、バスは結構混んでいた。
藤寮坑バス停

今回の登山は、出発点の標高が結構高かったので、ほぼ下りが主体のルートであった。そのため、かなり早く終点に着いた。歩行距離は約10キロ、時間は3時間半である。次回、この山に登るときは逆のコースを獅公髻尾山を経て行ってみるのもよいだろう。

歩行高度プロファイル

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