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下山時に立ち寄った下洞瀑布 |
梳妝とは、その字面からわかるように、髪梳き化粧をすることだ。梳妝台は、日本語で言うと化粧台となる。なぜ山にこのような優雅が名前がついてるのか、由来がもうひとつわからない。この三山は同じ稜線上にある。坪林から宜蘭方向へ北宜公路を半ば進んだところに、 尖山湖がある。碧湖溪にそってさかのぼり、尖山湖の谷間から梳妝頭山が立ち上がる。尖山湖から望むと、三角ピラミッドである。尖山湖の名前の由来だろう。ちなみに湖は日本語の意味の湖ではなく、平らな場所を指す。つまりは尖った山の下の平らな場所ということだろう。
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南の尖山湖から回遊 |
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歩行高度 |
尖山湖山の別名がある梳妝頭山から稜線を追っていくと梳妝頂上がある。ここから西に建牌崙を越え
坪林三星の源茂山、和尚髻山へと稜線が分岐する。さらに北へと進むと、鞍部を越えて梳妝頭山がある。この鞍部からは、宜蘭方向へ続く
北宜古道が続く。反対側に下れば胡桶古道に降りる。これらの古道などは以前歩いていたが、尖山湖は足を踏み入れたことがなかった。それは公共交通機関では、なかなか行けないからだ。今回は、パーティメンバーの運転する車で訪れた。
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車を分岐部に駐車し、右に尖山湖14號民宅へ歩く |
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ピラミッド型の梳妝頭山 |
朝6時45分、台北で集合し二台の車で出発する。もともと坪林國中バス停までバスで行き、そこからタクシーに相乗りしていくつもだった。ところが、タクシーの予約ができない。
数年前にタクシーで乾元公の胡桶古道登山口へ行ったころがあるが、今ではそれすらないようだ。坪林はほとんど自家用車で行くようになったので、タクシーもなくなったのか。第五高速はまだ混んでいない。台北を出発して間もなく大雨が降りだした。トンネルと抜けると雨は止んでホッとする。7時10分過ぎに高速道路を降り、北宜公路を進む。7時半前に尖山湖へ道を左に折れる。谷の間を進むこと約15分、右に尖山湖14號の民家への道の分岐で車を駐車する。
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尖山湖14號民宅,山道は家の向こうからはじまる |
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梳妝頭山登山口へ向かう |
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急坂を梳妝頭山へ |
7時50分、支度をして歩きはじめる。木々の上に、これから登る梳妝頭山が尖った頭でそそり立っている。数分で道の終点に民家があらわれる。民家の前の路面には駐車代を払うようにとペンキで書いてある。我々は、公道に停めたので関係がないが、ここに駐車するときは駐車代を払う必要があるようだ。民家の前を通り抜け、山道が始まる。すぐに右に道を分け、碧湖溪の左岸の道を進んでいく。山腹を行く道は、上り下りがある。8時16分、梳妝頭山への登山道入口を見る。昨日の雨で道は湿っている。いきなり急坂で始まる。登るにつれ、周囲は霧が濃くなる。8時40分、少し平らな場所で小休憩をとる。
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梳妝頭山へ15分の印 |
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右側に鶯仔頂山から四堵山への稜線が見える |
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@梳妝頂山山頂 |
急坂はまだ続く。ロープの岩場もある。約30分ほどの急坂登りが終わり、山頂まで10~15分の道標を見る。少し下がりまた急坂を登る。右側の樹木が切れたところから、遠くに通信アンテナが立っている
鶯子頂山から四堵山への稜線が望める。9時32分、梳妝頭山山頂(標高763m)に着く。休憩をとる。
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道に被さる草の露がズボンを濡らす |
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@梳妝頂山山頂 |
梳妝頂山は標高931m、まだ100数十メートルの落差がある。道は草の茂った間を進み、昨日の雨の露で服が濡れる。手前に前掛けよろしく防水の布をまとうが、十分でない。雨ズボンをはくべきだった。緩い上下の道が過ぎ、また急坂になる。最後にカヤを藪漕ぎすると、前上部の霧のなかに建物が現れる。10時45分、一度訪れたことがある山頂に着く。建物は小さな窓があり、二、三畳ぐらいの中には電気機材と思われるものが残っている。メンバーは建物の内外で休憩する。
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霧と雲の山並み |
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十字路鞍部 |
11時20分過ぎ、梳妝樓山へ向けて歩きはじめる。鞍部へ下る道は、最近草刈がされて状態がよい。開けた場所から展望ができる。霧が遠方の山を取り巻き、水墨画の風情だ。急坂を下り約15分で鞍部に着く。ここは十字路で、右に北宜古道,左に胡桶古道,直進すれば梳妝樓山だ。緩やかな坂を登り、一度くだってまた登り返す。梳妝樓山は訪れる登山者が多いようで、みちの状態がよい。11時49分、梳妝樓山山頂(標高888m)に到着する。筆者にとっては三度目の登頂だ。少し広めで平らな山頂で昼食休憩をとる。
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梳妝樓山山頂 |
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刈られたばかりでまだ葉が青い |
山頂から手前の下洞山付近の向こうに鶯子頂山が望める。食事をしていると、雨が少しぱらつきだす。12時21分、先ほどの鞍部へ戻る。途中雨足が強くなり、雨具を取り出しつける。20分ほどで鞍部に戻る。ここから始まる北宜公路は二年前に宜蘭方向から歩いてきた。その時も草刈が行われた後であったが、今回はその時よりさらに幅広くしっかり刈られている。藍天隊が雇った業者による草刈も行われたが、つい最近に別のボランティアが北宜古道全線の草刈を行ったということだ。なるほど、刈られた草はまだ青い。
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土地公の祠 |
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古道を分岐へ登る |
ほぼ平らに山腹を巻いていく。大きく方向を南に向け、稜線上を下り始める。左遠くには、
豎旗山とその手前右に
灣潭竹子山が見える。雨は降っているが、霧がないので遠くが望めるのだ。そのうち雨が止み、日差しが差し込む。一度鞍部に下り切り、少し登り返す。13時35分、土地公石祠に着く。土地公の前の開けた場所で長めの休憩をとる。ズボンを伝って流れた雨水などで長靴の中は、びっしょりだ。長靴を脱ぎ靴下を絞ると、水が滴る。
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古い道標の分岐部、この道から下る |
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沢に下る |
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下洞瀑布 |
14時15分、古道をさらに少し登り返していく。登ること数分で、右に下洞瀑布へと続く道の分岐に着く。ここから枝尾根上の急坂を下っていく。数分で左に道を分ける。左は滝を経由しないで下る道で、右の沢沿いに進む道と下部でまた合流する。しかし、入口を見るとほとんど歩かれていない様子だ。右の道はすぐに急坂になる。尾根も狭く、慎重に下っていく。20数分の急坂が終わり、道は山腹に取りつき、そのうち沢音が大きくなってくる。15時、右に沢が現れ、すぐに渡渉する。数分下っていくと、右に滝が見える。沢を渡り滝の近くへ行く。15時9分、標高550mという高度表示もある札の向こうに、落差10mはあろうかと見える下洞瀑布が滝つぼに水を落としている。ザックを下ろし滝見物をする。
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尾根道の分岐点 |
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本流の渡渉点 |
15時26分、沢沿いの道を下り始める。右岸から左岸、また左岸から右岸への数度の渡渉が続く。渡渉点は、水かさが深いところもある。沢の周辺には多くのオオタニワタりが木々に取りつき繁殖し、深山の趣が濃い。最後に左岸に渡りしばらく沢から離れて進む。16時5分、分岐に着く。上部で分かれた道がここで合わさる。この分岐から見ても、尾根道はほとんど歩かれていないようだ。その少し先で、また分岐がある。ここは沢の二股で、左の道は本流沿いに進み、北宜古道へと続く。右に折れ、今度は本流を渡渉する。こちらは沢幅も広くなっているが、幸い浅いので大丈夫だ。
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棚田跡を通り過ぎる、左に石積みの土留壁 |
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朝に登った梳妝頭山登山口 |
左岸を進むと棚田跡脇を通る。この棚田はかなりの大きさだ。この付近の谷は広くなっており、その昔はここに畑を開墾したようだ。住居跡はないようなので、おそらく下流にある家屋からここへ通い農作業をしていたのだろう。16時15分、最後の渡渉をし右岸に渡る。この付近も平らで棚田があったようだ。少し休憩し、進む。そのうち谷幅が狭まると同時に、道は山腹を進んでいく。16時35分、朝に登っていった梳妝頭山への分岐を通過、16時50分尖山湖14號の民家前に着く。さらに道を進み、16時58分車を駐車してある分岐についた。
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残りわずかだ |
台北北部や基隆では、かなり激しい雷雨があったということだが、坪林では幸いに30分ほどの小降りで済んだ。青空が遠くに部分的に雲間から見えたが、おおむね曇りの天気だった。そのため気温も高くなく、草木の露で濡れたことを除けば、良かった。行動時間約9時間、そのうち休憩は長めで1時間40分ほどだ。登坂累計808m、下降810m、距離 9.7㎞だ。前回から記載を始めたコース定数は約25となる。
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