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2023-01-22

2023年1月19日 River Wey Navigation,Pyford,Sheep Walkを一巡り

Wey Navigation Papercourt Lock水門

先々週に訪れた、River Wey Navigationは全長32キロに及ぶ水路である。その水路沿いの歩道全部を一度に歩くのは、不可能ではないがかなり大変だ。前回の訪問はわずか2km足らずであった。その後あまり天気がすぐれず、またかなりの雨で河の水位も上がっていた。去年末にロンドンに来て以来、ずっと雨が多かった。今週は3日前の月曜日から天気が良い。月曜日は、早朝の最低気温は零下五度を切り、起床してみると屋外は霜が降り、水たまりは凍結していた。筆者の故郷東京の郊外は、50年ほど前は冬になるとかなり寒く、零度を切ることが多かった。人生の大部分南洋で過ごしてきた筆者にとって、ここの晴れの朝にそうしたピーンとした寒気を再体験させられた。

Pyford St. Nicholas教会
イギリスは、長い歴史を有する国である。石造りの建物が多いので、崩れているが遺跡も結構残っており、今回のハイキング中には草原の中にポツンと残る修道院の遺跡や900年以上の歴史がある教会に出会った。イギリス南部は高い山がないが、高低差数十メートルの丘が続く。今回は、Wey Navigaton歩道の前回歩いた北端から、反対に下流方向に河際の歩道を歩き、その後長い歴史を有するPyfordの村を過ぎて、The Sheep Walkと呼ばれる乗馬で通行できる道(Public Bridleway)を経てウォーキング(Woking)へ戻った。このハイキングは、台湾近郊の山ハイキングのような高度上昇はないが、それでも100mを越える累計登攀をして、久しぶりに山野を歩いた感覚である。

反時計回りに回遊ハイキング
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泥道も氷が張っている
今日はちょっと長めのコースを予定しているので、昼食を早々に済ませ12時半すぎに出発する。住宅地を抜け、前に歩いた農場わきの公衆歩道を行く。2週間前に買った長靴をはいているので、道の泥濘や水たまりはまったく気にならない。長雨のあとの道はしっかり水がたまり、表面は氷が張っているが、バリバリと進んでいく。地図上Marshland(湿地帯)と表示されている場所の小川を橋で渡ると、草地は結構水をかぶって薄氷が張っている。

牛も片隅に集まって寒そうだ
Mashlandの草地の水たまりは薄氷が張っている
Wey河を渡る
13時16分、農家の脇をすぎWey河を渡って進み、今度は本来の川と並行する水路の橋を渡る。ここはSendという場所だ。前回は南へ向かったが、今日は北へと進む。住宅地に並行した運河脇歩道はすぐにCartbridge橋で終了し、橋を渡って対岸(左岸)に降りる。降りたところはCartbridge Wharfと記され、過去には船からの荷物の積み下ろしが行わた場所のようだ。

水路にかかる橋から北側下流側を見る
Cartbridgeから左岸の道へ降りる
Cartbridge Wharf
河は曲がり左に草地が広がる

草を食む馬
河は右に大きく曲がり、左側に草地が広がる。馬が数匹草を食んでいる。対岸に住宅が現れ、小橋が運河にかかる。ジョギング中の人が追い越していく。河は方向を左に曲げる。路面は、日が当たらないところは凍って固く、日が当たる場所は溶けて泥道になっている。

固く凍っている土道
対岸の船溜まり場
ゆっくりと泳ぐ白鳥
対岸に舩溜まり場を見る。その先の川面には二羽の白鳥がゆったりと泳いでいる。13時48分、大きめの橋が水路にかかる。対岸の住宅には、ウクライナの国旗が風になびいている。対岸に多くの船が係留されている。長細い運河に多く見る船だけでなく、クルージング用の船もカバーがかけられ係留している。

橋の上からやってきた方向を望む
対岸の家にウクライナの旗が
犬を連れた散歩者とすれ違い、その先にPapercourt Lockが見えてくる。かなり幅のある池はその先二つに分かれ、左は階段状の河床で滔々と流れ、右は水門になっている。船は二つの水門の間に入り、そこで水位を調整する。下流から入ると下流側の門を閉めて水を入れ上流側の水位と同じになった時点で上流側の水門を開き、船はさらに進む。上流側からの場合はその反対である。水門脇の家は、水門番人Wye家族が住んでいた。100年以上四代にわたり、水門の番人を務めたと、水門脇の説明板に記されている。周囲は広い草地である。実にのどかで平和な風景だ。

犬連れの散歩者と出会う

Papercourt Lock水門位置から上流調整池を見る
水門位置からドックと下流方向を見る、対岸に水門番人の家
水門番人についての説明板
水門をあとにし、草地に入る
水門周りをめっぐたあと、14時3分今度は右岸になった水路脇の道を行く。平たい草地は、おそらく放牧地だろう。泥道には羊と思われる足跡がたくさん残っている。空が大きい。しばらくすると、対岸に白鳥が三羽餌をとっている。水門から歩くこと十数分、歩道はB367道路の橋で終わり、橋を渡ってまた左岸を進む。水路沿歩道歩きはここで終わりにし、交通量の多いB367道路をPyfordに向かって歩き始める。

広い草原を行く

この先の橋で水路脇歩きを終える
草地の中にポツンとNewark修道院の廃墟
少し行くと、右手草地の真ん中に崩れかけた石造の建物がポツンとある。その手前には多くの雁がたむろしている。この建物は、Newark Prioryという修道院であった。12世紀末にまだ英国がカソリックであった時代に建てられ、その後16世紀半ば英国ヘンリー八世による英国教会成立の頃に閉鎖された。その後、建物材料はほかの目的に使用されたが、1730年代当時の土地所有者によって転用が禁じられた。その後今世紀に英国遺産に指定されている。今も私有地なので建物まで行くことはできず、道から眺めるだけである。ただ、一年に一度周囲の教会が合同で集会を行うという。

このコーナーから左の細い歩道で丘の上に上がる
St. Nicholas教会
教会入口、いかにも古そうな扉
Newark通りと名付けれらているB367を歩くこと十数分、道は河岸段丘を登っていく。その曲がり角に歩道が入口を開く。急な坂を上ると、見るからに古い墓石に囲まれた古風な教会が建っている。正門に回り小さな教会敷地に入る。ここはPyford(洋ナシのある浅瀬という意味だそうだ)のSt. Nicholas教会である。12世紀半ばに建てられ、その後修復が行われたが、当初の形態を保持しているという。風見鶏が乗っかっている塔は16世紀に追加されたということだ。

入口にかかる歴史説明
教会内部、祭壇方向を見る
ドアを開け中に入る。誰もいないが、室内は暖房が利いている。いかにも古い田舎の教会という感じだ。入ってすぐには乳児の洗礼が行われる水受けが立っている。一級歴史建築に指定されている建物だ。時間があれば、また訪れゆっくり過ごし、その周りにあるそれこそ数百年を数えるような墓石も見てみたいと思う。

教会を振り返る、左にB367道路
Public Bridlewayの道標
14時40分、教会をでて手前のB367道路を進む。住宅などの建物はすぐに終わり、登っていくこと数分で、The Sheep Walkの騎馬道 (Public Bridelway)入口が現れる。この騎馬道は公衆歩道と同様に誰でも通行できる、また騎馬でも進むことができる道である。イギリスのハイキングガイドにも紹介されるこの道は、2㎞強のほぼまっすぐに丘にそって進む道だ。

丘の上を行くSheep Walk
犬連れの散歩者
入ってしばらく左右に広いゴルフ場が現れる。犬を連れた散歩者に出会う。左右のゴルフ場芝生を見て進み、途中十字路を過ぎて最高部を越える。その後ゴルフ場のグリーンを横切る。ちょうどゴルフバッグのカートを引いた二人のゴルファーが登ってくる。開けたグリーンからは、遠くの丘も見える。本などでRolling Hillという表現をよく見るが、このような情景を表現しているのだろう。道は下り、15時15分土の歩道が終わる。

道の左右はゴルフ場のグリーン
 Sheep Walkほぼ中間の十字路
ゴルフ場グリーンを横切る
融けない氷のグラウンド
Old Woking Roadにでて左に曲がり、Hoe川の橋を越えて川沿いの公衆歩道を進む。ここも水たまりが多く、この時間帯でもまだ氷が張っている。陽が当たらず気温が低いので融けないのだ。広いサッカーグランド脇を右に学校をみて進み、雑木林に入る。泥濘のある道を進むこと約15分、前方に若者の集団の声が聞こえてい来る。どうやらちょうど下校時で、学生たちが下校中のようだ。彼らとすれ違い、公衆歩道を歩き終える。左にSt.John学校の門を左に見て、日暮れ直前の16時に宿泊地に帰還した。

公衆歩道の説明板

氷で遊ぶ下校中の小学生(と思う)
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River Wey Navigations標識
天気が良く、午後のまだ明るいうちに3時間10分ほどで約12㎞の道を歩き終えた。GPSの記録では、累計140mほど登っているようだ。服装は、一番外はダウンジャケットだが、歩いている間は手袋も必要なく、ちょうどよい感じだ。運河沿いをあるいているとき見た、腕時計の温度表示は6度だった。まだ冬で寒い時期は続くが、昼間の時間が伸び始めているので、天気が良くなってくれば、もう少し遠出もできるだろう。


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