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2023-01-06

2023年1月2日 ロンドン郊外の公共歩道(Public foothpath)をつないで歩く (その一)

Public footpaths 道標
四年ぶりにイギリスを訪れている。世界の一員としての責任と義務感が欠如した政権が支配するある国のため、世界中が不自由と莫大な損害を被った。その結果、2020年初頭から他国を訪れるのは簡単でなくなった。やっとコロナ疫病からの恢復を見ているが、またかの国は膨大な感染が発生しているにも関わらず、門戸を開いた。この挙動がまた世界に災害をもたらさないことを願う。

昨年末にロンドンにやってきた。しばらくはここで過ごす予定である。ロンドンを含むイギリス本島は、その南半分は高い山は少ない。丘陵状の地形がその大半を構成する。丘とその間の谷が繰り返し続く。筆者は東京の西側丘陵地帯で生まれ育った。5,60年前の当時は街の中心部をでると、まだ雑木林が野山を覆い、谷間には小川の清流が流れていた。その後東京のベットタウンとしての開発が始まり、雑木林は住宅地に変身していった。ジブリ映画の『平成狸合戦ぽんぽこ』はまさにそうした変遷を描いている。ロンドン郊外は、住宅開拓地もあるが、その一方雑木林や牛馬が草を食む草原などが残る。住宅などの様子は違うが、冬の晴れ間の雑木林は、筆者の子供のころを思い出させる。

イギリスは私有地の権利意識が強い国である。私有地に無闇に立ち入ることはご法度である。しかし、私有地を横切るらないと移動できない。数百年前から私有地の一部を横切るような道が存在する。もちろん土地所有者との合意の上で、新たに設置されるものもある。こうした道は法律上でPublic Footpathsとしてその存在(Public rights of way)を認められている。歩行以外にも馬などによる通行も認められているPublic bridlewaysなどもある。ハイキングを行うものとして、舗装されていない土の公共歩道はまさに訪れる対象として適切だ。四年前には、ロンドン周辺のテームズ河歩道等を歩いた。今回のイギリス滞在中には、Public footpathsを歩きロンドン周辺の丘陵や谷を歩くつもりだ。
ロンドン西南郊外ウォーキング(Woking)市街の南を歩く

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筆者の居住地台北は、冬は雨が多い。時々訪れる晴れ間は貴重であるし、野山を歩くチャンスでもある。ここロンドンも同様だ。冬は雨が多いだけでなく、北緯51度に位置するため、冬は昼間時間が短い。今頃は8時になってやっと日の出で、夕方16時には日が暮れる。つまりは昼間は8時間、一日の3分の1でしかない。もちろん、夏はそれが逆転し明るい時間が長く、戸外活動には最適であるが。

住宅前の赤い実
昨日の雨のあと、今日は朝から天気がよい。青空が広がりハイキングに最適だ。昼食を早々に済ませ12時過ぎに滞在場所を出発する。ここはロンドン中心から約35㎞南西にあるウォーキング(Woking、カタカナで表記するとWalkingと同じになってしまう)である。ちょうど東京の郊外と同じに、住宅が開発され鉄道駅のある中心は、再開発されて大きなショッピングセンターもできている。

葉を落とした街路樹の枝が天を刺す
B380道路を行く地元バス(イギリスは左通行)
道を南に取り、住宅街を抜けていく。街路樹は葉を落とし、細い枝が空を刺す。家屋前の庭にも花はなく、赤い実が目立つ。Westfiled Road沿いに進む。B380道路でもある二車線道は、そこそこの交通量がある。バスも運行している。サイクリングともすれ違う。歩くこと約20分で、B380はT字路で右に下っていく。左の細い舗装路を進む。右の草原には馬が二匹草を食んでいる。そのすぐ左先で、Beech Hillの公共歩道がその入口を開く。

サイクラー、樹木は背が高い
Beech Hill 公共歩道入口
雨で地面の土はかなり水を含んでいる
屋敷の入口、右の木製門が歩道入口
雨の多い今の土道は、かなり水を含んでいる。すぐ左に大きな敷地の屋敷入口を見て、道は進む。一度右に住宅をみて、今度は広い草原の真ん中を進む。季節が替われば羊などが放牧されるのだろう。道の左右には鉄線の仕切りが続く。歩いていくと、水たまりがある。今日はハイキングシューズである。台湾の山では、長靴で歩くことが多いが、その長靴があれば、と思う。12時55分土の道が終わり、ステップが取り付けらた柵を乗り越え幅広の道を下る。5分ほどで車道Whitmoor Laneにでて歩道は終わる。

草地の間の道を行く
泥濘は厄介だ、柵にはステップが取り付けてある
whitmoorに出て歩道歩きは終わる
雑木林の道を行く
左に雑木林の間の車道を進む。台湾の樟之細路が、土の古道と古道の間を車道でつないでいるのと同じように、車道で公共歩道をつなぐ。時々車が過ぎるWhitmoor Laneを進み、13時2分Sutton Green Roadとの交差点を左に曲がる。この辺りの葉が落ちた雑木林は、筆者の故郷の昔の雑木林を思い出させる。

The Olive Tree Pub
ちょうど父親子供二人がやってきた
車道を歩くこと8分ほどで、左にOlive Treeというパブレストランを見て、そのわきの公共歩道を進む。左は広い草原だ。広い道はその奥にある農家への道で、その入口わきから細い歩道になる。ちょうど子供二人を連れた父親が対向からやってきてすれ違う。森の中の道を進む。小鳥のさえずりに気づく。13時32分、歩道入り口に来る。道標にはThe Foxwayというマーカーが取り付けられている。

Foxwayというマーカーがついた歩道入口道標
Robinhood Lane入口
私有地わきの柵を越えて歩道に入る
一台の車が通る幅の私道を右に進み、New Lane車道に出る。左に折れ少し進み、またロビンフッド通り(Robinhood Lane)に入る。その少し先で、また公共歩道の入口がある。道に入ると左にも道があるが、進む歩道は右だ。柵を越えて私有地に入り、またすぐ柵を越えて草原に入る。柵は農地である草原の周囲を囲うもので、こうした柵にはそれを乗り越えるためのステップが取り付けられている。ここからの歩道は、この草地の脇を歩いていく。草は濡れている。草原の遠く向こうには、ウォーキング市街の高いビルが建っている。

広い草地の端を行く
草地の遠く向こうにWoking市街地
小川を越えてもう一つの草地へ入る
草原は、細い小川で所有が区切られ、柵を乗り越えて別の土地に入る。こちらには牛が放牧されている。大きな水たまりもあるが、道が広いのでよけて進む。14時5分、農場の入口にくる。鉄の門には、家畜がいるので犬は鎖につないで歩くようにの注意書きがある。こうした歩道は犬の散歩にも適している。農場入口の前は新しい住宅地だ。そのわきの道を進む。牛の群れのほか、アヒルが多く歩いている。住宅地が切れるとVicarage Roadにでる。14時30分、一巡りのハイキングを終える。
牛が放牧
アヒルの群れ
住宅地の間の公共歩道
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家畜放牧なので犬は鎖につなぐようにとの注意札
ネット上の資料では、イギリスには14万マイル(約22万キロ)のPublic foothpathsがあるという。今日歩いたのは、車道をいれても8キロ強、歩道の部分は半分もない。Public foothpathsがいかに多くあるか、ということだ。約2時間10分ほどの、あまり上り下りのないハイキングであった。冬の晴れ間は少ないので、まずは近場をいろいろと歩いてみるつもりだ。





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