 |
| 草嶺古道→雪山山脈尾稜→隆嶺古道 |
台湾島は、一般的に五大山脈がその山岳帯を構成しているといわれる。そのうち、3000m峰を有する山脈は、玉山山脈、中央山脈そして雪山山脈である。雪山山脈は、台湾の最も北側から始まる山脈で、最高峰は
雪山主峰(3886m)である。その大きな山脈は、多くの支脈を派生し台湾北部の多くの山を包括する。主脈は台湾北東端の三貂角岬から起き上がる。立ち上がった山脈は300~400m台の峰々を起こしながら南下する。その末端は雪山尾稜としてここ10年ほど多くの登山者が歩くルートとなっている。
 |
| 台湾の最東近くのルート |
雪山尾稜のルートガイドは、以前最北端の
福卯古道のルートを紹介している。正確には、尾稜とされる山脈上の山峰は含んでいないが、その地域のルートである。最近数年は、藍天隊などボランティアグループにより、比較的頻繁に道の整備を行っているが、実際に歩く登山者がそれほど多くないようなので、草に埋まる可能性は高い。一方雪山尾稜とされる隆隆山から南下し淡蘭古道の峠埡口までの稜線道は、比較的多く歩かれておりよい状態にキープされている。道は歩かれないと、だめになる。尾稜の中間あたりにある隆嶺古道(淡蘭古道支線の位置づけ)の峠を境として、北段と南段とに便宜上分けられている。当ガイドは、南段を紹介するものである。北段については、以前の
萊萊山への支脈を降りる記事やその前の
隆隆山から南下する記事をご覧ください。
 |
| 草嶺古道埡口の土地公祠 |
----------------------------
登山対象:
ルート
台湾鉄道大里駅→(5分)→ビジターセンター草嶺古道入口→(35分)→古道客棧→(5分)→展望休憩台→(20分)→埡口(峠)→(30分)→桶盤堀尖→(20分)→桶盤堀尖東峰→(20分)→十字路鞍部→(30分)→大湖山→(10分)→福隆山→(25分)→隆嶺古道鞍部→(10分)→舗装路→(5分)→隆嶺溪畔古道口→(25分)→古道入口→(20分)→隆嶺隧道廣場→(25分)→福隆駅 4時間45分(休憩時間を含まず)約12㎞、累計登攀650m コース定数20
草嶺古道
台北と宜蘭を結ぶ淡蘭古道の三ルートうち北側にあり官道とされる古道の一部である。ほかの二ルートが民間がその生活や産業のために開かれた道であるのに対し、当古道は清朝末期1807年に当時の清朝政府が、切り開いたとされる。1866年にこの道を歩いた清朝軍總兵劉明燈が、虎文字の石碑を残しており、当古道を代表する遺跡とされている。現在整備されている草嶺古道は全長約10㎞で、埡口と称される峠の前後は石畳が敷かれた歩道となっている。その前後は舗装路で、最寄りの交通機関へと繋いでいる。季節風などの関係で、大きな樹木が育たず、多くの部分をススキが覆っている。秋にはススキの銀穂が風になびく観光シーズンたけなわとなる。
 |
| 大里駅待合室の草嶺古道説明板 |
隆(嶐)嶺古道上記草嶺古道より北に位置する山脈を横切って結ぶ峠道である。淡蘭古道では支線としての位置づけだ。草嶺古道より険しく、特に海側は急な坂が続く。峠部分には石城土地公がある。また陸側には棚田跡が残る。峠は、いわゆる雪山山脈尾稜の北と南のセクションを分ける点である。峠の下には鉄道の隆嶺隧道が通る。1924年に貫通した単線の旧トンネルは1986年に複線トンネルにとって代わられ、現在はサイクリング道の一部となっている。旧トンネルは当時の重大工事であり、総監督吉次茂七郎はマラリヤを患い完工を見ず没した。完工後彼の功績を記す石碑が立てられ、現在もわきの説明文とともにトンネル入口近くの広場にある。
 |
| 隆嶺古道峠の土地公 |
桶盤堀尖+東峰標高431mで土根點基石がある山頂の山である。海側が少し開けているがその他は樹木に覆われている。稜線を北へ進むと標高444mの桶盤堀尖東峰がある。こちらは草原のピークで360度の展望ができる。山腹をトラバースする道と山頂を過ぎる道がある。天気が良いときはぜひ山腹を巻かないで登ることを勧める。
 |
| 桶盤堀尖山頂 |
 |
| 桶盤堀尖東峰山頂 |
大湖山標高489mで山頂は当コース上の最高点となる。長細い山頂は海側が開けている。気象条件が良ければ、目で海岸線を追っていくと長く続く峰々の先に宜蘭まで見える。また山頂から福隆方向へと延びる尾根を行く龜媽坑古道が分岐する。
 |
| 大湖山山頂 |
福隆山標高473mで、北側の展望ができる。三角点が山頂にある。当コースの最北ピークとなる。
 |
| 福隆山山頂 |
龜山島
当コース上で常に見える、海上を泳ぐ巨大な亀のような島である。台湾には二か所の活火山があるが、東端海底から常にガスが発生している活火山の一つである。ちなみにもう一つは台北市街北部の陽明山である。亀山島は、過去に住人がいたが、現在は無人である。また軍事基地であったが、現在は解放され訪れることができる。
 |
| 海上に浮かぶ龜山島 |
コース概要:大里駅で下車し、駅舎をでるとすぐに草嶺古道方向への道標がある。それに従い、濱海公路の下をくぐり出ると、ビジターセンターの駐車場を過る。ビジターセンターには、虎字碑のレプリカが置かれている。すぐとなりは大きな慶雲宮である。境内の端から登りが始まる。入口から広い道を登ること約2㎞で、左に石段道の入口を見る。幅広道は、峠までつづら折れで登っていくが、石段道は直線的に途中横切って登っていく。石段道を距離約300mほど登ると古道客棧がある。売店やトイレがある。
 |
| 大里駅舎を出て右へ進む |
 |
| ビジターセンターの虎字石碑レプリカ |
 |
| 慶雲宮の前を横切り、境内の端から道標に従い進む |
 |
| 登りが始まる、道端に案内図 |
 |
| 緩い上り坂が続く |
 |
| ここから石畳登山道 |
 |
| 石段道で高度を上げる |
 |
| 古道客棧 |
古道客棧からさらに石段道を登ると、展望台がある。ここからは、出発点の大里方向が見える。一休みにもよいだろう。さらに少し石段道を行くと、その昔の茶屋盧宅の説明板と遺跡がある。石段道で幅広道を突っ切り、最後に幅広道を少し行く。高度も上がり大里方向も広く見える。周囲が草原の埡口は、草嶺古道の峠である。現在は屋根の下で保護されている土地公が鎮座する。峠から少し下ると虎字碑の本物があるので、立ち寄ってみるのもよい。
 |
| 展望台 |
 |
| 茶屋盧宅遺跡 |
 |
| 幅広道を横切り石段道を登る |
 |
| 峠はもうすぐ |
 |
| 覆いの小屋の中の土地公 |
 |
| 峠の広場、やって来た方向を見る。左の斜面を登る。右の石段は桃源谷への道 |
峠からは、南に
桃源谷方向への石畳縦走路が延びる。我々のコースは反対方向である。土地公わきに登っていく踏み跡がある。これを登り鉄柵の間を通り、草原の縦走路を進む。ところどころマーカーがあるので、道筋を確認できる。下って、山腹を巻きそのうち森の中に入る。トラバース約20分ぐらいで、道は右に坂を登っていく。登りきると桶盤堀尖山頂へひっこり出る。
 |
| 土地公わきの斜面を登る |
 |
| 道なりに下り、右側の山腹に取り付く |
 |
| 対面の斜面から下ってきて、トラバースしていく |
 |
| 森の中の道を行く |
 |
| 桶盤堀尖山頂への最後の登り |
桶盤堀尖山頂からは、少し灌木の中を行くところもあるが、おおむねは草原の稜線道である。右に大海原、左に福隆やその背後の東北角の峰々を遠望しながら進む道は、とても快適だ。天気が悪く、特に風雨が強いときは道を間違いやすい。牛が歩く獣道もあるので、注意が必要だ。雨風が強いときは、中止を勧める。起伏はあまり大きくないが、もし桶盤堀尖東峰へ立ち寄るのであれば、登り口に注意。ただ、山腹を巻いてもその合流点から登り返すこともできる。
 |
| 草原の稜線道、奥の山は大湖山、その手前右は桶盤堀尖東峰 |
 |
| やって来た方向を振り返る、左のピークは桶盤堀尖 |
 |
| 前方は桶盤堀尖東峰 |
 |
| 桶盤堀尖東峰から山側の大パノラマ |
 |
福隆方向の遠景、左背後は燦光寮山,半屏山,草山等
|
桶盤堀尖東峰から稜線を追って10数分で、草原から森の中を下ると山脈を超えていく峠道の鞍部に降りる。もしもの時は、この道を下って海側に降りれば、濱海公路にでて石城駅などへ行けるが、道そのものはそれほど多く歩かれていないので注意が必要だ。反対側福隆へも行けるが、里までは距離が長い。鞍部から高度差約100mほどを登りきると、森が切れて大湖山山頂だ。
 |
| 草原の稜線を追っていく |
 |
| 草原から森の中に入る |
 |
| 十字路鞍部、ここは直進 |
 |
| 背高のヤタケ間を登る |
 |
| 登りはあと少し |
 |
| 大湖山山頂から北方向を見る |
大湖山山頂から左に龜媽坑古道が分かれるが、縦走路は山頂の端から下っていく。下ってすぐ、左に龜媽坑古道の別ルートが降りていくが、縦走路は右に急坂で尾根を行く道だ。この分岐は注意が必要。尾根道を追って下り、登り返すと左に福隆山山頂がある。山頂からの下り道は、森の中をかなりの急勾配で下っていく。ロープの坂がしばらく続き、下りきると土地公のある隆嶺古道の峠だ。ここから
雪山山脈尾稜北段となるが、もし続けて歩くとすると、隆隆山まで約4時間ほどが必要だ。 |
| 下の広場の左は龜媽坑古道、右に下る |
 |
この下りを行く、前方は福隆山
|
 |
| 福隆山から雪山尾稜北段を望む |
 |
| 福隆山から下る |
 |
| 長いロープの下り急坂 |
 |
| 下りは続く |
 |
| 隆嶺古道の峠に着いた |
隆嶺古道を海側に下れば、隆嶺隧道入口付近に下り、そこから海沿いに石城駅へと行ける。このコース案内は反対側福隆駅へとの道を紹介する。峠から左に下っていく。そのうち右谷側に、棚田跡が現れてくる。さらに下るとひょっこり舗装路に降りる。舗装路を数分下ると、右に谷に下る溪畔古道の入口がある。そのまま舗装路を下って行っても先で合流するが、古道を歩く方をお勧めする。下りきって沢を渡り、右岸のトラバース道を行く。
 |
| 隆嶺古道を福隆側へ下る |
 |
| 道脇に棚田跡 |
 |
| 舗装路に降りる |
 |
| 右に溪畔古道入口 |
 |
| 沢を渡り右岸に取り付く |
隆嶺溪畔古道は、忠実に山襞を緩い坂で追っていき、左に大きく下ると舗装路に降りる。左に下って橋を渡ると先ほどの舗装路に合流、その先右に共同墓地への道を分け下ると、隆嶺隧道わきの広場に来る。ここには商店や鉄道車両、また吉次茂七郎記念碑などがある。福隆駅までは、鉄道と並行する舗装路の約2㎞ほどの歩きである。休日にはこの道は自転車も多くいく。
 |
| 山腹を巻いていき、枝沢を超える |
 |
| 隆嶺溪畔古道出口 |
 |
| 左に曲がる、右は共同墓地 |
 |
| 隆嶺隧道広場、福隆側から見る |
 |
| 吉次茂七郎記念碑 |
 |
| 福隆駅はもうすぐ |
アクセス:
出発点、終着点とも鉄道駅である。大里駅は、各駅停車(區間車)しか停車しないので快速(區間快車)や特急などは乗車しないように。一方福隆駅は快速や一部特急(一部自強號、莒光號)が停車する。台北から快速や特急できて、後続の各駅停車に乗り換えることはできる。通常の乗車券以外に悠遊卡などのカードも使用可能。特急は、基本全部座席指定だが、空いていればカードなどでも空席に座ってもよい。もちろん指定券をもった乗客が乗ってくれば、席は明け渡す。
装備:
一般日帰り装備で十分である。雨が多く降った後は、道はかなりぬかるむ。特に水牛が歩いた後は、ぐちゃぐちゃ道になる。そのような時期は長靴が向いている。
 |
| 福隆山からの下りで出会った水牛 |
夏は、森が少ないこのルートは暑くて大変である。春やススキの秋がお勧めだ。道わきに放牧された水牛の群れを見ることがある。もし出会ったら、脅かさず様子を見て脇を通り過ぎることが大切だ。虫が多い時期は、虫よけが必要だ。蛭もいるので、足元は注意が必要。
0 件のコメント:
コメントを投稿