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2014-03-17

2014年3月15日 新店獅仔頭山-大丘田山-十七寮山縱走 二年半前の未踏ルートを完走

粽串尖から見る大丘田山
新店の大丘田山は、山腹斜面に大規模な土地開発が行われ、台北華城別荘群や康橋学校がある、本来人里近い山である。台北華城から行けばとても近い。しかし、その稜線上の盟主獅仔頭山からの道は、あまり人気がなく、しかも開発途中で放棄された造成地は、山留壁が残され、切り開かれた空き地には人の背丈より高い草薮が密生して、歩くのが困難である。また、大丘田山から北西に十七寮山へ延びる尾根上にも、開発が放棄された部分があり、ここも同じく草薮が歩行を困難にしている。実は以前、今回と同じルートを歩くべく獅仔頭山から途中粽串尖を往復して、大丘田山へ向かった。途中山留壁の上を進み、頂上までの最後の登りで草薮に入ったところで、道を阻まれやむなく折り返した。単独行であり、尚且つ草を刈る鎌なども持っていなかったので、残念だったが仕方がなかった。

南の獅仔頭山から北へ縦走
下りメインの歩き
それから二年半が過ぎ、最近登山グループがこの草薮を刈り道を切り開いた。その後、このルートはにわかに人気ルートになっている。前の経験から、今回は鎌を持っていったが、全く使うこと無く完走することができた。もともと土留壁の上を歩いていたが、新ルートはこの壁の下を歩き、壁を巻いて登るようになっていた。壁は、登るに従いかなりの高さになっていくので、新しい道の方が安全だ。人気がなくなると、道はまた再び密生した草薮に閉ざされてしまうだろう。台北の盆地全体や、周辺の山並みをすべて眺めることができる、とてもよい展望ルートであるので、再び草に埋もれてしまうのは残念だ。

獅仔頭山周辺の山歩き軌跡
獅仔坪からの急坂
今回は、Zさんが同行する。MRT新店区役所駅で8時30分発の新北市観光F707バスに乗る。休日のみ運行されるこのバスは、住民以外は登山客が中心だ。今日は8時半発で本来比較的登山者が多い便だが、数名だけだ。9時7分に、獅仔頭山登山口に着く。自家用車が数台停まっている。9時12分、支度をすませ歩き始める。木製階段を登り、山道を行く。この山道はよく整備されている。先に登っていた数名の登山パーティを追い越し、9時28分、獅仔坪に着く。赤いツツジが満開だ。

樟脳老樹
獅仔坪広場の突端から、獅仔頭山山頂への急坂が始まる。木製梯子で急斜面を登る。途中のテラス部分からは、昨年暮れに歩いた猴洞尖と鹿鵠崙が望める。更に二段目の木製梯子を登り、その上部から山道を行く。一本の樟脳老樹のわきを過ぎる。9時50分、最高点(標高852m)に着く。少し下り登り返すと分岐がある。左は熊空山へ続く稜線道だ。直進すれば三角点のある頂上へ続く。左にとり、隘勇遺跡に立寄る。明治36年建立の石碑を過ぎ、一度下って登り返すと石寮遺跡である。屋根が掛けられて、よく保護されている。登り返して三角点へ行く。途中戦闘塹壕を通り過ぎる。獅仔頭山は100年前、日本統治政府が原住民泰雅族と対峙した境界線であった。三角点わきの展望台から、これから歩く粽串尖と大丘田山が見える。以前阻まれた土留壁も望める。大丘田山から十七寮山への稜線上草原には、一筋の道が続いている。10時10分過ぎ、1時間ほど歩いたので小休憩する。

獅仔頭山三角點の展望台から見る、粽串尖と大丘田山
獅尾格玶の桟道、多くの場所で壊れている
下りは土匪洞を通り過ぎ、獅尾格坪へ下る。獅尾格坪の展望台とそれから続く桟道は、多くの場所が壊れており、修理がされていない。桟道そのものも、歩き易い登山道のわきに続いてるだけで、設置そのものも意味がない。この部分は、予算の無駄遣いと言える。道が右に折れるところから、直接粽串尖へ続く山道が始まる。これを下っていく。獅尾登山口から来る道と合流し、尾根上を進む。鞍部から登り返し、分岐を左にとって粽串尖頂上を目指す。上から下ってくる同じバスでやって来た年配登山者とすれ違う。同じく大丘田山へ行くという。足がとても速い。10時53分、頂上(標高736m)に着く。頂上は狭いが、下り道のわきに踏跡が続いている。少し下がると、樹木がなく展望ができる。大丘田山から十七寮山へ続く山並みが対岸に広がっている。頂上からは、大丘田山しか見えないのに比べるととても眺めがよい。

粽串尖可から望む大丘田山から左(北東方向)に十七寮山へ稜線が延びる、左奥は天上山連山
山留壁の基部を行く、以前は壁上を歩いた
休憩後、同じ道を下り分岐から大丘田山へ向かう。前回歩いた時に比べ、踏跡がはっきりしている。以前は、草に埋もれ細々としたものであった。それだけ多く歩かれている。分岐から十数分で、山留壁に着く。以前は、この先この壁の上端を歩いていった。最近切り開かれた道は、この壁の基部を歩いて行く。壁は行けば行くほど高くなる。数階建ての高さになると、道は巻いて一段上に登る。このあたりは、開発された跡で雛壇のようになっているのだ。大きく曲がる壁を巻いて、その上部に行く。そこから背丈より高い草の中の登りが始まる。かなり幅広く草が刈られ、補助ロープも設けられている。切り開いた登山隊に感謝である。上からやってくる四人パーティとすれ違う。急坂をのぼりきり、左に十七寮山への道を分ける。先に大丘田山頂上へ登る。12時、頂上(標高728m)についた。東から北には展望がある。特徴ある獅仔頭山の山容の左に、猴洞尖と鹿鵠崙が連なっている。その間からは、拔刀爾山と高腰山がのぞいている。食事をとり休憩する。

大丘田山頂上から見る、正面は獅仔頭山、左は鹿鵠崙と猴洞尖
大丘田山からの下り道
長めの休憩後、分岐へもどり右に稜線を進む。急坂を下り登り返すと、岩の露出した展望台だ。ここからは、360度の展望ができる。台北盆地が全て望める。春の陽気で、霞んでいるのが残念だ。三峽の街から白雞山竹崙山天上山連山がそこにある。岩を下り、草薮の道が始まる。ところどころ、地面にコンクリが残っており、廃棄された開発地であることが判る。身の丈よりも高い草の中を進む道は、しっかり草が刈られ幅も広い。しかし、人が歩かなくなればたちまち草がまた生え、自然の力に道は消える。分岐から約30分ほど下る。道は雑木林の尾根を進むようになる。途中、また草が現れるが、概ね森の道だ。13時16分、茶畑が現れる。右に安泰路へ道が下っていく。分岐で少し休憩する。

尾根上の大石から見る白雞山と手前の竹崙山
草の中の下り、前方に天上山連山
背丈より高い草の道
尾根はここから東へと方向を変える。森の中の快適な道が続く。右にまた安泰路への道を分ける。一度下り登り返す。十七寮山の登りで、とても深い穴が道脇に開いている。13時51分、十七寮山頂上(標高457m)につく。基石が中央に埋まる狭い頂上は、樹木の中で展望はない。下ってまもなく、右に道を分ける。この道を下っても、尾根上の道を行っても、どちらも安坑へ下れる。左の尾根道を進む。天師廟への道を分け、かなりの急坂を下る。茶畑に出る。その先広がる茶畑の道は、右にとり下る。沢わきを進み14時40分、玉泉亭につく。畑も広がる小農園だ。こうした風景にはほっとする。ちょうど登ってくる単独登山者とすれ違う。登山者は、ここで合流する山腹道を十七寮山へ登っていった。

十七寮山登山道わきの洞窟
玉泉亭
相思樹の山道を下る
さらに広がった山道は、快適に山腹を縫って行く。15時少しまえ安康路571巷にヒョッコりでて山道は終わる。この路地道を安康路へ出る。交通部のいう名称のバス停がある。ここは779番バスしか無いが、その少し先には多くの路線の始発駅錦繡バス停がある。そこまで歩いて行く。着くとちょうど自宅近くまで行く643番バスがやって来た。これに乗り帰宅した。

安康路の交通部バス停
二年半前の無念が、やっとこれで晴らせた。行動時間は約5時間50分、歩行距離約8.6km、登攀高度1052mである。草刈りがされた道は、クラス3といっても良いかもしれない。獅仔頭山周辺は、整備がされたクラス2の道である。体力要求度はクラス3である。反対方向に登ると、それなりにキツイところもあるが、それでもクラス3~4だ。展望のよい、お薦めのコースである。

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