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霧の歩道に咲く華八仙 |
この日は、もともとや山登クラブ慢集団の道案内で
石碇の皇帝殿連峰を登る予定であった。途切れることなくやってくる寒波のため、一週間雨が降り続き、当日も天気が良くないようなので、この予定は取消となった。皇帝殿山は岩尾根が続く山で、濡れた道は滑りやすく、安全第一でこのような判断であった。主催者のWさんが、雨の中でも歩いて行ける、木柵の猫空へ行くことを提案した。それに応えて、この山行となった。
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木柵政治大学から猫空を往復 |
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歩行高度プロファイル |
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指南国民小学校脇の茶葉古道入口 |
目的地はとりあえず木柵の猫空ということで、猫空ロープウェイの麓駅である動物園駅で9時に集合という。筆者は歩いて登り、山の上の猫空駅で落ち合うことにした。猫空駅は9時40分集合である。これに合わせて、政治大学を8時20分頃出発で予定した。自宅を7時20分頃にでかけ、MRT文湖線を萬芳醫院駅で降りる。ここから政治大学行きのバスが三路線あり、便数も多い。8時少し前にやって来た236番バスに乗る。十分ほどの乗車で政治大学正門近くのバス停政大一バス停で下車する。幸いに雨は止んでいる。ただ、周囲の山は霧の中だ。
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石段の古道 |
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指南宮が霧の中に浮かぶ |
キャンパスの中を通り過ぎ、指南路三段の道を行く。左に指南宮参道に続く道を分け、右の道を進む。勾配がきつくなる。道の両わきには新しい住宅ビルが並んでいる。左に指南宮へ続く車道を分け、高速道路の下をくぐる。程なく左に指南国小がある。ここまで約20分だ。谷から見える左右の山は霧の中、雨が降っていないのが幸いだ。
ここから茶葉古道が始まる。三玄宮登山道とも呼ばれているが、その昔は山上で採れた鐵觀音茶の葉を、麓へ運んできた道である。ちょうど
二年前に二格山から縦走したその帰りに下った。はじめはコンクリの道だが、十分ほど登ると古い石階段の道となる。ここからは、古道の趣だ。雨に濡れた石段道は、歴史を物語っている。滑りやすいが、幸いに登りなのでしっかりと踏んで登る。左の山腹には、指南宮が霧の中に浮かんでいる。許家の墓を過ぎ程なく、民家の下について古道は終了する。
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雨に咲く桜 |
コンクリ道がまた始まる。右は大きく斜面が剔られ、土木工事が進行中である。指南路を横切りまた階段の山道を行く。左に東昇園餐廳がある。時間が早いので、店は空だ。この時は、午後ここで食事をするとは知らなかった。また指南路を横切ると、貓空駅へはひと登りだ。ロープウェイのゴンドラが行き来する下をくぐり、すぐ右に駅を見る。桜がまだ少し残っている。時刻は9時25分、政治大学を出発して約1時間である。
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猫空駅 |
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霧の中の山道石段を昇る |
Wさんに電話連絡すると、ロープウェイに乗っているとのこと。駅でやってくるのを待つ。9時50分頃、Wさん一行四人が改札口から出てきた。もっと参加者がいるかと思っていたが、雨なのでやはり少ない。四人はいつも慢集団でお目にかかる面々だ。駅構内のコンビニでコーヒーを飲み、またメンバーは朝食などを取り、しばし休憩する。
政治大学から登ってきた時は、雨は小康状態であったが、10時20分過ぎいざ行動という時にはガスが濃くなり、また雨がぱらつき始めた。Wさんは、
鵝角格山へ登るということだ。雨の中で、展望などは一切望めないが、こうしたしっとりした雨の中を歩くのも、また別の姿を鑑賞するよいチャンスでもある。大小二匹の猫の石像わきから三玄宮歩道が始まる。この道は、
昨年10月以来だ。登りはじめ、程なく右に樟湖歩道を分ける。石段道は勾配がキツくなってくる。道の程度は良いので、傘をさして登る。
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稜線道を下る |
約30分ほどで、あずま屋のある峠部分に着く。11時少し前だ。ここから鵝角格山を越えていく稜線道は、そこそこ歩かれているが土の道である。草も深く、ここで傘の代わりに雨具を着ける。他のメンバーは、そのまま傘でOKのようだ。霧の中でしっとりとした、幻想的な道を行く。時々下から音が聞こえてくるが、別世界からもののように思える。一度急坂を下り、登り返す。11時25分、鵝角格山(標高475m)に着く。ここももちろん霧の中、展望はない。
下りは、尾根上の急坂がしばらく続く。補助ロープは雨水を吸い込んで、掴むと水があふれる。降りきれば、右に折れて山腹を下る。緩い下り坂が10分ほど続き、石畳の樟湖歩道に合流する。
待老坑山への稜線道を進み、左に銀河洞への道を分け、また右に下っていく道を見る。稜線道は、
三年前に歩いた時に比べると、整備が進んで土の部分はすべてコンクリか砂利の道になっている。待老坑山への前で、樟湖歩道は右におれ指南路三段34巷へ下っていく。茶畑の脇を進み、大きな鳩舎を通り過ぎる。降りきったところにある、民家前からは産道が始まる。左にまた石段の歩道を下る。
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待老坑山への樟湖歩道稜線道 |
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まだ桜の残る樟樹歩道入口 |
歩道は、老泉街45巷と指南路三段34巷の合流点に降りる。車道を樟山寺方向へ少し下る。左に樟山寺への道を分け、そのすぐ先に樟樹歩道入口がある。この歩道は、山腹をずっと行く道で、観光用に整備されている。途中には人造池や、昔の小屋や水牛の彫刻など、農村をテーマとした開発がされている。今まで猫空に来ても、山登りが中心であったので、この道は初めてだ。猫空を観光するのであれば、登り下りも少ないこの歩道はとても良い。だいぶ散ってしまっているが、桜の木も多く植えられている。歩道入口付近で、慢集団の活動に参加した事があるTさんと出会い、一緒に道を歩く。
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樟樹歩道にある人造池 |
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雨の山道を歩いたメンバー |
13時10分、猫空駅に戻ってきた。約3時間で一周りしてきたわけだ。指南路三段38巷を少し下り、左に朝登ってきた歩道へ曲がる。Wさんが話していた食事処はここだ。登りに通り過ぎた東昇園である。少し遅いが、食事をする。ここは少し観光中心から離れていること、天気が良くなことで、他には客がいない。茶葉を様々な料理に使った、セット料理である。もちろんお茶もある。メンバーの一人が持ってきた高粱酒を皆で飲む。外は寒いが、温かい料理とお酒ですっかり温まった。Wさんの言うように、値段も良心的だ。
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東昇園の鍋料理、茶葉が入っている |
一時間半ほどの食事をすませ、15時に朝登ってきた道を指南国小へ下り始める。雨はまだ続いている。傘を指して歩く。雨に濡れた石段は滑りやすい。この時は、摩擦係数の大きいコンクリ道のほうがありがたい。約30分で指南国小へ下りきる。16時に政治大学に到着する。バスで同じく萬芳醫院駅を経由して帰宅した。
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濡れた古道の石段は滑りやすい |
今回は、約11kmの歩行であった。累計で800m登っている。休憩を含んで8時間の活動時間だ。今回は食事時間などが長いので、歩行時間は5時間半足らずというところだ。雨の中では、やはり登山者は少ない。本当に山好きしか歩かないからだろう。同じ景色でも雨や霧の中では、また別の趣がある。雨の山は、決して悪いものではない。困難度は、山道クラス1~3、体力要求度レベル2である。
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