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2014-03-30

2014年3月29日 新竹五峰鳥嘴山 - 鵝公髻山縦走(小百岳登山)

光天高山から遠くに鵝公髻山を望む(2013/10撮影)
昨年秋、苗栗縣南莊の向天湖山に登った時、深い谷を挟んだ向こうに山並みが樹木の間から見え隠れしていた。それは、今回歩いた鳥嘴山 から鵝公髻山にかけての稜線であった。小百岳にも選定されている鵝公髻山は、一度登ってみたいと思っていた。慢集団の活動がちょうどあり、これに参加して登ることができた。

南の鳥嘴山から北の鵝公髻山へ縦走
出発点が高い縦走
鵝公髻山は、台湾第二の高峰雪山から直線距離で20km足らずの場所にある。雪山主峰は見えないが、その北方にある大霸尖山などの雪山付近の高山が望める。北方向に尾根をたどれば、これまた小百岳に選定されている五指山へ続いている。西海岸の平地から見ると、背後の高山の前衛になる山で、山頂からは平地も望める。今回は天候にも恵まれ、こうした展望を得ることができた。標高が1500mクラスであり、植生も台北近郊の山とは異なる。野生の蘭やその他の珍しい草花にも出会った。中級山は、山頂からの展望があまり無いところが多いが、別の魅力が沢山ある。

更に東にある高山群の前衛になる山
登山口まであと僅かだ、前方に鳥嘴山が見える
一週間前の南投縣溪頭鳳凰山の時の同じに、板橋駅前に6時半集合し、高速道路を一路竹東ジャンクションへ向かう。一週間後は、台湾のお墓参日清明節だが、繰り上げて故郷に帰り墓参りをする人も多く、高速道路は混んでいる。1時間20分ほどの乗車でインタチェンジをおり、68号快速道路を経て竹東に8時15分ごろに着く。ここで小休憩のあと、122号県道を進む。谷が深くなってくるころ、右に五指山への道に曲がる。これを登って行き、玉皇宮への道を左に分岐し、山腹の道を行く。今回は、道が細いのでマイクロバス二台でのアクセスだ。産業道路を登り大隘山直下の峠を越える。途中、鵝公髻山第一登山口を過ぎる。バスは、なおも産業道路を進んでいく。このあたりは、原住民のテリトリーだ。鳥嘴山 から鵝公髻山への稜線下の、比較的傾斜のゆるい場所に住居や畑などがある。今日は、天気が良いので高度が上がるに連れ、雄大な景色が展開していく。9時25分、バスが入れる一番奥に着く。台北から約2時間40分ほどの乗車である。

キャンプ場へ車道を登る、左中央の山は面托油山
まだ桜が少し残っている、奥は麥巴萊山
今回は、全員36名のパーティだ。見慣れたメンバーも多い。支度がすみ、9時40分に出発する。このあたりの山にとても詳しいJさんが道案内である。上方のキャンプ場まで続いている舗装路を進む。森を抜けると、遮るもののない展望が広がる。すぐ対岸には、ほぼ同じぐらいの高さで面托油山が左右にすそ野を広げて座っている。その左奥には、2100m級の麥巴來山が、右奥の高い稜線の上からは、大霸尖山の四角の頭がのぞいている。とても雄大な眺めだ。15分ほでキャンプ場に着く。この辺りですでに標高1400m弱である。キャンプ客が我々に話しかけくる。

キャンプ場から高山群を望む
鳥嘴山へ急坂を登る
キャンプ場の少し上で車道は終わり、山道が始まる。竹林の中急坂を登る。10時23分、尾根上分岐に着く。左に行けば大窩山へ、右にまがり鳥嘴山へ登る。道端に闊葉根節蘭の薄紫の花が咲いている。この後も、度々根節蘭の花を見かけた。竹と雑木が入り交じる稜線尾根は数分で終わり、10時32分に竹と樹木に囲まれた鳥嘴山頂上(標高1550m)に到着する。後から登ってくるメンバーを待つ。少し下がった場所には、展望ができる場所がある。道案内のJさんによればだいぶ樹木が伸びてしまったとのことで、展望できる範囲はもう少しである。遠くに苗栗の街がが見える。その右のほうには目的地の鵝公髻山の一部が見える。

鳥嘴山頂上下の展望台から望む苗栗方面の展望
杉林の中を下る
道わきに咲く根節蘭
10時52分、尾根道を下り始める。杉林の中の道は、乾いていて歩きやすい。倒木が道を塞いでる場所も、けっこうある。小さいピークを越え下った鞍部は、右に白蘭部落へ道が下っていく。11時35分、ここで昼食休憩となる。40分ほどの休憩後、また尾根道を進む。急坂が始まる。補助ロープが掛かっている。15分ほどで標高1506mのピークを越え、また少し下って登り返し13時に1532mピークを過ぎる。尾根道は、ここから大きく下る。風が強くなり、そのうち空が暗くなってきたかと思ったら、雨が降り出した。遠くで雷の音も聞こえる。幸いに雨は本降りにならず、陽がまた差し込んできた。雨具を出したが、結局必要なしだった。

大きな八角蓮の葉




緩い登りが始まる。杉林の道は、細い竹が生えている場所や下草の中を行き、ところどころ踏跡がはっきりしない。杉はかなり太い木が切られているが、搬出されるわけでもないようで、そのまま放置されている。大きな八角蓮が目立つ。14時6分、山上人家民宿から登ってくる道と合流する。この道はそれまでの稜線道とくらべ、太くよく歩かれている道だ。少し歩き、開けた場所で休憩する。

鵝公髻山へ登る
左奥に鵝公髻山の一部が見える
鵝公髻山山頂
下ってくるハイカーと数回すれ違う。太い倒木も数回現れる。山ツツジの木にはちょうど咲き出したピンクの花が美しい。木々の間から、左側の深い谷が望める。急な登りが現れる。鵝公髻山の頂上もあと僅かだ。補助ロープの坂を登る。坂が緩くなり、15時25分に広いが周囲が樹木で展望がない山頂(標高1579m)に着く。本日縦走の最後のピークだ。

下り坂から望む五指山
五指山を背景に咲く火炬莿桐の花
全員が頂上に到着し、集合写真のあと、だいぶ時間が遅くなってきたのでまもなく下り始める。先頭グループはかなりの速度で下る。太いクスノキが最近切られたよう、根の部分だけ残っている。強い香が漂っている。不法伐採されたもののようだ。急坂を過ぎ、後続のメンバーを待つ。階段が現れ、右に第二登山口への道を分ける。高い草薮の中を行き、右側に展望が開ける。そこには、特徴のある五指山が座っている。その名由来の五つのピークが顕著だ。16時45分、舗装された産業道路に換わる。その先には、展望台がある。目の前には五指山が近づき、大きく見える。後続メンバーを待ち、更に下る。17時30分、第一登山口に着く。マイクロバスが待っていた。

第一登山口に下ってきた
歩行距離9.2km、休憩込みの行動時間8時間である。標高1500mクラスの中級山は1000m以下の台北郊外の山と比べると、登攀高度や距離などは登山口が相対的に高いので同じようなもので、体力的には特に違うことはない。違うのは植生など、間近に感じるものが主だ。特に今回は、多くの根節蘭を見ることができた。

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