このブログを検索:山名などキーワードを入れてください

2024-02-17

台湾登山ルートガイド :銀河洞 - 貓空 - 木柵 100年歴史の銀河洞からお茶のふるさと貓空へ

南から北へ縦走
新店の奥にある銀河洞は、滝が落ちる岩窟に道教の神である呂洞寶が祭られている廟である。1912年に発見され、その後洞穴を利用して廟が設けられた。名勝とされたが、一時期不遇をかこい、その後また人気を盛り返している。この記事執筆のために訪れた時は、旧暦正月休みであったことも関係するが、多くの遊楽客が来ていた。

台北地区の南東部
筆者が最初に訪れたは13年前である。その後数回訪れているが、最近の状況を確認するため、また猫空はいろいろなルートを歩いているが、表題のコースでは歩いていないので取材の目的も含めて訪れた。このコース上では、特に山頂を目指していないが、付近には多く割合と短時間で登れる山、例えば待老坑山鵝角格山などがあるので、時間と体力に余裕があれば同時に訪れるのもよい。また、季節に応じていろいろな花が咲くので、それに合わせて歩くのも良い。

----------------------

登山対象:

ルート
台北MRT新店駅→(緑12番バス 約15分)→銀河洞バス停→(銀河路25分)→銀河洞歩道入口→(15分)→銀河洞→(銀河洞越嶺步道40分)→峠十字路→(樟樹步道40分)→貓空纜車站ケーブルカー駅→(樟樹步道30分)→指南國小登山口→(指南路三段+政治大學キャンパス経由 25分)→政治大学正門バス停→(236番バスなど約30分)→MRT公館駅

歩行約3時間(休憩含まず)約6.5㎞、上昇340m、下降360m コース定数12

銀河洞

上述のように1912年に発見され、その後まもなく道教の廟が設けられた。岩壁の洞窟には、祭壇が設けられ、滝の後ろを登る階段を登り詰めると呂洞寶の神像が祭られている。道教の仙人であり日本の平安時代初期のころ実在した人物で、突出した社会への貢献などをたたえることから、敬い祭られている。ただ恋人が拝むと、分かれることになる、という言い伝えもある。廟は、休日9:00~16:30のみ一般に開放している。

銀河洞
銀河洞越嶺步道

銀河路上の入口から銀河洞を通り、さらに沢沿いに登り、そこからさらに山を越えて待老坑山-鵝角格山の尾根上の峠まで続く歩道である。銀河洞付近は砂岩の石段で、一部水が流れている場所もある。雨の後などは滑りやすいので足元に注意。石段が終ると、土の道で木材を使った階段がある。道標はしっかりしている。

銀河洞越嶺步道口
樟樹步道

銀河洞越嶺步道の峠部分から猫空ケーブルカー駅までは、樟樹步道と樟湖步道の二つの道が続く。前者は指南路三段38巷の下を行く道で、茶畑や花畑を過ぎていく。その前身は台湾の山里をつないでいた保甲路であり、炭や茶などの産物の運搬にも供された。今では、ルピナスの花が2~3月に多く咲く道として知られ、遊楽客でにぎわう。一方の樟湖步道は、鵝角格山の山腹を進んでいく。どちらも石畳の道で、整備されている。

石畳の樟樹步道
貓空

台北市の最南端に位置する山腹に展開する。茶葉が主要作物で、広く知られる。観光地としてもにぎわい、飲食店、コーヒー店、土産物屋などが多く経営している。猫空の名は、本来動物の猫とは関係なく、この地の沢に多い壺穴という穴をニャオカンと呼んでいたが、日本時代にそれに猫空の文字をあてたという。ただ、猫という字があるので、観光宣伝では猫が登場する。

賑わいを見せる猫空ケーブルカー駅と手前のバス停
貓空纜車(ケーブルカー)

MRT動物園駅の近くから、台北動物園駅と指南宮駅を経て、貓空まで運行している。強風悪天の場合やメンテ保修期間は運休になるので、事前に注意が必要。但し、バスやタクシーがあるので、運休時も公共交通機関を利用して猫空を訪れることはできる。

猫空ケーブルカー
茶路古道

運茶古道という言い方もあるが、その昔は猫空で栽培完成した茶葉を運ぶために利用された道である。猫空ケーブルカー駅の脇から、指南國小まで続く。ほぼ全行程が石段或いはコンクリート舗装である。

右に指南宮を見て下る茶路古道

コース概要:

MRT新店駅から、北宜公路を坪林まで運行する緑12番バスで銀河洞バス停へ向かう。ただ、緑12番バスは、運行本数が少なく休日だと長蛇の行列になる。銀河洞バス亭前の中生橋頭バスまでは緑5番や647番など、本数の多いバスが運行しているので、中生橋頭へはこれらバスで向かい、北宜公路を5~10分ほど歩いて銀河洞バス停へ行くのも方法である。

緑12番バス発車40分前ですでに行列
銀河洞バス停で下車
銀河洞バス亭から進み、すぐに大きな仏像がある銀河路入口へ北宜公路を渡る。谷間を進む銀河路は、途中集落を通り過ぎ、坂が少しきつくなるあたりで、前方の山中腹に銀河洞が望める。まもなく右手に土地公祠を見る。脇にはお手洗いがある。

ここで北宜公路を渡り銀河路に入る
銀河路を登る
土地公廟、左奥にトイレ
更に少し登ると銀河洞越嶺歩道入口が右側にある。沢沿いに行く道は、特に夏だと涼気を感じる。石段道を登り詰めると、銀河洞が現れる。銀河洞の廟には、階段を登り入る。本来宗教施設であるが、今は観光スポットの如くである。入場料などはない。

沢沿いに石段道を登る
石段を登る
洞内祭壇
廟からの眺め
洞脇の滝
呂洞寶神像
洞から下を見る
銀河洞からまた階段を登っていく。階段が始まるすぐ左にお手洗いがある。この先猫空まではトイレはない。手すりのある階段道を登りきると、緩やかな沢沿いの土道になる。しばらく行くと、橋で沢を渡り山に取りつく。橋のたもとには、六分山やさらに沢沿いに進む道が分岐する。

銀河洞からまた石段を登る
滝上部の沢沿いに進む
橋のたもとの道標
しばらく登っていき、ちょっとした広場から左に道が分岐する。ほぼ水平に進む道は、途中左に銀河路方向への道を分け、右に民家を見るとまた方向を換えて峠へと少し登る。峠は十字路で、稜線上を行く石畳道に合流する。

続けて木製階段を登る
平らに進み、左に道が分岐
民家前で方向を換える
山桜がちょうど満開
峠に着いた
樟樹步道へは、峠から石段道を下り、指南路三段38巷へ出た後すぐ右にある道路を渡ったところの石段道入口から茶畑の間を下っていく。下りきったところの道が樟樹步道である。この辺りは開けているので、天気が良ければ101ビルなどが見える。樟樹步道は右に曲がり道なりに進む。途中、穀物倉の姿を再現した休憩小屋などを過ぎ、大きな池が下にある涼亭が現れる。

峠から石段を下る

指南路三段38巷に降りる

茶畑の間の道を下る
下に樟樹步道が見える
穀物倉を模した涼亭
歩道脇の涼亭、手前の田んぼにはオタマジャクシ
この付近は、春であればルピナスの黄色い花が一面に咲いている。またこの時期は山桜や杏などの花が見られる。涼亭からは少し登り気味に行き、飲食店や土産物屋のある指南路三段38巷道路にでる。左に曲がって進むと猫空ケーブルカー駅がある。駅の脇はバス停で、バスで下山もできる。

ルピナス畑
水牛の模型
歩道から出て車道を左へ
貓空についた
徒歩で下山であれば、ケーブルカー駅脇の石畳道を下っていく。途中二カ所道路を横切り、その後はずっと階段道が続く。右に谷を挟んで指南宮の大きな寺院を見ながら下り、指南小学校の校庭が現れると茶路古道は終わりだ。

ケーブルカー駅脇から下る
車道を横切る
下方でまた車道を横切る
民家脇を下る
石畳の道
下方に指南國小の校庭
右に曲がり指南小学校の前をとって車道を進む。途中右からの道を合わせ、高速道路高架橋下をさらに下っていくと住宅地に入る。左に政治大学付属小学校を見て橋を渡ると左に政治大学キャンパス入口がある。キャンパス内を進んでいき、大学正門からでてすぐ対面にバス停がある。

指南路三段を下り住宅地に這ってきた
橋の向こうが政治大学キャンパス入口
キャンパス内を進む
政治大学正門

バスの路線や便数はとても多いので、自分の目的地に合わせて乗るとよい。MRT公館駅や萬芳醫院駅を通過するバスが便利だろう。

アクセス:

往路最寄りのMRT駅は新店で、ここから緑12番バスで銀河洞バス停へ行く。上記にあるように緑12番バスは本数が少ないので、緑5番や647番バスで中生橋頭バス停(終点)へ行き、そこから歩いてもよい。帰路は、政治大学正門のバス停からバスで行く。例えば236番バスであれば、MRT萬芳醫院駅と公館駅を通るので、下車してMRTに乗り換えると便利だ。なお、猫空からケーブルカーで或いはバスでMRT動物園駅へ下るのもよい。

装備:

一般日帰り装備で十分である。夏は暑いので、飲料水は十分に準備したほうがよい。途中には水場はない。

貓空東昇園屋根上の猫


0 件のコメント:

コメントを投稿