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River Wey NavigationのThames Lock(テームズ水門)標識 |
1年半ぶりに、イギリスのロンドン中心から約30数キロ南西のウォーキング(Woking)に来ている。今回も三か月ほどの滞在なので、天気の良い時を見計らい近くのハイキングルートを歩いていくつもりだ。この近辺は、丘陵地帯なので高い山はない。そうしたことで、高低は少ないが距離があるルートを歩くことになる。その第一回目で、前回訪問の際に歩いた全長20マイル⁽約32km)
River Wey Navigationの運河システムで未踏の部分を歩くことにした。それは、Basingstoke運河が合流する地点からテームズ河までの、最終セクションである。
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Wokingからテームズ河まで歩く |
去年は、冬の時期でこの一帯は雨が多く、水たまりやぬかるみが多かった。今回は晩夏であり、朝はすでに10数度と低いが、昼間には日差しがかなりまだ強い。そうした気候で前回の冬景色とはことなり、草木もまだ緑であるところが多く、印象がまた違う。滞在場所からは、直接歩き始め、ウォーキングの街を貫く
Basingstoke運河を東に進み、River Way Navigationへとつなげた。この部分も数キロの距離があり、それはそれで結構歩きでがある。
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ロンドンの南西に位置する |
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ウォーキング駅南口 |
朝8時に滞在場所を出発する。丘に登り鉄道のウォーキング駅を過ぎて、Chertsey Roadを進む。左にアサヒビールのイギリス現地法人(Asahi UK Ltd.)のビルを見る。アサヒビールは、ビール本場イギリス等欧州でもかなり健闘していて、スーパーマーケットなどでも見かける。平日なので通勤者通学者が多い道は交通量が多い。さらに進み、8時37分橋からBasingstoke運河に降りる。運河のこの部分は、1年半前に反対側からやってきた。この時間、運河を散歩する人はまだ少ない。
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Asahi UK Ltd. |
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当時の遺構 |
地形を説明すると、ウォーキングの街がある場所は、小高いところになっている。したがって、River Wey Navigationの合流点までは、この落差を途中数か所の水門で下げていく。はじめは公園脇を行き、運河が使われていたころの遺構を見ると橋の下をくぐる。左に森が続き、その後住宅街が続く。右は、柵を隔てて工業地帯である。白鳥が数羽運河にたむろしている。真っ白な白鳥だけでなく、茶色がかったものもいる。
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運河上でたむろしている白鳥 |
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Woodham Flight 6番水門(最上部) |
Chertsey Roadの橋から降りて運河沿いを歩くこと3.5㎞ほど約40分で、水門が続くWoodham Flightにくる。ここで大きく高度を下げるので、Flightである。運河終点から2.5㎞の表示ポストが近くにある。最初の水門は第6番となっている。そして少し行くと、今度は第5番水門が現れる。この後は、4番、3番と水門が続く。第4番水門は下流側の水門ドアが片方しかない。修理中なのか。第3番水門は、中学校が近くにあるようで、学生が次々と現れ水門の上の橋を渡っていく。
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水門上の橋を渡り急ぐ学生 |
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住居船が並ぶ |
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水門脇でたむろする白鳥 |
連続で四か所の水門を過ぎ、しばらくは同じ水位で運河は続く。運河には一隻また一隻と縦列で船が停泊している。この船はけっこう大きく船上で暮らしているようで、岸にはいろいろと生活に関わる物が置いてある。9時43番、第2番水門が現れる。大きなエンジン音がしている。何かの作業が進行中のようだ。ここのも数羽の白鳥がたむろしている。
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対岸に船が並んで停泊 |
また数隻の住居船が縦列に運河沿いに停泊しいる。9時54分、最後の第1番水門に来る。この水門は前後のたまり場広い。その昔は、ここで多くの船が往来していて、交換のために広いたまり場が必要だったのだろう。この先は、この後合流するRiver Wey Navigatoinと同じ水位だ。10時2分、合流地点につく。近くには鉄道と高速道路があり、騒音が大きい。
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第一水門 |
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合流点 |
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高速道路下の落書き |
ここまでは、一年半前に来たところだ。橋を渡って、River Wey Navigatoinの右岸にわたる。ここからは、初めて歩くことろである。Basingstoke運河に比べてこちらは幅が広い。すぐに高速道路の下をくぐる。高架橋の支柱には、大きな落書きがあるが、芸術的なものもある。
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小型船が並んで停泊 |
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New Haw水門 |
運河の左右は住宅地である。左岸側に船が並んでいるが、こちらは先ほどの住居用ではなく、小型の遊楽用のものが多い。10時20分、New Haw水門が現れる。ここは水門脇に水門管理人用の小屋がある。もちろん今は管理人はいないが、整備管理はされている。今まで休みらしい休みはしていなかったので、一休みする。日差しはそこそこ強いが、それほど熱くはない。秋が近づいている。
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水門扉から上流方向を見る |
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運河の釣り人 |
水門の下流側のすぐ上には自動車道路橋がある。この橋に上がり、対面からまた運河の船曳路へ降りる。魚釣りの老人とあいさつを交わし、さらに進む。両側は、引き続き住宅地だ。観光用と思われる船がやってきて通り過ぎる。11時、規模の大きなCoxes水門に来る。水門前後のたまり場も大きい。また当時は倉庫であったような、大きな建物もある。今は住居用に改装されているようだ。
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Coxe水門 |
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下流側の水門から調整池に入る |
この水門にはちょうど下流から船が水門を通過中である。下流側の水門を閉め、上流側の水を入れて水位を上げていく。その作業をずっと観察させてもらった。水門を利用して次のセクションに出ていくまで。全部の作業に15分ほどかかっている。百、二百年前の運河が盛んに使用されていたころは、これが普通であったのだ。現在の物流から見ればずいぶんとのんびりしたものだ。
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下流側水門を閉める |
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上流と同じ水位になり船は水門を出ていく |
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Coxes水門を下流から見る |
出ていく船を見送ったあと、さらに運河を下っていく。もともとは工場か何かであった場所が、取り壊し中の場所近くで、橋をわたり左岸にわたる。運河は方向を変える。十数人の年配グループとすれ違う。おそらくハイキングか何かの活動だろう。11時31分Town水門に来る。すぐ近くに橋があり、この近くの町はこの橋からWeybridgeという名称である。
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左岸へ渡る |
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Town水門 |
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右側の入口が運河 |
運河は、ここから左におれて進む。対岸の住宅は大きな邸宅が多い。11時47分、左に分流をみて、船曳路は両側の流れの間を行く。11時51分、最後のThames水門についた。これがRiver Wey Navigationの最終点である。ボランティアと思われる人たちが作業をしている。もともとは馬小屋だったような小屋は、中に運河の説明が取り付けられている。対岸には関連の建物があるが、今日は一般公開はしていないようだ。運河前のベンチに腰掛け、昼食をとる。
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カモが泳ぐ対岸は邸宅軍 |
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左に分流 |
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Thames Lock水門 |
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Thames Streetを行く |
運河歩きはこれで終了だが、テームズ河を見るべく水門の上にかかる橋を渡り、公園の脇からThames Streetにでる。少し歩くとテームズ河の河岸についた。数年前にロンドン付近の
テームズ河沿い道(Thames Path)を何回か歩いたことを思い出す。ここからも続いているので、ずっと行けばロンドンへと歩いて行ける。
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テームズ河 |
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Weybridgeのバス停 |
12時20分、テームズ河を後にWeybridgeの街へとThames Streetを歩く。住宅地を抜け、13時過ぎに町中心のバス停についた。13時12分発の436番バスでウォーキングへと戻る。30分ごとにあるバスは、地元民の足になっているようだ。主に年配者や子供連れの母親などが主な乗客で、運転手とは顔見知りのようだ。途中大型ショッピングセンターなどに立ち寄る。朝歩いて通り過ぎたBasingstoke運河わきの工業地区をすぎ、バスは14時にウォーキング駅前についた。
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Basingstoke運河第一号水門脇のカモ |
休憩も含め活動時間は5時間である。距離は約15㎞ほど歩いている。運河にそって歩くので、上り下りは少ない。したがって、山登りのような上昇下降はなく、平地のハイキングである。イギリスのこの辺り地形は、あってもせいぜい高さ100mぐらいの丘で、台湾や日本のような山歩きは、もっと北に行かないとできない。とは、いってもこれはこれで、運動になるので滞在期間中には、引き続きやっていくつもりだ。
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