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南港山を一巡りする |
当文章も、台北近郊登山ルートガイドである。台北盆地の東端に位置する南港山は、その名の固有ピークもあり、またその他近くの山峰を含む山塊の総称としても呼ばれる。台北市政府の親山歩道が完備し、それ以外に地元住民が運動などで通う土の道も縦横に走っている。とても親しまれている山である。
親山歩道は、四獸山步道や南港山縱走步道,さらに山腹を行く虎山自然步道などいくつかの石畳の道だ。路面は方形の花崗岩が敷かれており、分岐等にはしっかりした道しるべもある。一方、それとは別の麓から稜線などへのアクセスや、親山歩道と並行するような土の道がある。踏み跡がしっかりした道から、草に埋もれかけた道など、程度の差が大きい。道しるべはあまりない。位置づけとしては、親山歩道は一般大衆向け、そうでないものは地元民や地図が判読できる登山者向け、といったところだろう。
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南港山は台北盆地の東端 |
このガイドで紹介するのは、後者の道を多く取り入れて南港山をぐるっと回るという趣旨のルートである。親山歩道は、日本から訪れて歩くとしても、
特にガイドがなくても歩けるような道である。本ブログの検索で、南港山と入れて探してもらえれば、かなりの数の記録文も出てくる。このガイドは、一度南港山を歩いた後、ちょっと別のルートで違う南港山をトライしたい、というような読者を想定対象としている。
登山対象:
ルート 吳興街站 - (20分) - 信義路五段150巷末尾 - (12分) - 清靜山不二法門土地公 - (10分) - 一線天/好漢坡 - (10分) - 象山山頂 - (四獸山步道25分) - 忍字碑 - (8分) - 糶米古道 - (稜線路30分) - 拇指山鞍部 - 拇指山山頂往復(10分) - 鞍部 - (6分) - 後山步道分岐 - (20分) - 九五峰分岐 -(10分) -九五峰 - (25分) -黃禪園 - (虎山自然步道30分) - 豹山 - (松山路15分) - 獅山 - (30分) - 永春高中站 休憩無しで4時間20分 距離8.1㎞ 上昇470m 下降490m コース定数16
象山 南港山の前衛に位置する四つのピーク(四獸山)の内の一つ。台北の主要ランドマーク101ビルのすぐそばにあるので、ここから101ビルの写真が多く撮られいろいろな場面で使われている。標高はわずか184mでアクセスもよく、登山者だけでなく遊楽客や地元民の運動・散歩の場所として、多くの人が訪れる。山頂のすぐ裏、トイレわきの休憩場所にはバーベルなどがおいてあり、地元民が登ってきてウェイトトレーニングをしている。
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象山山頂 |
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台北101ビルを望む |
糶米古道 当用漢字にはない糶は、売るという意味で糶米はコメを販売するための道の意味だ。その昔木柵や深坑などへコメを運ぶために南港山の南西に伸びる稜線を越えていく峠越えの道である。稜線上の道も糶米古道と称されている。日本でも古道という名称を与えた道があるが、同じく過去に歩かれそれが交通の発展で忘れさられ、ハイキングの道としてまた復活した道である。
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糶米古道の標識石 |
拇指山 標高320mの砂岩頂上を持つこの山は、周囲の森から頭を出しているので、とてもよい展望台である。ただ、北東側の展望はさらに高い南港山に遮られている。拇指とは親指の意味で、市内の平らな場所から見ると親指が突き出たような形状に見えることから命名されたといいう。
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拇指山山頂からのパノラマ、左遠くに三峽の山から右陽明山まで見える |
後山山腰步道 人口の多い南港山の北側にくらべ、山を隔てた反対側は、その
背後の山並みとの谷間で、人口も少ない。したがって後山という性格だ。ちなみに、清朝時代は、台湾の背骨でもある中央の3000m高山山脈に遮られ、東側は後山といわれていた。南港山は、北面はザっと切れ落ちる急な斜面であるが、南側は緩やかな斜面だ。後山歩道は、この斜面を横切って進む。少しの上り下りはあるが、稜線を行く親山歩道に比べればトータルの上下は少ない。途中、南港山最高点である九五峰へと枝尾根を登る道が分岐する。
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後山歩道入口、右にある道標には記されていない |
黃蟬園 上記のように南港山の北側は急な斜面だが、それが緩くなり始めた中腹に黃蟬園が張り付くように造られている。黃蟬とは、黄色の花の名前である。日本時代にブラジルからもたらされたという。黃蟬が庭園に植えられている。40年ほど前に退官した教授が、廃屋木材を利用して作り始めたのが始まりという。その後有志によって、拡張され現在に至っている。何軒かある家屋は、確かに廃材で造られていることがわかる。誰にでも開放されているので、休憩にとるとよい。我々もここで休憩をとっている。
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入口の門
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園内の家屋 |
虎山自然步道 南港山の北側山腹を横切る親山歩道である。この高度まで下がると、傾斜は緩くなる。その高度を横切っていく。虎山は、四獸山の一座でこの歩道よりも低いところに山頂がある。この歩道は、5月は蛍が多く出現する。そのころにはマイクロ・エコツアーとでもいうべき催しものも開催される。
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黃蟬の黄色い花 |
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