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南の石潭バス停から歩きはじめ、北の芎林へ下る
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飛鳳山は、新竹縣を流れる頭前溪の下流北岸河岸段丘の上に盛り上がる山である。標高は462mで決して高くないが、100年を超える仏教寺院道教廟がそのふもとにあり、小百岳に指定されている。この記事は飛鳳山のコースガイドとして記述する。台北から訪れるについては、高速道路を経由する竹東行き高速バスがそのふもとを通るので、アクセスもよい。台北周辺でなくちょっと離れた台湾の山を歩きたい、というような場合に、とてもよい候補である。
飛鳳山はその稜線を東に追っていき、橫山鄉の
沙坑山まで縦走する飛沙縱走が知られているが、このガイドは飛鳳山とその隣の山を気軽に歩くコースである。台北からバスで1時間以上かかる場所だが、ハイキング所要時間も休みを入れて5時間ぐらいと、朝台北をバスで出発し、夕方に帰るという時間構成で歩ける。バスの便数もあるので、一日の時間を取れるのであれば、日本から訪れても十分に楽しめる。
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新竹縣芎林鄉に位置する飛鳳山 |
ルートとしては、山域南側の石潭から歩きはじめ、石壁潭山の枝尾根を登り主稜線に向かう。主稜線に着いた後、中坑山を往復し、戻って主稜線上の道を飛鳳山を越え、山腹の代勸堂を通って車道を下り、芎林へと歩くものだ。このルートは、
四年前に一度訪れた時の逆のコースをである。逆コースに歩くのも問題ない。
登山対象:
ルート 石潭站バス停 ‐ (10分) - 登山口 ‐ (石壁潭步道 45分) - 展望台分岐 - (10分) ‐ 石壁山 - (觀日坪步道 50分) - 主稜線分岐 - (5分) 觀日亭 - (5分) - 中坑山 - (5分) - 觀日亭 - (10分) - 相思崖 - (10分) - 飛鳳山山頂 - (15分) 第一涼亭 - (10分) - 代勸堂 - (35分) - 穹林站バス停 3時間半(休憩含まず)約8㎞、昇降各約400m、コース定数15
石壁潭山 標高402m。飛鳳山から東に伸びる主稜線から分岐し、南に頭前溪へ下る枝尾根上にあるピークである。半分欠けてしまった三角点基石は、切りの良い100号である。ちょっと盛り上がった小さな山頂は樹木に囲まれている。
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石壁潭山山頂の欠けた三角点基石 |
觀日亭 主稜線上の小高い場所に設けられた涼亭を中心に、椅子や飛鳳山の名がつけれた四角モニュメントがある休憩場所である。モニュメントに塗られている赤字の花の柄は、地元客家人を代表するものである。ハイキング中時間的にも距離的にも休憩するのによい。樹木の間より一部北側の展望ができる。
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觀日亭 |
中坑山 標高462m。觀日亭から少し下って登り返したところにある狭い山頂である。二等三角点がある。山頂のすぐ南下に高い鉄塔の通信施設がある。
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中坑山山頂 |
飛鳳山 標高423m。頭前溪側から北を望むと、盛り上がった山がちょうど鳳が飛ぶような様でこの命名ということだ。この山域の代表的なピークである。小百岳に指定されている。登山道わきをちょと上がると、測量基準石や山名札などがある狭い山頂だ。梅林が有名で冬季に訪れると梅の花見ができる。
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飛鳳山山頂 |
代勸堂 1892年に建てられた三国志の關羽を祭る道教の廟である。飛鳳山の山腹に位置し、南に頭前溪を望み、対岸の竹東や新竹方面が広がる。車道がここまで通じている。
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代勸堂 |
ルート概要:
台北から竹東行き1820番高速バスで台三高速道路を南下し、芎林竹東インターチェンジを降りて三つ目のバス停、石潭站で下車する。バス停の斜め対面は警察派出所がある。北側に道を道を進むと、十字路の脇にコンビニがあり、十字路を渡って河岸段丘を登っていく。前方に竹林別荘区域の入口を見て左に道を曲がる。道なりにしばらく進み、レンガ造り民家の壁脇を行くと、道標のある登山口だ。
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コンクリ表面の道を進む |
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コンクリが切れて土の道になる |
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広葉樹林を登る |
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展望台休憩所 |
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展望台から頭前溪と竹東の街を俯瞰する
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勾配が緩くなった稜線上を行く觀日坪步道をさらに登る。まもなく右側に石壁潭山山頂が現れるので、ちょと上がって立ち寄る。山頂は樹木に囲まれているが、少し行くと右側の斜面は樹木がなく展望がきく。もともと茶畑か何かだったようだ。遠くに
李棟山や
島田山などの山々が連なっている。
大霸尖山も運が良ければ見えるだろう。
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觀日坪步道1K |
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山頂近くから南東方向の山並みを見る |
尾根上の道は少しの上り下りを繰り返し、途中右に風景萬景咖啡店を見る。休日昼間だけの営業だ。最後の登りを上がると、稜線上の分岐になる。右にとって進み、地元民による涼亭を過ぎると、觀日亭である。周囲にはいくつかのベンチがある。
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中坑山への道、右から車道を合わせる |
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中坑山下の通信施設 |
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通信施設脇からも展望がきく |
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主稜線上の道を行く |
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相思崖 |
階段道が始まり、高度を下げていく。石畳の道を追っていき、右に飛鳳山山頂の入口を見る。上がると鎖で結ばれている小白岳飛鳳山のプレートがある。山頂のすぐわきは涼亭だ。前面が開けているので、ここからは沈み行く夕陽が見られるだろう。階段道で高度をさらに下げていく。鉄棒がある第一涼亭は分岐点である。左右どちらの道も下山できる。左の道を行くと代勸堂や雲谷寺に立ち寄れる。左にとって舗装路を下っていく。左に代勸堂に降りる。ここは涼亭やお手洗いがあるので、休憩によい。
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階段が始まる |
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左右の道は並行して進む、どちらでもよい |
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右に入ったところが飛鳳山山頂 |
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山頂脇の涼亭、ここからは夕陽が見えるだろう |
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石階段を下る |
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第一涼亭へ下る |
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代勸堂はすぐ下だ |
最後は舗装路をさらに下っていく。飛鳳花田咖啡を突っ切って石畳山道を行くかそのまま車道(竹24縣道)を降りてもよい。下方で合流する。飛鳳山の山門を過ぎ、さらに進む。左に芎林國民中學校を見ると、間もなくバスが通う台120号線にでる。バス停は角を曲がってすぐだ。
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サルが道を横切る |
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車道(竹24)を下る |
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山門をくぐる |
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芎林站バス停 |
アクセス:
台北からは
國光客運1820番線が上記の概要にあるように、登山口近くまでいく(石潭站=高速を降りて3つ目、芎林站=高速を降りて一つ目)。このバスラインは、台北轉運站(台北駅の隣)から発車し、途中MRT西門站、南門站、萬華站、板橋站を経由して台三高速道路に上がる。各バス停から乗車が可能だ。平日と休日、また時間帯によって時刻表は異なるが、大体30 ~40分に一本ぐらいの頻度で運行しているので、山登りの足としては十分だ。乗車時間は、高速道路の混雑時間に巻き込まれると2時間弱かかるが、それがなければ1時間10分ほどである。
装備:
一般のハイキング装備で十分である。山道は部分的にロープのところもあるが、それほど急な坂でもないので、つかまずに進むこともOK。用心のために手袋はもっていてもよい。夏は暑いので、昼間時間をさけたり、水を多めに準備することを勧める。もし、自家用車で行くのであれば、途中代勸堂の駐車場などまで行けば、歩行距離を少なくできる。
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