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2019-03-15

2019年3月12日 雙溪后番子坑古道-內平林山-乾坑古道 久しぶりの快晴登山

乾坑古道の石龜將軍
今年の三月は雨が多い。一週間ほど雨が続いた。雨の中休みで快晴が訪れた。以前三回ほど訪れている內平林山を、今度は雙溪側から后番子坑古道を経て登った。その後、現在も進行中の草刈手入れが行われている平湖步道西線を行き、乾坑古道を大華駅へ下った。平湖步道西線は、近郊低山の山道整備を行っているボランティアグループ中華山岳會藍天隊が業者に委託して行っているものだ。草刈り機も動員されており、草がすっかり刈り取られ本来の幅広い山道が出現している。

晴天下の内平林山山頂にて、背後に瑞芳九份の山々
雙溪から柑腳へと続く谷あいは、もともと多くの炭鉱があった場所だ。炭鉱は閉鎖されて久しく、また自動車道の整備で稜線を越えていく峠道は住人は歩かず、草に埋もれている。古道沿いの民家の住民は、移住して家屋は壁だけの廃墟になり、棚田は草や木が生えて、注意しないともはや棚田とはわからない。もはや誰も拝まない土地公祠が、道端に残る。この風景は、ここに限ったことではない。今回の登頂は、そうした古道を経て行った。

南の后番子坑から山を越えて大華へ歩く
歩行高度表
番子坑バス停でバスを下車
台北駅7時27分発自強号急行列車で雙溪に向かう。台北から雙溪の二つ先福隆までは、乗車券でなく悠遊卡などのプリペイドカードで乗車できるので便利だ。座席指定はできないので、空いている席に座る。8時30分に到着、駅前のバス停で8:45発の781番バスに乗車する。久しぶりの好天、地元民以外にもほかの登山グループも乗車しマイクロバスは満員だ。10数分の乗車で出発点番子坑に到着する。

前方にこれから目指す稜線が望める
水牛のいる后番子坑生態園區
后番子坑古道の入口
今日は、平日だが全員で九名だ。ドイツアーヘン出身のドイツ人留学生も一緒だ。バス停からすぐに后番子坑方向への道を進む。后番子坑生態園區への道標があるので、それを追っていく。道が山裾を回り込み、オレンジ色の建物の背後に稜線が望める。新路尾山,大平林山から内平林山へと続く稜線だ。沢沿いに下り橋を越える。このあたりが后番子坑生態園區だ。左に曲がり、水牛をみて進む。少し登り、カーブするところで古道が始まる。

土地公祠
倒木が邪魔をする
后番子坑古道と称されされる山道は、実は二つある。カーブをさらに進んでいくと、炭鉱の跡を通っていく道もある。この道は、上部で合流する。道は沢沿いに進む。右岸から左岸へ、また右岸へ渡渉する。倒木などもあるが、道筋ははっきりしている。ここは去年8月に藍天隊が入って整備したところだ。だが、そのあとはあまり歩かれていないようだ。9時37分、土地公祠がある。奥に住んでいた住人も移住して久しく、通る通行人もないので、今は焼香されていない。

棚田跡
草深い古道の分岐
沢を渡り棚田跡へ上がる
更に進む。倒木が行く手の邪魔をする。棚田跡と思われる開かれた場所を過ぎる。9時55分、分岐にくる。直進する道は大平林山へと続く。左に曲がって坂を登る。登り終わると山腹をトラバースしていく。10時2分、10年前の日付の道標がある。右は支稜線を登っていく道だ。草がかぶったり倒木などもあるが、道筋ははっきりしている。10数分行き、大きく下って沢を渡る。渡ったところは、以前の棚田のようだ。ここでもう一つの后番子坑古道と合流する。

檳榔畑を行く、前方に鞍部が見える
平湖遊樂區の鞍部についた、涼亭がある
登り始めてまもなく、10時30分新しく開かれた道を過ぎる。さらに登っていくと、まだ小さい檳榔がたくさん植えられた檳榔畑になる。ここは雑木林を切り開き檳榔畑にしている。畑の中を行く道を登っていく。前方左奥に、平湖遊樂區の涼亭がある鞍部が望める。道脇で檳榔を植林している。さらに登っていく。11時5分、鞍部に到着する。檳榔畑ができたことで、以前の古道はなくなってしまったようだ。

内平林山山頂、背後に基隆山から草山への山塊が望める
五分山から三爪仔坑山への稜線を望む
平湖步道から內平林山への道の分岐
今日は、数日続いた雨が上がり、晴上った空が気持ち良い。草が刈られて広々としている鞍部涼亭で休憩する。20分ほど休憩したあと、內平林山へ向かい平湖步道西線を歩き始める。ここは最近、藍天隊が委託した草刈業者が作業を進め、すっかりきれいになっている。道幅いっぱいに草がかられ、わきの邪魔な樹木なども切り取られている。登ること10分ほどで、内平林山への分岐から最後の登りを行く。11時36分、内平林山山頂(標高502m)。今回で四回目の登頂だ。山頂の草はきれいに刈り取られ、雲一つない青空のもと、360度の展望ができる。食事休憩をとる。

草が刈られて広い道になっている
稜線から周辺の山々を望む
12時10分、往路を下り始める。分岐から右に曲がって、山腹を行く。草がなく幅が広くなっている道は、実に気持ちが良い。道から周囲の山々もはっきり見える。道は山腹から稜線上に上がる。草に埋もれていた石のベンチもあらわになっている。右に幼坑古道へ下る道を分岐する。稜線道は、小さな登り下りを越えていく。気持ちのよい道を約30分やってくると、道脇に草刈り機が置いてある。そのさきは、まだ草刈がされていない草の間の道が細く続いている。もともとの山道の様子だ。

草が取り除かれて石のベンチが現れている
草刈の終了点
稜線上の平湖歩道から下る
草の間の道を更に10分ほど進み、13時に分岐にくる。少し休憩を取っている間に、三名の登山者が対向方向からやってきた。分岐から乾坑古道に向かい下り始める。ここは、あまり歩かれていないようで、后番子坑古道より状態はよくない。道筋はわかないことはないが、草にすっかり埋もれている。幸い森の中を行くので、藪漕ぎはそれほどない。補助ロープもあるが、草に埋もれている。13時50分、狭い尾根の右下に新しい建物が見える。山道はここで終わりだ。下ると、まだ新しい二体の大きな仏像がある。しばし休憩する。

まだ新しい仏像
海芋の庭
14時10分、仏像のわきを下る道を行く。ヘアピンカーブを過ぎ、下方に海芋が咲きだした庭のわきを進む。犬がしきりに吠える。少し先に、右に山道の入り口がある。メンバーの一人はここから舗装路を十分に行くということで、分かれる。残り八名で下っていく。山道は幅の広い土の道に合わさり、下っていく。14時24分、三匹の犬が猛烈に吠え架かってくる民家のわきを進む。

犬が吠えかかる
壁の残る廃屋
沢沿いの道はすぐに古道の様子となる。この部分も最近はあまり歩かれていないようだ。14時30分、壁だけが残る家屋跡に来る。更に数分下ると、草に埋もれているレンガ造りの土地公祠がある。中には神像もなにもない。14時45分、石龜將軍が手前に見えてくる。伝説では、基隆河で悪さをする蛇将軍をいさめた亀将軍が力尽き、土地公の助けを経て天に帰り、その抜け殻をここに残し土地を待ることになったということだ。実際、亀のように見える大石だ。そのわきには、新しく見える祠もある。

@石龜將軍
乾坑古道をさらに下る
古道をさらに下っていく。沢の幅が広がってくる。渡渉して左岸を下る。15時3分、古道は舗装路にでて終了する。右に舗装路を進んでいく。10分ほどで左に大華駅への道を分岐する。当初、更に幼坑古道から三貂嶺駅まで歩くことを考えたが、すでに午後3時を回っているので、ここで終了することにする。駅に降りて、駅わきの涼亭のところで汚れた長靴を洗い、休憩する。15時47分の平溪線の列車で帰途に就く。平日だが、列車は超満員だ。十分などを訪れた観光客がほとんどだ。今日も、彼らが打ち上げたスカイランタンの残骸ゴミを数多く見た。

大華駅わきで整理する
歩いた距離は約10㎞、休憩込みで約6時間半である。累計で約600Mほど登った。后番子坑古道は、想定していたよりは良かったが、その三、四年前に手入れされたきりの乾坑古道はかなり元の状態に戻りつつある。平湖步道の草刈はさらに進行して全線がきれいなれば、とてもよいハイキングルートになる。平湖遊樂區は、ほとんど来客がない状態だ。道が整備されれば、基福公路も全線開通した今、もっと多くの来客があるかもしれない。

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