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2013-06-14

2013年6月13日 平溪內平林山 - 基隆河右岸側の展望台の山

五分山から望む内平林山とその稜線(2013/5撮影)
平渓は、基隆河の上流に広がる山あいに発展した地区である。平渓線に乗ると三貂嶺駅を出た後、両側が切れ落ちた渓谷を進む。これが開けた場所が十分になる。平渓の一番北側だ。新北市平渓区の北側は姜子寮山から五分山へ連なる山脈で基隆市と、東側は雙溪区との境界を分かつ。十分の東側、基隆河から見ると右岸に雙溪方向に伸びている起伏の少ない稜線がある。先月登った五分山からもあまり起伏のない、平な尾根がずっと伸びているのを見た。この中で一番高いのが標高502mの内平林山である。

十分から回遊式に歩く
高度プロファイル(主稜線の登り部分一部記録されず)
平渓の基隆河右岸の山は、南側から名前を挙げると、登ったことのある菁桐の峰頭尖や平渓集落の中央尖などがある。内平林山は、これよりずっと北側になる。今回のルートは、十分の南山社区から千階嶺歩道を登り、枝尾根を主稜線に上がる。その後稜線をずっと辿り内平林山に登る。樹木がなく、展望があるとてもよい頂上だ。その後、今まできた稜線と東側に並行して走る稜線上の道を、大坑山へ向けて歩く。途中雨がふりだしたので、大坑山の途中で分岐して下るよい道を降り、基福公路(省道2丙号)を経て十分に戻った。

基隆河右岸の上った山々はまだ少ない
南山社区バス停近くのあずま屋、ここからスタート
ここ数日、午後になるとにわか雨が降る。それを避けるため、早めに出発する。平渓へ向かう795番バスは、一部は十分寮まで行く。朝は木柵7時15分発が十分寮行きだ。MRT木柵駅に7時10分頃着いた。小学生が大勢バス停近くにいる。7時25分頃バスがやって来た。この小学生も乗り込みバスは満員だ。通常の通学にしては、時間が少し遅いと思っていると、どうやら通学ではなく課外授業か何かのようだ。平渓国中バス停で降りると、車内はガラガラになった。更に十分ほど走り、8時25分に南山社区バス停で下車した。下車すると、雨がパラついた。

基隆側を渡す建設中の橋梁と奥に十分の街、右奥は十分山方向
バス停の近くにあずま屋がある。とりあえず中に入り、身支度をする。そのうちに雨は止んだ。車道を下る。右に基福公路が分岐する。さらに進むと基隆河をまたぐ橋が二つある。旧橋もわたらずそのまま進む。振り返れば、十分の吊り橋とその奥に中央尖峰頭尖がある。歩く方向には、建設中の橋脚が見える。この橋は、基隆市暖暖から建設中の新トンネルを抜けてやってくる新しい道の橋脚だ。先月末に暖東峡谷から暖暖へ行く時に、道路工事をしていたがそれもこの新しい道のための拡張工事だ。道なりに 山裾を歩いていく。橋脚の工事現場を過ぎ、高度が少し上がる。対岸の五分山は、頂上が雲に隠れている。山道の案内板が設けられている。番子坑山へ続く千階嶺歩道の入口だ。右に曲り少し登ると運動場がある。その左奥に公衆トイレがある。山道はその脇から始まる。

千階嶺歩道、木製階段が枝尾根を行く
国旗の掲揚された国旗嶺
山道は、その名のとおり木でつくられた階段が長く続く。樹木がきれて五分山が見える。入口から十数分登ってくると、あずま屋がある。帆布の屋根があるが、椅子などは腐ってしまっている。その上へ少し登ると、ステンレスポールとロープの手すりがある岩の頂上に着いた。国旗嶺(千階嶺、標高330m)だ。その名の通り国旗が掲揚されている頂上は、樹木がなく、眼下には十分の集落、そして平渓の山々と谷がすべて眺められる。ちょうど、大華方面からディーゼルカーがやって来た。しばらくして十分駅に着き、また出発する。孝子山や普陀山などからも、谷あいを進む列車が望めるが、ここも同様に長い間、列車が走るのが眺められる。十数分頂上で過ごした後、次に向かう。

国旗嶺から十分駅とちょうどやって来た列車が下に見える、手前は基隆河にかかる吊り橋
鞍部の分岐部
一度山道に戻り、下っていく。鞍部には道案内とベンチが設けられ、右に基福公路へ下っていく道がある。急な階段道を登りピークを越すとまた下ってもう一つの鞍部にくる。ここにも道案内とベンチ、そして右に下り道が分岐する。この辺りは、数年前に整備がされたようだ。工事詳細の資料が木にくくりつけられている。階段道が続く。登って行くと幅広の尾根になり、坂も緩くなる。一、二度小ピークを越えた後、9時57分に主稜線にたどり着いた。バス停から出発して、約1時間半だ。

主稜線上の分岐部、右は番子坑山、左は内平林山へ続く
稜線に残る壊れたあずま屋の跡
尾根上の道、左に苔に包まれた石製ベンチ
道ばたで見かけたコガネムシ
右に行けば番子坑山だ。今日は、雨の降らないうち早めに切り上げたいので、そのまま左に進み、内平林山を目指す。稜線道は、程度が一ランク落ちる。ただ、踏み跡はしっかりしているので、迷うことない。ほんの少しで右に下る道を分ける。プラスチック椅子が数脚道端に置いてある。この稜線は、もともとあまり起伏がないが、道も尾根を追っていくのではなく、巻いていく部分が多く、登り下りが少ない。 分岐から15分ぐらいやってくると、分岐がある。直進する道は乾坑古道への道なので、内平林山は右に下っていく道を進む。新しい藍天隊の道標が付けられているので、助かる。道を進むと、苔に覆われた石製ベンチがある。その先にもいくつかある。分岐から10分ほどで、尾根に着いた。左に踏跡がある。進むとそこには、壊れたあずま屋の跡がある。先ほどの椅子も含めて、ここは以前西稜線歩道として整備されたようだ。その後、忘れさられメンテもされていないので、このようになったのだろう。

休憩場所、石のベンチが幾つか設けられている
草深い尾根道の部分、前方遠くに瑞芳の山が見える
道は、尾根上を進む。苔に覆われた石ベンチもいくつか現れる。樹木の間から五分山のレーダーが望める。10時45分、少し開けた場所に着く。石ベンチも数個道端に造られている。ベンチにはそれほど苔も着いていないので、ここは登山者が休憩に使用しているようだ。歩き始めて2時間ほどなので休憩する。内平林山への道の半分は歩いた。10分ほど休憩し、また尾根道を進む。樹木の切れ目からは、左前に瑞芳方向の三爪子坑山や、大、小坑山、その後ろに基隆山が頭を覗かせている。谷を挟んで平行に走る、望古山から五分山への鞍部のその向こうには、陽明山の竹子山から小観音山への稜線が覗いている。左に粗坑山への道を分岐し、さらにその先幼坑古道への道を分岐する。藍天隊の道案内が新しい。道は稜線を離れ、右側の山腹を巻いていく。休憩場から30分ほどで左に内平林山頂上への道が分岐する。

左に内平林山へ分岐する
三角点のある内平林山頂上、背後は五分山
わずか二分ほどの登りで、11時27分頂上(標高502m)に着いた。急坂を登りつめ頂上にでると、思わず息を飲んだ。素晴らしい展望が目に飛び込んできたからだ。やって来た西側は樹木があるので視界が限られるが、その他270度の展望ができる。北側の五分山からぐるっと、瑞芳の山々、そして間近の大平林山、その東側には雙溪平林の谷、そしてその対岸の山々、更に奥には宜蘭の山が遮るものなく広がっている。初めて見る山々も多い。遠くには福隆の先の海岸線と隆林山も見える。晴れてはいないが、雲が高く気持ちがよい。三角点基石に腰掛け、食事を取り休む。風も適度にあり、暑くない。

頂上からみる五分山と瑞芳方向の山々、三爪子坑山、谷を挟んで大、小粗坑山、燦光寮山、草山
遠く福隆方向を望む、手前は貢寮
雙溪區平林の谷あい
大平林山方向を見る、手前に急坂が下っていく
鞍部とあずま屋、桜が植林されている
頂上で30分ほどゆっくりくつろいだあと、登ってきた道を下る。頂上から急坂を下っていく道があるが、大平林山へ続く。先ほどの分岐は左にとり、山を下る。ジグザクの道を下りきると、 数分で鞍部に到着する。あずま屋や展望台がある。桜の木も多く植林されている。まだ若いので最近植林されたもののようだ。あずま屋は、ほとんど使われていないようだ。というより、これだけ立派なあずま屋や東稜線歩道であるが、実はそれに見合うだけの訪問数がないということだ。観光開発計画が悪いのか、その後の宣伝が悪いのか、何れにしても投資に見合うだけの効果がないと思う。

石畳の立派な東稜線歩道
土砂に埋もれた歩道
東稜線歩道を歩き始める。全線、花崗岩石畳のとても立派な道だ。先ほど歩いた内平林山の尾根はあまり起伏がないが、 それと谷を挟んで平行に走るこの尾根も同様になだらかな山容である。道は、ほぼ尾根をゆったりとした登り降りで忠実に追っていく。山腹を進む部分では、土砂崩れで道が埋もれているところもある。完成後、ほとんどメンテされていないのだろう。どのような経緯でこの歩道が造られたのかわからないが、現状からすると当初の予算は無駄遣いにすぎないと思う。草刈りはされているのだろう、道ははっきりしている。鞍部から十数分歩いてくると、左に紙坑古道の分岐が左にある。森を抜け草原の登りがある。振り返れば午前中に歩いた、西側の尾根や内平林山が望める。12時47分、大坑山との分岐についた。大坑山方面は土の草深い山道だ。石畳の東歩道はここから駐車場へ向けて降りていく。尾根道を歩いている時は、パラパラという程度だったが、 降りだした雨は止みそうもない。大坑山へ行くのをやめ、ここから下ることにする。

尾根上を進む歩道
登り部分で振り返ると、内平林山が望める
雨が降りだした山々
沢わきのホタルの説明板
道は一部は、木製階段のある土の道になるが、大部分は石畳の道が続く。 三十分足らずで、下りきり登山口に着いた。途中には、沢沿いに蛍に関する説明板があった。蛍が生息しているのだろうか。登山口の前は、とても広々としたアスファルト路面の広場である。何か異様な感じだ。下って行くと、入口にロープが張ってある。私有地なので立ち入るなとなっている。元々は駐車場だったのが、今は使えないのだろう。このへんも、観光目的でこの平溪平湖森林遊樂區を開発したのであれば不合理な話だ。道なりに下っていく。右に屋根のかかった土地公がある。13時30分、雨をしのげるので、ここで少し休憩する。

東歩道登山口
基隆河にかかる十分吊橋と背後の山
休憩後、引き続き道を下っていく。数分で民家を過ぎたあと基隆公路に合流する。ここから更に十分に道を下っていく。公路は、そこそこの交通量がある。途中、建設中の橋梁現場のわきを通り過ぎ、20分ほどで朝通りすぎた106号平十公路のT字路の戻ってきた。795番のバスは、次は15時10分発、一方平渓線の列車は14時38分発がある。これならば列車で帰った方が早いので、十分駅へ向かう。 橋を渡り吊り橋のたもとに登り返す。山中では誰一人として出会わなかったが、平日でもここは観光客が多い。商店の前を通り過ぎ14時21分に駅に到着した。

今回は、歩行距離は約13kmある。休憩込み5時間50分で歩いた。実際の歩行時間は5時間弱だから、速いほうだ。一旦の主稜線に登ってしまえば、尾根道はあまり起伏がなかったのが、速度的に有利に働いている。 登攀高度は538mだ。内平林山はとてもよい展望ができる。東歩道も、整備をすればもっとよい眺めができる、とてもよいハイキングルートになるだろう。現状のチグハグな観光開発は残念なことだ。

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