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2024-01-31

2024年1月26日 苗栗三義 慈濟山 - 三通嶺 - 長潭坑山 - 九華山 O型縱走

三通嶺(大坑尾山)山頂
強力な寒波到来で台北付近の陽明山にも積雪があった。2016年以来のことである。その寒波の余波が残る中、南下して苗栗縣三義-銅鑼の低山を歩いた。電車で南下するにつれ、天気は良くなっていき、 三義駅から歩き始めたときには、頭上は青空が広がり始めていた。終日気温は低めであったが、陽光の中の縦走は、あまり大きな起伏のない山容の山道であることもあいまり、快適であった。

三義駅から時計回りに回遊
三義鄉から銅鑼鄉へとまたがる山は、実は三年前の1月に訪れている。それは今回の山並みの谷を挟んだ反対側の三角山から員屯山への縦走(三員縦走)である。今回の縦走中にこの山並みを眺める場所もあった。三員縦走に比べると、標高は似たようなものだが、山容が三員ははっきりした稜線が続くが、今回の山容は稜線の幅が広くまたそのため住宅地に開発されたり、広い道がかなり多く縦横に走っている感じだ。また、海側に近いので、山上より海岸線を望むことができた。今月初めに歩いた通宵の丘や山を俯瞰できた。
三通嶺三角点前の全メンバー
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三義駅に到着
苗栗三義は、川をこえると台中になるので、ちょっと遠い。7時5分発の区間電車(各駅停車)で台北を出発する。車上は、時間が早いがそこそこ乗客が多い。桃園、新竹と過ぎ、9時20分過ぎに苗栗駅を過ぎる。数台の蒸気機関車を含む車両展示の鉄道博物館は、現在改築中だ。日本の8600型蒸機が転車台の脇に置かれている。また、ビニールシートを被せた蒸機もある。9時42分、やっと三義駅に到着する。台北から2時間30余分である。急行で途中駅で乗り継いでも、待ち時間などを入れるとあまり大きな差がない。

台13線公路を進む
廣盛老街の地図と表示

三義鄉公所
駅待合室で、全員集合する。今日は平日だが筆者を含め14名である。9時50分、駅から歩きはじめ、台13線道路を南に歩く。数分で右に曲がり橋を渡って、廣盛老街の表示や看板を見る。街の中を過ぎる。それほど古い建物はないが、壁画が目立つ。三義鄉公所(役場)を見て右に曲がり、小学校の脇を登る。学校の塀には大きな壁画が描かれており、メンバーはその前で写真を撮るのに忙しい。

小学校わきの壁画
左の土の道を登る
きつい坂道を登っていくと、左に丸い石を並べた土道が分岐する。その道をとり進む。特に名前はないが、山を越えて雙湖村とをつないで住民が往来した古道だろう。登りきると、先ほどの舗装路に出てまっすぐに登っていく。次第に勾配が緩くなり、10時半慈濟茶園にでる。眼前の緩やかな稜線上には茶園が広がる。茶園間を進み、作業小屋の脇で道は稜線上を行く道と合流する。直進し下っていく道との分岐でもある。



丸い石が敷かれた道
舗装路に出る

森の向こうに茶園が広がる
茶園の作業小屋
道脇にお手洗いが新築中
登ってきて体が温まり、衣服を調整する。今朝は気温10数度なので、歩き始めたときはそこそこ寒かった。広い稜線上の道を登っていく。森を抜けるとまた別の茶園が現れる。新しいお手洗いが建築中だ。10時54分、右に慈濟山への道が森の中へ入る。少しいくと基石が埋まる森の開けた場所に着く。標高495mで今日の最高点だ。以前は三義山と呼ばれていたが、大きな宗教団体慈濟が経営する茶園が脇にあるので、改名されたようだ。

慈濟山
往路を戻る
道に戻る。そのまま進めば、小百岳である火炎山へと続く。往路を戻り作業小屋の脇から下り始める。道はすぐに先ほどの古道のように丸い石が並べられている。この付近はこうした丸い石や玉砂利が多いのでそれを利用しての階段である。11時12分、古道は終わりひょこり舗装路にでる。左にまがり進む。野原一面にコスモスが咲いている。そのわきの土地公で休憩をとる。

作業小屋向こうの山は三員縦走の山並み
丸石の敷かれた古道
舗装路を行く
野原一面に咲くコスモス、左に土地公の屋根
この分岐で右に曲がる
11時34分、舗装路をさらに進み、五月雪步道/三通嶺の道標で右に曲がる。五月雪とは残雪ではなく、油桐花が散って雪のように白いさまを言っている。4月から5月にかけてこの辺りは多くの油桐花が咲く。舗装路を登っていく。赤い山桜が咲いている。11時41分。右に大きな別荘地入口の脇に山道(挑炭古道或いは三通嶺古道)が始まる。すぐに西側から登って来る暗坑崎古道が、左から合流する。地元山岳会が付けたと思われる道標や距離表示がある。

別荘地入口の脇から山道に入る
道標
稜線上の相思樹(炭の原料)
稜線道の距離表示
稜線道を行く
稜線の道は、小さな上り下りを追って進む。樹木が切れたところからは、左に広がる丘陵や海岸線が見える。高い煙突が目立つ通宵発電所やそのすぐ右側に虎頭山が判別できる。最後に少し登り返し12時7分、三通嶺(大坑尾山,標高473m)に着いた。広い山頂には、山友亭と名付けられた涼亭、三通嶺石碑,そして西端には樹木がない展望点がある。山桜が満開だ。食事休憩をとる。

稜線から西側海岸線方向を望む
海沿いの通宵發電廠と虎頭山
三通嶺三角點
山友亭
山頂西端からの展望
ここで左に進むところ、鉄門で入れない
40分ほどの休憩後、縦走を再開する。道はすぐに別の別荘開発地脇にでる。本来ここから稜線上の道があるが、その入口は開発地鉄門の鍵がかけられ進めない。そこで右に下って様子を見る。開発地の正門は開いているで、その道を進んでいく。左に何軒かの別荘をみて10数分行くと、集会場のような建物で道が終っている。そこで地図と見比べ道を探す。道脇の並木の反対側に細い道があり、それを下っていくと分岐に出た。

左に建設中の別荘をみて進む
石に描かれた道しるべ
分岐は、地図上よりも多くの道がある。大石にペンキで描かれた地図がある。取るべき道を模索し、急な坂を下っていく。また別の地図上にない分岐がある。この辺りは、多く道が交錯している。方向を見定めて進み、13時33分本来歩く予定だった稜線道に上がる。直進し下っていく山道には、梯子崎古道という道しるべがある。

地図上にない分岐
幅の広い道
直進すると梯子崎古道
玉石の道
稜線上の道は広く、玉砂利が多い。ちょっと歩きにくい。送電鉄塔の下を行き、間もなく長潭坑山への分岐に来る。この広い道をとり、数分進んで13時52分圖根點基石のある長潭坑山(標高427m)に着いた。広い稜線上で、山頂の様子は全く感じられない。往路を戻り、稜線上の道を行く。14時26分、赤土の開けた場所にでる。さらに進み、茶畑が右にみえるとすぐに苗38県道に合流する。直進して14時41分、九華山大興善寺の入口に着く。大きな敷地のこの寺は、かなりの信徒が訪れるのだろう、駐車場も大きい。広い境内で休憩する。

幅広い稜線上の広い道
長潭坑山のメンバー
山道になり道幅は細くなる
道筋は明瞭だ
赤土の平地、向こうに山員縦走のスカイライン
苗38県道を行く
九華山大興善寺
先の分岐は右に曲がり、のちに戻って左の道を進んだ

15時5分、下山を始める。境内からでて右に曲がり、寺院の壁脇を進む。下って分岐を右にとり、さらに左に曲がる。すると民家をみてその先、また門が閉じられている。地図には記載がなく、思いがけなくまた迂回を強いられる。左に続く道を行き、作業小屋で道が終るが、強引に背後の細い沢を渡り、対面の果樹園に出る。ところが、その先に続く道がない。この果樹園へと下ってくる道を登り返す。すると、先ほど通り過ぎた分岐にでた。

強引に沢を渡る
もとの道へ登り返す
もう一つの道を進む
もう一つの道を下っていく。こちらは問題がないようで、15時35分下り始める。10分ほど進むと、ちょうど農家老夫婦と孫たちが収穫した大根の葉をとり洗っている。すると農夫が洗ってきれいな大根を好きなだけ持って行ってよいという。メンバーは好意に甘えて、それぞれ大根をザックに詰める。みんな、朝よりザックが重くなってしまった。記念写真を写し礼を述べて引き続き下る。



農家(黄さん)が大根をくれるという
皆大根をザックに詰める
皆で記念写真

本来左の道を来る予定だった
線路沿いの道を進む
16時過ぎ、下り道が終り線路沿いに来る。線路沿いに進む道を行き、突き当りで左にとって橋を渡る。台13線に合流、右に曲がって残り約2キロほどを行く。この道はそこそこ交通量がある。最後に鉄道を越える陸橋を渡り、16時51分三義駅に帰り着いた。17時13分発の区間電車で帰途に着く。電車は20時少し前に台北駅に到着した。



三義鄉入口
陸橋を越えると駅はすぐ
17:13発区間電車で帰京

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車窓から見た苗栗の8600同型機
今回は想定よりも、要求度が高かった。二度ほど回り道を余儀なくされたことも少し関係している。低山で出発点へ戻る道は舗装道路ではあるが、距離が5キロ以上あった。本日の歩行距離は19.3㎞、休憩込み7時間、総上昇519m、下降528m、コース定数24である。