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2018-04-30

2018年4月29日 平溪白鶯石-畝畝山縱走 不人気ルートの苦労登山

北43号県道から見る白鶯石(2015/8撮影)、裏側からこの上部に上る
新北市平溪區は、台北からアクセスも簡単だが山の中という風情がある。もともと炭鉱で栄えた菁桐から十分の集落の谷間を基隆河が流れる。それにそって行く106号県道(雙菁公路)は、今や大型オートバイやスポーツカーが爆音をたてて行く。騒音をまき散らすこれらは、多くの人にとっては迷惑でしかないが、一度さびれた集落に日の目をあてることにもなっているのだろう。本来は一年に一度お正月に、願いを込めて住民が空に飛ばした天燈(スカイランタン)は、観光の目玉として年中飛ばされて、山の上でゴミになっている。自然を求めて山に行く登山者にとっては、こうした事情は好きではないが、それが現状だ。

畝畝山山頂にて(JKさん撮影)
今回は、106号県道のわきから登っていく道を歩いた。汗を流して急斜面を登っている時、車やバイクの爆音がずっと聞こえていた。歩いた尾根上には、多くの天燈の残骸ゴミが残る。畝畝山自身は、そこそこ歩かれている山だが、そこに行く途中のルートはかなり差がある。今回は一番長い稜線を歩いたことになる。二、三年前にボランティアが開いた白鶯石から平溪子山までの稜線道は、事前の想定よりはるかに不人気ルートで、道筋がはっきりしないところもあった。106号線の登山口には、もともとあった標識マーカーリボンもなかった。

反時計回りに歩く
前半は小さい上り下りが続く
当初の予定は、畝畝山からさらに尾根をたどり、石硿仔農道から下內平林山と上內平林山を登り、基福公路を十分に降りるというものだったが、上記のとっつきの山道の状態や、風もなく暑い陽気で、参加メンバーがかなり疲労がでており、畝畝山から下山した。下山して萬寶洞バス停でバスに乗るとすぐに大雨が降りだした。もし、引き続き歩いていれば雨に降られたわけで、途中で下山したことも良かったということだ。

東勢格バス停から106号県道上の白鶯橋を渡る
7時20分過ぎに、MRT木柵駅に到着し10分ほど待ち、795番バスに乗る。休日の今日は、登山者で車内は満員だ。途中の登山口で多く下車し、8時15分過ぎに東勢格バス停で我々が下車すると、車内はほとんどカラになる。車でやってきて直接バス停で合流のメンバーも含め、今日は全員13名だ。多くのバイクが爆音を立てて通り過ぎる。台湾も大型バイクが解放されて久しく、かなりの数になっている。超跑と呼ばれるスポーツカーも通っていく。

106号県道わきの登山口
白鶯石の上から北43号県道を望む
右に竿蓁林方向へ北43号県道を分け、前方に白鶯石を見て同じ名前の白鶯橋を渡る。多くの金色に塗られた仏像の立つ土留壁のわきに登山口がある。と、いっても通常みられる標識マーカーリボンもない。少し探し、狙いをつけて登ってみる。果たして細い踏跡が登っていく。初めからかなりきつい登りが続く。地面には白い油桐花がたくさん落ちている。この道を切り開いた基隆市暖暖の登山協会のリボンが続く。十数分で白鶯石の上に着く。谷間には沢とその右には県道が平行に走っている。少し戻り、稜線を追っていく。山林投とシダ類の稜線は、結構細い。9時12分、裸岩藍鵲峰の上に立つ。360度の展望ができる。西に谷を挟んで中央尖、北に五分山から姜子寮山への連峰がある。低い雲がそれらの頂上をちょうど覆いかぶせている。
天燈残骸ゴミの尾根道を行く
藍鵲峰から対岸の中央尖を望む
平溪の谷間とその向こうの五分山~姜子寮山の山並みを望む
藍鵲峰下の岩壁を下る
狭い頂上からまた下る。すぐ下に大きな露出岩がある。幸いにロープが取りつけらているので、頼りに下る。下ってわきから見ると、降りた部分の下も長い岩壁で、もし足を滑らすとかなり下まで滑落してしまうだろう。下った後、また登り返す。藍鵲峰までに比べると、踏跡は更に頼りなくなる。ちょっとした小ピークに来ると、踏み跡が全くなくなる。標識マーカーはあるが、様子がおかしい。やってきた道をもどって下ると、果たして右に降りるようだ。ロープが取り付けてある。小ピークに残っているメンバーが、マダニがたくさんいると騒いでいるのが聞こえる。どうやらマダニの巣に腰かけたということのようだ。しかし、平溪地区の山でマダニは今まで聞いたことがない。マダニの勢力範囲が広がっているのだろうか。

マダニの小ピークから藍鵲峰(左のコブ)を望む
急坂を降りる
全員が降りるのをまって先ほど立ったピークの右岩壁下をまいていく。小さいが急坂の上り下りが続く。かなり厄介だ。11時2分、左から灰窯6號の民家わきを経て尾根を登ってくる道と合流する。平溪子山へは、大きく右に曲がり進む。そのまま行くと尾根道を降りてしまう。上り下りは少し楽になる。道脇には、相変わらずスカイランタンの残骸が多い。11時19分、平溪子山(別名灰窯山、標高420m)に着く。大して高い山ではないが、たった2キロ足らずの距離を3時間近くかかっている。人数が多いので、難所を通過するのに時間を要しているが、道が良くないことも関係している。少し長い休憩をとる。

スカイランタンの残骸がたくさんある
灰窯六號への分岐を過ぎると道の状態が良くなる
平溪子山山頂で集合写真
山林投の間を登る
11時35分、先に少しくだり左に道を分ける。さらに少し進み、送電鉄塔近くで保線路に出る。左に広く草も刈られた保線路を進み、右に道が回り込むところで、左に山道が分かれていく。山道を進む。大きく下っていく。補助ロープもある急坂がつづく。鞍部から登り返す。シダや林投の歩きにくい場所を過ぎる。12時12分、右に別の送電鉄塔を林越しに見る。下っていき、右に山腹を巻いていく。少し進み鞍部に来る。風が吹き抜けていく。メンバーに頂上まで頑張るかそれともここで食事にするか尋ねると、食事にしたいという。少し湿気が多いが、メンバー全員が座れる広さもあるので、食事休憩とする。今日は、曇り気味の天気だが、風がほとんどなくそれまでかなり暑さに参っているメンバーも多い。
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風の吹き抜ける鞍部で食事休憩
油桐花の絨毯
12時52分、畝畝山に向けて標高差150mを登る。すぐに右から中國醫藥研究所からの道を合わせる。左にくぼみの間を登る。油桐花が地面にたくさん落ちていて、さながら白い花の絨毯だ。急坂を登り切り、尾根にとりつく。尾根道もかなり急だ。13時19分、左からの道と合流し右に進む。更に三分ほど登り、畝畝山山頂(標高570m)に到着する。朝8時20分に出発して約4キロ足らずの距離に5時間ほど要した。確かに畝畝山への道の中では、一番長いルートではあるが。

畝畝山山頂
下りは良い道
前回訪れた時は、霧の中であった。今回は天気はよいが、樹木があるので展望はない。時間とみんなの様子を見て、予定を変更しここから下山することにする。時間的に余裕があるので、20分ほどの休憩のあと、石硿仔古道へ下る山道を下り始める。この道は、地元政府がメンテしているようで、道はしっかり草刈されている。幅が広く、それまで歩いてきたとは、雲泥の差だ。急な尾根上の道を下る。14時22分、送電鉄塔のわきに降りる。送電塔からは、石段もある保線路になる。少し下ると、左に石積壁がある。おそらく以前の棚田か何かのだろう。山腹の道を進む。14時37分、下り切り石硿仔古道の分岐に降り立つ。

石積壁の場所を過ぎる、向こうにベンチがある
旧炭鉱の廃棄建物
灰窯瀑布
全員が降りてくるのを待ち、古道を下っていく。慶和炭鉱時代の大きな橋のわきを進み、レンガの廃棄小屋を左に見ると、古道の入口だ。14時51分、ここからは舗装された産業道路を下る。車が一台停めてある。この産業道路は、今までに数度歩いている。右下に灰窯瀑布が見える。二人ほど滝のわきで遊んでいる。道路は3キロほどあり、左に朝に歩いた稜線が高く見えてくる。橋を左に渡り、萬寶洞バス停に向かう。15時半前にバス停に到着、10分少し待つと、795番バスがやってきた。乗る前にポツポツ降り出していた雨は、バスにのってまもなく大雨になった。天気予報では午後50%の確率で雷雨があるということであったが、その通りになった。

帰りのバス車窓の外は大雨

歩行距離約8キロ、累計で約590mの登りであった。休憩も含め約7時間の活動時間である。人数も多かったことがあるが、初めの白鶯石から平溪子山までの稜線は予想より手ごわかったということだ。この部分はクラス4である。標高が低く、道路にも近いと思ってなめてかかると、思わぬしっぺ返しを受ける。今まで経験しているが、山歩きの難易は決して山の高さではない。道の善し悪しが大きな要素だ。

2018-04-28

2018年4月26日 梗枋古道-叢雲山-七兄弟山縱走 4年前の遺憾を補う

740峰への途中から叢雲山を望む。左側には海が見える
道は人が歩いてはじめて道である。もともと道であっても、歩かなければ自然に戻ってしまい、道は草木に埋もれる。亜熱帯台湾の低山は、特に豊富な植生で瞬く間に自然に帰る。四年前に、その数年前のもともと少ない資料を手掛かりに歩いた、七兄弟山から叢雲山の山行は、叢雲山の前にある740峰への途中、道を塞ぐ茅の草藪で力尽き、少し引き返して鞍部から宜一号県道へ下った。県道へ下ってすぐに日が暮れた。

@七兄弟山(BBさん撮影)
登山人口が増えたので、数年前より山道が歩かれる頻度は高くなっているのだろうが、少し遠かったりきつかったりして歩かれる頻度が少ないと、ボランティアが草刈や手入れをしたあと、一年もしないうちにまた道筋が頼りなくなる。今回は、藍天隊が二、三週間前に入って整理したばかりなので、この機会を利用し上記の歩き残しの部分を含め逆方向に歩いた。叢雲山から 740峰のセクションは、実は二年前に同じく藍天隊のおかげで歩いているが、四年前の退却点を含め七兄弟山方向は歩いていなかった。

南側の亀山からスタートし北側大溪へ縦走
歩行高度
七兄弟山から窖寮山を越えていく山並みは、台湾北東部の海岸からいきなり数百メートル立ち上がり、広大な海をながめて歩くことのできる、場所的にはよい場所だ。しかし、ほかの北東部の山と同じで、稜線近くは冬の季節風のため森が少なく、茅の草原が支配する。道を切り開いても、この茅がすぐまた生えかえってしまう。背丈よりも高い茅を藪漕ぎしていくのは、大変な労力である。

山門の向こうにこれから歩く稜線が見える
台北を6時20分の区間電車で龜山駅へ向かう。草嶺隧道をぬけると、左側に海が広がる。8時7分、龜山駅に到着。陽ざしが強い。ここで今日の参加者全員がそろう。筆者も含めて七名だ。全員過去に一緒に歩いた健脚メンバーである。8時16分、駅を出発し濱海公路を南に進む。数分で右に折れて梗枋古道へ向かう。大きな山門をくぐる。その向こうにあとで歩く叢雲山への稜線が見える。橋を渡り対岸へ降りる。鉄道橋の下をくぐり、頭城農場への道を歩いていく。更に進むと、右奥に叢雲山のピークがのぞく。8時45分に頭城農場が左に現れ、梗枋古道の入り口に着く。

梗枋古道の入口
長い石段道
4年前にくだった梗枋古道は、階段道で始まる。10分ほど登ると、開けて振り返ると亀山島が海に浮かんでいる。その先からまた石段道が続く。汗が噴き出てくる。9時4分、分岐に来る。右は山腹を進んでゆっくり登る、左は急坂で登る。左の道をとり、高度を上げる。10分ほどの登りで、右から先ほど分かれた古道と合わさる。暫く広く緩やかな古道歩きが続く。9時22分、石が重なり少し水が流れる小沢にくる。休憩をとる。

展望が開ける、遠くに亀山島
平らな古道がしばらく続く
急坂を登る、道の状態はよい
古道の峠、ここから右へ稜線をおっていく
休憩場所から数分進むと、坂がきつくなり高度を上げていく。四年前に比べ、多く歩換えるようになったようで、道筋は良くなっている感じだ。灣潭烏山と海岸を結ぶ古道は、いくつかある。この道もそのうちの一つだ。坂が緩くなり、9時49分峠に着く。草に埋もれていた峠は、今は状態がよくなっている。左に稜線を行く道があったが、今は歩かれていないようで、入り口もはっきりしない。右に叢雲山へ向けて稜線を進む。

思っていたより道の状態はよい

稜線道は、事前に想定していたよりもずっと状態がよい。2016年2月に藍天隊が入ったようだが、その後も比較的歩かれているのだろう。晴れて気温は高めだが、風が吹いていく。稜線上は、もちろん登り下りがあるが、幸い前半は高度差がそれほど大きくない。10時20分、緩い坂の森の中で休憩をとる。休憩後数分歩くと、大きな茅の草原に入る。高度を上げていくと、展望が開ける。先ほど歩いた谷間の向こうは大海原、そして亀山島がうっすりと浮かんでいる。

草原にでて展望がひらける
前方右に叢雲山が見える
叢雲山へ最後の登りを行く
また森に入り10数分進む。前方に目標の峰々が見え始め、また草原に出る。先に越した所ピーク越しに、遠くに鶯子嶺がどっしり左右にすそ野を広げ座っている。一度また下り、ちょっとした開けた場所をすぎ、また草原を登り始める。左にピークの山腹を巻いて叢雲山へ向けて最後の登りを行く。登り切ったところは叢雲山山頂(標高711m)だ。11時20分、亀山駅から約3時間の歩きだ。天気が良いが、遠いところはかすんでいる。空気中の水分が多いためだろう。それでも180度展望の山頂は、見晴らしがよい。足元に梗枋古道登り口の頭城農場が見える。遠くは蘭陽平野と海岸線が判別できる。進行方向は、740峰とそこから西に下り、二分三山、横山と続く稜線がある。硬蜱(マダニ)が多いといわれているので、写真を写した後そこそこ山頂を下る。

叢雲山から南方向を見るパノラマ、左は歩いてきた峰々、その向こうに鶯子嶺,右は 740峰
@叢雲山
古い道しるべ、向こうに見えるピークは叢雲山
二年前に通り過ぎたが、道の状態は同様にとてもよい。草藪の中にはっきりと道が続いていく。一度下った後、少し登り返し山腹を進む。最後に急坂を登り返し、11時50分に740峰につく。前方に、いままで隠れていた窖寮山の大きな山容が、谷の向こうに見える。草原上のピークで灌木はほとんどないが、風が吹いているのでここで食事休憩とする。藍天隊の道標は、取り付ける樹木がないので石の上に打ち付けられている。食事をしている間に、マダニが多く現れた。ここもマダニの生息範囲のようだ。幸いだれもマダニにとりつかれることなく見つけ避けたが、あまり腰を下ろして休む場所ではないようだ。

740峰へ最後の登り
石に取り付けられた道標
マダニがやってきた
窖寮山へ向け草原を下る、ここが以前の退却点
30分の休憩後、下り始める。こちらも背丈の高い茅草原の道の状態は良好だ。4年前に引き返した場所を通り過ぎる。740峰までそれほど遠くないが、草を刈りながら苦労して登ったその時は随分と長く感じた。下って10分ほどで森の中に入る。窪んだ谷間を進み12時35分、宜一県道の石棺材への古ぼけた道標を見る。4年前に退却路として進んだ道だ。その時も道筋はあまりはっきりせず途中で苦労したが、今は道の入り口すらわからない。ほとんど歩かれずに、自然にもどってしまったのだろう。実際、この道は登山ルートとしてはあまり意味のない道なので、当然なのかもしれない。

古い道標、四年前の道はすでに入り口すらわからない
沢にそっていく
更に10分ほど進むと、また別の古ぼけた道標がある。こちらは海岸側にくだる道がが、まったく踏み跡もない。だれも歩かないので、この道も自然に戻ってしまっている。登り返し草原を越えて、また下る。沢際に降りる。道は沢にそって下っていく。以前はそうではなかったはずで、今回藍天隊はこの沢を利用して道を開いたようだ。少し下ると、右に枝沢がはいりそちらを登っていく。12時58分、以前の道と見える沢の上部に来る。ここから急坂が始まる。10分ほど、真新しい補助ロープのある急坂を登り、草原の偽ピークを越える。一度下ってまた急坂を登り返し、13時15分窖寮山山頂(標高737M)につく。740峰から約一時間だった。四年前は方向が逆だが、740峰の登り途中撤退点まで1時間40分かかっている。道の良しあしが、いかに進行に影響するか明らかだ。

740峰を振り返る
草が刈られた窖寮山山頂、向こうに橫山-三方向山が見える 
窖寮山からこれから歩く七兄弟山方向と海を見る
草むらに道筋がはっきり見える
草がしっかり刈られた山頂からは、進行方向の峰々とその右に大海原が望める。これから先は、小ピークの登り返しがあるが基本は下りだ。振り返れば、通り越してきた740峰と叢雲山が並んでいる。ここから宜一県道に下る枝尾根上の道も、はっきり下っていく。13時30分、下り始める。ここからも道筋ははっきりしている。森の中から草原、また森の中と交互に進み、小ピークを越えていく。草原には、明確な一本の筋が伸びていく。森のなかに入り14時9分、七兄弟山(標高594m)に着く。今日は、人数も少なく足並みがそろっているので、想定より早く進んでいる。ここでちょっと長めに休みをとる。

七兄弟山頂
外大溪山への分岐
14時28分、七兄弟山を後にする。急坂を登り返しまた下ると、14時45分左に外大溪山への道を分ける。我々は稜線を追っていく。14時48分、足場の小さいピークを通り過ぎる。七兄弟の四番目となる無名峰だ。ここからの眺めはとてもよい。前方に次第に下がっている稜線の右側に大溪漁港と、その手前に今日最後の目的地鷹石尖の岩が見える。大溪川の谷間を挟んだ対岸は睏牛山から鹿窟尾山桃源谷そして更に海に落ちる部分まで望める。

小ピーク(老四)からの展望
急坂を下る
ピークのすぐ下は、ちょっとした岩場で足場が見えないので緊張する。その下も急坂が続く。14時59分、525峰につく。ここは兄弟三番目だ。下ってきた稜線の右側には、横山から三方向山の稜線が続く。15時13分、送電鉄塔の下をくぐる。一度登り返し、15時22分鷹石尖の基石を通り過ぎると、すぐ前方に鷹石尖が現れる。今は、岩が崩れる恐れがあるということで、立入が制限されているということだが、我々が歩いてきた方向には全くの表示もない。最後の冷えたビールを開け、長い休憩をとる。すぐ下には大溪駅、そして海には龜山島、広々とした眺めだ。

525峰
鷹石尖から俯瞰する
冷えたビールで乾杯!
近道は藪漕ぎも必要だ
15時50分、最後の下りを始める。歩いて二、三分で分岐に来る。道標はないが、右の道は宜一県道に下る近道だ。あまり歩かれている様子ではないが、そこそこはっきりしているので、こちらを取り進む。まだ時間も早いし、問題があれば引き返せばよい。進むと、やはり草深い部分もあるが、尾根にそって下り骨組みだけの小屋のわきを過ぎ、左に山腹を行く。16時19分、道路のヘアピンカーブの付け根にひっこりでる。残りは、舗装路を下り、二か所ほど近道を通る。水道局の施設を左にみて、その下のヘアピンカーブから集落を通らず右に下る。すぐに線路を越す。16時55分、大溪駅に到着する。17時9分発の区間電車で帰京した。

大溪駅から鷹石尖を見上げる
四年前12時間をかけて、歩けなかった縦走路をさらに梗枋古道とそれからの稜線を含めて歩き、尚且つ8時間半で終了した。道の良し悪しが、いかに行動時間に影響するかの好例である。方向は違うが同じく海岸際から登り海岸際に降りたので、登攀高度は同じである。この山は、海のわきを行く展望の良い山なので、もっと多くの登山者が歩いても良いと思うが、それなりにきついし、セクションに分けて歩くことも難しいので、しばらくはにぎやかだが一年もたてば、またもとの木阿弥だろう。それが台北近郊低山の習いといえば、それまでだが。道が良い状態で、体力的にはクラス3+、ルートはクラス3というところだ。