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2023-08-29

2023年8月26日 陽明山系 磺溪頭山 不人気山に登る

古い磺溪頭山山名板
左の竹子山の高さ半分の磺溪頭山(中央奥)、手前は下七股台地(2014/01撮影)
過去十数年にわたり、台北郊外の陽明山山系は、陽明山公園の官製登山道から、ボランティアがメンテする古道や登山道のほぼほとんどを歩いてきた。しかし、それでも足を踏み入れていない場所がある。それが、新北市金山區の磺溪左岸にある低山磺溪頭山を含む山域である。この山の西側には標高1000m台の竹子山連山が控え、その前にある半分の高さしかない山は霞む。このような環境の山は、ほとんど見向かれない。つまりは、不人気山の代表のような存在だ。

陽金公路の林莊から往復、時計回りに回遊
しかし山は山である。各々の個性がある。いずれは訪れようと、ずっと思っていた。数年前に、この地域の登山記録を見た。だがその後訪れずに過ぎてしまった。今年5月に藍天隊が再び入り、山道の整備をした。今回はその恩恵を享受しての登山だ。大部分が下草が少ない森の中を行くが、一部カヤが密生した峠を通り過ぎた。この部分は、もし最近の草刈りがなければ、かなり苦労するセクションだ。この峠は、もう一つの古道が合流する部分であるが、それはわからなかった。標高も高くなく、距離もそれほどないので、途中の休みは多めだったが、4時間で歩き終えた。

@磺溪頭山山頂
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台北の始発バス停
最近の天気は、午前は快晴だが午後になると雷雨が発生することが多い。時にはかなりの雨量になる。午後の雨を避けるために、台北から陽金公路を経て金山へと行く、皇家客運の1717番の始発バスで登山口に近い林莊バス停へと向かう。筆者は6時40分ごろに台北市公園路にある、始発バス停に着いたが、すでに10数人が行列を成している。正直驚いた。そうこうしているうちに、列はさらに長くなり、バスがやってきた7時直前にはその倍になっていた。バスは幸い大型の観光用にも使えるバスで、座席数が多く発車時には、まだ少し空席があった。

1717番バス
出発時のメンバー@林莊バス停
バスは市内を進む。途中のバス停でも多くの乗客が乗り、狭い通路は立っている乗客で埋まる。陽金公路を登り、8時13分に七星山登山口である小油坑に到着、多くの乗客が下車し、バスは半分空になる。つまりは、天気のよい今日は、多くの登山者が七星山を登るということだ。バスは陽金公路を一路下り、8時44分林莊バス停に到着した。

廃業のカラオケ
磺溪を渡る、正面は磺溪頭山 (山頂は見えない)
陽明山公園の表示
下車し、道路対面のバス停待合建物(標高113m)で支度して、8時50分歩きだす。道は下り、T字路で左に曲がる。カラオケがあるが、もう廃業のようだ。下って赤褐色の石が転がる磺溪を渡る。川の上流には硫黄などの吹き出しがあり、この影響で石が染まっている。そのすぐ先で小さい沢を渡るが、こちらは着色がない。

登山口
初めの沢を越す
産業道路は登りになる。陽明山国家公園の標識を路傍に見る。車が一台道端に駐車してある。メンバーの友人が車でやってきて、先に登っているという。9時3分、左に登山口を見る。道路の路肩表示ポールに直接、登山口と表記してある。山道は、道筋ははっきりしている。沢を越す。簡易橋板が架けてある。さらに2,3分進み、また別の沢を越す。

二番目の沢
廃棄された棚田
澤脇の棚田を行く
沢を越すと、左に段々畑が現れる。郊外低山ではよく見るが、ここの棚田は、まだ樹木などがなく、廃棄された時期は比較的新しいのだろう。道は更に上部の棚田の脇を行く。棚田が切れて、石段を登る。その先にまた棚田がある。9時25分最上部の棚田(標高220m)で休憩する。ここまでの山道は、実は農民が造った農道でもある。

廃棄されて久しい棚田
石段
最高部の棚田
遠くに海が見える
新しいロープの急坂
高度が上がってきたので、樹木の間に金山方向の海が見える。道は勾配がきつくなる。まだ新しい補助ロープも取り付けられている。汗が噴き出る。登ること約20数分、勾配が一度緩くなる。左下に陽金公路とその上の天籟溫泉社區の建物群が見える。また勾配がきつくなり、10時20分磺溪頭山山頂(標高508m)に着く。先に登っていた二人が山頂で待っていた。一時間半の登りであった。今日の行程上の最高点であり、また一番の難所を登ったので、長めに半時間の休憩をとる。風を感じる山頂は、心地よい。

天籟社區が見える
山頂に到着
白鶴藍
10時48分、方向を西に大きく換えた稜線を進む。上り下りはあるがそれほど多くない。樹木がまばらな稜線は、風を感じて歩くと、実に快適だ。稜線を行くこと約5分で、馬鞍格と名付けられた地点を過ぎる。今が開花期なのだろ、登り途中や山頂にもあったが、ここでも白鶴藍の花を見る。11時7分、反經石となづけっれた石を見る。磁針を近づけると、確かに動く。ちょっと積み上げられた石なので、どこからか持ってきた石のようだ。

馬鞍格
反經石
近づけると磁針が動く
幅のある道を下る
尾根上をさらに数分行くと、また方向を北に換えて下り始める。道はそのうち幅が広がり、山道というよりは廃棄林道の様だ。11時23分、カヤの草むらに入る。ここは草刈りされていなければ、苦労する場所だ。地図上では、左側からの道が合流するがこの草むらではわからない。鞍部でもある。道は谷間に入り、薄暗い。道も雨水で洗われている。11時33分、沢わきにおり昼食休憩をとる。

カヤの密生する峠
峠にある石、有應公か?
谷間を下る
沢わきで昼食休憩
林道のような広い道
約半時間の休憩後、残りの山道を行く。少し登り返した後は、ずっと下りだ。道の一部は先ほどのように、幅が広い。途中沢を三回越え、12時25分山道は舗装された産業道路(標高302m)にでる。少し下り振り返ると、先ほど登った磺溪頭山とその稜線がすでに高い。舗装路の状態はとてもよい。10分ほど下り、苗木畑脇を通過、その先橋で沢を渡る。12時45分、朝の登山口に戻る。さらに進み、13時に林莊バス停に着いた。

最後の沢渡渉
舗装産業道路に出る
苗木場脇を下る
台北行バスがやってきた
待つこと約40分、台北行の1717番バスがやってきた。通常のバスで我々全員がかろうじて座れる席があった。その先、さらに登山者が乗車、小油坑バス停では立つのも大変なぐらいな混雑となった。今日は七星山山頂は、街中のマーケットのような人出だったのだろう。それに比して、磺溪頭山は我々だけで他人には出会わなかった。不人気山の良い点である。距離7.4㎞、昇降480m、休憩を含み約4時間で、コース定数は15であった。

小油坑では窓外の行列者も乗車しすし詰め満員

2023-08-25

台湾登山ルートガイド:汐止大尖山 ちょっとスリリングなルートから大衆登山の台北郊外低山を登る

大尖瀑布から登り秀峰瀑布に立ち寄り下山の例
台北の中心から東に基隆方向へ進むと、南港をすぎて汐止にくる。その昔は炭鉱などがある場所だが、今は台北のベットタウンとなっている。基隆河にそって、台北から基隆方向へは谷が伸び、谷間の南側には山並みが続く。その山並みの四分尾山から枝尾根が伸び汐止のすぐ上の大尖山で終わる。ちょっと尖った山はみな大尖山なので、台湾には同名の山がたくさんある。汐止大尖山は、標高460mと手ごろな高さで、またベッドタウンのすぐ近くなので良好な登山道が整備され、多くのハイカーが訪れる。天気が良ければ、西の台北盆地、そこから基隆へ伸びる谷間、そして基隆港や海に浮かぶ基隆嶼も見える。正面は陽明山山系である。実によい展望台でもある。

汐止は台北の東側
その汐止大尖山には、実は普通のハイカーが入ることがない、ちょっとスリリングなルートがある。汐止大尖山の周りには、三か所の滝があるが、そのうちの一つ大尖瀑布を擁する谷間を稜線へと上がる道である。地図にも表示されていない。この道は、以前からあるが、7月にボランティアグループが整備を行い、滝の脇の岩場にはステンレス梯子も取り付けられ、さらにロープなどの安全対応が多く施された。安全性が高まっている。台北郊外の山で、ちょっと気軽に半日で訪れ尚且つ面白いルートをチャレンジしたい、というような場合に、最適な場所である。このルートを登り、大尖山山頂経由で下っても良いし、または四分尾山の方向へ足を延ばしても良い。
大尖瀑布
登山対象:

ルート
汐止站→(F911新巴士 15分)→馥記山莊→(秀山路37巷+茄福街 30分)→大尖瀑布登山口→(25分)→梯子下の滝→(5分)→大滝→(高巻道 25分)→最終滝→(30分)→稜線分岐→(10分)→大尖山山頂→(30分)→天秀宮→(5分)→五谷金聖殿→(F911新巴士 15分)→汐止站 約3時間、4km、登り330m、下り280m、コース定数12
バスに乗らず、汐止駅から直接徒歩で向かう、或いは下山することも可能。その場合は距離は片道約2キロほどブラスになる。

大尖山
台北盆地の縁を成す南港山の脇から瑞芳の三爪子坑山まで長々と続く山脈上の四分尾山から北へ伸びる支稜の先端に位置する。標高は460m。麓のかなり上まで住宅が開発されている。そうした住宅への足として、新北市の無料新巴士が中腹にある天秀宮登山口まで運航しており、登山者もその恩恵を受けている。もちろん、汐止駅からも歩いて登れる。一部は車道がヘアピンカーブで登る場所の近道がある。台湾小百岳に指定されている。春先には山頂周りの寒緋櫻が咲く。また、山腹にはほかにもお寺や廟があり、自動車道がその西山腹を登っていく。
汐止駅付近から望む大尖山
大尖瀑布など大尖山周辺の三滝
上記ルート上にある大尖瀑布は、奥まったところにあり、その沢筋には大きな落差の滝も含め五カ所ほどの滝がある。大尖瀑布入口を少し過ぎ、進んでいくと茄冬古道の入口がある。この道を少し登ると茄苳瀑布がある。山の西側には秀峰瀑布があり、滝まで続く山道が山腹を行く道から伸びている。いずれの滝も、水成岩が露出し一層一層が重なる地層が見れる。水量は大雨の後を除き、それほど多くない。
茄冬瀑布
秀峰瀑布
汐止
現在は新北市汐止區となるこの地は、その昔は水返腳と称された。街の北側を流れる基隆河は、その河口からこの地まで海の満潮が見られた、ということからこの名前が付けられたという。基隆河を利用し運送するので、茶葉が主要な産業であったが、日本統治時代に炭鉱が開発された。現在の汐止は、日本時代の1920年に汐がここで止まるので汐止と改名された。現在は、そうした産業はすでになく、台北から電車で20数分ほどの通勤圏にあり、ベットタウンとなっている。街の中心だけでなく、山のかなり上までも住宅開発が進んでいる。
登山ルート
ここで紹介する大尖瀑布ルートと、天秀宮から登る石畳道以外に、和尚頭山を経由して四分尾山との支稜に上がる道、また茄冬古道もさらに四分尾山寄りのところで支稜に合流する。これらの道を利用し下山するのも面白い。これらルートは、2023年7月~8月にボランティアにより整備されて、状態がよい。

コース概要:
F911バスを馥記山莊で下車し、左に少し下って馥記山莊のコミュニティの中を突っ切る。入口には守衛室があるが、特に登録する必要はない。道路を少し登り気味に行き、コミュニティをでて秀山路37巷を進む。曲がりこんで進むと、左から上がってくる茄福街と合流する。その少し先に谷間が見えるが、それが大尖瀑布のある谷筋だ。
馥記山莊バス停で F911バスを下車
コミュニティ内の秀山路37巷を進む
左からの茄福街を合わせる、前方谷間が大尖瀑布の沢筋
石段のある谷間の入口から入り、沢沿いに進む。入口にはまだ新しい藍天隊の道標がある。ほどなく最初の小さな滝にあたる。道はここから左岸の山腹を登り高巻きする。急な坂を上がり、左に折れて石段の道を行く。そのうち沢の底が上がり、道は沢に降りる。沢の脇を少し行くと、また沢から急坂で高巻き道が始まる。
登山口
初めの滝
高巻き道を登る
石段がある道を行き、ロープが架かる岩を登ると、また下って沢に降りる。沢を渡り右岸を少し行く。二番目の滝が現れる。急な高巻きが右岸をいく。ロープのかかる岩をよじ登ると、梯子が掛かっている。ボランティアが取り付けたものだ。登りきると、沢中の最大の滝の前に出る。
巻き道石段
また沢に下る
右岸を進む
二番目の滝
瀧脇の岩場
ロープを頼りによじ登る
ステンレス梯子
滝の左岸にまた高巻き道が始まる。この巻き道はかなり高く登り、沢から離れる。途中にテラス状の場所があり、休みをとれる。さらによじ登ると、山腹を平らにぬって進んでいく。大滝から約25分ほどで、最後の滝にでる。この滝は水際を行き、その先左岸に取りつく。ここから沢を離れる。
大滝とそのわきの高巻き道
登り途中のテラス
山腹のトラバース
最後の滝
水際を登る
沢の詰めは、急坂である。ロープがたくさん取り付けらているジグザグ道をひたすら登る。約20分足らずの急坂が終り、平らになったその先で、稜線道と合流する。すぐ近くには花崗岩のテーブルや椅子があるので、一休みするといいだろう。
詰めの始まり
ジグザグ道を登る
稜線に到着
今までのセクションとは違い、稜線道は行きかうハイカーが多い。右にとって進み最後に石段道を上がると、山頂の広場だ。その先の涼亭からは、天気が良ければ広い展望を得られる。
山頂の公園
山頂の涼亭、左に階段道
広範囲のパノラマ
小百岳の山名板と台北方向の眺め

下り道は、涼亭脇の階段道を行く。かなり急な部分もあるが、すべて石段道である。下り切れば天秀宮につく。休日のバスは、天秀宮発ではなくその下の五谷金聖殿からなので、少し進んで左に階段を下れば、その正面に五谷金聖殿がある。天秀宮も五谷金聖殿もお手洗いや水道があるので、用を済ませることができる。
階段道
天秀宮、背後に大尖山
もし物足りなければ、大尖山山頂から少し戻ると右に秀峰瀑布への道標がある。その道に入り、下って車道に降りる。車道を少し下ると左にまた石段道があるのでそれを追っていく。下りきるとまた車道に合流する。そのところから秀峰瀑布への道が伸びる。山頂から秀峰瀑布へは約30分である。
右へ秀峰瀑布へ下る
一旦車道を下り、また左の石段道に入る
秀峰瀑布への道
又は、四分尾山へと足を延ばし、茄冬古道や和尚頭山経由で下山するのも面白い。その場合はさらに3~4時間ほどが必要だ。

アクセス:
台北からは台湾国鉄の電車が頻繁に出ている。また汐止を通るバスも多い。F911は平日と祭日では時刻表が異なるが、昼間は約1時間に一本の運転間隔である。汐止駅からでて、駅北側交通量の多い大同路二段を渡り、横断歩道の右にあるバス停でF911などの新巴士が出ている。
大同路上の新巴士バス停と F911
装備:
台北の他の郊外低山と同様で、天気が良ければ、時間も短いので十分な水や行動食で十分である。ただ、台湾は夏の高気圧に支配される時期を除くと、雨が降ることも多いので、雨具は必ず携帯することを勧める。