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2020-09-25

2020年9月20日 內烏嘴山 - 那結山 水田林道から回遊登山

 內烏嘴山山頂
桃園市復興區の羅浮から、大漢溪の谷にそって南に伸びる長い山脈がある。この山脈の最北端近くその三角ピラミッドで目立つ山が那結山(標高1520m)だ。5年前に初めて訪れた。仲間の車のカーシェア方式で訪れる山行のはじめでもあった。その時は、東側北横公路の大灣登山口からの登頂だった。今回は、南側から稜線を伝っての登頂である。山脈西側の水田林道から狂風嶺步道経由で內鳥嘴山(標高1749m)に登り、その後那結山に縦走した。下山は、車を停めてある林道入口へ降りた。

西側林道入口から反時計回りに回遊

歩行高度表

目的地は長い山脈の北端に位置する
天気は曇りで、前回のような那結山からの展望は霧に閉ざされなかった。前日の天気予報では雨も予想され、不安な気持ちで登山口に向かった。朝は青空が望めた。そのうち霧が発生したが雨は降らず、一時は陽光も林の中に差し込んだ。登山口から一気に1100mの落差を、急坂で登りきるルートは、確かにきつい。その後は、下り基調での進行である。約10時間半の長途登山であった。

內烏嘴山山頂のメンバー

まだ暗いうちに關西で高速道路を降りる
日帰り登山だが、目的地まで遠くまた行動時間が長い。そこで台北を5時に出発する。今日は三台の車、都合12名だ。公共交通はまだ動いていないが、みんなバイクで来たりや車で送ってもらうなど、全員が時間にそろう。まだ夜が明けきっていない台北を後にする。朝早いので、道路は空いている。5時50分、第三高速關西インターチェンジで降り、台3線から內灣を経由、120県道を進む。竹56号線で水田部落に入る。道はまだ前日の雨でぬれているが、周囲の山は霧が晴れていく。6時42分、水田林道入口に着く。すぐ近くの駐車場に車を駐車する。

林道入口には大石、車は入れない
林道を登る
支度をすませ7時少し前に林道から歩きだす。林道の入口には大きな石が置いてあり、車は入れないがバイクは進入可能だ。歩きはじめてすぐにつづら折れで登り高度を稼ぐ。駐車場は標高約640m、登山口は約900m、260mの高度差を2.5kmの林道歩きで稼ぐ。それでも第一の目標內烏嘴山は標高1749m、まだまだ遠い。舗装された林道はとても状態がよい。7時12分、外烏嘴山登山口を過ぎる。しばらく平らな道が続き、7時26分右に鴛鴦谷瀑布の入口をみてまたつづら折れで高度を稼ぐ。谷の向こうには山が高い。7時37分、右にサルスベリの木に登山口の道標が取り付けてある。小休をとる。

沢に下る
人工壁のように見える自然の摂理


雑木林の中の急坂を登る

シャクナゲ林を抜けていく
ロープの急坂
草がかぶる狂風嶺登山道はすぐに谷に下る。沢を渡り対岸を登り返す。少し登ったところで、また別の沢に下り渡渉する。ここから長い急坂の始まりだ。ほとんど途切れのない急坂は、雑木林の中を登っていく。8時34分、坂の少し緩やかなところで休憩をとる。標高は約1075mだ。森の底は下草が少なく、道には落ち葉が覆う。マーカーリボンはそこそこあり、注意すれば方向を失うことはない。8時57分、標高1175mあたりから、シャクナゲの森に入る。地面はシャクナゲの葉でできた腐土でふかふかだ。その上の緑の苔が鮮やかだ。しばらく比較的平らなせまい尾根を進み、また雑木林の急坂に取りつく。9時20分、ロープのある急坂を登る。9時28分、尾根に上がる。標高は約1360m、小休憩をとる。

坂は緩くなる
赤色の道標がある北得拉曼歩道との分岐


分岐で休憩
最も急坂のセクションは終わったようで、登りは少し楽になる。9時56分、右から北得拉曼神木步道からのみちをあわせる。この歩道は登山口の高度が狂風嶺登山道よりずっと高く、多くの登山者が歩いている。そのため道の状態は俄然よくなる。10時26分、左に那結山へ続く縦走路を合わせる。標高1670m、山頂までだいぶ近づいた。小休憩をとる。朝出発時は、周囲の山が見えていたが、次第に霧が濃くなり、周囲は霧が閉ざした雑木林だ。

ヤタケを抜けて山頂へ
山頂近くのブナ大木
休憩後少し登ると、もう一つの北德拉曼神木からの道をあわせる。引き続き稜線上の道を登る。ヤタケの間を抜け、10時52分道が平らになる。その先苔を纏ったブナの大木の向こうに、三角点のある內鳥嘴山山頂(標高1749m)が現れる。周囲には展望のためと思われる細道が分岐しているが、きょうは濃霧でまったく望めない。食事休憩をとる。山頂は電波が通じ、スマホで午後の天気を確認する。レーダー雨雲情報では、主な雨雲は台北基隆あたりだけで、ここは大丈夫のようだ。

シダが道を隠す縦走路

時々陽光が差し込む
11時半、那結山に向けて縦走を始める。往路を12,3分で分岐へ戻り、右に縦走路に入る。道筋は俄然細くなる。縦走する登山者は、北德拉曼神木步道経由で往復する登山者より、ずっと少ないようだ。基本下りの道は、尾根を忠実に追っていく。雑木林の底は、ところどころシダ類やヤタケが生え、乾かない雫がズボンを濡らす。時々陽光が森に差し込み、雨は降らないことを示している。12時21分、左に水田林道へ下っていく道の分岐に来る。標高は1558m、那結山とほぼ同じぐらいの高度だ。休憩をとる。

倒木の中を歩く
貴妃山への分岐
那結山と高度はあまり変わらないが、ここから尾根は登り下りが大きくなる。歩きはじめてしばらくすると、大木の半分が残る倒木が現れる。滑り台のように倒木の中を下る。最後部を過ぎ、13時3分左に貴妃山への道を分岐する。もしそれまでに時間がかかり過ぎた場合は、この山経由で下山することも予定したが、今の時間や天候を考えると問題なく那結山へ縦走できる。分岐を過ぎてすぐ右側が開け展望ができる。右遥か下に大漢溪が流れ、北橫公路も判別できる。対岸の夫婦山から拉拉山への山並みは、残念ながら雲に隠されている。大きく下り13時24分、前方が開けた岩場に来る。霧の中に那結山の山頂が浮かんでいる。13時38分、下り切ったところで休憩をとる。

大漢溪の谷間を見下ろす、対岸の夫婦山は雲の中
那結山山頂が見える
急坂を那結山山頂へ登る
鞍部から登り返し、すぐに左から水田林道からの道を合わせる。さらに登り切り、一度下ってまた数十メートルの急坂を登る。那結山は、復興三尖の一つに数えられているが、その名の通り山頂は急峻な岩場で囲われている。14時10分、那結山山頂(標高1520m)に登りつく。残念ながら、濃霧の中で数年前に臨んだ景色は望めない。14時30分過ぎ、下山を開始する。先ほどの分岐に戻り、右に道を取る。急な坂を下っていき、15時12分、右に外鳥嘴山への道を分岐する。標高は約1309m、200mほど下ってきた。

那結山山頂の筆者
急坂を下る
外烏嘴山への分岐点
道を左にとりさらに下る。10分ほどで坂は緩やかになり、杉人造林の中を流れ行く沢際に降りる。霧に包まれた森の中のせせらぎは、おとぎ話の中の風景のごとくだ。晴れた日のせせらぎも良いが、このような幻想的な森はまたとても良い。緩やかな沢が右に分かれ、道は左に下り、今度は少し登り返しが始まる。道は別の尾根の山腹に取りつき進む。15時53分、尾根を乗り越え下り始める。16時5分、左より貴妃山からの道を合わせる。標高は1139mだ。小休憩をとる。

森のなかのせせらぎ

左に貴妃山からの道を合わせる
緩やかな坂道を林道登山口へ
緩やかな道が杉人造林の中を下っていく。小沢を越え、16時30分水田林道の終点に着く。ここからは駐車場まで林道歩きだ。すぐに3.5Kのキロポストを見る。下っていくと、一人写真を写している人がいる。バイクで登ってきたようだ。そのすぐ先に沢が横切っている。汚れた長靴を洗う。林道はそこから舗装が始まる。夕方の黄金の陽光が差し込む。先ほど通過した縦走路の山並みは上が雲に隠れている。17時21分、林道入口にたどり着く。着替えをすませ17時40分、帰路に着く。途中內灣近くの原住民料理の店で夕食を取り、20時30分ごろ台北に帰りついた。

林道終点の登山口
歩行の記録は距離14.6㎞、累計高度1393m、累計下降1311m、所要時間約9時間半だ。コース定数は38.1である。そこそこきつい山行である。雨が降らなかったのは、ラッキーというべきだろう。台北では一時大雨に見舞われたということだ。それでも、展望がほとんどなかったのは残念だ。

2020-09-24

2020年9月23日 大溪川から尪仔嶺、睏牛山や日本海軍機墜落記念を訪れ、大嶺古道経由で貢寮へ

睏牛山山頂,遠く海上に龜山島
新北市雙溪區、貢寮區と宜蘭縣との県境の山々は、いままでかなり歩いてきた。その中で最後まで未踏だった道が今回山行の主要対象だ。今月初めに歩いた大溪川古道も最後まで未踏だった部分だ。その大溪川から尪仔嶺へと登る古道、また鹿窟尾山から下っていったところの土地公鞍部から內寮へ下る古道が未踏で残っていた。特に前者は、いままで二、三度予定をしたが、時間的に道の状態が不安で立ち入るのをためらっていた。2015年に藍天隊が整理をしたが、その時はチャンスを逃がした。今年もまた整理があり、まだ状態がよいのでこの機会に歩いた。

@日本海軍墜機紀念碑
尪仔嶺古道は、1970年代半ばに內大溪川の住民が移住してしまったあとは、殆ど歩く人がいない。登山者が古道として歩くだけだ。一方土地公鞍部から內寮へと下る道は、土地公自体がまだ焼香され集落住民が通っている。道の状態は、当然保たれている。こちらは內寮に下ってしまうと、交通手段がない。今はF832コミュニティバスが平日運行されているが、不便だ。今まで歩かなかった理由だ。今回は、産業道路を歩いて大嶺古道へつなぎ、これを下って貢寮駅へと歩いた。

南の大溪から北の貢寮へ歩く
歩行高度表
谷間の向こうに平らな睏牛山山頂
台北駅を6時18分発の区間電車で出発する。今日の天気は快晴、福隆から草嶺トンネルを抜けると太平洋の大海原が朝陽を照り返して広がる。8時、大溪駅に到着。今日は全員で13名のパーティだ。月初めに大溪川古道を下り大溪駅に着いたときは、台風の影響で海岸にはかなり大波が打ち寄せていたが、今日はいたって穏やかだ。濱海公路を宜1道路へ歩き、踏切で線路を越える。民家脇の階段の近道で水道局の施設脇に登る。8時26分、分岐を右にとり大溪川に沿って進んでいく。前方に、今日の目的地の睏牛山山頂が望める。こちらから見ると平らな山頂だ。

舗装路が終わり小ダムから古道へ
沢に下る


メンバー同士助け合い渡渉
8時33分左に土地公をみて、鉄門を過ぎる。橋を渡り左岸を進む。8時53分簡易ダムの脇を過ぎて大溪川古道に入る。前回も感じたが、草がしっかり刈られている。それがなければここを進むのは大変だ。10分ほど古道を進み右岸に渡渉する。前回に比べ水量が少しは少ないようだが、水深がかなりあり注意が必要だ。全員が長靴だが、丈が短い長靴のメンバーは靴を抜いて渡る。

山腹の古道を進む
まだ新しい分岐の道標
渡渉点から大きく登って山腹を行く。9時37分、右に尪仔嶺古道へ分岐する。こちらを取り、1,2分進むとぽっかり開けた草原に出る。住民がいたころはここはおそらく畑だったのだろう。出発前に、この草原ではスズメバチに注意といわれていたが、幸い蜂には出会わず通過する。台湾はここ1,2年台風の直撃が少なく、風雨で巣が被害を受けることも少ないためスズメバチに刺されるということを頻繁に聞く。草原を抜け、石積がある場所を過ぎる。間もなく大溪川の岸に出る。ここは川幅が広く水は浅い。渡渉して対岸で休憩する。

草原に出る、以前は畑だっただろう

石壁の残る民家跡、左に欠けた鉄なべ
尪仔嶺古道を進む
峠の尪仔嶺までは約300mほどの落差だ。道はすぐに急坂となる。数分で石壁の民家跡(標高156m)が現れる。大溪川古道を歩いたときは、內大溪川分校を通過した。その規模の大きさに、この深山にどうしてこんな大きな分校があったのか不思議に思ったが、先ほどの平らな場所といい、この民家跡といい、それだけの人口があったのだろう。民家から古道はさらに登っていく。棚田跡を通り、そのうち小沢を越す。道は山道然となり、人の手が入っていない。10時40分ごろ、勾配が緩やかになる。残りは落差50mぐらいだ。左に水が干上がった池のような場所を見る。そのさき歩くこと数分、10時56分尪仔嶺に着く。土地公の周りはしっかり草刈されてきれいになっている。少し早いが、食事休憩をとる。

草がきれいに刈られた尪仔嶺
草がきれいに刈られている睏牛山への分岐
7年前の上の写真と同じ場所
坂が緩くなり山頂はすぐだ
鞍部で風が吹き抜ける尪仔嶺は涼しい。今日は晴天で気温が高くなり暑くて苦労するかと思っていたが、幸い涼しい風が吹いている。さすがに秋が近づいているのだろう。11時半過ぎ、睏牛山へ向かう。この近辺の山道は、最近藍天隊が雇った業者によって草刈整備がされており、道幅広くきれいになっている。小沢を過ぎ、約10分ほどで右に睏牛山への道を分岐する。この道を通じて睏牛山へ登るのは7年ぶりだ。前回は、草に埋もれ黃藤のとげに引っ掛かった道に比べると天と地の差だ。ロープの急坂を登り、10時56分分岐を過ぎる。道は緩やかになり12時1分、睏牛山山頂(標高588m)が突然現れる。樹木や草が広く刈り取られ、広範な景色が眼前に展開する。

草木が取り除かれ広くなった睏牛山山頂
谷間に先ほど歩いた道が見える
快晴の空のもと、大溪川の対岸に連なる七兄弟山の稜線を越えて太平洋が広がる。その海原には龜山島が浮かんでいる。海底から温泉が噴き出し白濁している龜山島北側の海も、はっきり見える。大溪川の谷底には、先ほど歩いた道や通過した草原が望める。大溪川を上流にたどれば叢雲山のさらに南側には鶯仔嶺や鶯仔頂山が連なる。視線を北側に向ければ、たおやかな桃源谷の草原とその向こうに灣坑頭山が続いている。その手前は蕃薯寮山を越えて下る桃源谷步道の稜線が海側にに下る。去年訪れたときは、雲に隠れて見えなかった大景は見飽きない。

睏牛山山頂からの展望
墜落機記念碑
石碑背面
往路を戻り、先ほどの分岐を右に取る。さらに3,4分で二番目の分岐を左に日本海軍機墜落記念碑へ下る。12時20分、記念碑に着く。周囲は広く草が刈りとられている。これも最近の藍天隊業者の作業だ。石碑の背面には、殉職した七名の名前の下に、墜落のいきさつが記してある。昭和12(1937)年という時代を反映して、愛国精神鼓舞の字句が刻まれている。曰く「…前夜來長途渡洋爆撃ヲ敢行歸來セル海軍航空隊所属第三十五號機ハ無念此ノ地ニ激突破摧シ搭乗七勇士ハ愛機ト運命ヲ共ニセリ 惟フニ渡洋爆撃ハ支那事變中ノ華ニシテ其ノ企圖,卓抜其ノ行壯麗ナル他ニ其ノ比ヲ見ズ 國民齊シク感激景仰惜ク能ハス…」。去年11月に訪れたときは霧がある天気だが、今日は快晴の空のもとまた違う風情だ。

草原が広がる、前方の盛り上がりが鹿窟尾尖
水牛の群れが行く手を遮る
記念碑からさらに下り、右に池を見て間もなく山腹を行く道と合流する。今日は天気が良いが、重い水牛が歩くこの道は、凸凹でところどころ水がたまり、注意しないと足を取られる。小さな草原を二カ所通り過ぎ、13時送電鉄塔の下をくぐる。左に分岐下っていく道を見て、さらに進む。右に前回登ってきた保線路の入口がある。ここから広い草原を進む。進んでいくと、前方の丘に数匹の水牛が草を食んでいる。まだ生まれて間もない小牛も一緒だ。我々の進行する道の近くなので、ここで座って様子を見ることにする。メンバーの三名は、待たずに先ほど通過した保線路で下山するとして、分かれる。

鹿窟尾尖から南方を望む
20分ほど待つが、牛は我々を凝視し動く気配がない。メンバー一人が前進し牛の群れの脇を行く。小牛が近づいていくが、問題なく通過する。そこで我々も進み、鹿窟尾尖に登る。ここの水牛は、ふもと内寮の農民が、農閑期に草地に放牧したもので、牛には鼻環がついている。牛は、我々を迎えにきた主人と思ったのか。もともと人が飼っている牛なので、刺激しなければ問題ないのかもしれない。

北方を望む
五酒桶山を望む
鹿窟尾尖は草原上にある山頂(標高553m)だ。天気がよい今日は、360度の展望台だ。瑞芳付近の山々、大・小粗坑山,燦光寮山,草山などからずっと手前に広がる丘、福隆,さらには手前の桃源谷が一望だ。桃源谷から東に緩やかに下る斜面の向こう、このあと向かう大嶺古道がその山腹を行く五酒桶山が盛り上がっている。13時38分、草原を下り始める。先ほどの牛は、こちら側にきているが、今度は全く気にせず下っていく。13時45分、土地公のある鞍部に着く。

土地公鞍部へ下る、右に牛
內寮へ下る
內寮の集落はもうすぐだ、周辺の棚田も見える
鞍部から右に行けば桃源谷步道で大溪に下る。左にとり內寮へ向かう。この古道は、今でも土地の人が土地公へ参拝などに行くので、古道というよりは今でも常に使われている道だ。草刈こそされていないが、道筋ははっきりしている。なだらかに下る道は草原の脇を行き、半分ほど下ったところで林の中を進む。14時7分、內寮の集落に下る。標高は322mだ。ここは、また桃源谷から下ってくる道もある。自家用車でここまできて登れば、桃源谷はすぐだ。民家脇で休憩をとる。

道わきの民家
F832新巴士がやってくる
14時26分、內寮街を歩きはじめる。しばらく舗装路を歩く。下に棚田を見ながら緩い坂を下っていく。F832新巴士がやってきて、また乗客を乗せ下っていく。このバスに乗れば、貢寮へ歩かずに下れる。14時40分、右に登っていく道を取る。ここから峠越えだ。大嶺古道は峠を越えた向こう側から始まる。民家脇などを通り登っていく。途中振り返れば、先ほど歩いた山々がすでに遠い。15時3分、峠部分を通過。峠は五叉路になっている。右に行く未舗装路は、追っていけば桃源谷步道にでて灣坑頭山に続く。左から二番目の道を進む。道は下っていく。遠くに海が見える。15時14分、分岐を左にとり、登りが始まる。15時20分、墓地の脇に大嶺古道入り口の大きな石碑が現れる。休憩をとる。

舗装路を登る
遠くに海が見える
大嶺古道入口の石碑
今日の行程も、終わりに近づいてきている。15時35分、古道を下り始める。短い草が生えているが、道はしっかりしている。途中二カ所、五酒桶山への入口を過ぎる。桂竹の間を下り、15時53分土地公の前を過ぎる。古道はしばらくは舗装路となる。すぐ右に大石壁山への入口が現れる。山道をほんの、2,3分行くと基石のある大石壁山山頂(標高197m)に着く。山頂といっても、樹木の中で展望もない。古道へもどり更に下る。

土地公が現れ舗装路になる
草木が育ち邪魔する展望台
舗装路が左に下っていくが、古道は右だ。すぐに展望台がある。数年前に訪れたときの展望は、今は育った樹木に邪魔されかなり限られる。それでも目的地貢寮駅前の赤い鉄橋は見える。途中大石壁山北峰(標高125m)に立ち寄り、16時23分古道入り口に降りる。標高46m、だいぶ下ってきた。古道は、最近は手入れされていないようで、雨水で赤土の路面が深くほり込まれているところもある。少し休憩をとる。

石壁坑の集落を過ぎる
残りは、駅までの舗装路歩きだ。道路工事中で、この先少しは車両通行止めだが、歩く分には問題ない。石壁坑の集落をすぎ、貢寮國中へ向けて下る。中学校のすぐ前で左の近道を取り、濱海公路にでる。貢寮老街を抜けていく。今は道の工事中だ。橋をこえ、地下道をくぐって17時過ぎ貢寮駅に歩きついた。

夕暮れ迫る貢寮駅に着く
歩行時間は約9時間、距離18.1㎞。登攀累計848m、下降843mだ。コース定数は30.6となる。距離はそこそこあるが、その約3分1は舗装路歩きだ。涼しい風が吹き、秋の訪れを感じさせる山行だった。桃源谷をはじめ鹿窟尾尖の草原は、晴れた秋の日は実に気持ちのよい山歩きができる。多くの人が訪れる桃源谷に比べると、ずっと人が少ない大溪川,尪仔嶺などの道は、しばらくするとまた草木に閉ざされてしまうかもしれない。多くの登山者が引き続き訪れることを願う。