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2020-09-18

2020年9月17日 平溪灰窯溪流域四座の縦走 残暑に苦労の山行

草がしっかり刈り取られた司公碗帽山山頂

今回歩いた山は、すべて歩いたことがある山だ。一部のルートは同じだが、異なる部分がある。その異なる部分を歩くのが主目的だ。同じ山でも、稜線の道と沢沿いの道は、随分と違うし同じ道でも登りと下りでは、印象が異なる。それらをすべて歩いて、一つの山をすべて歩いたといえるのかもしれない。このような別のルートが歩けるのは、最近二、三か月の間にボランティアが草を刈り道の整理をしてくれたおかげだ。台湾の植生はとても強い。歩かれない道は、半年もたつと草が茂り、再び自然に戻ってしまう。

時計回りに回遊
一度谷に下り、また登慰り返す
今月に入り、三回ほど台北近郊低山を歩いたが、天気とルートの特性のためにそれほどの暑さを感じなかった。ところが、今回は残暑の戻りで、気温が高くなおかつ風もなく、実に暑いなかの登山となった。気温が高く風がないと、運動でこもった体の熱が逃げない。それが疲れに結び付く。水を飲むのはもちろんだが、入った水はすぐに汗で出てしまう、という状態だ。上りでも下りで停まることなく額からの汗がしたった。そんなこともあり、休憩も多めにとった。ルート自体は、標高は大したことがないが、小さな上り下りが次々と現れ疲れを感じさせるものであった。

@石硿仔瀑布

平日だが満員立席の795番バス
今日は、平溪の山なので795番バスで向かう。MRT木柵站バス停からの乗車だと席がない可能性があり、やってくるまで時間があるのでその前の二つ前のバスまで歩く。他のメンバーも一緒にきてバスを待つ。木柵7:15発の十分寮行きバスは、23分にやってくる。バスはすでにほぼ満席だ。途中で5名のメンバーが乗車して来る。ひとつ前の795番の便で平溪まで行くバスに乗ったようで、目的地萬寶洞バス停に行かないため、乗り換えだ。8時25分、萬寶洞バスで今日のメンバー10名全員が下車する。


司公碗帽山登山口

8時33分、支度をすませ歩き出す。106公路のすぐわきの道に入り灰窯產道へ向かう。いままで何度か歩いた道だ。灰窯溪の橋を渡り、産業道路0.5kの印を見る。約500Mほど歩き、右に橋左に土砂崩れ防止壁がある。登山口はこの防止壁の脇だ。今年7月日付の道標が壁に取り付けられている。道はすぐに尾根上の急坂で高度を上げる。道にはかなりのロープが取り付けられている。途切れることのない勾配を登ること約15分、右に樹木を通して司公碗帽山の影が見える。さらに10分ほど登り9時10分、稜線上に上がる。稜線上の道は一度下り、また登り返す。9時18分、司公碗帽山山頂(標高445m)に着く。筆者は三度目の登頂だ。草が広く刈り取られ、晴れた空の下に十分の街と背後の五分山などの山々や谷がはっきり見える。


稜線に上がったところで新しい道標
司公碗帽山山頂から平溪の谷と背後の五分山(中央)などの山々を望む

和尚尖への道も急坂だ
10数分の休憩の後、下り始める。かなりの急坂がつづく。太い行政単位が取り付けた太いロープ手すり以外に、新しいロープが取り付けられている。坂が緩くなる。イノシシがほり返した穴がまだ新しい。最後に大石が門のように鎮座する場所を過ぎ、9時43分登山口に降りる。左に舗装路を少し下り、右側に和尚尖への道が始まる。こちら側も、早速急坂で始まる。数年前に歩いたときは、草深い道だったが今はしっかりした道になり、ロープも多く取り付けられている。10時8分、和尚尖山頂(標高476m)に登りつく。風もほとんどなく、暑さがこたえる。メンバー一人が明けたビールがうまい。

和尚尖山頂
シダの草原を通過
10時26分、下り始める。稜線上の道は、一部シダの草原にでて、前方の山々が見える。今日のルートの山頂は、司公碗帽山を除いてすべて展望なしだ。繁殖すると通過が非常に厄介な山林投がズタズタに切られて、まったく問題ない。10時36分、鞍部の十字路に着く。ここは灰窯の谷と十分へ続く道とを結ぶ峠越え道だ。右に取り、谷へ下る。谷間を進む道は、そのうち水が流れ出す。

十字路の峠
沢に水が流れ出す
山腹の古道を進む
慶和炭鉱の作業場跡、沢わきにトイレ

灰窯溪にそった石硿仔古道を進む
石硿仔瀑布
10時47分、左に道を分岐する。沢は次第に下の方になる。さらに数分で、慶和煤礦の作業場所があった場所にくる。今は土留壁やトイレの建物が残っているだけだ。10時55分、当時の石炭運搬用の橋を渡る。渡ったところは石硿子古道だ。この道も何度か通っている。左に灰窯溪に沿って進む。間もなく右に畝畝山への尾根道が分岐する。沢沿いにさらに進み、11時11分左に石硿子瀑布へ向かう。すぐに滝の脇に着き、昼食休憩をとる。今日は暑いので、水際で12時までの長い休憩をとることにする。

滝を上から望む
石積の壁が残る
急坂を登る
12時過ぎ、滝際の道を進む。この道は新しく開かれたようで、先ほど通過した古道の分岐まで戻らなくて済む。滝から上の古道に直接登り、さらに沢沿いに進む。12、3分で橋の前にある分岐に来る。右に整備された道を進む。古道に比べると明らかに、歩いている程度が落ちる。沢沿いに進む道は、数分で大きな土留壁のある台地に来る。民家跡のようで、石壁も残っている。このような場所に、なぜ民家があるのか。棚田などはなく、石炭採掘と関係していたのだろうか。上から一人の登山者が降りてくる。筆者と出合いがしらに名前を尋ねてきた。尋ねた謝さんは、本来参加したいと思ったが、用事で全部参加できないので、一人でやってきたということだ。

小滝を見る
稜線道に合流
道はさらに沢沿いに進む。左上に小滝を望み、ちょっとした岩場を通過する。即製丸木橋もかけられている。水の少なくなった沢を二度ほど渡る。途中小休憩をとり、さらに進む。12時50分前に、沢から離れ右に急坂を登る。13時、尾根道に合流する。左に急坂の尾根を登り、13時6分今日の最高点になる畝畝山山頂(標高570m)に着く。今回で四回目だ。ここでも長めの休憩をとることにする。頂上で休んでいた登山者二人は下山していき、我々だけになる。

@畝畝山山頂(Wさん撮影)

中国医薬研究所への分岐
13時35分、下り始める。ここから平溪子山へとつづく稜線道は、二年前反対側から歩いた。けっこう急な坂が続く。畝畝山は、大した標高ではないが、どちらからも急坂を登らなければならない。ニ、三分下ると古い道しるべで、右に尾根を灰窯橋へ降りる道を示すが、ここは整理されておらず草に埋もれている。さらに急坂を下る。13時54分、左に中国医薬研究所への道を分けると、すぐに最低鞍部に降りる。去年の山行では昼食をとったところだ。小さな上り下りが続く。途中の無名ピークで小休憩をとる。

上り下りを繰りかえす

下ってまた少し数十メートルの落差を登り返す。台湾電力の保線路に出る。そのすぐ上で送電鉄塔を見る。さらに下り登り返したところで、右に灰窯溪へ下る道を分岐する。こちらは整備されている。さらに下って登り返し、14時51分平溪子山山頂(標高420m)に着く。狭い山頂だが、草が刈られていて全員休むだけのスペースはある。展望はないが、風が少し出てきたようで楽だ。

送電鉄塔の向こうに中央尖
@平溪子山山頂
ロープが取り付けられた崖際の道
30分ほど山頂でくつろいだ後、下山開始だ。こちらも上り下りが続く。ところどころはかなり急で、新しく取り付けられたロープがありがたい。尾根幅が狭まり、かなり強引に道が開かれた場所もある。前回は藍鵲峰経由で登ってきた。こちらは分岐も気づかないうちに通り過ぎてしまう。おそらく今は廃棄状態だろう。最後に大きく下り、右に灰窯6號民宅へ下る道の鞍部分岐に着く。谷間のちょっと頼りない道筋を下り、16時25分民宅に降りる。民宅前の庭で休憩をとる。これでほとんど歩き終えた。平溪子山から1時間ほど要している。それは、上り下りがたくさんあるからだろう。


灰窯6號民宅
16時38分、最後のセクションを歩く。民宅から下ると、朝に登っていった司公碗帽山の登山口を見る。左に折れて灰窯產道を行き、16時54分萬寶洞バス停に着く。着替えなどをすませ、17時5分にやってきた795番バスで帰宅の途に就く。幸いに乗客は少なく、全員席について1時間ほどの乗車で木柵へ戻った。



帰路のバス

台北近郊の山は、夏は標高も低くためかなり暑くなる。30度を超えているだろう。記録を見ると今日の活動中の平均気温は31度になっている。誤差もあるだろうが、体感的には暑かったのは事実だ。亜熱帯の台湾は、日本に比べれば少しは暑さに慣れもあるだろうが、疲れを増す。活動時間は休憩を含み約8時半、距離は10㎞弱、累計登り860m、下り878mとなっている。休憩は2時間半はとっているだろう。コース定数は27だ。

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