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2017-01-24

2017年1月23日 汐止金明山 - 如意湖 - 新山 - 夢湖 冬の寒空下に登る

新山への登りで見る金明山と柯子林山
金明山からみる新山
汐止の新山(標高499m)は、五指山の山脈のすぐ東側にある砂岩が露出した岩稜をもつ山である。そのすぐ下に夢湖があり、なおかつすぐ近くまで車やバイクで来れるため、人気のあるハイキングコースだ。一方、金明山(標高391m)は柯子林山(標高382m)はすぐ近くを汐萬路や八連路が通っているので、これもアクセスがよい。この山のすぐ下には、如意湖がある。

汐萬路7Kから歩きはじめ回遊する
二回の大きな登り
新山は、今まで二度ほど訪れている。金明山や柯子林山は、過去に行くことを考えたが実際には訪れていなかった。今回は、金明山と柯子林山を登ったあと如意湖へ下り、一旦五指山古道の谷に降りる。そこから新山の西南稜を登って頂上を目指し、夢湖をめぐり保線路を経由して烘內へ下山するというものだ。一部は以前歩いているが、約半分は今回が初訪問である。

汐萬路7Kのところで降ろされた、バスが見える
汐止は、周辺の山の中腹に多くの不動産開発が行われ多くの人が住んでいる。そのため、汐止の中心とこうした住宅の間を行く無料コミュニティーバスがたくさん走っている。二年半前五指山を訪れたときも乗ったが、今回もこうしたサービスの一つF910バスで登山口に向かう。平日は早朝の便のあと9:20になる。9時過ぎに汐止駅前のバス停で集合する。今日は全員で6名だ。時間通りにバスがやってきて乗車する。車内は満員だ。


本来下車予定の金明山下バス停
途中の住宅地区を通過し、烘內を過ぎるとバスはガラガラになる。我々の下車したいところは金明山下バス停であるが、バスの運転手はそのバス停より1㎞も前のところで、我々にこれが金明山下だとして、下車させた。降りるときに確認したが、金明山下バス停であるという。降りてみるとバス停の標識もない。以前聴いたことだが、この無料バスは以前登山者と不愉快なことがあったそうで、それが原因でこのような運転手がいるのかもしれない。無料とはいえ、税金で運営されている新巴士は、新北市から委託されて運営しているわけで、運転手の好き嫌いで乗客を欲するところとは別のところで下車させるのは、バス運営としては失格だ。

金明山登山口
降ろされた汐萬公路7kmあたりから、金明山登山口へ歩いていく。約8㎞ぐらいで当初予定した金明山下バス停を過ぎ10時7分に登山口に着く。10分ほど余計に歩いたことになる。登山口からは、急な登りが始まる。ステンレスポールに太いロープが取り付けれている手すりが続く。ここは、地方政府により登山道の整備が行われている。道標も立派なものだ。急坂を登ること約10分、分岐につく。右は如意湖に降りていく。左に稜線の道を行く。すぐに砂岩が露出した岩稜が続く。オーバーハングの岩の下をくぐり、さらに登る。10時38分、金明山山頂に着く。曇り空のもと、寒い風が吹き抜けていく。山頂は展望がよい。五指山から新山など、すべて望める。

砂岩の岩稜
オーバーハングの岩の下を行く
金明山山頂
金明山山頂から五指山と新山を望む
柯子林山山頂
頂上から少し戻り、左に急坂を下っていく。そのうち稜線上を進む。まもなく柯子林山頂上につく。こちらは林の中で展望はない。稜線を追っていく。数分で左に八連路への道を分岐する。稜線をそのまま進む。木々はそれほど密生していないので、森は明るい。10分ほどで、右に如意湖への道が現れる。稜線を離れ、山腹の急坂を下っていく。そのうち沢音が聞こえ、11時10分に如意湖が現れる。湖の左側を進み、5分ほどでベンチのある湖岸に着く。ほかに誰もいない静かな湖は、風でさざ波が湖面に起きる。メンバーはみな、とても気に入ったようだ。ゆっくりと休憩する。

如意湖
彩虹橋を行く
11時40分、汐萬路に向けて下り始める。こちらも急な坂が続く。10分足らずで山道は終わり汐萬路にでる。登山口は、朝に金明山へ向けて登った登山口の、わずか20mぐらい離れた場所だ。汐萬路を左に登っていく。右に谷を挟んで新山が控えている。後ほど登る西南稜が見える。彩虹橋を渡り、その先右に五指山古道へ汐萬路三段350巷の道を下っていく。3,4分で下りきり、駐車場につく。ここは食養山莊レストランの駐車場の一部だ。右に古道をとり、沢沿いに下っていく。

修理された古道の部分
5年前に歩いた時、土砂崩れになっていた場所は修復されている。その頃はなかったはずの手すりもある。12時15分、西南稜への道が分岐する。左にとり沢へ降りる。沢にはロープが渡され、渡渉の助けになる。水量は多くないが、水につかる。今日は長靴できたので問題はない。沢を渡り、一休みする。これから長い登攀になる。

渡渉部分
西南稜から金明山を見る
沢から急坂が始まる。小沢にそって進んだ後、対岸に渡り山腹を登り始める。10数分で尾根に取り付く。大きな岩がある。まだ森の中なので風はそれほど強くなく、今日は寒波のため寒いといえ汗が流れる。12時53分、左に稜線上を行く道と右に山腹を行く道が分かれる。この山は岩稜が特徴だ、稜線を行かない法はない。すぐに砂岩の岩稜上を進む。崖のすぐ左は、先ほど歩いた金明山と柯子林山、そのふもとを彩虹の汐萬路が横切っていく。更に岩稜を進み、山腹側に少し入り風が当たらない場所で13時から昼食休憩をとる。

岩稜上から振り返る
13時25分、頂上を目指し登り始める。手すりの設けられた崖際の岩稜を通り過ぎ、13時33分山腹道を合わせる。更に稜線を登っていき、13時45分に右から夢湖からの道を合わせる。前方に頂上を見ながら進む。13時51分、岩の頂上に到着する。山頂の説明板は、壊れている。寒い風が吹きわたっていく。写真をとり、すぐに下山を始める。

新山山頂、背後は五指山
新山山頂から北方向を望む
夢湖での集合写真、背後は新山
稜線を下っていく。数分で稜線から離れ、山腹の道を下る。14時6分、右に夢湖への道が分岐する。多くの登山者が歩いているせいが、雨で土が流されているためもあるが、この部分の登山道はかなり傷んでいる。10分ほどで左に道を分け、さらに下っていく。ここで今日の歩きで初めて別の登山者に出会った。新山はやはり登山者が多い。14時23分、夢湖につく。遊楽客が写真などを写している。最後の休憩をとる。

二番目の鉄塔下を過ぎる
14時40分、保線路を経由し下り始める。以前二度登って来た道は、今日は下りにとる。沢を渡り、右に下っていく。送電鉄塔をつないでいく保線路は、おおむね広く歩きやすい道だ。二か所の鉄塔を通り過ぎ、14時59分、分岐を通過。右側の道も汐萬路へ下る。左に山腹を進んでいく。途中、木々がきれ金明山や新山が遠くに見える。結構歩いたものだ。15時14分、最後の鉄塔を過ぎ、15時半汐萬路の登山口に着く。夢湖から50分の歩きだ。汐萬路を左に下っていく。夢湖路との分岐を過ぎる。以前と同じように廃屋を見ると、15時38分烘內に到着した。16時過ぎにF908バスに乗り、汐科駅から台北に帰った。

保線路の汐萬路入口についた
今回は、休憩込み6時間足らずで約10㎞を歩いた。累計で約950m登っている。メンバーの足並みがそろっていること、人数が少ないことが予定通りに歩き終えた理由だ。寒風が吹いていたが、冬の近郊の山は道の状態がよいこともあって、愉快な山行であった。新山周りの道は、これで多くの部分を歩いたことになる。困難度は山道クラス3、体力的にもクラス3である。

2017年1月22日 桃園復興東眼山 小百岳

途中の産業道路から見る東眼山
台湾を東西に横切る横断道路のうち、北部にある北部横貫公路(北横公路)の西端に近い部分にある東眼山は、北横公路の奥にある山を登るため、そのふもとを過去何度か通り過ぎている。東眼山一帯はもともと林業が営まれていた場所で、今は林務局管理下の国家森林遊楽区となっている。標高は1212mで中級山の範疇になるが、遊楽区として山道は整備され遊楽客でも問題なく歩ける山だ。背後には逐鹿山から南插天山まで続く插天山脈が控え、その前衛的な存在でもある。小百岳の一座に指定されている。

北側のビジターセンターから歩き、正門に戻る
東眼山と親子峰の二つの登り
北横公路の西端にある東眼山
東眼山森林遊楽区正門料金所
今回は、久しぶりにEさんとの山行だ。8時過ぎに台北からEさんの車で登山口に向かう。高速道路を三峽で降り、台七丙公路経由で進む。日曜日の今日は、五寮尖登山口付近には多くの車が停めてある。これだけ登山者が多いと、ロープセクションのところではかなり待たされるだろう。三民方向に曲がり進むと、道路の中央には分離のために多くのプラスチックポストが取り付けられている。このセクションはバイク族が多く、この一年間に事故防止のために追加されたようだ。復興区に入り、角板山の脇を下っていくと左に東眼山方向への道が分岐する。登るにつれて、那結山や南插天山など以前登った山々が姿を現す。9時40分、東眼山森林遊楽区の正門料金所に着く。

駐車場にある森林遊楽区の文字、その上方背後にビジターセンター
杉人造林の間を登る
一人当たり100元、小型車100元の料金を払い遊楽区に入る。左に登っていき、ビジターセンターの前で下車する。気温は8度C、車から降りるとちょっと寒い。支度を済ませ、10時に歩き始める。空は晴れて青空、風はあまりなく幸いだ。ビジターセンター脇の登山口から登っていく。周囲は人造杉林だ。石段道はすぐに右に道を分岐する。直進する自導式歩道(セルフガイド式)とされている道は、道しるべもしっかりしており迷うことはない。石畳の道は、部分部分で木製階段になる。この階段も滑り止めが付き、非常によい。

支線の分岐部
志繼山への道が警告文とともに塞がれている
10時14分、右に山腹を行く支線が分岐する。分岐の脇には炭焼窯の跡がある。さらに数分登り、左に展望台を見る。志繼山への尾根が降りていく場所だ。網が張られ、ここから先は森林遊楽区は事故が起きても関知しないという、警告板が建っている。登山はもともと自分のリスクのもとで行うもの、ただここは料金を取っているのでこのような対応なのか。

幅の広い稜線上の道を登る
三角点のある東眼山山頂
稜線上を進む。風を強く感じる。ただ、すでに体は今までに十分温まっているので、寒くはない。ところどころ土の部分が現れるが、大半は石畳か木製の階段だ。10時29分、右に休憩所を見る。最後は少し勾配がきつくなる。1.7㎞の表示をみてまもなく、木製階段をのぼって東眼山の三角点を見る。10時44分、約45分ほどの歩きだ。

頂上展望台の筆者




三角点の先に展望台がある。ここは三角点の頂上より少し高い。樹木が延びて視界が遮られるが、北方向は望める。遠くは台北市街やその背後に陽明山の山々が見えるはずだが、霞んで見えない。插角の谷間や三峽はかろうじて見える。10数分ほど展望台で過ごし、11時に下り始める。頂上からは左に登りとは別の道をとり下る。こちらの道も石段や木階段の良い道だ。杉林の中をジグザグに下る。

展望台から北方向を見る
杉林の間の木階段道を下る
11時半、右から山腹を進んできた支線を合わせる。11時44分、トイレのある分岐に着く。左に親子峰森林歩道方向に道を進む。幅の広い道がゆっくりの登っていく。11時59分、伐採が行われていたころの台車や木馬道がある場所に来る。休憩場所になっており、数名の遊楽客がくつろいでる。さらに数分進み左に親子峰森林歩道が分かれる。こちらの道を進んでいく。

木材搬出台車の模型がある休憩場所
親子峰歩道への分岐
また登りが始まる。こちらは枕木階段の道で、石畳はない。十数分の登りの後、少し下ると石のテーブルとイスのある休憩所がある。時刻は12時20分、ここが親子峰という看板がある。親子峰の頂上はこの上の方だが、歩道はそこへは行かず、ここが最高点になる。標高は1060mとなっている。時間もちょうどなので、ここで昼食をとる。

親子峰歩道の最高点、山頂ではない
木製階段道を東満林道へ下る
13時、道をさらに進み下り始める。こちらも枕木階段道が続く。13時6分、分岐がある。左は造林記念碑があるようだが、道がくずれたため封鎖されている。更にジグザグ道を下り、13時12分東満林道に降り立つ。林道は広く、明るい。左に少し行き、化石が納められているあずま屋がある。屋根の下には説明板とともに、数個の大きな化石のある石が並べられている。化石のあずま屋の先には石の椅子テーブルとお手洗いがある。林道をさらに少し行ってみると、右には北插天山から南插天山への稜線が望める。稜線の低くところからは、反対側の雲海がこぼれて白く滝のように掛かっている。いわゆる雲瀑だ。

化石の並べられているあずま屋
林道から望む北插天山から南插天山への山並み
林道わきの林業時代のウィンチ展示
林道を遊楽区正門に向けて歩き始める。少し登り気味の道を進み、13時40分涼亭のある広い休憩区を過ぎる。道はこんど少し下り気味に進む。山腹へ登っていく道の分岐を二か所過ぎる。13時58分、駐車場にやってくる。開けた場所なので、対岸の山々が見える。前方には金平山が開き始めた山桜の向こうに鎮座している。ここから舗装された道をさらに進み、14時過ぎ正門へ着く。正門の表示は気温10.6度を示している。14時10分、車で東眼山森林遊楽区をあとにした。

開き始めた山桜の向こうに金平山
今回は約8㎞を、休憩込みで約4時間で歩いた。遊楽園区はしっかり整備された歩道なので、安全上の心配はいらない。今日歩いたコースであれば、道の状態はクラス1(最良)、体力的はクラス2である。遊楽区外へあるいは外からここへ続く道もあるが、そちらはだいぶ様子が違うので、地図を読めなければむやみに進むのは、お薦めしない。交通手段であるが、一般交通機関として大溪區公所からL807番のコミュニティー無料バスが一日二便往復している。しかし、大溪を6時半発なので、前日大溪に一泊しないと乗るのは難しい。
帰りの道路から望む雲瀑、插天山脈の山々は、右のルペイ山と南插天山を除いて雲をかぶっている

2017-01-10

2017年1月8日 合歡山北峰-西峰縱走 華岡へ下る 年初の3000m峰登山

合歡山東峰から望む北峰(2016年12月撮影)
合歡山主峰から望む西峰(左の低い丘の部分が山頂)
昨年から本格的に登り始めた3000m峰は、今年も引き続き登っていく。今回は、一泊だけで行ける場所として、合歡山北峰と西峰を訪れた。先月訪れた合歡山主峰と東峰、また石門山は、台14甲号道路のすぐわきにあり、簡単に登ることができる。台湾の高峰の中で最も登頂が簡単な山だ。同じく合歡山のグループだが、北峰と西峰は様子が異なる。北峰で約1時間半の登頂、さらに西峰にはさらに5㎞弱の稜線の縦走が必要だ。そのため、合歡山連峰の中では、訪れる登山者は少ない。

東の北峰登山口から西へ縦走、華岡へ下る
歩行高度プロファイル
合歡山の峰々
西峰を訪れるには、北峰を経由して訪れるか、華岡から合歡溪沿いに進み渡渉後急坂を登っていくかだ。今回は、北峰経由で登り華岡へ下った。台14甲号道路わきの登山道から北峰経由で往復する登山者も多い。この場合は、帰りに北峰へ登り返すことになり、14㎞弱のそこそこの歩きになる。華岡への下りは、合歡溪を渡ったあと、4㎞ほどの林道歩きになり、距離的は同じようなものだ。

合歡山主峰から望む、北峰(右)から西峰への稜線
北峰登山口にて
今年は、暖冬だ。今のこの時期、合歡山は積雪があってもおかしくないが、今回は雪は全くなく、山頂でもそれほどの寒さではなかった。もちろん日の出のころは、手袋などしないと手はかじかむ。合歡山は、玉山矢竹が斜面を覆う。この時期は黄金色の矢竹が続く幅広い稜線歩きとなる。夏になれば緑の草原となる。天候も遠方の高峰は霧がかかっているところもあったが、おおむね晴れて遠くまでの展望ができた。冬の高山を堪能した。

北峰山頂近くで朝日を迎える

前日大禹嶺の民宿に宿泊し、今朝は三時に起床だ。それぞれ用意した食事を済ませ、四時に昨日乗ってきたシャトルサービスの車に乗る。20分ほど小風口方向に登っていく。4時20分、登山口に着く。まだすべて暗闇の中だが、他のパーティがちょうど登山口から登っていく。登山に不必要なものは車に残し、我々も登り始める。今日は冬の衣類は必要だが、基本的に日帰り荷物でOKだ。

北峰山頂近くから広がる草原と朝日を望む
北峰山頂
ヘッドランプをつけ、登っていく。初めは森の中を少し進む。結構急な坂だ。10数分後、体が温まったので服装を調整する。5時8分、0.8㎞キロポストを通り過ぎる。すでに草原の歩きになるで、風が結構吹いている。5時35分、1.2kmを通過。6時、空が少し白んでくる。反射板の下までやってきた。まだ暗いが、霧が少し出てきているようだ。北峰頂上方向へ少し進み、6時20分道脇の斜面に腰かけ日の出を待つ。頂上まで行っても良いが、風当たりが強いのでここで十分だ。

北峰山頂から雪山山脈方向を望む、谷には梨山の開墾地
西峰へ縦走を開始
6時30分過ぎ、頂上へ少し登る。明るくなった山頂の周囲は、たおやか草原が広がっている。ガスが去来する。昇ってきた赤い太陽が大きい。標高3422mの北峰頂上は、三角点基石が植えられた広い頂上だ。北方向は中央に雪山主峰を名主として雪山山脈のすべての峰々が、水平の光線に照らされ、雲にさえぎられた部分がまだら模様になっている。谷は朝霞が漂い、その中に朝を迎えた梨山の集落や開墾された畑が尾根上に広がっている。東方向には、奇萊北峰が雲を頭にまとい、朝日のなかに立っている。

急坂を下る
6時53分、西峰に向かって縦走を開始する。すっかり明るくなった山頂からは、黄金色の草原が広がっている。10分ほど緩やかな坂を下っていき、そのさき急な坂となる。稜線の左は緩やかな斜面だが、右側は切り立った崖だ。下りきり、タイワンツガ(鐵杉)林を過ぎる。また草原が広がる。この雄大な草原は、台湾高山の特徴だ。日本の高山は、森林限界をすぎるとハイ松や岩稜の稜線だ。このような天上の草原は見かけない。道脇にロープが渡してあり、その中には入らないようにとの注意書がある。矢竹(ニイタカヤタケ)の保護のためだ。

矢竹の草原を行く、保護のロープが張ってある
北峰はすでに遠い
キロポスト3.6㎞ぐらいで最低鞍部を通過する。標高は3100mぐらいまで落ちた。西峰から北峰へ折り返していく場合は、ここの登りはかなりきついだろう。しばらく小ピークをいくつか越えていく。森がきれて振り返れば、北峰はすでに遠い。左に谷を挟んで合歡山主峰が控えるが、頭は雲の中だ。4.2㎞ぐらいで尾根は緩やかに下り、眼前に広大な風景が広がる。主稜線の右遠くに、雪山山脈の峰々が続いている。近くの右の峰は閂山だ。





主峰方向を見る

広い稜線から前方を見る、遠くは雪山山脈、右の近い山は閂山

池の脇をゆく
下っていき、池の脇を過ぎる。近くにほかに二つある池は、氷河時代の氷の移動でできた池ということだ。鞍部の4.5kmキロポストを過ぎる。華岡への分岐まであと1㎞足らず、西峰まではあと2㎞ぐらいだ。登り返していくと、右遠くに南湖大山や中央尖山、無明山が見え始める。小ピークを越して9時10分、風が当たらないところで休憩をとる。軽装の登山者が三人やってくる。北峰登山口からここまで2時間ちょっとでやってきたそうだ。とても足が速い。もう一つのピークを乗り越え、少し下り、9時44分華岡への分岐に来る。西峰へはあと1㎞だ。

華岡への分岐が見えた
左下の丘が西峰頂上
ここでリュックをおろし、空身で西峰へ向かう。西峰は標高3145m、ここよりも100m以上低い。すぐに森の中を大きく下っていく。下り切った草原には、また池がある。広い草原の尾根を追っていく。6.3㎞のキロポスト付近から見ると、左下にこんもりした丘がある。その上には標識が見える。西峰山頂だ。また森の中をしばらく下り、すこし登り返す。10時22分、西峰山頂に着く。6.7㎞キロポストや三角点基石、そして大きな山名坂がある。東方向は、高いのでその先が見えないが、他はすべて展望が効く。北二段の尾根筋もはっきり見える。北峰の左奥には、畢祿山の山頂がのぞいている。南方向、中央山脈から少し離れたところに、三角形の山がある。阿里山山脈の最高峰大塔山だろう。

西峰頂上にて
西峰頂上から北方向を見る、手前左は白姑大山、右に雪山山脈
華岡へ向けて下り始める
10時38分、名残惜しいがやってきた道を引き返す。下ってきた道を登り返すが、ちょっと辛い。草原の尾根道に上がり、振り返れば西峰頂上はすでに遠い。さらに森の中を登り返し、11時5分分岐に戻ってくる。昼食休憩をとる。11時30分前、合歡溪へ向けて下り始める。道は枝尾根にそって下る。この道にはキロポストはない。主稜線に比べれば登山者が少ないが、道筋ははっきりしている。11時48分、枝尾根の突端まで下がってくる。左に合歡山北峰から主峰への峰々が見える。ここが最後の見納めだ。

枝尾根上を下っていく
刺柏の急斜面を下る
道は稜線から山腹の急坂を下り始める。葉がとげのような刺柏がたくさん生えている。間違って触れると痛い。急坂なので、高度がどんどん下がっていく。標高2900ⅿあたりで、草原は終わり鐵杉(タイワンツガ)の森に入る。一度休憩し、さらに森の中の急坂を下る。下るにつれ、ツガは大きく立派になる。ちょっとした枝尾根の平らな部分を少し進み、また急坂を下る。沢音が大きくなり、13時22分、合歡溪へ降り立つ。山道は終わりだ。

タイワンツガの森を下る
合歡溪の右岸を行く、高巻部分
沢沿いに右岸を行く。狭い谷の部分は、右側に掛かっている補助ロープを頼りに高巻く。高巻きから下り、そのすぐ先で渡渉できる。心配していた水量は、渇水期のため少なく、思っていたよりはるかに簡単に沢を渡れる。水が多い時は、さらに右岸を高巻きその先で渡渉するようだ。沢を渡り砂防ダムの脇で休憩をとる。残りは林道歩きなので、ほっとする。

渡渉部分
林道を行く
10分ほど休憩し、14時前に最後の4㎞の林道歩きを始める。林道は幅があり、土砂崩れなどが過去にあったようだ。一部はコンクリ舗装で整備されている。四駆であればここまでやって来れそうだ。道が山襞をぬって進むにつれて、沢はかなり下を流れるようになる。ほぼ平らか、少し下り気味の道が続く。道脇にはかなり太い送水管が続く。対岸にかなり高く草原の山が見える。西峰の尾根筋だろう。



右岸の情報に西峰の尾根が見える
14時47分、貯水槽の脇を過ぎ、その先5分ほどで別の水槽と鉄の門を通る。残りはわずかだ。樹木の切れ目から華岡の開墾地が見える。最後の下り坂を下り、15時15分華岡の円環に着く。我々の車が停まっている。全員がそろい、荷物を車に乗せ15時45分帰途に就く。この車は、WVのバンなので力行産業道路を行くのは問題があるようで、遠回りだが梨山から中横公路を経て14甲公路に出る。昨日登ってきた道を下っていく。途中清境農場で食事をとり、台北へ帰った。

華岡の集落が見えた
華岡に着いた
歩行距離は約15㎞、10時間半の活動時間である。あまり長い休憩はとっていない。基本は下りがメインだが、それでも累計で1200m弱ほど登っている。このルートは、反対方向にとると、合歡溪からの登りがかなり急でつらいだろう。渇水期の冬は合歡溪の水量も少なく問題ないが、その他の時期で大雨のあとは沢が増水し渡渉部分は困難度が増す。それがなければずっと見晴らしもよく、一日で歩き終えることができるのでよいルートだ。困難度はルートについては、クラス3、体力的にはクラス4だ。