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2022-09-21

台湾登山ルートガイド:台北近郊登山 台北市劍潭山 - 老地方 - 文間山

ルートは西から東へ

台北を含む台湾北部の山々は過去10年で、かなりの山峰やルートをカバーしてきた。その行動は、その都度の山行記録として残してきた。そして、同じ場所を再び訪れたような場合は英語など日本語以外の言葉で表記し、別対象者向けに記述してきた。

今年6月半ばに山行の途中で怪我をして、三カ月の療養を余儀なくされた。最近ドクターより、山行再開のOKサインをもらい山に行き始めた。当初は、無理のない歩きをする必要がある。それは、怪我の回復中に衰えた筋肉やその他の調整が必要なためである。そこで、台北付近の低山をしばらく歩くことにする。ただ、むやみに歩いても面白くないので、台北盆地を展望し付近の自然を知る、というテーマで登山対象やルートの選択を行い、仲間を連れて歩くことにした。その第一回目がこのルートである。10年ほど前から二、三度訪れている。そこで、しばらく距離や所要時間を明確にした、ルートガイド的な記録として残すことにする。日本から台北を訪れちょっと近くの山に登る、或いは台湾在住の日本人(或いは日本語を解する人)がハイキングをする場合の参考になれば幸いです。

台北盆地とそれを取り巻く山々、このコース(赤線)はほぼ右中央にある

登山対象:

ルート 台北MRT劍潭站 - (10分) -  圓山風景區登山口 - (20分) -  木製展望テラス・通信タワー - (5分) - 北側展望台 - (2分) -  劍潭山山頂 - (25分) - 老地方 - (30分)  - 文間山 - (4分) - 劍南路 - (5分) - 展望尾根 - (15分) - 劍南路 - (8分) - 劍潭古廟 - (2分) ‐ MRT劍南路站 (各ポイントは巻頭地図参照) 休憩無で2時間10分 (逆向きもOK) 距離6㎞、昇降各約260m、コース定数10

劍潭山 標高153mに過ぎない低山であるが、土地を代表する山として小百岳に選ばれている。場所は、台北盆地の真ん中あたりにある。基隆からずっと基隆河にそって南下する五指山山脈の末端に位置する。街のすぐわきから登るので、高度が上がるとすぐに盆地に広がる町並みが望める。

劍潭山山頂
文間山 標高184mで上記五指山山脈の山峰の一つである。劍潭山の東に位置し、すぐ近くからは故宮博物院を望むことができる。アクセスも便利であり、劍潭山から文間山をへて、大崙尾山,大崙頭山を越えて梅花山まで続く稜線道は、三年ほど前に大台北縦走路として指定され、道も改善されて歩きやすくなっている。

文間山山頂
老地方 標高約180m、上記二座の中間ほどの位置にあり、松山空港を望む展望デッキのある休憩場所だ。老地方とは、「古い場所」ということではなく、「いつもの場所」といった意味で、次また老地方で会おうね、といったニュアンスである。縦走中には、途中の一息つく場所でもある。すぐ近くから北側天母、南側大直どちらにも降りる道もあり、劍潭山から歩いてきて疲れたら、ここから下山ということも可能である。

老地方
老地方の展望台からは松山空港や台北の街が望める
縦走路 石階段、石畳、コンクリ舗装、そして土の道と変化に富む。土の道は、文間山近くになって出てくる。いずれにしても、道の状態はとてもよく、ハイキングシューズで十分だ。本コースの距離は、約6㎞、登坂下降は、それぞれ総計で約260mほどである。足が速い人であれば、2時間もかからず歩き終えることも可能だろう。
劍潭山までの間には、多くの分岐がある。どの道も状態がよいので、間違っても問題はないが、基本は老地方方向の道をとる。注意しないと劍潭山への入口を見うしなう。山頂へは石畳の道からはずれて、土の道を行く必要がある。また、大小の廟や民間人がたてた休憩あずま屋などがたくさん道脇にある。そうした場所で一休みも問題ない。

コース概要 劍潭站の第二或いは第三出口からでて、交通量を多い中山北路を渡り、圓山風景區の登山口に向かう。それ以外にも圓山大飯店側からの道などもある。もし駅からでなく、圓山大飯店側方向から来るのであれば、その道を通り縦走路に合流するのもOK。

圓山風景區步道入口
石段道が続く、分岐には道しるべと地図
道脇の小寺院、地元民カラオケが進行中
のっけから勾配のきつい階段道が続く。分岐が多くあるが、老地方方向をとる。坂を登りきると、木製展望テラスがある。テラスからは、足元に基隆河が流れ台北盆地が広がる。天気が良く空気が透明だと、盆地を囲む山々が見える。テラスのすぐ近くには、白と赤で色塗られた通信タワーが目立つ。
展望テラス
通信タワー
北側展望台、北側淡水河や觀音山、そして陽明残が望める。足元にはMRT劍潭站
北側の休憩展望台からは、すぐ下に出発点の劍潭站駅舎や最近完成した文化ホール、そして士林や天母などの住宅がびっしりと建って広がる。その奥には淡水河や觀音山、またその右方向には陽明山の山並みが広がる。展望台から少し進み土道を登って劍潭站山頂を過ぎる。木板階段を下ると、コンクリ舗装の稜線道と合流する。コンクリ舗装の山道は緩い登り下りが老地方まで続く。
劍潭山からの下り、左に廃棄トーチカ
老地方への稜線道
七美と呼ばれる場所、展望ができる
老地方、背後は展望デッキ
老地方までは、地元住民の憩いの場所でもあるので、訪れる人が多い。老地方を過ぎるとハイカーがメインとなり、人も少なくなる。土の道が少し続き、幅員が狭い舗装路を進む。途中分岐があるが、道標に従い文間山方向をとる。道は起伏が少ないが、最後に坂を登っていくと、右に文間山への土の登山道が始まる。登山道をしばらく登ると、樹木が切れた展望点に出る。ちょうど自強隧道の真上になるこの場所からは、故宮博物院が近くに、遠くには陽明山の山並みが望める。展望点から少し進むと文間山山頂だ。
しばらく土の道が続く、右は大直方面へ下る
細い舗装路を行く、分岐は道標に従う
分岐は左へ
文間山への登山道入り口
文間山歩道
文間山前の開けた展望点からのパノラマ、故宮博物院とその遠く向こうに陽明山
文間山はもうすぐ
文間山から下って劍南路を右に進む。交通量も少ないので、たまに通過する車に気を付けて下り、しばらく左に土の道の入口を見る。そのまま車道を下ってもいけるが、ここは左に稜線上の道を行くことを勧める。天気が良ければ、開けた稜線上から広い展望が望める。下りきってまた劍南路にでて、道なりに進み高い住宅ビルの先の階段を MRT劍南路站へ階段を下る。途中右に劍潭古寺があるので、立ち寄るのもよい。
文間山登山口、劍南路(写真の左側)を下る
カーブミラーの後ろに入口
明るい稜線道
途中から見るパノラマ
MRT劍南路站へ階段を下る
MRT劍南路站

アクセス:
上記ルート説明で示したように、出発点、最終店ともにMRTの駅で分かりやすい。もちろん慣れていればバスでもOKである。

装備:
天気が良ければ、時間も短いので十分な水や行動食で十分である。雨が降っても風がなければ傘でも問題ない。木陰を行く部分が多いが、夏はかなり暑くなるので午前早くか午後遅くがよい。夕方逆方向に歩けば夜景の台北を望むこともできる。

歴史ワンポイント:
圓山には有名な圓山大飯店が丘の上に聳えている。この場所は、以前台湾の神社総元締めとしての1901年に建設された台湾神社があった。その土地にあった神社は取り除かれ、現在の圓山大飯店がたてられて今日に至っている。当コース最終地点にある劍潭古廟は、その名が示すように本来は劍潭にあった。1937年に台湾神社の拡張工事が行われ、その用地にあった劍潭古廟は今の位置に移設された。
劍潭古寺
このコースを歩くと、廃棄されたトーチカや歩哨ブースの脇を通り過ぎる。戒厳令があった頃は、ここは軍事要所で一般人はなかなか入れなかった場所である。現在も軍事施設が歩道脇にあるが、ハイキングにはまったく影響はない。

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