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2016-05-30

2016年5月29日 陽明山系瑞泉古道-大尖山-鹿窟坪越嶺古道 初夏の草原歩き

杏林山から瑞泉へ下る途中に見る大尖山、左遠くは磺嘴山
昨年の四月に陽明山地の北側萬里の富士坪草原を歩いた。その時も大尖山に登ったが、頂上付近は草深い不人気山の様子であった。二カ月前に藍天隊がこの付近の道の手入れを行った。そこで、この山を別のルートで登り下ることにした。天気はとてもよく、平地ではすでに35,6度を超えるまでになった。山の上では、途中でみた寒暖計では30度を示していた。しかし、終日けっこう強い風が吹き抜け、あまり暑さを感じずに歩くことができ、ラッキーだった。

西の擎天崗から東の大坪へ歩く
一度下り、また登り返す
ルートとしては、前回同様擎天崗からスタートし、石畳歩道を進んで杏林山へ登り、山道を瑞泉へ下るのは同じだ。そこからは、前回の林市古道とは異なり、今回は瑞泉古道から大尖山の稜線を登り、頂上へ上がった。下りは、前回と同じく反対側に下り、富士古道をへて富士坪へ出る。その先は、前回とは違うルートである鹿窟坪越嶺古道を大坪へ下った。前回に比べると、富士坪周辺を囲む山道は、立派な道標が取り付けられ整備されているので、状況は良くなっている。

陽明山山系の萬里側にある今回の目的地
出発点擎天崗で七星山を遠くに見る
今回のメンバーは、全員で7名。直前までは二人だけかと思っていたが、直前に更に多くの同行者が現れた。MRT劍潭駅から小15番バスで擎天崗に向かう。天気のよい休日の今日は、ハイカーが多い。しかし、バスも増発されているので乗れないことはない。8時のバスに乗り、約40分ほどで擎天崗に着く。すでに多くのハイカーや遊楽客が来ている。擎天崗の草原は車でやって来れるので、人も多い。支度を済ませ8時50分、歩き始める。

金包里古道の入口
新しい標識の建つ石梯嶺山頂
風が吹いていく緑の草原は、実に気持ちが良い。風櫃嘴への石畳道を進む。9時、金包里大道(魚路古道)入口を通り過ぎる。9時14分、磺嘴山への分岐に来る。小学生の女の子が石段のところにうずくまっている。毛虫がハイカーに踏みつぶされないように、見守っているのだ。我々が近づくと、足元に気を付けてほしいと言う。しばらく登りが続く。9時半、雑木林を抜け長細い石梯嶺の端に来る。9時32分、基石のある石梯嶺(標高865m)につく。最近の整備で建てられた、山名柱がまだ新しい。

台北101ビルも見える
東側のパノラマ
台北市街方向のパノラマ
石梯嶺からの下りで過ぎる草原、前方は杏林山
前日の夕立で洗われた空は、風もあるため遠くまで見渡せる。この時期にここまで見えるのは、とても少ない。台北の街はもちろん、その背後の山々も見える。一度下り、また登り返す大尖山が、谷を挟んでこちらと同じぐらいの高さに控えている。その右わきには、この後行く杏林山も見える。実に爽快だ。その背後は、昨年苦労して歩いた五指山から三界山への稜線、さらには五分山はその左には基隆山も見えている。

杏林山へ草原を登る




石梯嶺から下り、草原を過ぎる。大勢の人が活動している。近づいてみると、トレールランナー達が合同で訓練をしている。台湾もここ数年トレールランがとても盛んになってきている。9時57分、石畳歩道から外れて杏林山へ登り始める。ここは草原になっている場所だ。普通のハイカーは、まったく知らずに通り過ぎると思う。草原を上り詰めると、マーカーリボンがついている。それを追っていき、10時2分杏林山頂上に到着だ。少し休憩する。

瑞泉へ向けて下る
アジサイの花が咲く、ツツジはそろそろ終わりだ
今日の歩きは出発点の位置は高いが、ここからしばらく下る。約300mほどの落差だ。途中、草原を通過、前方には大尖山が控えている。急な坂や痩せ尾根を通過する。10時44分、瑞泉へ続く産業道路に降り立つ。ここから左に舗装路を下っていく。アジサイの花がそこここに咲いている。赤いツツジはそろそろ時期が終わりだ。沢脇に来ると、十数名のハイカーたちがちょうど昼食の用意をしているところだ。我々も、瑞泉古道に分岐地点でしばし休憩する。

杉の人工林を進む
大尖山稜線道
11時10分、瑞泉古道を歩き始める。よく歩かれている道だ。少しの登りの後、山腹を進む。土地公を見て登ると、杉人工林を通り過ぎる。11時35分、岩屋を左にみて少し行くと、左に道が分岐する。大尖山の稜線を登る道だ。幹に取り付けられた藍天隊の道標は、約60分とある。そのまま左に折れて、稜線道を登っていく。天気がよいが、風が吹き抜けていくのでまだ楽だ。11時50分、木陰の平たい場所で休憩をとる。誰かが言う、風も吹いて気持ちがいい、もう登りたくない。実際、風が吹いても気温が高いので、上り坂はやはりつらい。体が、気温の変化についていっていないのだ。

草原に出ると、遠くまで見渡せる
大尖山頂上、藍天隊の標識が新しい
休憩後10分ほどで、時々草原に出るようになる。遠くまで見渡せる。道は、尾根の左すぐ下を進んでいく。もともとの道は一部は稜線の草原を行っていたようだが、三月に藍天隊がこちらのほうをすすんだようで、そちらはもう歩かれていない。勾配が緩くなり、12時22分三角点のある頂上(標高837m)に到着だ。すぐわきにある岩に登ると、360度の展望台だ。昨年訪れたときは、周囲は草一面だったが、その後多くの登山者が訪れたようで状態は良くなっている。去年秋に訪れた、瑪瑣山北八斗山、野柳などが望める。その先の沖あいには基隆嶼も見えている。

萬里(海)側のパノラマ
山側のパノラマ、遠くに七星山や小観音山が望める
大尖山から下ってきた
山頂の先は急坂だ。12時45分歩きはじめ、一気に下って林市古道と富士古道の分岐のある鞍部に来る。13時、右にとって富士古道を歩き始める。大尖山の山腹を進み、13時10分草原にくる。子供ずれ登山者が、すでにそこで休憩している。我々も荷物をおろし、雄大な景色を眺めながら昼食をとる。背後は、磺嘴山と大尖後山だ。日差しは強いが、風があるのでひなたでもOKだ。持ってきた冷えたビールがとてもうまい。冷凍して持ってきたのだが、まだ全部は溶けきっていない。

展望のよい草原で休憩
道標が新しい、左は大尖山
13時47分、出発する。富士古道を進んでいく。ところどころ、数日の雨のため、道はまだぬかっている。放し飼いの牛が通るので、余計にぐちゃぐちゃになる。13時55分、左に鹿窟坪古道への道が分岐する。立派な道標が、建っている。昨年訪問以後に、山道整備が行われたようだ。我々は直進する。草原を突っ切り、その先数分で別の分岐にくる。右は富士古道、左は鹿窟坪越嶺古道だ。去年は富士古道を下ったが、今回は左の鹿窟坪越嶺古道を進む。草原や雑木林が現れ、実に気分のよい山道だ。14時9分、小高い場所にくる。大尖山東峰だと思うが、道標があるだけで山頂の表示はない。対岸は磺嘴山が大きい。

大尖山東峰から望む、正面は磺嘴山
寒暖計は30度を示している
道は下りはじめ、森に入る。14時19分、左に谷の鹿窟坪古道への道が分岐する。我々は尾根をさらに進む。その先数分で、今度は右に富士古道へ続く道が分岐する。道標脇の樹木に寒暖計が取り付けられている。温度は30度だ。ところどころ、風がさえぎられる場所だと、暑さを感じる。杉林や雑木林の緩やかな道が続き、14時35分左に大きく下り始める。昔からの石段も多く現れ、古道であることを実感する。14時45分、果樹園や民家が現れ古道歩きものこりわずかだ。コンクリ舗装の道に合流し、下って沢に出る。橋で超えた場所で休憩する。また、ビールを取り出しみんなで飲む。すでに氷はすべて溶けで、ちょうど飲み頃だ。

石段道を下る
25分ほどゆっくり休憩したあと、大坪へ向けて歩き始める。コンクリ道が終わり車道に出る場所には、車が数台泊まっている。左に大坪へ歩く。15時31分、大坪バス停に到着。ここを通過する888番バスは、休日は午後は運行していない。前回のようにタクシーを呼ぼうとしたが、電話番号が正しくないようで、呼べない。覚悟を決めて歩き始めたところ、メンバーの三名は便乗できて先に下っていく。残り四名は、さらに進み大坪小学校の近くをすぎさらに進んだところで、やってきた車に手を挙げると、泊まって便乗させてくれた。ドライバーは沢歩きに来た帰りだそうで、本当に助かった。10分ほどの乗車で萬里に到着、それぞれ自分に便利なバスで帰途についた。

大坪の沢で全員写真
歩行距離は12㎞ほど、休憩込みの活動時間は約7時間だ。天気はとてもよく、風が終日吹いていたので、思っていたほど暑さには苦労しなかった。この草原の山々は、これからはとても暑くなり、秋までは行くことはないと思う。陽明山山系の萬里側は、一般的に公共交通手段が不便でアクセスが良くない。自分の車などで行けば、問題はないが。交通手段さえ問題なければ、このルートは実によい。特に行政による整備もされているので、安心だ。困難度はルートはクラス3、体力も3である。

2016-05-27

2016年5月23日~25日 南投杉林溪水漾森林 台湾の大正池

早朝の水漾森林
いきなり日本のことになるが、上高地の大正池をご存じだろうか。その名の通り大正四年(1915年)に梓川がせき止められ出現した湖である。立枯れの木々が幻想的な雰囲気を醸し出している。すでに100年が過ぎ、立ち枯れの木々は少ない。これと同様に立枯れの木々が多く残る湖が台湾中部にある。今回訪れた水漾森林だ。大正池は焼岳の噴火による土砂で埋まり、一方水漾森林は、921大地震(1999年)による土砂崩れで出現した。その形成原因は少し異なるが、同じく川が堰き止められ、森が湖になってしまったことは同様である。形成されてからまだ十数年、多くの立枯れ樹木が水の中に残っている。古い写真でしか見たことのない、大正池の初期のような風景がそこにある。
鹿屈山-鹿屈山前峰の稜線上の杉林と切り株
大正池は、上高地の入口に近く位置し、車で行ける。水漾森林は、片道六時間をかけ自分の足で山を越えていかなければならない。標高2000mを超える中級山の山行で、はじめて望むことができる。日帰り往復も可能だが、一般的には自分でテントを担ぎ自炊の一泊で訪れる。筆者も、同様に十数キロの荷物を担ぎ往復した。登山口は、杉林溪公園のなかの仁亭わきにある。正式名称は、杉林溪森林生態渡假園區と呼ばれるこの公園は、観光地南投縣鹿谷溪頭のさらに奥にいったところにある。杉林に囲まれた谷間には、見ごたえのある滝や豊富な自然があり、遊歩道が設けられた避暑地でもある。

往路は赤の稜線道、復路は青の林道経由
左が往路稜線道、右が復路林道コース、
台北から車で行けば、一泊でも可能だが、今回は余裕を持ち前日は杉林溪に一泊、翌朝出発した。水漾森林へは、仁亭わきから始まる林道をずっと行き、最後にきつい坂を上り、峠から下って行くルートと、途中林道の上部にある鹿屈山前峰 - 鹿屈山の稜線を経ていくルートの二つがある。後者は、稜線を行くので当然トータルでの上り下りは多い。今回は登りには稜線道を、下りには林道を経て往復した。この地域は雨が多い。今回も初日は午後から夜まで雨に見舞われた。道もぬかるみがとても多く、長靴で行くことをお勧めする。雨に降られることを最初から覚悟していくことも必要だ。

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第一日 5月24日

仁亭登山口から出発、鹿屈山稜線経由で水漾森林へ行く
二つ主要なピークを越えていく
仁亭、この左側に土の道がスタートする
今回は、二人での山行だ。テントや食事の材料などは、分担して担ぐ。昨晩杉林溪会館に宿泊後、8時5分過ぎの公園内回遊バス(遊園車)でスタートする。登山口の仁亭には、8時15分に到着。涼亭からは右に林道、左に土の山道が始まる。今回は左の土の道を進む。荷物が重いが、いきなり急坂で始まる。この山道は、ジグザグに進む林道を横切っていく近道だ。三度目に林道に合流し、しばらく左に林道を進む。8時45分、また近道の山道入口にくる。この登りは20分ほど続き、林道と合流するとまもなく鹿屈山への道が分岐する。

急坂の近道を登る


9時に木はしごで始まる鹿屈山への道を登り始める。昨日と打って変わってきょうは青空が広がっている。日差しが森を通して差し込み、期待が膨らむ。雑木林の中の急坂を進み、ちょっと平たい場所にくる。9時20分、二度目の休憩をとる。道はよく歩かれていて、重荷でも大丈夫だ。ところどころロープセクションもある。松葉が落ちる道になる。樹相が変わってきた。9時28分、左がきれて展望ができる場所に来る。もともと、鹿屈山前峰付近を除いて、ほとんど展望のない道だ。しかし、ガスがかかってきて、遠くまでは見えない。

左が林道、右に鹿屈山への道が分岐する
片側が崖で切れたった場所から遠くを見る
鹿屈山前峰山頂
基石は脇の藪のなかにある
急な登りをさらに行く。坂が緩やかになってきて10時13分、広い鹿屈山前峰山頂に到着する。標高2213m、登山口から標高差約600mである。歩き始めて約2時間、いいペースだ。広い頂上には、基石がないように見えるが、実は西側奥の藪の中にある。しばらく休憩し、次に備える。10時28分、緩やかで広い稜線を、次の目標鹿屈山へ向けて歩き始める。稜線の両側は、樹木が少なく展望ができる。西方向には、本来遠くまで見えるのだろうが、雲海のため下方は見えない。このセクションは、気分がよい。緩やかな登り下りが20分ほど続き、急坂が始まる。

広くて見晴らしのある鹿屈山前峰付近の稜線
鹿屈山へはまだ遠い
山道脇の花
下り始めると、前方に鹿屈山から獅仔頭山への稜線が続いている。鹿屈山はまだけっこう遠い。補助ロープもある急坂を過ぎ、11時最低鞍部にたどり着く。ここから道は左へ方向を変え進む。緩やかな山腹の道から、数分で気持ちのよい広い稜線にでる。この辺は、以前伐採が行われた場所で、当時の大木の株がそこここに残っている。若い杉の木は、残っている株に比べるとまだ細い。11時27分、たき火の跡がある場所で休憩する。

シダの間を進む、分岐はすぐだ
鹿屈山山頂の筆者
数分の休憩後、緩やかな上り坂を登り始める。そのうち杉林からでて、シダ類の間を進む。稜線幅も細くなり、坂も急になる。最後に坂を上り切ると、11時45分分岐に到着する。少しひろい分岐には、若い三人の登山者が休憩している。ちょうど食事をとったところのようだ。話によると6時半ごろから仁亭登山口よりスタートしたということだ。我々も荷物をおろし、空身で鹿屈山を往復する。体が軽く、道標には5分とあるが3分ほどであっけなく山頂に着く。草や樹木に覆われた山頂(標高2288m)は、展望はない。真ん中に三頭三角点があるのみだ。

食事をとった分岐部
霧の中の廃棄林業作業者宿舎
頂上にそこそこで往路を引き返す。12時我々もここ分岐部で食事をする。先ほどの三人は、まだ頂上へ行っていないということで、頂上へ向かっていった。20分ほどの食事をとる。食事が終わるころには、雨がぽつぽつ降ってきた。三人は我々と同じく水漾森林へ下る。我々より少し前に下り始めた。雨具と取り付け、すぐに追って下り始め、追い越して下っていく。霧がだんだん濃くなってきた。急な坂も現れる。12時33分、レンガ造りの小屋がぽつんと森の中にある。屋根は朽ち落ちてないが、以前林業が盛んな頃の建物だ。ちょっと登り返しもすぎ、12時47分広い場所に降り立つ。前方に先ほどより大きなレンガの建物がある。林業時代の宿舎だ。更に15分ほど、濃霧の森を下り13時2分、林道コースとの分岐点に着く。のこりは、ここから標高差200数十メートル下の水漾森林(標高約1800m)へ下るだけだ。

林道ルートとの分岐部
平らな林道を行く、倒木が落ちている
パートナーはちょっと疲れ気味だ。しばらくほぼ平らな林道を進む。道幅も広く快適だ。廃棄されて時間が建っているので、倒木もある。ただ、それほど土砂崩れの場所はない。盗伐禁止のポスターが掛かっている。言語は英語やタイ語など、出稼ぎ外国人の盗伐者がいるようでそれに対する対応だ。現在は、林業そのものは日本と同じでコストのため、行われていない。20分ほどの林道歩きが終わり、坂が始まる。はじめは緩やかだが、そのうち勾配がきつくなる。雨脚も強くなってきた。途中、岩の露出した場所を過ぎる。水が流れ落ちていく。慎重にくだる。14時11分、千人洞への分岐に来る。水漾森林へは左だ。14時18分、前方が開け湖面に多くの立枯れがある。水漾森林についた。登山口から約6時間の歩きであった。

霧に沈む水漾森林





着いたすぐの場所も設営できるが、その少し上流のほうに進み、水辺の脇でテントを張る。雨のなかなので、急いで作業する。近くにはロープが張られ、捨てられた寝袋がある。これを利用させてもらい、即席の雨宿りを造る。その下で食事の用意をする。水は脇の沢からとればよい。ただ、ここを訪れる登山者は多く、すべて自炊なので水の栄養分がいいためだろう。水藻が川底に生えている。生水は飲まないほうがよいだろう。一時小降りになり期待したが、食事ができるころにはまたけっこう降り出した。17時ごろ食事をとり、暗くなることろにはテントに入る。外はずっと雨が降り続いている。

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第二日 5月25日

復路は上り下りが少ない林道コースをへて帰る
初めの登りを過ぎれば、あとは基本下りだ
雨が上がって天気が回復している
昨晩は、ずっとテントに落ちる雨音が、すぐわきの沢音に交じり聞こえていた。まんじりともせず夜を過ごし、5時天気が悪くても下山だと、覚悟を決めて外を見ると、幸い雨は止んでいる。霧はかなりまだあるが、それでも雨がやんでいるのはラッキーだ。パートナーは食事を支度をしてくれている。自分は、カメラをもって湖の写真を撮る。昨日鹿屈山近くで出会った三人は、入口近くにテントを張っている。時々霧がかかる立枯れの湖は幻想的だ。片道六時間の重荷を担いでの訪問は、このためにある。

8時ごろの湖
沢底には水藻
食事の用意をしている間に、ヘリコプターの音が聞こえる。後日知ったのだが、同じく南投県にある3000m級高山甘卓萬山の遭難捜索のためのものであった。朝食を終え、テントを撤収し8時にスタートする。入口近くのところで、三人と少し話したり写真を写し、歩き始める。尾根上の分岐に上がり、急坂を右に登り始める。杉の根が蜘蛛の巣のように露出した坂をひたすら登る。始めは勾配が緩いが、そのうちに尾根の形状がはっきりし、同時に岩の部分が現れる。昨日下りの時は、雨水が流れていた部分だ。慎重に登っていく。9時に休憩をとる。この場所の右に、道が入っていく。これを行くと下方に水漾森林が見える。霧が去来し全体が見えないのが残念だ。

水漾森林の入口部、三人パーティはここで設営していた
岩場部分を登る
霧の間に立枯れの樹が見え隠れする
道幅いっぱいのぬかるみ、このような場所が多い
日差しが差し込む林道、昨日は様変わりだ
林道でもそうだが、道はぬかるみがとても多い。道幅いっぱいにぬかっているので、登山靴だとすっぽりはまり、泥だらけになる。長靴を勧める所詮だ。休憩場所から十数分登り、平らな林道の末端に着く。パートナーは足が靴にすれてつらいという。林道には、光が差し込み、昨日の霧の様子とは別世界だ。9時40分、鹿屈山への分岐に来る。ここからは、昨日は別のルートを歩く。峠部分を過ぎてまもなく、急坂が現れる。高度差100mぐらいだが、補助ロープや鎖が設けられている胸突き坂だ。荷が重いので、慎重に下る。10時に林道に降り立つ。

急坂の下から見上げる



これから約7㎞の林道歩きである。林道といっても、すでに木材搬出はなく廃棄されたものだ。昨日歩いた稜線の東側山腹を横切っていく。メンテナンスはされていないので、ところどころ土砂崩れで道が流されている。そうしたところは高巻いていくが、去年の清水大山の林道にくらべればずっとましだ。20数分歩くと、そうした高まき部分でやってくる数名のパーティとすれ違う。所持物から判断すると、水漾森林ではなく鹿屈山への日帰り登山のようだ。かなり早く仁亭登山口を出発したのだろう。その先少し行った平たい場所で、休憩する。道は高巻き部分を除いて、ほぼ平らだ。

林道終点部、左の樹に外国語の盗伐禁止ポスターがある、坂は右だ
トタン張りの廃棄作業小屋
歩き始めてまもなく、10時48分に廃棄されたトタン張りの作業小屋を通り過ぎる。この地点でほぼ林道の仁亭側鹿屈山分岐部までの中間位置になる。帰りのバスに間に合うには、十分の余裕だ。更に進む。枝尾根を大きく回り込んだところで11時27分に休憩する。ちょっと早いが昼食休憩だ。昨日は雨で飲まなかったビールを開ける。まだけっこう冷えてうまい。

林道の原型が残る場所を行く
深い轍が残っている
30分ほどゆっくり休憩後、歩き始める。十数分の平らな道が続き、そこから坂が始まる。下っていき、また道が平らになる。12時39分、左に高い滝がある。渇水期だと水はないそうだ。その少し先で、車の轍がある。一般車両は通行禁止だが、作業用車両もここまでだ。ぬかるみが多い。向こうからカジュアルウェアの青年四人がやってくる。見るところ出前ピザと水筒の水一本、水漾森林へ行くという。その地点からだと、いかに軽装でも少なくとも3,4時間はかかる。ましてすでに時刻は昼を回り、帰りは日暮れ後だ。電灯もない。行かないように勧めるが、そのまま歩いて行った。おそらく、道が悪く諦めて引き返したのではないかと思う。

地元の花台灣蝴蝶戲珠花が咲く林道を行く、残りわずかだ
杉林溪會館に戻ってきた
13時、昨日右に鹿屈山への稜線を進んだ分岐に戻ってくる。少し休憩する。残りはあとわずかだ。休憩後は、近道ではなく林道を下る。荷物が重いので、少し距離はあるが下りなのでこちらのほうがよい。13時33分、仁亭の登山口にたどりつく。ここからバス停のある杉林溪會館までは少しあるが、歩いていく。遊楽客が写真を撮ったり散歩している道だ。14時3分、杉林溪會館に到着し、二日の行程を終了する。約6時間の道のりであった。バスは13時50分の後は16時半まで待たなければならない。服装を着替えたりして、ゆっくりと待ち時刻通りに6871番バスで3時間をかけて台中駅に帰った。

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5月23日 杉林溪園區散歩

今回の登山は、二日だけだが前日に入り一泊した。昼過ぎに到着したので、園区内を散歩した。一番奥の天地眼から杉林溪會館の石井磯まで歩いた。二、三か所は見れていないが、ほぼ全部を見たことになる。道はしっかり整備され、美しい景色を気軽に楽しめる。ここはまさに観光地だ。もし行く場合は、起点杉林溪會館から終点松瀧岩瀑布まで回遊バスで行き、そこから歩き始めるとよい。樂山步道や穿林棧道など、とてもよい道が続いている。この記事は、水漾森林についてなので、杉林溪園區については写真でご紹介する。

松瀧岩瀑布
脇の洞窟から滝を見る
先民隧道
千古紅檜
天地眼
蝴蝶戲珠花
樂山步道
アジサイ
穿林棧道
仙人台から沢を望む
石井磯を上部から見る、下は88吊橋
石井磯を近くから見る