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杏林山から瑞泉へ下る途中に見る大尖山、左遠くは磺嘴山 |
昨年の四月に陽明山地の北側萬里の富士坪草原を歩いた。その時も大尖山に登ったが、頂上付近は草深い不人気山の様子であった。二カ月前に藍天隊がこの付近の道の手入れを行った。そこで、この山を別のルートで登り下ることにした。天気はとてもよく、平地ではすでに35,6度を超えるまでになった。山の上では、途中でみた寒暖計では30度を示していた。しかし、終日けっこう強い風が吹き抜け、あまり暑さを感じずに歩くことができ、ラッキーだった。
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西の擎天崗から東の大坪へ歩く |
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一度下り、また登り返す |
ルートとしては、前回同様擎天崗からスタートし、石畳歩道を進んで杏林山へ登り、山道を瑞泉へ下るのは同じだ。そこからは、前回の林市古道とは異なり、今回は瑞泉古道から大尖山の稜線を登り、頂上へ上がった。下りは、前回と同じく反対側に下り、富士古道をへて富士坪へ出る。その先は、前回とは違うルートである鹿窟坪越嶺古道を大坪へ下った。前回に比べると、富士坪周辺を囲む山道は、立派な道標が取り付けられ整備されているので、状況は良くなっている。
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陽明山山系の萬里側にある今回の目的地 |
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出発点擎天崗で七星山を遠くに見る |
今回のメンバーは、全員で7名。直前までは二人だけかと思っていたが、直前に更に多くの同行者が現れた。MRT劍潭駅から小15番バスで擎天崗に向かう。天気のよい休日の今日は、ハイカーが多い。しかし、バスも増発されているので乗れないことはない。8時のバスに乗り、約40分ほどで擎天崗に着く。すでに多くのハイカーや遊楽客が来ている。擎天崗の草原は車でやって来れるので、人も多い。支度を済ませ8時50分、歩き始める。
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金包里古道の入口 |
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新しい標識の建つ石梯嶺山頂 |
風が吹いていく緑の草原は、実に気持ちが良い。風櫃嘴への石畳道を進む。9時、
金包里大道(魚路古道)入口を通り過ぎる。9時14分、
磺嘴山への分岐に来る。小学生の女の子が石段のところにうずくまっている。毛虫がハイカーに踏みつぶされないように、見守っているのだ。我々が近づくと、足元に気を付けてほしいと言う。しばらく登りが続く。9時半、雑木林を抜け長細い石梯嶺の端に来る。9時32分、基石のある石梯嶺(標高865m)につく。最近の整備で建てられた、山名柱がまだ新しい。
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台北101ビルも見える |
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東側のパノラマ |
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台北市街方向のパノラマ |
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石梯嶺からの下りで過ぎる草原、前方は杏林山 |
前日の夕立で洗われた空は、風もあるため遠くまで見渡せる。この時期にここまで見えるのは、とても少ない。台北の街はもちろん、その背後の山々も見える。一度下り、また登り返す大尖山が、谷を挟んでこちらと同じぐらいの高さに控えている。その右わきには、この後行く杏林山も見える。実に爽快だ。その背後は、昨年苦労して歩いた
五指山から三界山への稜線、さらには五分山はその左には基隆山も見えている。
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杏林山へ草原を登る |
石梯嶺から下り、草原を過ぎる。大勢の人が活動している。近づいてみると、トレールランナー達が合同で訓練をしている。台湾もここ数年トレールランがとても盛んになってきている。9時57分、石畳歩道から外れて杏林山へ登り始める。ここは草原になっている場所だ。普通のハイカーは、まったく知らずに通り過ぎると思う。草原を上り詰めると、マーカーリボンがついている。それを追っていき、10時2分杏林山頂上に到着だ。少し休憩する。
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瑞泉へ向けて下る |
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アジサイの花が咲く、ツツジはそろそろ終わりだ |
今日の歩きは出発点の位置は高いが、ここからしばらく下る。約300mほどの落差だ。途中、草原を通過、前方には大尖山が控えている。急な坂や痩せ尾根を通過する。10時44分、瑞泉へ続く産業道路に降り立つ。ここから左に舗装路を下っていく。アジサイの花がそこここに咲いている。赤いツツジはそろそろ時期が終わりだ。沢脇に来ると、十数名のハイカーたちがちょうど昼食の用意をしているところだ。我々も、瑞泉古道に分岐地点でしばし休憩する。
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杉の人工林を進む |
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大尖山稜線道 |
11時10分、瑞泉古道を歩き始める。よく歩かれている道だ。少しの登りの後、山腹を進む。土地公を見て登ると、杉人工林を通り過ぎる。11時35分、岩屋を左にみて少し行くと、左に道が分岐する。大尖山の稜線を登る道だ。幹に取り付けられた藍天隊の道標は、約60分とある。そのまま左に折れて、稜線道を登っていく。天気がよいが、風が吹き抜けていくのでまだ楽だ。11時50分、木陰の平たい場所で休憩をとる。誰かが言う、風も吹いて気持ちがいい、もう登りたくない。実際、風が吹いても気温が高いので、上り坂はやはりつらい。体が、気温の変化についていっていないのだ。
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草原に出ると、遠くまで見渡せる |
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大尖山頂上、藍天隊の標識が新しい |
休憩後10分ほどで、時々草原に出るようになる。遠くまで見渡せる。道は、尾根の左すぐ下を進んでいく。もともとの道は一部は稜線の草原を行っていたようだが、三月に藍天隊がこちらのほうをすすんだようで、そちらはもう歩かれていない。勾配が緩くなり、12時22分三角点のある頂上(標高837m)に到着だ。すぐわきにある岩に登ると、360度の展望台だ。昨年訪れたときは、周囲は草一面だったが、その後多くの登山者が訪れたようで状態は良くなっている。去年秋に訪れた、
瑪瑣山や
北八斗山、野柳などが望める。その先の沖あいには基隆嶼も見えている。
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萬里(海)側のパノラマ |
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山側のパノラマ、遠くに七星山や小観音山が望める |
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大尖山から下ってきた |
山頂の先は急坂だ。12時45分歩きはじめ、一気に下って林市古道と富士古道の分岐のある鞍部に来る。13時、右にとって富士古道を歩き始める。大尖山の山腹を進み、13時10分草原にくる。子供ずれ登山者が、すでにそこで休憩している。我々も荷物をおろし、雄大な景色を眺めながら昼食をとる。背後は、磺嘴山と大尖後山だ。日差しは強いが、風があるのでひなたでもOKだ。持ってきた冷えたビールがとてもうまい。冷凍して持ってきたのだが、まだ全部は溶けきっていない。
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展望のよい草原で休憩 |
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道標が新しい、左は大尖山 |
13時47分、出発する。富士古道を進んでいく。ところどころ、数日の雨のため、道はまだぬかっている。放し飼いの牛が通るので、余計にぐちゃぐちゃになる。13時55分、左に鹿窟坪古道への道が分岐する。立派な道標が、建っている。昨年訪問以後に、山道整備が行われたようだ。我々は直進する。草原を突っ切り、その先数分で別の分岐にくる。右は富士古道、左は鹿窟坪越嶺古道だ。去年は富士古道を下ったが、今回は左の鹿窟坪越嶺古道を進む。草原や雑木林が現れ、実に気分のよい山道だ。14時9分、小高い場所にくる。大尖山東峰だと思うが、道標があるだけで山頂の表示はない。対岸は磺嘴山が大きい。
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大尖山東峰から望む、正面は磺嘴山 |
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寒暖計は30度を示している |
道は下りはじめ、森に入る。14時19分、左に谷の鹿窟坪古道への道が分岐する。我々は尾根をさらに進む。その先数分で、今度は右に富士古道へ続く道が分岐する。道標脇の樹木に寒暖計が取り付けられている。温度は30度だ。ところどころ、風がさえぎられる場所だと、暑さを感じる。杉林や雑木林の緩やかな道が続き、14時35分左に大きく下り始める。昔からの石段も多く現れ、古道であることを実感する。14時45分、果樹園や民家が現れ古道歩きものこりわずかだ。コンクリ舗装の道に合流し、下って沢に出る。橋で超えた場所で休憩する。また、ビールを取り出しみんなで飲む。すでに氷はすべて溶けで、ちょうど飲み頃だ。
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石段道を下る |
25分ほどゆっくり休憩したあと、大坪へ向けて歩き始める。コンクリ道が終わり車道に出る場所には、車が数台泊まっている。左に大坪へ歩く。15時31分、大坪バス停に到着。ここを通過する888番バスは、休日は午後は運行していない。
前回のようにタクシーを呼ぼうとしたが、電話番号が正しくないようで、呼べない。覚悟を決めて歩き始めたところ、メンバーの三名は便乗できて先に下っていく。残り四名は、さらに進み大坪小学校の近くをすぎさらに進んだところで、やってきた車に手を挙げると、泊まって便乗させてくれた。ドライバーは沢歩きに来た帰りだそうで、本当に助かった。10分ほどの乗車で萬里に到着、それぞれ自分に便利なバスで帰途についた。
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大坪の沢で全員写真 |
歩行距離は12㎞ほど、休憩込みの活動時間は約7時間だ。天気はとてもよく、風が終日吹いていたので、思っていたほど暑さには苦労しなかった。この草原の山々は、これからはとても暑くなり、秋までは行くことはないと思う。陽明山山系の萬里側は、一般的に公共交通手段が不便でアクセスが良くない。自分の車などで行けば、問題はないが。交通手段さえ問題なければ、このルートは実によい。特に行政による整備もされているので、安心だ。困難度はルートはクラス3、体力も3である。
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