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2019-03-28

2019年3月27日 三峽白雞山 - 牛角尖縱走 不人気山を歩く

桜の向こうに白雞山
三峽の白雞山は2011年に初めて訪れたあと一年半後再度訪れ、その後は全く足を踏み入れていなかった。今回は白雞山から熊空山に延びる稜線上にある峰を追っての縦走だ。白雞山とそのすぐ隣の雞罩山は、多くのハイカーが登る人気ルートだが、その先はほとんど歩かれていない。稜線近くまで開発されていたり、尾根を横切る県道があったりして、開発が進んでいるが、その割に稜線の道は人気がない。縦走の記録はあるが、古かったり部分だけだったりする。
北側の白雞からスタートし、南の插角へ下る
歩行高度表
以前から、この稜線を歩くとを考えていた。最近、白雞山まわりの道の手入れがされたことを聞いた。そこで、今回の山行となった。実際に訪れてみると手入れされた部分は
縦走路とは関係ないところで、草に埋もれた道が続いていた。普段使用する、オフラインのスマホGPSアプリの地図は、農道や産業道路など現地の道の状態を十分に表しておらず、結果としてそちらをたどっていけば行けたが、道探しで1時間ほど余計に時間を費やしてしまった。そんなことで、目標だった紅面龜山まで歩くとができなかった。

MRT高架橋工事が進行中、台北大学バス停
三峽は、台北付近では急速に人口が増加しているベッドタウンである。しかし、MRTなど鉄道によるアクセスがない。現在は第三高速道路を経ていくバスで向かう。現在高架橋工事が進行中で2024年開通予定のMRTの下にある台北大學三峽校區バス停で下車し、集合場所の三峽一站へ少し歩く。8時15分に着くと、すでにメンバーが数名待っている。ちょうど白雞へ向かう778番バスがやってきて、みんな乗車して先に行く。集合時間は8時半なので筆者はほかのメンバーの到着を待つ。さらに3名が現れ、8時40分発のバスで白雞へ向かう。

三峽の市場で買い物をして帰る乗客でバスは満員だ
橋や地図が設けられている登山口
もともとのトロッコ線路道を歩く
9時10分過ぎ、白雞バス停から歩き始める。筆者を入れて12名だ。天気も良く、温度もまだ高くなく、登山にはよい日和だ。すぐ左に行修宮の大きな廟をみて坂道を登る。その先禪光寺は左への道標看板の分岐は直進していく。9時22分、右に沢を越える橋がある。数年前に訪れた時は、まだなかった橋だ。橋のたもとには道標や地図も設けられている。政府による登山道整備が行われている。よいことだ。橋を渡り、沢沿いの道を歩く。途中にまた橋が設けられている。この道は、もともと上部にある炭鉱から石炭などを運ぶためのトロッコ線路である。橋を渡ったところにレールが残っている。

炭鉱事務所や坑道入口がある平らな場所
旧炭鉱の建物
廃坑口
岩を切り欠いた部分を過ぎ、9時38分炭鉱事務所やその他の建物が残る場所に来る。この辺りは草木が取り除かれて、広くなっている。以前は草木に隠れていた建物に気づく。奥には炭鉱入口もある。説明板は、昔のままだがこうして手入れされると、この地の歴史などに興味がわく。台湾の石炭は、無煙炭である。しかし、日本の炭鉱と同じように、エネルギー源が石油にシフトし、尚且つ輸入炭の価格に負け、次々の閉鎖されていった。ここの炭鉱は海山一坑炭鉱で1984年に大きな災害が発生した。同年に近くの炭鉱でも200名近くの犠牲者が発生する災害が発生し、台湾の炭鉱業の終わりを告げることになった。

上部の廃坑
道標のある小沢を越える
岩場を登る
休憩後、左に道を取る。右の道も白雞山へ続く。沢音を聞きながら道を行き、数分で別の廃坑入口前を過ぎる。そこから坂がきつくなる。10時に地図が設けられている場所で、細くなった沢を渡り、回り込んで尾根にとりつく。3.3Kとあるキロポストを見る。10時9分、ベンチのある場所を過ぎ、更に登る。10分ほどで左に道を分け、主稜線に上がる。右下に三峽の街が見える。10時30分、岩場の下に来る。ここから、ちょっとした岩場が続く。太いロープや足場が切ってあるので、難しくはない。数分の登りで坂が緩くなり、白雞山山頂(標高743m)に着く。樹木のない山頂は、陽ざしのもとちょっと暑いぐらいだ。東方向の山々がみえるが、かすんでいる。全員が登ってきた後、少し下り鹿窟尖への分岐で休憩を取る。

白雞山山頂直下の最後の登り
@白雞山山頂
15分ほどの休憩のあと、分岐を左に下る。小さな登り下りを過ぎ、11時22分、六寮崙山への道を右に分け、すぐに雞罩山前鋒(標高770m)につく。頂上の一部の樹木が刈られて展望が利く。さらに雞罩山に向けて竹林を過ぎ、11時30分雞罩山(標高780m)の開けた頂上が現れる。ここも広く草木が刈られている。谷の向こうには以前に歩いたことのある、竹坑山から竹崙山へと続く尾根がある。昼食休憩を取る。

ベンチのある分岐部
草木の刈られた雞罩山山頂
雞罩山山頂からの展望
草に埋もれた道、急坂にはロープ
12時出発する。ここからは、あまり歩かれていないセクションだ。思っていたより道の程度がよい。何かの調査が入り、道の手入れがあったようだ。新しい黄色のマーカーリボンが取りつけらている。しばらく下り、鞍部の孟宗竹林から道は下っていく。少し行くが、様子がおかしい。そこで稜線上に戻る。果たして、本来の山道は稜線を追っていく。しかし、ここからは草に覆われ樹木が生い茂る。古いマーカーリボンがところどころある。方向を定め、草に埋もれる踏み跡を追う。用意してきた鎌を取り出し、厄介な刺のある枝やつたを切りながら進む。急坂には補助ロープがある。手入れされてしばらく歩かれていないのだろう。

切り開かれた新しい茶畑、背後は雞罩山
桜の花と花模様の石
下り気味の稜線を追っていく。12時45分、左にまだ新しい切り開かれた茶畑がある。その先も稜線は続くが道筋はさらにはっきりしない。3年前の藍天隊の道標がある。3年でこれだけ荒廃するということは、ほとんど歩かれていないということだ。茶畑からわきの農道に降りる。農道を少し登っていくと家屋がある。桜が咲いている。落ちた花弁がちょうどその下にある大きな石台に広がり花模様となっている。少し休憩をとる。

北109号県道9Kを過ぎてすぐ右の道を行く
牛角坑山三角点基石
地図上の山道は、その少し先からまた尾根を追っていく形になっているが、民家のわきにはその入口らしいものが見当たらない。そこで舗装道を下っていく。13時20分、北109号県道に出る。左に進み数分で北109号の9Kサインを見たあと、右に分かれる道を取る。道は登っていく。13時34分、五差路になる分岐の付け根に牛角坑山の三角点基石がある。右に道をとり進む。数分進むと、民家がある。門が閉まっている。その少し前に左に山道がある。これをとり登っていく。

牛角尖への登り道で見る雞罩山(左)と白雞山
壊れた作業小屋
地図上の道とこの道があっている。緩い坂を行くと、少し開け壊れた作業小屋がある。その前をさらに登っていく。道は少し頼りなくなるが、踏み跡はそれほど古いものには見えない。13時50分、舗装路にでる。この舗装路は地図上にない。道を横切ったところに、草が刈られた踏み跡がある。これを追っていくと、背の高い茅草に入る。分かれているところもある刈られた草の間をしばらく行くが、踏み跡がなくなってしまった。そこで舗装路へ戻る。

地図にない舗装路を行く
牛角尖山頂
舗装路は地図上にないので、実際の地形と照らし合わせていくしかない。先に右に進んでみる。道は山腹を下っていく。そのうち大きく左に曲がって下っていく部分で、右に道が分かれる。こちらを取っていってみるが、こちらもだめだ。そこで来た道を登り返し、先ほどの折り返し点からさらに先に舗装路を進んでみる。すると右に民家や畑が現れ、更に頂上と思われるところへ舗装路が登っていく。道を追っていくと、15時牛角尖山頂(標高708m)が現れた。頂上も舗装され車で来られる。わきにタンクがあるので、そのメンテに必要なのだろう。道探しに思わず時間を費やしてしまった。本来、さらに紅面龜山までいくことも考えていたが、帰りのバスの時間とこれからの道の状態が不明なことを考え、今日の歩きまでここまでと決める。

紅面龜山方向を望む
@牛角尖
天気がよかったこともあり、参加メンバーはかなりの数のビールを持ってきている。そこで、みんなでゆっくりと飲み休憩する。30数分の休憩後、往路を下る。下りはすべて舗装路なので気楽だ。16時5分、北109号県道にでる。交通量が少なく、ほとんど車が来ない。途中16時17分、道脇の新しい涼亭で休憩をとり、更にくだる。3Kmほどの北109号県道歩きは17時に北114号と合流して終了し、右に少し進んで插角大板根のバス停に着く。もともと便数が少ないが、次のバスまではまだ1時間以上ある。そこで、バス停すぐ後ろのホテルでタクシーを呼んでもらい、やってきたタクシーに分乗し三峽へ、そこからさらにバスで台北へ帰京した。タクシーは一台450元であった。

北109号県道を下る
北114号県道に合流
前半の白雞山や雞罩山は、道の状態もよく、数年前よりも状態はよい。後半は、想像していた通り、不人気ルートで手入れされてもほとんど歩かれていない。それなりに覚悟をして入る必要がある。今回は、牛角尖までしか行けなかったが、次回は熊空山から逆方向に縦走してみるのも良いかもしれない。車道歩きも結構あるので、歩行距離は16km、累計登攀900mである。

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