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2014-04-08

2014年4月7日 三峽熊空山-竹坑山-竹崙山縱走

熊空山(竹坑山-竹崙山稜線上から見る)
三峽の奥にある熊空は、烏來との境界をなす峰々の登山口である。また、百年前は統治時代の日本警察と原住民泰雅族との争いがあった地域でもある。熊空山から北東に獅仔頭山まで延びる稜線は、当時の原住民との境界である隘勇線であった。熊空という名前は、日本統治時代に付けられたそうだが、その由来は泰雅族の地名から来ているのか、そのへんは不明のようだ。

南側熊空から安坑へ尾根を縦走する
熊空山から段々下っていく
九如橋をわたる
一昨年、獅仔頭山から熊空山へ縦走した。その時は山猴洞の沢道を下って熊空へおりた。今回は、熊空から別の登山道、火燒寮山-蚋仔尖の枝尾根を熊空山へ登った。熊空山からは縦走路を獅仔頭山へ進み、途中の竹坑山まで行く。そこから、主稜線を離れ北側へ竹崙山へ延びる枝尾根を追っていく。途中、山腹にある別荘などのわきを通り過ぎ、竹崙山へ歩く。竹崙山から鹿母潭側へ下り、104号鄉道を110号県道の安坑バス停へ歩いた。

畑から逐鹿山方向を望む
熊空への公共交通機関は、807番バスである。山の中を行くこのバス路線は、休日には遊楽客が乗るが、それ以外は住民の足である。平日は三峽を7時に発車する。台北市内から朝出発するのでは、間に合わない。休日は、8時半の便がある。台北からMRTと916番バスを乗り継ぎ、台北客運バスの三峽一站で同行のZさんと落ち合う。始発バス停での乗客はそれほど多くないが、途中三峡の街を抜けるとき地元住民が多く乗ってきて満席となる。熊空到着9時11分、支度をして9時20分歩き始める。他の日帰り台北近郊登山と比べて、少し遅めの出発だ。

蚋仔尖へ急坂が続く
バス停から山に向けて歩き始める。鱒養殖所を過ぎ、わずかで左に九如橋への道が別れる。橋をわたると、道路には鉄の門が閉じている。車は入れないが、門の左を通れば歩くのは問題ない。舗装路を登り、2番目のヘアピンカーブ部分から登山道が始まる。5分ほど歩くと、畑に出る。樹木がないので、遠望がきく。対岸は逐鹿山とそれから延びる枝尾根が望める。その右奥の山は組合山だ。山道を進むと、また畑がある。ここから山道は、少し細くなり勾配も急になる。数分の急登で枝尾根に取り付く。勾配は相変わらずきつい。幸いに数日間の晴天で、路面は乾いている。落ち葉が少し滑りやすいが、濡れた土の急坂に比べればずっと楽だ。9時47分、ヒョッコリと火燒寮山(標高495m)につく。山といっても、山頂ではなく基石が埋まっている斜面の感じだ。

奇妙な形のガジュマロ樹


休むこと無く、そのまま続けて登る。バスタブが道端に二ヶ所捨てられている。なんでこんなところにあるのだろうか。勾配は相変わらず急だ。10時12分、奇妙な形の樹木がある場所に来た。ガジュマロ樹だが、中が空洞で籠のようになっている。この樹木から、道はゆるやかになったあと、少し下る。その後、また急坂が始まる。岩が露出し補助ロープの箇所が現れる。坂道がゆるかになってきた。10時50分、蚋仔尖(標高840m)に着く。尖といっても広い平らな雑木林の中で、基石があるわけでもなく、もし樹木の幹に取り付けられた表示がなければ、判別できない。登り初めて1時間半、休憩をとる。

雑木林の中の蚋仔尖山頂
塩を振りかけれれ縮まった蛭
今日は天気がよく、濡れた草むらを歩くこともなかったので、蛭はいないだろうと思っていたが、ズボンの裾をまくると果たして一匹スネに取り付き、血を吸い始めている。用意してある塩を取り出し、ふりかける。するとポロッと落ちる。ナメクジと同じで浸透圧の差のため、体液が塩に吸い取られたまらなくなって離れるのだ。吸い付いていたところは、少し血と吸口がある。気づかないと、それこそ小指ぐらいの太さぐらいまで膨れて血を吸われるが、今日はまだ吸い始めたところだったようだ。この山塊は蛭が多いので、塩を準備したほうがよい。

木々の向こうに拔刀爾山から逐鹿山,卡保山への稜線が望める
果樹園の中の道
蚋仔尖からほんの僅かの歩きで、土の産業道路にでる。わずか先で、右から山猴洞経由の山道が合流する。その先は、鉄の門がしまっている。上には果樹園があるので、こうしているようだ。産業道路を5分ほど登る。道端に発電機が捨てられている。その先の右側草むらの中に山道が入っていく。産業道路をそのまま行き、作業小屋の脇から登ることもできる。今回は、この山道をとり登る。ここも樹木がないので、拔刀爾山から逐鹿山、卡保山への稜線が望める。今日は、風がとても強く、これら峰々には雲がかかってきている。

熊空山山頂
岩壁を下る
山道はそのさき果樹園からの道につながり、さらに登っていく。道は、ところどころ草が密生し、道幅が狭まるが、踏跡は明瞭で問題ない。そのうちまた、広い道を進む。幅広道脇の細い道を少し登り、11時38分熊空山(標高972m)につく。三角点基石のある頂上は、樹木に囲まれ展望はない。まもなく、二人パーティが登ってきた。先週も来て、これから我々が進む予定の竹坑山から鹿母潭へ下ったそうだ。ここで、少し長めに昼食休憩をとる。

竹崙山への分岐点
11時56分、縦走路を歩き始める。ここから獅仔頭山までの縦走路は百年前の平地人と泰雅族の縄張りを分ける隘勇線でもあった。三峽の鹿窟尖や白雞山から南東に熊空山へ尾根が続いているが、これも隘勇線であり、熊空山から方向を換えて北東へ獅仔頭山へと境界があったわけだ。ほぼ百年前、いわゆる理蕃対策のもと戦いを経てこの地の泰雅族は帰順し、隘勇線も時代の役目を終えた。はじめは、緩い上り下りが続き、杉林を下る。岩壁の下り坂が現れる。補助ロープを頼りに岩壁を下る。尾根上の上り下りを繰り返す。風が強く稜線を吹き抜けていく。12時44分ん、竹崙山へ続く枝尾根道の分岐に着く。

沢沿いの分岐点、沢を渡り対岸を登る
雑木林の尾根上を行く山道
ここから主稜線の縦走路から分かれ、下り始める。道は少し細くなり、歩かれている程度が低いことが判る。標高差百十数メートルを十数分で下る。沢音が聞こえてくる。そのうち沢脇の道になる。沢にそってわずか下っていく。鹿母潭へ谷沿いに下っていく道を分岐する。分岐で少し休む。時刻は13時、今日の山道のほぼ中間の位置だ。基本は下りになるが、竹崙山の前に稜線上にはピークが三ヶ所ある。これからこれらを越えていく。

鉄塔下から望む、右のピークを越えていく。道は右に折れて下っていく
鞍部の十字路、直進する
右に谷間を下っていく道に対し、稜線を行く道は、まず先ほど脇を歩いてきた沢を越える。その先土砂崩れのような場所に標識テープが付いている。よくよく見るとこれが登山口だ。大雨で崩れてしまったのだろう。これを登っていく。そのうち山道らしくなってきた。特に名前のある山でも無く、最高点らしいところを過ぎ下り始める。下って行き、送電鉄塔の下に出る。この部分は保線路になるので、割合と良い道だ。途中山道らしい道がわかれているが道標などはない。とにかく尾根を追っていく。鉄塔の下を通り過ぎ、大きく右に道が曲がっていく。そのまま尾根を下っていく道もあるが、そちらは違う。鉄塔の下からは、次のピークが右方向に見えている。

別荘の庭越しに見る獅仔頭山と左に粽串尖
産業道路を行く
鉄塔からは、急な下り道が続く。少し登り返し、十字路が現れる。ここも直進だ。登り返していく。最高点らしいところから、右に道が分かれるが縦走路は左だ。石が幾つか並んでいる。ここでしばらく休憩だ。14時10分、鹿母潭への道の分岐から1時間以上歩いてきた。休憩後下るとほどなく、コンクリ造りの小屋がある。腰高の壁しか無く、中には何もない。何のための小屋か判らない。そのすぐ下で、産業道路に出た。車が一台停めてある。産業道路は右にとり進む。平らな道をしばらく行く。下り始めてしばらく、前方が開けている。別荘のようだ。庭が広く樹木が無いので、展望がよい。庭の向こうは、獅仔頭山、その左に粽串尖と大丘田山が連なっている。別荘の門には九份路53號とある。さらに下ると、また大きなヨーロッパ風の別荘がある。犬が我々の気配を感じて吠えたてる。山道は、この別荘の前に右にいく、草の中の道だ。

ヨーロッパ風別荘の上からの眺め
廃棄産業道路との分岐点
別荘の上を進んでいく。ここから、別荘の屋根越しに熊空山とそれから白雞山方面へ延びる尾根が望める。自分たちはあそこから歩いてきたと思うと、感慨深い。道は人の背丈以上の草の中に入っていく。今日のルート上、ここから竹崙山前の廃棄産業道路までが、一番道の程度がよくない。踏跡も細い。ただ、幸い標識リボンが適宜現れるので、迷うことはない。登った一番高いところ辺りから雙港仔山への道が分岐するはずだが、気付かなかった。そのうち道は山腹を巻いて下っていく。その先、廃棄産業道路にでた。廃棄産業道路を左にとり登り返す。登って行くと、別の廃棄産業道路と合流する。ここから右に、昨年歩いた道を行き、草深い中を進んで15時16分、竹崙山(標高613m)に着く。今日の行程最後のピークである。前回は麒麟山側から歩いてきた。そちらの方向はもっと草が深い。三角点の周囲も草がびっしり密生している。

急坂を下る
ここから直接東側に下る山道があるようだが、草で入口がよくわからない。やってきた道を戻り、廃棄産業道路の分岐を左に曲り進む。ヘアピンで下っている部分に、沢山リボンが付いている。地図では山道を下るようなので、ここから入ってみる。少し登って行くと、道が左右に別れる。左は頂上へ続く道だろう、右に山腹を下る。しばらく下り、産業道路にでる。そのすぐ先にまた山腹を下っていく山道をとる。この部分は、直線的に急勾配で下っていく。かなり急なので、足もとに注意が必要だ。脇にはずっと補助ロープが敷設してある。15時45分、産業道路終點の部分に出る。山道は終わりだ。残りは、産業道路と車道の建安路をバス停へ歩くのみだ。

産業道路終点の登山口、背後は雙港仔山
竹崙山が高い
帰りの779番バスは、この時間帯は1時間に一本の便である。乗り過ごすと、かなり待つことになるので、安坑バス停に17時頃やってくる便に乗るため、足を速める。かなりの勾配がある産業度は、多くの枝道が合流する。もともとは、山腹でいろいろな栽培が行われていたのだろうが、そののち誰も行わなくなってしまったのかもしれない。檳榔林から振り返ると、竹崙山はかなり高い。集落が現れ玉福宮の廟わきを下る。道端で作業していた住人が山登りの帰りかと聞いてきた。熊空から歩いてきたというと、驚いていた。最近は竹崙山を登る登山者が少ないそうだ。実際、山道の状況がそれを表している。

沢から熊獅縦走路の主稜線を望む




南天行政世界道場の脇を通り過ぎ、橋で沢を渡ると104郷道に合流する。沢の奥には、竹坑山北峰から獅仔頭山への稜線が望める。流れにそっていく104郷道は、けっこう広い道だが交通量は少ない。バス停まであと3kmである。概ね下りの道は、かなり速く歩ける。以前獅仔頭山から下ってきた時も、この道を歩いた。16時50分に、県道110号線の安坑バス停に到着した。17時5分に779番バスがやってきた。

110号県道も近い、振り返ると麒麟山とその右奥に竹崙山が見える
今回の歩行は合計15.6km、所要時間は休憩を含めて7時間半である。初めに大きく登った後は、基本下りの歩きだ。縦走路上には当然越さなければならないピークがあるので、登り下りはあるが。舗装路は5kmであったので、純粋な山道は10km強、そこそこ骨のあるルートである。竹坑山から竹崙山への縦走路は、あまり人気のあるルートでなく、道標などが少ない。事前に地図の準備やルート状況を確認してから、登ることが必要だ。

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