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2019-11-11

2019年11月10日 石碇九芎坑山 - 芊蓁坑 - 高德坑山 最近手入れされた山道を歩く

芊蓁坑古道長壽橋
以前の山行で近くまで行っているが、ほとんど人が歩いておらず草や木々に閉ざされた道は、なかなか行きにくい。道探し、草刈や藪漕ぎが余儀なくされる。過去に05㎞進むのにゆうに一時間をかけて進んだこともある。そうした山道が、ボランティアがはいり手入れされて命を吹き返す。今回の山行は、まさにそのたぐいの山歩きだ。

西から東へ山越え
一度谷に下り、また山を登る
場所は、新北市石碇區と平溪區とにまたがる山である。今月初め訪れた獅公髻尾山-玉桂嶺山で、伏獅山から下って間もなく稜線を横切っていく道が、しっかり草刈されているのを見た。またフェースブックでも、聯合探勘隊のこの地域の山道整備の活動を知っていた。そこで、今回の山行を企画した。実際歩いてみると、幅広くきれいに道が整備され、滑りやすようなところには、補助ロープが渡してあった。ボランティアのメンバーには、感謝したい。

藤寮坑產道を右に行く、前回は左から下ってきた
11月2日の山行で下山したバス停、藤寮坑が今回の出発点だ。そこで木柵7:30発の795番バスで向かう。好天気の休日だが、朝が早いせいかおもったより登山者が少なく空いている。8時10分前に藤寮坑バス停に着く。事前の反応では12名の参加者だったが、ふたを開けてみると15名だ。藤寮坑產道を歩き始める。はじめの登りのあとは、それほどの勾配がない。8時32分、前回降りてきた道の分岐を過ぎ、直進する。さらに10分ほど進むと、土地公の脇で待っていた三名が参加して、筆者を含め全部で19名のパーティとなった。

道の向こうに南石坑大尖
左に九芎坑山登山口(マーカーリボン)
土地公のところから未舗装の道を直進する。前方に南勢坑大尖のごつい山容が現れる。沢沿いに回り込むと、今度は今日の最初の目的地九芎坑山が眼前に大きく立ちはだかる。左側の民家の周りはきれいに草刈がされている。8時52分、道の左に九芎坑山の登山口を見る。九芎坑山へは、この他に道をさらに登ったところから始まる南勢坑古道からも登山道がある。

前方は九芎坑山
門のような対の大木
休憩後、山道を登る。ちょっとした谷間を少し進み、左に山腹にとりついて急坂を行く。そのうちに尾根上に道は進む。地図上とは違う道で、おそらくボランティアによって新たに開かれたものだろう。十数分登ると、大きな二本の樹木が対をなして、道はその間を門を入るごとく進んでいる。補助ロープもある急坂を過ぎ、少し平らな場所をすぎ、再び坂を上る。9時42分、九芎坑山山頂(標高592m)につく。樹木に囲まれた山頂は、8年前に一度訪れている。その時は単独であったが、今日は18人を伴った登頂だ。古ぼけたものも含め、多くの山名板が幹に取り付けられている。以前からよく登られている山のようだ。

ロープの着く急坂を登る
@九芎坑山
沢をこえて進む
獅公髻尾山-伏獅山の稜線に向けて歩く。間もなく左に降りる道がある。今日はこの道を行き、伏獅山の山腹を巻いていく古道を歩く。分岐から十数分くだると、左に銀色の大きなタンクが見える。道は平らになり、山腹を巻いていく。道は広く状態は良い。10分ほどで沢を越え、棚田跡が現れる。まだ樹木がそれほど密生していないが、このあたはかなりの規模で開墾されたようだ。そのうち石を積み上げた土留壁の棚田跡が続く。さらに山腹の道を行き、10時半右に大坪越嶺古道が分岐して登っていく。登り始める前、すぐ先の民家脇で休憩をとる。

棚田跡を見ていく
今年の日付の道標、左遠くは九芎坑山
休憩後、登り始める。苔の石段や石積土留壁もあり、古道の風情が十分だ。そのうち周囲は杉人造林になる。十数分連続の登りは、やがて緩やかな道になる。10時57分、稜線の峠に着く。ここは先週に伏獅山から下ってきて、通り過ぎた場所だ。全員が登り切るのを待ち、芊蓁坑への道を下り始める。道は最近草が刈られた様子で、まだ道が落ち着いていない。少し平らに進み、枝尾根に着くと尾根上を急坂で下っていく。補助ロープもしっかり取り付けられている。

大坪越嶺古道の峠の分岐部
幅広く草が刈られた道
十数分下っていく。幹に大きなサルの腰掛がついている。説明表示もある。11時半、尾根道を下り切り、草が刈られた草原に出る。道は火燒寮溪の左岸を行くのもあるが、右に下っていく道にも新しいマーカーリボンがある。右に下り、橋を渡って菜園脇を北43県道6Kに出る。すぐ近くに高竹亭の涼亭がある。そこへ向かい昼食をとる。十数人が十分に休めるだけのスペースがある。涼亭の後方には、伏獅山が高い。

サルの腰掛
北43県道6K地点に出る、背後は伏獅山
12時半前、出発する。午後は、この谷間からまた高德坑山へ登り返す。高德坑山への登山口までは、北43県道を歩いて行っても行けるが、それではつまらない。ボランティアは芊蓁坑古道の手入れもしている。そこで、また沢を渡って左岸の道を進む。もともとの古道の跡がはっきりしない場所を通り過ぎ、12時37分長壽橋につく。長細い石を敷いた石橋だ(本ブログ冒頭の写真)。三芝の三板橋より幅が広い。今はハイカーが歩くだけだ。近くに橋の建造に関する石碑がある。

芊蓁坑古道
張福宮
古道は少し広くなり、右に県道へ上がる分岐もある。さらに行くと沢に降りていく道がある。そちらを行きコンクリ橋を渡るが、そのさきはなくなってしまった。そこで戻り右岸の道を進んでいく。また道幅が広がり、古道の趣になる。12時53分、古道入り口への階段があるが、前方に清朝時代の石橋があるはずなので、それを見にいく。ところがすでに壊れてしまったようで、道がふさがれている。戻って階段を登り、これまた清朝時代の張福宮の脇へ上がる。

民家脇を少し行くと右に高德坑越嶺古道の入口
この奥から登りが始まる、遠くにこれから行く稜線
県道を渡り、紫雲宮への方向へ車道を登っていく。登ること約10分、左に高德坑古道入り口がある。さらに少し進み、また左に高德坑山への登山口がある。それも通り過ぎ、少し下り気味に行く。民家が現れる。その先には、正門が閉ざされた別の民家がある。高德坑越嶺古道は、この民家の前右に入り口がある。この道をとり、山道を歩き始める。少し行き、開けた場所の端から坂が始まる。

棚田跡を過ぎていく
高德坑山東南峰
この道もつい最近整備されたものだ。補助ロープも新しい。山腹を進み、棚田跡を登っていく。急な坂もある山腹道で、高度を上げていく。登山口から登ること20分ほど、13時43分峠に着く。直進すれば、番子坑古道へと下っていく。稜線上の道は、右に行けば乾溪山へと続く。左に稜線を行く。小休憩後、少し上がると道は下り始める。すぐに右に高德坑山東南峰(標高550m)がある。さらに10分ほど尾根を追っていく。左へ雞心尖への道が分岐する。分岐のすぐ先は高德坑山山頂(標高519m)だ。他に上東勢格山,高竹坑山の都合三つの山名がある。ここも樹木に囲まれ、展望はない。

高德坑山山頂の筆者
高德坑山から杉林の急坂を下る
もともと雞心尖へ行く予定があったが、そのまま下ることに変更する。14時40分、高德坑古道へ向けて、急坂を下る。杉林の中を下ること5分、左からの道を合わせる。さらに10分ほど下り、高德坑古道に合流する。右に折れ、古道を下っていく。苔の石段もあり、古道らしい。ただ、長く歩かれていなかったので、雨水で路面がほられている場所もある。15時25分、古道入り口につく。新しい道標ととも十数年前の古い道しるべもある。長いことほっておかれていたようだ。

高德坑古道
平溪國小假日學校
東勢格派出所バス停とF822バス
舗装路を右に下り、橋を渡ってまた左に東勢格へ下る。15時32分、平溪國小假日學校につく。ここで長い休憩をとる。校庭下の火燒寮溪へ下り、泥で汚れた長靴を洗う。ここは近くでとれた農作物なども販売している。15時50分、また道を下っていく。16:00に東勢格派駐所バス停に来る。バスは16時40分までないが、さらに106号線の795番バス停へはあと3㎞ほどの道のりがある。メンバーの約半分は、そのまま車道を歩いていく。筆者を含めた残りのメンバーは、バス停でF822番バスを待つことにする。

平溪バス停で795番バスに乗車
近くの喫茶店で休み、予定通り16:40に発車のバスで、終点平溪バス停に行く。10分足らずで到着し、間もなくやってきた795番バスで帰京する。平日の795番バスは観光客で途中からはまず空席はない。先ほどF822番バスでやってきたのは、正解だったようだ。

今回のルートは、すべて今年に草刈や整備がされたところなので、道の状態はすこぶる良い。バスなどで訪れる場合は、ちょっとバス停から離れているので、それもあまり訪れられない理由の一つかもしれない。たくさんのハイカーが訪れ歩くことに越したことはないが、一度に集中的に訪れそのあとがないと、また草木が茂る。亜熱帯の台湾でやむを得ないといえば、そうかもしれないが。今回のルートは現状では、ちょっと山の経験があったほうが良いので、レベル3というところだ。

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