|
草が刈られた玉桂嶺山頂上 |
もともと表題の山ではなく、坪林の楣子寮山などを訪れる予定であった。ところが坪林國中のバス停につくと、予定のF721は満員で乗車できず、目的地の登山口でいく次のバスは午後までない。そのため、急遽予定を変更し、最近有志によって道の整備が行われ、歩きやすくなった付近の山を獅公髻尾山から歩くことにした。
|
南側から北へ歩く |
|
下りが多い歩き |
このハイキングのルートは、前半は数年前に二度歩いている。7年前
最初に訪れたときは、かなり草深いものであった。その後、地元政府によって立派な道しるべと、急坂には太いロープの手すりが取り付けられていた。今回は、草刈がかなりしっかり行われ、邪魔な樹木も切られていた。有志に感謝する。後半は、東勢格產道の対面になる峰頭尖の裾野を行く古道の半分を歩いた。この古道も今年草刈などの手入れがされており、
東側の部分は今年夏に歩いた。今回はまだ歩いていなかった峠の西側である。最近まで住人がいた民家や、すでに石壁だけの民家遺跡が残る。昔はこのような山奥でも暮らしていたのだ。
|
獅公髻尾山山頂の全メンバー |
|
F721バス@南山寺 |
MRT新店駅前バスセンターから発車する7時40分発の923番バスで坪林へ向かう。このバスで坪林に向かうのは久しぶりだ。8時10分過ぎに坪林國中バス停に到着する。まだ進行中のバスなのだが、数名の登山者が出口に向かう。降りてその理由が分かった。F721番バスに乗るためだ。降りると、バス停にはF721番バスが待っていたがすでにほぼ満員。最後に残っていた2,3の席が埋まるとすぐに発車。立席はできないとのこと。我々10名は、バスに乗れなかった。
|
南山寺前 |
F721番バスは、新北市の運営する無料コミュニティーバスだ。週末に運行し、ほぼ一時間に一本の割合で発車するが、予定の
英速魔法學院バス停まで行くのは、この初発と12時発しかない。午後まで待っていては、予定のルートは歩けない。そこで、途中の南山寺まで行く次のバスを待ち、予定コースをすべて変えて歩くことにする。本来の予定のバスに乗るのであれば、早い923番バスで来る必要があるようだ。
|
南山寺から見る楣子寮山方面 |
|
北43県道から左の道を進む |
9時20分前に、923番バスの乗り継ぎをまって発車する。バスは
以前歩いて通り過ぎた北勢溪の谷間に沿って進み道を行き、山を登り始める。9時20分過ぎ、約40分の乗車で終点の南山寺に着く。天気は曇りだが、雨は大丈夫のようだ。平溪へと峠を越えていく北43県道を歩き始める。周囲は茶畑が多く、遠くには本来の登山予定だった楣子寮山のとがった山頂が見える。
|
茶畑の向こうに北勢溪の谷と対岸の山々 |
|
東昇茶坊脇の畑を通り過ぎる |
道なりに登っていき、約5分ほどで左に九芎坑1號という道標がさしている道をとり登る。少し行くと、右に獅公髻尾山旧道という道標がある。この道をたどっていくことも可能だが、そのまま進む。登ること数分で、また分岐がある。右は獅公髻尾山登山口へと続く。以前はこの道経由で登ったが、今回は左に進み
前回歩いた保甲路を経て登ることにする。茶畑の間を行く道は、見晴らしがよい。北勢溪対岸の
胡桶古道周辺の山々は、頭に雲をかぶっている。
|
倒木を越えて進む |
10時道は終わりになり、東昇茶坊という看板のある民家の前に来る。保甲路は、この民家前の庭を横切ったところから始まる。畑の脇からカヤが密生する山の斜面を登る。そのうちに森の中の山腹道となる。少し草深い平らな道を行く。10時12分、稜線に上がる道の分岐に来る。ここは、以前反対側からやってきたところだ。真新しい藍天隊の道しるべが取り付けられている。
|
藍天隊のマーカーリボンがあるカヤの間の道 |
稜線まで約100mの標高差を登る。道筋はしっかりしている。登ること約10分で、左からの稜線道を合わせ、右に進む。さらに3分ほどで右からの獅公髻尾山旧道を合わせる。見たところ、旧道は草深い。カヤが刈られた稜線を行き、10時44分広い登山道に出る。登山道を登り切り、獅公髻尾山山頂につく。登りの途中でも霧がかかってきたが、標高839mの山頂は霧の中、何も見えない。後方から二人の登山者がやってくる。同じ道経由で登ってきたようだ。涼亭で休憩する。
|
南勢坑古道への分岐 |
|
手すりのある下り道を行く |
11時過ぎ下り始める。先ほど登りの途中では、多くの竹葉草があり、引っ付き虫(種)がたくさんズボンについた。とってもとってもとり切れない。そこで、地面に敷く布を取り出し、前掛けのようにつける。森の中の道は道筋がはっきりしている。数分で左に南勢坑古道への道を分け、さらに10分ほどで左に九芎坑山への道を分ける。8
年前初めて獅公髻尾山を訪れたときは、この分岐から九芎坑山へ下ったが、その時に比べると大きな道標が取り付けられ、道の状態も良くなっている。
|
草が刈られた稜線道 |
|
@伏獅山山頂 |
|
最近草が刈られた稜線道 |
|
黄色の花がシダの下草の中に目立つ |
|
琉球雞屎樹の青い実 |
さらに尾根上を下っていく。鞍部から登り返し、小ピークを越えて11時44分、伏獅山山頂(標高732m)につく。しっかり草が刈られている。東側は草木がないが、霧で展望はない。ここで食事休憩とする。40分ほどの休憩をとり、12時21分出発する。下り道は、つい最近整備され、刈られた草がまだ枯れずに緑だ。12時33分、九芎坑山方向から山腹をやってくる道と交差し、さらに尾根を下る。緑のシダ類下草の中に黄色の台湾小野菊の花が群生している。青色の琉球雞屎樹の実があちらこちらに実っている。下り道は続く。分岐二か所を過ぎ、最低鞍部をすぎて少し登り返していく。13時20分、玉桂嶺山(標高340m)につく。休憩していると、先ほどの二人パーティがやってくる。今日は我々と同じルートを行くようだ。
|
玉桂嶺山はあとわずか、今年の日付の道標 |
|
@玉桂嶺山山頂 |
|
東勢格產道わきの古道入り口 |
|
山茶花の古道 |
10分ほどの休憩後、最後の急坂を下っていく。数分で東勢格產道に降りる。少し左に進み、古道の入口を入る。沢を越え、登りが始まる。状態のよい古道には、電柱がある。奥に民家があるということだ。道は下っていき橋を渡り回り込むと、13時32分東勢格26號之1の住所プレートの民家が現れる。窓やドアは閉じられ、今はもう人が住んでいないようだ。
|
手作りの橋で沢を渡る |
|
東勢格26號之1の民家 |
|
滑滝状の岩底の沢を渡る |
民家前を横切り、古道を進む。道は森の中に入り、先ほどより道の状態は落ちるが、道筋ははっきりしている。東勢格產道から民家まではよく歩かれているが、ここからは登山者だけが歩く道だ。谷沿いの道を進むこと5分ほどで、沢を越える。幅のある美しい滑滝状の渡渉点は、ロープが渡して安全を確保している。その少し先でまた沢を越え左岸を行く。
|
さらに沢をこえて進む |
|
石壁が残る民家跡 |
|
棚田跡を行く |
14時7分、石壁だけが残る民家跡を過ぎる。その上には棚田跡が続く。過去にはここで生活があった。棚田の一つから、右に道が分岐する。
峰頭尖へと続く道に合流する。沢から離れ次第に高度を上げ、14時20分稜線を越える。ここで少し休憩する。間もなく、例の二人もやってくる。事前に申し合わせたわけではないが、同じルートを歩いたので記念写真を写す。
|
大きなガジュマロの左に壁だけが残る民家跡 |
|
舗装路を藤寮坑へ下る、前方は皇帝殿の山塊 |
峠からは、下り一本だ。けっこう急な坂を下る。また、規模の大きな石壁が残る民家跡が現れる。今は、大きなガジュマロが前に生え、草に埋もれているので、表示がなければ気づかないかもしれない。14時55分、菜園の前にでる。作業小屋と水道がある。汚れた長靴をそこで洗わせてもらう。すぐわきの東勢格產道にでて、下っていく。分岐は右に曲がり、2㎞強の道のりを行く。15時31分、雙菁公路の藤寮坑バス停に着く。間もなく、795番バスがやってきた。
|
藤寮坑產道は最近がけ崩れがあったようだ |
前半の獅公髻尾山~玉桂嶺山は、二度ほど歩いている。そのうちで、今回は道の状態が一番良かった。後半の古道部分は、初めてだが美しい沢の渡渉点など思いがけないプラスがあった。峰頭尖は、平溪側のほうから登ることが多く、裏になるこの部分は道も良くなかった。ボランティアのおかげで、こうした過去にここで暮らした人々の生活の息吹を感じられる道を歩けるのは、幸いだ。ただ、歩く登山者も少なくまた草に埋もれた状態になるのではないかと、懸念する。今日の歩行は約10㎞、休憩込みで6時間だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿