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2019-06-11

2019年6月9日 大格門-獵貍尖-獅公髻尾山-南勢坑古道 石碇と坪林の境界稜線を歩く

新しい涼亭の獅公髻尾山山頂
数年を隔てて以前訪れた山を再訪すると、思いがけない発見がある。ほかにも二つの名前を持つ獅公髻尾山(火燒寮山,傑士嶺、標高840m)は、8年前に始めて訪れた後,さらに二度ほど訪れている。最後は六年前になる。その間に、頂上の涼亭は新しい大きなものに置き換えられ、さらに山頂から伏獅山への方向への道は、広く草が刈り取られ鉄製の支えに太いロープの補助手すりが、設けられていた。さらには、立派な道しるべもある。明らかに行政機関による道整備だ。

南から北へ歩く
出発点が下山点より高いルート
大格門から獵貍尖、石碇大崙付近へと石碇と坪林との境界を行く
獅公髻尾山から南西に延びる稜線は、北宜公路が山腹を行く粗坑崙から東に延び、坪林へと続く稜線と獵貍尖(標高706m)で合わさる。この稜線は、石碇區と坪林區との境界である。そして、まだ歩いていなかった部分でもある。去年末にこの稜線上の道の整備が行われた。そこで今回のルート設定である。また獅公髻尾山からの下山は、これまた最近ボランティアによって道の整理が行われた南勢坑古道経由で下った。端午節連休の最終日で、天気が良かった。稜線上では風があったので、助かった。

@獅公髻尾山山頂
緑12番バスがMRT新店バスターミナルに入ってくる
出発点は、北宜公路上の棲霞山バス停だ。坪林へは高速道路を経由するバスもあるが、北宜公路を行くバスは緑12番バスだ。8時15分発の便に乗るべくMRT新店駅のターミナルに行く。途中連絡もよく、7時半過ぎについてしまった。まだ誰も待っていない。行列の一番目で待つ。緑12番は、一時間に一本ぐらいなので、休日はそこそこ込み合う。そのうちに長い行列ができる。参加メンバーの顔も列の中に見かける。

バイクが爆音を立てて通り過ぎていく

予定時間に出発したバスは立席も満席だ。途中銀河洞バス停で、かなりのハイカーが降りる。ほとんどみんなが席につける。北宜公路上の最高地点風露嘴を越えた後、バスは緩やかに下っていく。8時50分、棲霞山バス停で下車する。休日の北宜公路は、爆音をたてて通り過ぎるバイクやスポーツカーで、さながらレース場だ。支度をしていると、パトカーがやってきて、そのあとにバイクがおとなしくついていく。今日のメンバーは筆者もいれて16名だ。

茶畑で茶摘みが進行中、遠くに插天山の山が見える
大格門につく
北宜公路を坪林方向に少し進み、左に分かれる道を登る。民家が現れ、その前に左に登っていく道がある。大格門へと続く道だ。大格門は今まで三、四回通り過ぎているが、石碇側からは登っている。反対坪林側へ続く道は今回が初めてだ。杉林を過ぎると、左に茶畑が広がる。ちょうど茶摘みが進行中だ。茶畑の向こうには、插天山の山々が見える。思っていたより分けなく、20分足らずで大格門に着く。

大格門有應公
山道工事指示の張り紙
小休憩後稜線道を進む。昨年12月に訪れた時と同じに、道の状態はとてもよい。野牡丹の時期で、紫の花を多く見かける。十数分歩き、有應公の祠にくる。有應公とは、身元の分からない亡骸の魂を慰める祠だ。右に北宜公路へ下る道が分岐する。淡蘭古道南路は、大格門古道から今あるいた稜線をやってきて、黃櫸皮寮へ下るという。有應公は当時のものなのだろう。

獵貍尖から望む、前方右の平らな山頂は獅公髻尾山,左は鑽石峰/人頭面山。手前の尾根を歩いていく
獵貍尖山頂、左に三角点
山道は、ここから稜線上のこぶを越す。道脇の幹には、工事内容の指定文が張り付けてある。どうやら行政による道整備が行われるのだろう。いずれは、もっとよい登山道になるようだ。9時50分、右に道を分けると急坂が始まる。登っていくこと約10分、開けた獵貍尖の山頂が現れる。今日は天気が良いうえに、遠くまで見渡せる。目的地の獅公髻尾山や、その左側に先月歩いた華梵大學からの稜線が見える。手前には、これから歩く稜線が続いている。送電鉄塔のほうに少し登れば、翡翠水庫の向こうに烏來三峽の山々が遠く続いている。実によい展望台だ。

翡翠水庫の対岸は大桶山、その向こうに逐鹿山から魯陪山から拉拉山への插天山脈が続く
茶畑を進む
約20分ほどの休憩後、下り始める。石段を下って間もなく、道しるべが石段に打ち付けてある。稜線を進む道が分岐する。12月29日の日付なので、前回来訪後につけられたものだ。すぐ下に茶畑が現れる。山道は、左に進む。茶畑の切れたところから、草藪の間に山道が始まる。途中に送電鉄塔の脇をすぎて下っていき、10時43分106乙号道路に降りる。土地公の脇から始まる幅広い土の道を登り返していく。数分で左に山道が始まる。振り返れば、先ほどいた獵貍尖山頂が見える。

振り返れば獵貍尖が高い
動物の死骸
あまり高くないピークを越えて下ると、土の農道にでる。森から出て強い日差しの中を数分行く。道にかなり腐敗が進んで骨が見える獣の死骸がある。犬かホエジカか。周囲が黒くなっている。そのすぐ先で農道は終わり、盆栽用の樹木生育地の脇を登る。登ったところは開けて景色もよく、風がある。そこで休憩をとる。

盆栽用育成地の休憩地点から台北方向を望む、左に二格山、筆架山連峰、右遠くは陽明山の峰々
長い坂を上っていく
十数分の休憩後、山道を行く。あまり大きな起伏がなく、途中稜線を横切っていく舗装路を過ぎる。11時37分、産業道路を横切る。ここから長い上りが始まる。おおむね樹木の間の道だ。一部カヤの部分もある。道が緩やかになり、12時13分、石碇大崙からの道に合わさる。分岐を左に進む。先月歩いた道だ。山腹をトラバースしていく。最後に少し登り、12時23分、鑽石峰への分岐で食事休憩をとる。最後を歩いていたメンバー二名がなかなかやってこない。そこで様子を見に、先ほどの分岐へ戻る。そこで彼らの声を聞きつける。話によれば、ちょうど分岐で行違ったグループが、我々を見かけないかったというメンバーもおり、道を間違えたのでは、という話をし二人は迷っていたそうだ。当人は悪気はなかったのだろうが、間違った情報を与えるのは、迷惑なことだ。

昼食休憩場所の分岐、左は鑽石峰へ、今回は直進
山腹の杉林をトラバースしていく
13時8分、稜線からはなれ保甲路を下っていく。茶畑の脇をすぎ、農道を行く。また山道になり杉人工林の中を進む。13時38分、左に稜線へ上がる道の分岐にくる。しかし稜線への道は草に埋もれている。かなりの藪漕ぎが必要だ。分岐に取り付けられている道標は、山腹の巻き道は今年4月の日付だが、稜線への道は10年前のものだ。そこで、その先にある稜線への道へ目指す。山腹道をさらに数分行く。分岐にある道しるべは古いもののままだが、道は明らかに手入れされている。この道で稜線に上がる。左から鑽石峰からの道を合わせる。

稜線へ急坂を登る
広い登山道に出る
稜線道を歩くこと5分、右に南山寺への道を分ける。稜線は左に折れ、緩やかな道を進む。カヤの間に切り開かれた道を進み、14時16分南山寺からの広い登山道に出る。以前はこの道から登ってきた。最後の階段を登り切り、獅公髻尾山山頂につく。頂上の涼亭は、新しいものに建て替えられている。周辺の草や樹木も刈られ、広々としている。これで登りは終わりだ。休憩をとる。この頂上からも広い範囲の展望が可能だ。西には皇帝殿の向こうに南港山、その稜線から101ビルが頭を突き出している。台北の街も見える。東は、瑞芳九份の山々も望める。北の海岸近くから、西の海岸近くまで見えることになる。

広々すっきりしてしまった獅公髻尾山山頂
幅広く草が刈られ高級手すりの着いた道
14時47分、下り始める。草が広く刈られ、さらに下ると鉄のポールに太いロープの手すりが長く取り付けられている。数分で、南勢坑古道への分岐にくる。分岐には大きな木製道しるべがたっている。この部分も行政単位が道の整備をしているようだ。左におれ、高度を下げていく。途中左に分岐を分け、15時5分南勢坑古道の分岐に着く。この道は、左に行けば稜線を越えて坪林へとつながる。右に曲がり、下っていく。最近ボランティアにより整理された道は、草が刈られて道筋が明確だ。石段が現れ、古道であることを示している。

南勢坑古道を下る
九芎坑山(左)への分岐
前半は、かなり急坂で山を下っていく。右に石積の土留壁がある。どうやら以前は棚田だったようだ。15時35分、沢を渡る。蝉の音が森をとどろかす如くに響く。道は傾斜が緩くなり、左下の坂からかなり上を行く。15時44分、右から九芎坑山より降りてくる道と合わさる。8年前はここから下ってきた。その時は、南勢坑古道は草に埋もれていた。古道をさらに行き、大きなコンクリ製水槽脇を行く。15時55分、舗装された道に降りる。山道は終わりだ。

南勢坑大尖から小尖山北峰の稜線

土地公の祠前で最後の休憩
舗装路を下っていく。前方に先月歩いた南勢坑大尖から小尖山北峰への稜線が高い。16時7分、雙鹿福音園脇の分岐につき、土地公の前にある水道で長靴などを洗い休憩をとる。残りは、2,3キロの舗装路歩きだ。獅公髻尾山山頂でもビールを開けたが、ここでも最後に氷がとけちょうど飲み頃のビールを開けてみんなで飲む。実にうまい。舗装路をあるくこと約30分、17時少し過ぎに藤寮坑バス停に着く。10分ほど待つと795番バスがやってきた。

野牡丹花

休憩込みで8時間であった。登りより下りが多いルートだったが、ちょっと時間を要した。全体の速度や休みが少し長めだったことも関係している。距離は17㎞である。累計で登り800m、下り1200mだ。現在は、道の状態がとてもよい。政府がメンテする道は、今後もだいじょうぶだろうが、ボランティアが整備した道は、歩かないとまたすぐ元に戻ってしまう。南勢坑古道などは早めに訪れたほうが良いかもしれない。

六年前の獅公髻尾山山頂

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