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薯榔尖から望む中央尖(2011年11月撮影) |
台湾北部は、夏は台風来襲がなければ、安定した好天が続く。しかし、とても暑い。標高1000ⅿ以下の台北近郊の山は、暑い。100mごとに0.6度下がるというが、そんなのはほとんど関係がない。数年前は夏も低山に登っていたが、行くべきところはほぼ一巡してしまい、暑い中を登る気力が薄くなる。今回は、もともと太平山やその近くの日本時代の林業にかかわる神社の遺跡などがある場所の登山を予定したが、台風接近のため取りやめた。そこで、空いた時間を今回の平溪の登山で埋めた。
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臭頭山山頂の全メンバー |
平溪は、いままでかなり通っている。今回の対象である
中央尖や
峰頭尖も当然過去に登っている。来週に予定している高山登山を控え、日本から帰った後まったく山に登らずに、いきなり行くのはちょっとと思い、つなぎに体力訓練の目的で今回の山行を行った。重い荷物を担ぐわけではないが、上り下りのある山を歩くことは、プラスにはなる。さらに、最近手入れされたという、峰頭尖の南山腹を行く古道を歩いて峰頭尖稜線に上がる道は、まだ歩いていないので、このルートを選定した。
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時計回りに歩く |
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歩行高度表 |
8月9日金曜日にこの山行活動をFB上で公示したが、六名の参加者があった。実際このぐらいの人数だと、足並みがそろうことが多く、行動中後方のメンバーを長く待つことは少なかった。ただ、思っていた通り暑く、全身から汗が吹き出し洋服は上下ともびっしょであった。幸いに稜線上では風があり、助かったが。
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東勢格古道上の分岐、この階段を登る |
木柵を7時半発車の795番バスで平溪國中バス停に向かう。休日は30分ごとにバスがあり、人数が多いと臨時便もあるそうだ。天燈のおかげなのか、一般旅行客も随分と増えている。朝のこの時間帯は登山者がメインだ。バスは満員である。8時25分、平溪國中バス停に到着、多くの乗客が下車する。みな登山者だ。支度をして、登山口へ向かう。階段を登り、東勢格古道を歩く。10分ほど平らな古道を進む。左に分岐が現れる。ここで古道から離れ、慈母峰/孝子山を示す道標の方向へ登っていく。
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大岩壁の下を登る |
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左岸に刻まれたステップ |
この付近の山は、数年前に訪れたあとご無沙汰している。砂岩が露出し、そこにステップが刻まれ手すりが設けられた道が多くある。高度感もあり、平溪の山では少し風貌が異なる。階段をあがり、すぐに大きな岩壁の底に刻まれた階段を登る。8時53分、稜線に上がる。左に慈恩(母)嶺へ登る岩壁道が見えるが今回は、右に稜線を行く。狭い稜線を追っていき、石段が刻まれた場所を登る。展望が広がり、出発点の平溪國中の建物が谷あいに見える。休憩をとる。
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石段を上がり展望が広がる |
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中央尖の三段目岩壁 |
道を少し行くと、大岩の下で左からの道を合わせる。中央尖の方向へ小さな登り下りを越えて進む。ベンチをすぎ、9時47分中央尖の岩場が始まる。中央尖は、平溪側から行くと岩場が現れる。
昨年3月に峰頭尖から中央尖を越えて歩く予定だったが、人数が多く時間切れで歩けなかった。今回はその逆をいく形だ。岩場は三段になっている。太いロープが取り付けられており、問題はない。三段目は、両側から突き出た岩が少し邪魔になるが、注意すればOKだ。登り切り、左に少し進んで中央尖の山頂(標高580m)に着く。ここも展望がきく。休憩をとる。
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中央尖から北側の五分山から姜子寮山への山並みを眺める |
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中央尖からの下り |
十数分の休憩後、10時13分下り始める。両側が開けた岩稜を行き、急坂が始まる。最後にステップが刻まれた大岩を下り、10時32分沢際に降りる。ここは東勢格古道から分かれてくる道との分岐だ。左に臭頭山へ向けて進む。涸沢にそっていき、右に登りが始まる。緩い上りが終わり稜線を進む。東勢格山への道を分けて間もなく、10時53分臭頭山山頂(標高476m)に着く。休憩をとる。
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臭頭山から下り東勢格古道の分岐点 |
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東勢格古道の峠部分 |
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水が流れほり込まれた路面 |
臭頭山から下り、東勢格古道に合流する。左に峠にむけて進む。大勢のパーティが降りてきてすれ違う。朝に見かけたグループのようで、東勢格古道を歩くだけのようだ。沢にそって登り、ベンチのある場所で昼食休憩とする。この先歩く予定の峰頭尖山腰古道の状態がわからないので、休めるところで昼食をとるためだ。30分ほどの休みのあと、峠に向かって歩き、そこから下り始める。こちら側の道は、かなり水がながれてほり込まれ、歩きにくい場所もある。民家脇を通り過ぎ草原を進む。昼間の太陽は容赦なく照り付ける。木製橋を過ぎ、そのすぐ先の鉄製橋のところで、右に峰頭尖山腰古道が始まる。
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まだ新しい道しるべのある峰頭尖山腰古道入り口 |
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古道に残る廃屋の石壁 |
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峰頭尖山腰古道も峠に来る |
分岐の道しるべは今年6月になっている。最近歩いた情報がなく、この部分の道の状態がわからなかったが、問題ないようだ。2か月間で草は少し伸びているが、道筋ははっきりしている。カヤがしっかり刈られた部分を過ぎると、道は沢の右岸を進んでいく。森の中の道もはっきりしている。12時18分、前方にかなり規模の大きい廃屋の石壁がある。ほかの古道でも見かける廃屋だ。さらに5分ほど進み、沢を渡る。その先には、棚田であった場所を通り過ぎる。次第に沢音が遠のき、勾配がきつくなる。谷あいではなかった風が、上から少し吹いてい来る。12時38分、稜線上にのる。風が吹き抜け一息つく。休みをとる。
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古道は左に下る、直進して峰頭尖の稜線へ急坂を登る |
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峰頭尖山頂 |
少し進むと左に道が下っていく。ここの道しるべも新しい。直進して峰頭尖の稜線を目指す。高度差100mほどだが、ちょっと辛い。この部分は草が覆いかぶさる部分がある。ピークを越えて少し下り、13時19分、稜線上の分岐にくる。この登りで足をつったメンバーがおり、少し休憩をとる。汗を大量に流すと、電解質も流れてしまう。水をとると同時に、塩分もとることが大切だ。稜線上を進んでいく。小さな上下が続く。13時52分、右へ白石腳へ下る分岐に来る。直進し、14時3分、峰頭尖山頂(標高609m)に着く。
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稜線から東に峰頭尖の峰々を望む |
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大石の枯れ沢を下る |
風が吹き抜ける山頂で、ビールを開け30分近く休憩する。途中でもそこそこ休んでいるが、暑い山登りではこのようにゆっくり休むのもよい。数分で分岐に戻り、白石腳へむけ下り始める。急な坂が続く。十数分で谷あいに下り、石がごろごろするかれ沢をくだる。沢が現れ、越えていく。三回目の渡渉後、15時25分すこし休憩をとる。さらにもう一度沢を越えると、道はほぼ平らになり左下に寺を見る。その先で大きく下り、車道に降りる。道なりに菁桐へ向けて日差しの中を下る。午後の太陽はつらい。右の雑貨店で飲料を買い、休憩する。冷たいビールがうまい。
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沢を渡る |
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雑貨屋を後に菁桐に向かう |
汗でびしょ濡れの服を着替え、旧宿舎あとの日本風家屋の脇を行き、16時10分菁桐バス停に着く。15分ほど待つと、795番バスがやってきた。
暑い中の山行であった。ただ、風が吹いておりその分助かった。距離10.7㎞、累計登坂770mである。休憩込みで約7時間半だ。峰頭尖は、いくつかの登山道がある。そのうち峰頭尖山腰古道は、過去の住民の生活があった場所だ。手入れされて間もないうちは、道の状態もよい。別の峰頭尖を体験するにはよい場所だ。
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