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南勢坑古道,しばらく沢沿いに進む |
先月に海岸沿いの和美から出発し、草山南峰の近くに登り西側の古道を経由して雙溪の谷に下った。今回のこの山行もその近くの山越えで、先月の
巫里岸山登山道と同時に草刈道整備が行われた南勢坑古道経由の歩きである。天候がすぐれず予定した草山南峰は登らなかった。下りは数年前に歩いた牡丹古道(庚仔寮古道)経由であったが、最近はほとんど歩かれていようで道の状態は良くなかった。そのため、一部歩く路線を変えて降りた。
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東側和美から山をこえて雙溪へ |
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歩行高度表 |
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和美保安宮、遠くに目的の山並みが見える |
天気がすぐれない。特に台湾東北端の海岸に近い山は、冷たい東北季節風が湿った空気に触れて雨が降ることが多い。今回の登山も、出発前にはあまりよくないことを覚悟しての出発だ。基隆駅前に8時40分にやってきた791番バスに乗る。9時半過ぎに、和美バス停に到着する。遠くまで見えるが、空は曇りだ。今日は13人のパーティだ。和美保安宮の脇をすぎ前回は左の曲がった道は、今回は右にとり進む。9時50分、舗装路の一番奥の民家の前に来る。番犬がでてきて吠える。住人も現れる。
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沢沿いの棚田あとを歩く |
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沢を離れ急坂を登る |
さらに少し先に土地公祠をみて、古道が始まる。石板橋を渡り、沢の左岸を進む。沢は水量が多く、幅いっぱいに水が流れる。一枚一枚棚田あとを登り、高度を上げていく。約30分ほど歩き、最後の棚田を過ぎる。二回ほど沢を渡り、沢の両脇は迫ってくる。二俣で右に進み、その後沢から離れ稜線に向けて登っていく。地図上では、左の沢沿いに進む道があるが、その道は整備されていないようだ。急坂を登り、そのうち尾根のすぐ左側山腹をほぼ平らに進んでいく。小沢を二、三か所こす。11時過ぎ、道が少し広くなり集落跡が現れる。分岐部の道標は沢沿いで来る道を示すが、道筋ははっきりない。
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平らな山腹の森を行く |
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石壁だけが残る民家あと |
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切通しもある幅の広い古道 |
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古道の入口にて |
道脇の石壁が残る民家跡を見た後、少し平らに進む。道は右におれ、また左に折れて高度を上げる。道は幅がそこそこ広く、ジグザグに高度を上げる。ところどころ崩れているところがあるが、もともとは車も通れたのではないかと、思われる良い道だ。12時、舗装路にでて古道歩きは終わる。山の上は霧雨が降っている。舗装路を進み、草山南峰の登山口に行く。12時16分、登山口の脇で食事休憩をとる。
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淡蘭古道との合流点 |
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舗装路の終点にある民家 |
30分ほどの休憩の間に、霧が出てくる。草山南峰に登っても、風と霧ではつまらないので、登頂はあきらめる。舗装路を進み、直接牡丹古道の入口へ向かう。
先月は燦光寮古道へ下っていった分岐は、そのまま左に進む。12時58分、左に草山南峰の稜線に登る登山道の入口を過ぎる。天気がよければ、ここへ下ってくる予定だった。下がり気味に進む舗装路は、13時7分、右から淡蘭古道を合わせる。さらに5分ほど下り、右に下る道を取る。
数年前はここから登ってきた。相変わらず天気は良くないが、雨は止んだ。
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民家の近くから谷間を見る |
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牡丹古道を進む |
数分下ると、大きな墓を見る。さらに下り13時22分、前に大きな養殖池のある民家で舗装路は終わる。民家の左へ進み、古道に入る。最近は淡蘭古道が脚光を浴び、地方政府による道整備が行われている。それから遠くない牡丹古道は、残念ながらその一部でないため、ボランティアが手入れしその後しばらくは歩かれても、人出がなくなるとすぐに自然に戻ってしまう。5年前はしっかりしていた道筋は、草におおわれ頼りない。それでも一部崩れている部分を除けば、路床はわかるので迷うことはない。
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樹木が生えた棚田あと |
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石壁の残る廃屋を上から見る |
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廃屋の前には石臼が土に埋まっている |
山腹をトラバースしていく場所で一度休み、石段などがある坂道を下っていく。そのうち棚田跡が現れる。棚田から大きく下り、13時52分かなり規模の石壁が残る廃屋の上に出る。豚小屋跡なども残る、大きな家屋だ。廃屋からまた下っていく。14時過ぎ右へ道を分け、すぐに庚子寮山(標高315m)の基石を見る。頂上というよりは、基石があるのでこの名称だ。さらに数分進むと、今度は庚子寮山西南峰がある。こちらは表示板もない。
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石段が残る古道 |
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@庚仔寮山 |
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古い道標が廃棄電柱についている |
その少し先、道筋が消えてしまっている。少し戻り探すが、それらしいものはない。森の間を地図上の方向へ進むと、果たしてまた道筋がある。草の間を下っていく。14時30分、分岐の道しるべを見る。2012年日付の道標では左に道が分かれるはずだが、倒木でふさがれている。少し先には、左へ大觀寺への道が分かれるはずだが、それらしきものがない。予定では大觀寺経由で下るつもりだったが、一番はっきりしている道を下っていく。尾根上を行く道は、ところどころ草に埋もれているがまだ新しいマーカーリボンがあるので助かる。最近の清明節墓参りで草刈りされたと思われる場所を過ぎて間もなく、14時51分、石筍24號之1の住所プレートがある民家の登山口に降りる。
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草深い道を下る |
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民家のある登山口に着いた |
民家は、きれいだが人が住んでいる気配はない。少し休憩し、舗装路を下っていく。沢筋で汚れた長靴を洗う。下ること約30分、石筍大橋を渡り瑞雙公路に出る。天気は回復気味で、山の霧ははれている。振り返れば先ほど山越えしてきた峰々が望める。遠くには燦光寮山や草山が控えている。鉄道線路沿いに道をとり歩く。参加メンバーの一人の実家の前を通り過ぎ、16時過ぎに雙溪駅に着く。16時24分発の区間電車で台北へ帰った。
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遠くに燦光寮山や草山が見える |
今日の行程前半南勢坑古道は、まだ道筋がはっきりしているが、後半の牡丹古道はかなり草深くなっている。前半は問題ないが、後半は体力的には問題ないが、道を探し出せる経験がないと迷うかもしれない。草山から南に下る山並みは、緩やかでもともとはかなり奥まで住人が暮らしていた。今は廃棄された棚田や古道だが、そうした人々の暮らしを支えていた。自然に親しむとともに、日本でいう里山的な山歩きは、そうした歴史に触れることもできる。約15㎞の歩行距離、累計で約750mの登坂だ。休憩込みで約6時間半の行動時間だった。
世界中は今現在、武漢肺炎に苦しんでいる。幸い台湾は、素早い対応でその影響をミニマムに抑えている。駅の待合室でもプラットフォームのベンチでも、ソーシャル・ディスタンスを確保するために、間を開けるように印がつけられている。それでも、このように出かけて山を歩けるのは、実に幸せだと思う。
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