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2020-03-18

2020年3月17日 東北角巫里岸山 - 草山南峰 - 石笋(筍)古道

草山山頂から草山南峰とその周辺を見下ろす(2014/4撮影)
樹木がほとんどなくその名の通りの草山は、台湾の東北端にある目立つ山だ。その山から南になだらかに尾根が下っていく。稜線上には、草山南峰や南草山などの小ピークを経て、福隆へ降りていく。稜線の東側は海であり、稜線を横切り内部と海岸とを結ぶ道がある。今回は、登山道である雞母嶺-巫里岸山の尾根道から登り、主稜線の反対側は燦光寮古道支線と石笋(筍)古道をへて牡丹駅へ下った。

東の和美から西へ歩く
歩行高度表
この山塊の谷間には、生活がある。今も住人がいるが、以前はそのさらの奥の谷間にも人が暮らしていた。この集落を道がつないでいた。今は古道と呼ばれる道だ。ハイカーが歩くような運動やレクリエーションではなく、毎日の生活の必要で開かれ使われた道だ。住居と田畑、または麓の市場などを結ぶ。住人は歩きやすくするために石段を作り、家内安全や願い事祈願のために土地公の祠を建てた。今回の行程の後半は、まさにこうした場所が残る古道を歩いた。最近注目を浴びている淡蘭古道は、清朝時代の官製道路で草山の尾根沿いに下っていく。燦光寮古道や石笋古道は、この淡蘭古道へとつないでいる。

海岸脇の和美バス停で下車
今日は平日だが、13名のパーティだ。基隆駅近くのバス停で8時40分に791番バスに乗車する。バスは海沿いの濱海公路を進む。天気が良く、沖合まではっきりしている。9時半前、和美バス停で下車する。約50分の乗車だ。警察派出所の脇の山門から和美街を進む。ここは小さな海辺の集落だ。雞母嶺への道は、車道をずっと進みその最終点にある民家から登るものと、和美の集落が切れたところで右に曲がる道を進み、すぐに雞母嶺の尾根に取りついていく道の二つがある。ここは左にとって、車道を登っていく。

車道を登っていくと視界が広がる
車道の終わりは民家
バス停から十数分歩くと、高度も上がってくる。振り向けば海が下に広がる。そこそこの勾配でちょっと辛い。10時、坂が終わり道は平らになる。左遠くには、雪山山脈尾稜の山々が望める。さらに数分で、十字路にくる。右に鋭角で曲がる道をとる。10時16分、道最後の民家が現れる。庭先を通り家屋脇の道を進む。すぐに、右にかなり大きなため池を見る。灌漑用の物だろう。この地区の山には時々見かけるものだ。池の脇に踏み跡がある。これがどうやら山道のようだ。しかし、道標も何もない。最近藍天隊が、雞母嶺-巫里岸山の稜線道を整理したが、こちらの道でなくもう一つの稜線上を登る道のようだ。

ため池がある
不明瞭な踏み跡を登る
こちらは、ほとんど歩かれていない。踏み跡もはっきりしないが、幸い赤いマーカーリボンがところどころ取り付けられている。雞母嶺山頂へも距離は大したことがないので、方向を見定めて進む。ところどころ棘の植物が出てくる。鎌を取り出し刈り取る。20分ほど道を探しながら進み、草刈されている稜線道にひょっこり出る。左に折れて少し進み、10時45分雞母嶺山頂(標高294m)に着く。樹木に囲まれた山頂は、草が広く刈り取られている。

@雞母嶺山頂
草刈された坂道を登る
巫里岸山へ向けて歩き始める。こちらは、しっかり草刈され道ははっきりしている。毎度のことだが、ボランティアの道草刈整理は本当にありがたい。軽石のような大きな石が道端にところどころある。ちょっと不思議に思う。雞母嶺山頂から20分ほどの登りで樹木の中からカヤの急坂になる。ここもしっかり草刈されていて助かる。密生するカヤの藪漕ぎほど大変なことはない。振り返れば、海はだいぶ下のほうになっている。和美山も望める。また雑木林に入り、道は緩やかに尾根上を進む。11時半、竹が生える巫里岸山山頂(標高450m)に着く。少し早いが、ここで食事休憩をとる。

 巫里岸山山頂の筆者
草山南峰に向けて登る、背後は草山
30分ほどの休憩後、稜線をさらに進む。10分足らずで舗装路に出る。右に少し行くと、海側の景色が広がる。道を進むと右に、最近草刈された南勢坑古道の入口がある。いずれこの道も歩こう。舗装路を追っていく。少し下り、また登り返す。前方に草山が近づいてくる。12時27分、左に草山南峰への登山口がある。道の状態もよさそうだし、時間も早いので山頂を往復する。草だけの山なので、少し登ると展望が広がる。10分足らずで、二つのピーク鞍部に着く。右にさらに山頂へ登る。12時41分、南峰山頂(標高625m)に着く。今日の行程、最高点になる。草だけの山頂なので、周囲はすべて望める。北側には、燦光寮山、半屏山そして草山が連なっている。

草山南峰山頂から燦光寮山(左),半屏山と草山を望む
南峰から福隆方向を見る、左に見える山頂は先ほどの巫里岸山
淡蘭古道の分岐、左が燦光寮山支線だ
地図上にはもう一つ、舗装路に下る道があるが、こちらは草が深く往路を下る。南峰直下からは、南側に福隆方向の海と山々が見える。福隆手前の低い山は、今年初めに訪れた美艷山,火炎山だ。その手前のピークは先ほど歩いた巫里岸山のようだ。舗装路はすぐに右へ草山方向の戰備道が分岐する。左に下っていく。すぐにまた分岐を右にとって下る。13時14分、淡蘭古道に合流する。右に古道を下る。3,4分ほどでまた分岐がある。淡蘭古道は右方向だが、左の燦光寮古道支線をとる。数年前に歩いたことのある古道だが、道筋もはっきりしている。13時24分、立派な木製道しるべの分岐部で休憩をとる。

燦光寮古道支線の沢を越える
石笋古道への分岐
道は急坂で沢に下り、しばらく沢沿いに進んでいく。沢から離れ13時55分、分岐に来る。右は燦光寮古道支線で十三層老樹バス停へ続き、左は石笋古道である。本来、右にバス停へ降りて15時半発のF812新バスに乗る予定であった。しかし、藍天隊が雞母嶺-巫里岸山の草刈をしてくれて、とても早く通過できたので、予定より短時間でここまで来た。このまま下ってもバス停で1時間ほど待たなければならない。そこで石笋古道経由でそのまま牡丹駅まで歩くことにする。

規模の大きな棚田跡、今たっているところも棚田の一層
土地公石祠
石段を下る
石笋古道はすぐに急坂で沢に降りる。長い石段も現れる。沢沿いを進むと14時13分、棚田跡が次々と現れ始める。上から下まで六段ほどの大きな棚田もある。そのすぐ近くには土地公石祠もある。すでに焼香はされていないようだが、祠はしっかりしている。14時半、分岐に来る。右に取って少し行くと、民家跡の石壁がある。ここから牡丹駅までの部分は、5年ほど前に一度登ってきたことがある。

廃屋の石壁
牡丹駅に向け石笋古道最後の下り
家屋遺跡からすぐわきの棚田跡を過ぎ、しばらく登りになる。10分ほどで登りが終わり、右に石笋尖山(標高269m)へ登る。ほんの2,3分で頂上だ。ちょうど氷が解けて飲み頃のビールを開け、みんなで少しづつ味わう。分岐に戻り、さらに下る。桂竹の間をすぎ、15時22分、舗装路脇の登山口に着く。道なりに下り、15時33分牡丹駅に着く。牡丹は小さな山間の集落だ。駅近くの民家が親切にブラシを貸してくれて、長靴の汚れを洗う。16時28分発の區間車で台北に帰った。

牡丹の集落に降りる
もともと乗る予定だったF812バスが牡丹駅に着く
約6時間、約12㎞の道のりであった。天気に恵まれ、山の上では風も吹いて暑くなく、素晴らしい展望もあった。手入れされた山道や、古道も状態が良く、よいハイキングができた。今の時期は、晴れと雨が交互にくるが、天気が当たればよてもよい山登りができる。道筋もはっきりしている。今日のルートはレベル3、地図があれば問題ないコースだ。

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