このブログを検索:山名などキーワードを入れてください

2020-03-13

2020年3月12日 百岳郡大山 近郊低山登山のような短時間高山登山

八通關山への登りで望む郡大山、右に西巒大山への稜線(2017/7撮影)
群大山は標高3265mある。しかし、わずか歩行5,6時間で登頂下山ができる。それは登山口がすでに標高2800mを越え、少しの登りで登頂できるからである。それを可能にしているのは、群大林道である。21号線の信義から始まる群大林道は、もともとは山奥にある原住民郡大社近くを通り、なんと中央山脈の最高峰秀姑巒山のふもとまで通じていた。当時の登山であれば、かなり奥の山まで車で行くとができたが、今は多くが廃棄されている。それでも32Kに位置する郡大山登山口やさらに奥の中央山脈南三段の登山口までは、車で入れる。

林道32K登山口から郡大山を往復
往復の高度表
近郊低山登山化された高山登山といわれるが、それでも標高は高いので低山と同じというわけにはいかない。車で行くとは言え、かなり高い登山口まで行くのは、簡単ではない。今回台北からの往復を頼んだ車は、郡大山登山口まではいけない。郡大林道を走るのは、車高の高い四駆車でないと無理だ。気候条件も当然違う。それなりの準備と対応が必要なのは、言うまでもない。我々は、林道の登山口往復は地元の四駆車サービスを別途使用した。
西巒大山との位置関係
郡大林道入口
昨日西巒大山下山後、信義望鄉の民宿に投宿した。今朝5時過ぎに起床する。6時から民宿の朝食が始まる。食事をすませ、今日の登山に不要なものを残し、予約していた四駆車に乗る。6時半過ぎ、四駆車で出発する。21号線を北に向かい、約10分ほどで郡大林道に入る。林道はすぐに登り始める。メンテ工事が行われている部分は、林道の状態もよく、揺れも少ない。大きながけ崩れ部分は、修復工事が進行中だ。つづら折れで高度をグングン上げていく。標高約620mの入口から32㎞で登山口の約2850mまで高度を上げるのだ。

林道 19K地点を行く
事務所ゲート近くのベニヒ神木
覚えていられないほどの数のヘアピンカーブを通り過ぎていく。12Kを過ぎる辺りから雲の上になる。17.5Kを過ぎ、道端に巨木を見る。林道のすぐわきに残された巨木は、特別な意味があったのか。20Kを過ぎると舗装が途切れ、土の道となる。同時に、車の揺れも大きくなる。22Kを過ぎて間もなく、7時56分前方に林道事務所が現れる。お手洗いもあり、小休憩をとる。入口にはゲートがあり、ここも開放時間は夕方5時までだ。紅檜(ベニヒ)の神木が道脇に祠を前に高くそびえる。事務所の高台からは、谷間を埋める雲海が眼前に広がる。つながれている二匹の犬がしきりに吠える。

林道30K、登山口まであとわずか
アカマツ林の道、樹皮がはがされている
十数分の休憩後、また四駆車で登山口を目指す。高度があがり山腹をトラバースしていくようになると、左に昨日登山の西巒大山から金子山、清水山へと続く山並が雲上に続いている。8時46分、32K登山口に到着する。林道入口から約2時間を要した。早速登山口から登り始める。アカマツの間のジグザグ道を登っていく。約10分ほどで稜線に上がる。何本かの幹の樹皮が剥がれている。おそらく水鹿の仕業だろう。少し稜線上の道を行くとヤタケの間の道を進む。9時22分、大きな通信設備のある望鄉山に到着する。山頂は樹木に囲まれている。登ってきた反対側に細い道が降りていく。東埔からの道だ。歩く人がほとんどいないようだ。

望鄉山山頂、背後に通信設備
濃霧の中を群大山北峰へ登る
郡大山に向けて稜線を歩いていく。濃霧の中で周囲の景色は見えない。小さな登り下りのあと、郡大山北峰に向けて急坂が始まる。登りの途中では岩場も現れる。北峰への標高差は約200mだ。前を歩いていた単独行の登山者に追いつく。約40分ほどの急坂のあと緩やかな稜線が続く。10時55分、北峰と思われる場所につく。全員がそろい、また少し下る。主峰までの間は、それほど大きな上下がない。

枯れたヤタケの道を主峰へ向かう
@群大山山頂
岩場を下る
稜線を西から東に吹き抜けていく風が強い。風のあたらない場所で休憩をとり、さらに進む。道はヤタケの間をいくが、枯れている。それでも緑の葉をつけたものもある。世代交代なのだろうか。最後に稜線は右に大きく折れ曲がり、少しの坂を登りつめる。12時、郡大山山頂(標高3263m)につく。樹木に囲まれていない山頂は、晴れていればかなりの展望ができるだろうが、今日は全く望めない。風も強いので、写真を写した後12時17分、往路を下山し始める。稜線の東側を行く道の風のあたらない場所で、休憩し昼食をとる。

一瞬ふもとが見える
濃霧の中を望鄉山へ
アカマツ林を登山口へ
20分足らずの休憩後、引き続き往路を行く。北峰を越え、急な下り坂の途中で登ってくる数名のパーティとすれ違う。今から登っていくとのであると17時の門限までに間に合わせるため、ちょっと急がなければならないだろう。下り途中で、瞬間霧が薄くなり、谷間が現れるが、すぐにまた閉ざされてしまう。途中小休憩をとり、14時19分望鄉山に戻る。引き続き下る。道脇のサルオガセには雫がついている。ヤタケの間から抜け出し、アカマツ林の間を下る。14時40分、登山口に降り立つ。6時間弱の往復時間であった。距離は7㎞強である。

下りに見る林道わきの寒緋桜、中腹以下は天気がよい
林道から山を望む、稜線は雲の中
 望鄉山に咲く馬酔木の花
15時前、四駆車で林道を下り始める。30分ほどでゲートに来る。係員に開けてもらい引き続き下っていく。そのうち道には陽光が差し込む。今日は山の上は雲に覆われていたが、麓は良い天気のようだ。16時25分、4Kの付近で我々の車が待っていた。ここで乗り換える。着替えなどをすませ、17時過ぎに台北に向けて帰り始める。途中集集の街で立ち止まり、夕食をとる。ビールや残っていたお酒を開ける。台北駅には21時40分過ぎに帰り着いた。


ちなみに、3/10~12の3日間の三山登山費用は、台北から目的地往復八人乗シャトルサービスが一台14000元、七人乗四駆車一台5000元、民宿が朝食込みで一人400元である。

0 件のコメント:

コメントを投稿