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2020-03-23

2020年3月22日 坪林倒吊嶺 氷河時代の生き残り稀少樹油杉を求めて登る

巨木台灣油杉
台灣油杉は、現在台湾の坪林と南部北大武山近くにのみ生存する稀少な樹木である。氷河時代からの生き残りで、樹皮などは高山にはえる鐵杉(台湾ツガ)に似ているが、油杉は低山に生える。中国にもあるそうだが、台湾油杉は現在確認されている数は数百株に過ぎず、保護の対象となっている。油杉が生存する倒吊嶺は、今まで二度ほど訪れている。最近は先月末に、南にある倒吊子山から稜線を縦走して訪れた。しかし縦走路では、油杉の生えている場所は通らない。そこで、今回は、油杉を見るために倒吊嶺の東西二斜面の道を歩いた。油杉歩道とされている道では、巨木も含め数株の油杉を見た。

坪林から歩き始める
前半は平らなサイクリング道歩き
倒吊嶺の東側は𩻸魚堀溪の谷間で、北宜公路が通う。北宜公路の坪林から宜蘭の間は、公共交通機関がない。そこで坪林から倒吊嶺の登山口まで、𩻸魚堀溪サイクリング道を歩いた。東側は、二本の油杉歩道がある。今回は右(北)側の歩道から登った。下山は、倒吊蓮山から最近藍天隊が道整理をしてくれた油杉歩道をへて西側金瓜寮溪脇の新鐵馬樂園へ下山した。下山後は、F723新バスで坪林へ戻った。登山対象としては倒吊嶺だけだ。

坪林の街をあとに北宜公路を行く
大林橋を渡った対岸にサイクリング道
MRT新店駅を8時発の923番バスで坪林國中バス停に向かう。8時40分前に到着する。今日は天気がよく、周囲の山々もはっきり見える。去年北宜公路石牌公園から北宜公路舊道(淡蘭古道南路の一部)を歩いたときに、通り過ぎた𩻸魚堀溪サイクリング道へ向けて歩き始める。北勢溪を渡る。橋の上では、大勢のバードウォッチャーが川わきの樹木に生息する白鷺を撮影している。坪林茶博物館の前を通り、北宜公路を少し登る。休日の今日はバイクやスポーツカーがたくさん通る。登ったところで右に折れ、𩻸魚堀溪へ下って大林橋を渡る。9時2分、橋のたもとからサイクリング道が始まる。

𩻸魚堀溪の向こうに倒吊嶺とそれに続く峰々
鶯仔瀨橋
キャンプ場を過ぎ再び橋を渡る
10分ほど歩き、沢の両岸が開ける。前方に倒吊嶺がその右方向に倒吊子山への稜線を伴って現れる。沢では釣り人が糸を垂れている。9時14分、サイクリング道が終わり車道を歩く。道は大きく曲がる沢にそっていく。9時31分、数台の車が停めてある涼亭で休憩する。またサイクリング道が始まる。9時50分、アーチ構造の鶯子瀨橋を渡り、沢の右岸を行く。キャンプ場をすぎ、また橋で沢を渡る。家族づれが沢で水遊びをしている。10時13分、石嘈橋を渡り、再び右岸を行く。このサイクリング道は、高そうな橋やずっと続く欄干など、かなり費用をかけている。時間が早いせいか、サイクリストは全くいない。10時22分、大きな樹木の下で休憩をとる。

石嶆橋から見る倒吊嶺、だいぶ近づいた
清雲橋を渡り右に折れる
登山口へ向けて最後の車道歩き
油杉歩道への道標、左右両方とも歩道がある
休憩後数分行き、サイクリング道は終わる。そのすぐ先清雲橋を渡り、右に登山口に向けて登り始める。前方に倒吊嶺が高くかぶさってくる。10時44分、左右両方を示す油杉歩道の道しるべを見る。右をとり、引き続き車道を登っていく。大きく曲がり、眼前には斜面に茶畑が広がる。分岐は直進し、最後の民家を過ぎる。道脇にサルスベリがずっと植えられている。道は細くなり、小沢を橋で渡ると、11時4分油杉歩道入口の案内看板がある。

茶畑の向こうに倒吊嶺(東峰)
油杉歩道入口
最近草刈されたような階段道
山道は急坂だ。階段がしばらく続く。草がきれいに刈られている。刈られた草はまだ青く、機械で刈られたようだ。藍天隊が去年末にはいっているが、この草刈は別に地元政府などが行ったものではないか。歩きやすい山道は、二カ所ほど小沢を過ぎる。そのうちジグザグに高度を上げていく。途中小休憩てさらに急坂を登る。11時54分、突然眼前に油杉の巨木が現れる。大人三,四人ぐらいが手を広げてやっと囲えるぐらいの太さだろう。さらに急坂を登り、12時尾根上に上がる。もう一つの油杉歩道と合流する。そこで休憩をとる。

急坂が続く
ジグザグ道を登る
油杉巨木前のメンバー
尾根上の分岐
油杉の脇の急登
油杉は尾根上に生えるものが多いそうだ。まだ細いものも含めて、数本の油杉を見る。数が少ないので、花粉の受精が難しく幼苗がうまく育つのも難しいという。そのため、保護管理する林務局には油杉の苗床がある。尾根上もかなり急な坂が続く。12時31分、倒吊嶺東峰への分岐を過ぎる。道はいったん下り登り返す。この辺りは杉の人造林だ。12時38分、二度目の倒吊嶺山頂(標高647m)を踏む。長めの昼食休憩をとる。冷えたビールがうまい。

倒吊嶺頂上前の杉林
@倒吊嶺山頂
茶畑の脇をトラバースしていく
13時30分過ぎ、下山を始める。今度は西側斜面の油杉を見る。先月末に歩いた道を下っていく。13時53分、倒吊蓮山(標高484m)を通過する。さらに少し下り、分岐を左に取る。道は山腹をトラバースしていく。前回は、右におれてそのまま坪林へ下った。トラバース道は茶畑が現れ、通り過ぎる。そのうち草原にでて、14時9分倒吊嶺造林道から下ってくる道と合流する。さらに草原を下り、左に龜窟崙方向の道を分ける。
草原にでて分岐につく
油杉保留区の柵
森の中に入り、14時19分油杉保護区の木柵に来る。すぐ下に、A004号の札をつけた油杉が現れる。こちらの油杉には、それぞれ認識番号が取り付けられている。下ると、尾根を行く道と右に折れる道の分岐がある。そのまま尾根を進む。A005の油杉を見る。道はここまででまた分岐に戻る。急坂を下ると012の札のある油杉大木のところで右から道を合わせる。おおむね、西側のほうが大木が多いようだ。分岐から少し行くと、坪林台灣油杉自然保留區の説明看板がある。そのわきには油保と刻まれた保留区境界石が埋まっている。

A005号の油杉
油杉自然保留区の説明板とその右に保護区境界石
足場の良くない谷間の道を下る
去年折り返した崖部分
A018号油杉
下ったところに左の谷間方法を示す藍天隊の道しるべがある。そのまま尾根を追って少し小高いところに行くが、その先道がない。おそらく藍天隊もその先斜度が急すぎるので、先ほどの谷を行くほうをとったようだ。分岐へ戻り谷を下る。足元はザレが多く、足を取られないように注意する。そのうち右へトラバースするが、その部分も急斜面でザレている慎重に過ぎる。この場所は、昨年夏新鐵馬樂園から登ってきて、道筋がなくなり引き返した場所だ。尾根上の道を少し下り、14時54分A018号油杉大木の下で休憩をとる。

草刈された坂を下る
古水圳步道へ降りる
去年は草深くて苦労した尾根道は、藍天隊がしっかり草刈していて道筋もはっきりしている。歩く人が少なければ、来年また元の木阿弥だろうが。15時19分古水圳步道に降りる。半分土砂で埋まってしまっている旧水路の道を進む、15時31分分岐にくる。ここで右に折れて舗装路を下る。苔で滑りやすい道を気を付けて下り、茶畑を突っ切り15時39分新鐵馬樂園バス停に着く。新バス折り返し点九芎根101バス停を16時発のF722/723を待つ。16時14分、F722と723が二台連なってやってくる。ほとんど空車のF723に乗る。16時29分、坪林總站(バスターミナル)近くで下車、總站につくとちょうど923番バスが発車するところであった。事故があったようで、第5号高速にのるまで40分近くを要したが、その後は混雑もなく17時50分新店區公所駅に到着した。

新鐵馬樂園へついた
A018号油杉下の筆者
今回は、台湾油杉を見るための登山であった。油杉が生える倒吊嶺の東西両側を同時に訪れた。東側は油杉歩道が二本あり、もう一つのほうは歩いていないのでわからないが、西側に比べると少ない感じがする。西側は、一部道の状態は良くないので、気を付けて通過することだ。休憩も含め7時間、約8㎞ほどが平らなサイクリング道だが、都合12.6㎞の距離である。登りは累計720m、倒吊嶺がほぼその主な部分だ。油杉を見たいのであれば、早い時期に訪れたほうがよい。特に西側は、一年もたてばまた草に埋もれる部分が多い。

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