雲上の縦走路、雲峰から雲を戴いた秀姑巒山(最奥)、大水窟山、達芬尖山、轆轆山の峰々を望む |
達芬尖山山頂のメンバー、背後は玉山連峰 |
虹の縦走路 |
北の東埔から南の向陽遊樂區へ縦走 |
九日間の歩行高度表 |
台湾南部の中央山脈南二段 |
拉庫拉庫溪の谷を雲海が埋める、右奥の山は新康山 |
気持ちのよいアカマツ林と間に現れる草原 |
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第一日 12月8日(土) 台北 - 台中 - 水里 - 東埔 - 樂樂山屋
東埔から八通關古道を樂樂山屋へ |
歩行高度表 |
台中の干城路で總達客運のバスに乗車 |
水里で員林客運のバスに乗り換える |
東埔バス停に到着 |
東埔の温泉街を望む |
集落中の登山口(Aさんカメラ) |
阿玉を食べて小休憩 |
崖沿いの古道を行く |
雲龍瀑布が奥に見える、古道は崖を横切って進む |
危ない場所には橋や桟道が造られている |
吊り橋、これを越えると入園許可が必要 |
樂樂山屋は少し小さい小屋だが、つめれば八人は問題ないだろう。各自東埔で買ってきた食べ物や、持参の食料を料理して食べる。外国人グループは山を目指すのではなく、自然の中を歩くためということで、まだ外で話をしているが、われわれは20時過ぎには就寝する。
樂樂山屋の内部 |
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第二日 12月9日(日)樂樂山屋 - 觀高坪 - 高繞路 - 八通關草原 - 中央金礦山屋
樂樂山屋から八通關古道を経て中央金礦山屋へ歩く |
高巻きして八通關草原に出た後は、ほぼ平らな道を行く |
7時半に小屋を出発 |
高巻き部分から谷を望む |
乙女瀑布 |
古道を行く |
がけ崩れ部分を越す |
對高駐在所あとで休憩 |
ベニヒの巨木わきを行く |
休憩場所 |
古道わきに水が染み出している |
明るい道を進む、觀高はもうすぐだ |
觀高坪、道標わきの道を下がると以前林業宿舎の小屋がある |
觀高坪を出発する |
高巻き道の入口 |
急坂を登る |
霧のでてきた草原を下る |
八通關草原への分岐 |
高巻き道から古道におりたところ |
達芬尖山が見える |
陽が傾きだした古道を急ぐ |
巴奈伊克山屋、扉はない |
中央金礦山屋前のがけ崩れ |
中央金礦山屋 |
山小屋内部 |
第三日 12月10日(月)中央金礦山屋 - 白洋金礦山屋 - 秀姑巒山 - 白洋金礦山屋
中央金礦山屋から白洋金礦山屋へ登り、秀姑巒山を往復 |
歩行高度、最高点は秀姑巒山 |
6時半出発する |
坂道が始まる |
鎖場が現れる |
アカマツ林の向こうに稜線が見え始める |
アカマツ(二葉松)林の中の道は、ところどころ湿っていたり、鎖場があったりするが、おおむね道の状態はよい。7時50分、高度が3000mを越え、遠くの景色も見えるようなる。谷間の向こうには、玉山主峰と東峰が重なり見え隠れする。歩みを進めるに従い、道脇の樹木も背が低くなり、陽光がさしこみ明るくなる。8時40分、八通關から8.5Kを過ぎる。白洋金礦山屋まで残り1キロ足らずだ。上方から下ってくる、二人の登山者とすれ違う。
高度が上がり、谷の向こうに玉山連峰が見える |
積み上げられた石壁の中に神棚 |
白洋金礦山屋 |
小屋内部 |
小屋裏の金鉱坑道跡と沢 |
秀姑坪鞍部へ向けてザレを登る |
秀姑坪の分岐、ザックがたくさん置いてある |
秀姑坪は、もともとニイタカビャクシン(玉山圓柏)の原生林があったという。300年ほど前に山火事があり、森林は喪失した。なだらかな斜面に、白いビャクシンの枯れた幹が転がっている。火事で焼けた跡の見受けられるものもある。今では、10月に登り通り過ぎた雪山翠池付近のビャクシンが、台湾で一番大きな原生林である。秀姑坪のビャクシンが、また立派な森林となるには、少なくともあと数百年かかるのだろう。自然の営みは、人間のスパンよりはるかに長い。
倒れたビャクシンの幹と、まだ小さいビャクシン |
岩場を行く |
岩場のコダマギク |
頂上に向けて登る |
秀姑巒山山頂の筆者、背後は馬博拉斯山 |
霧がかかってきた中下山する |
秀姑坪へ下る |
白洋金礦山屋に戻った |
夕空に玉山連峰のシルエット |
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第四日 12月11日(火) 白洋金礦山屋 - 秀姑坪 - 大水窟山 - 大水窟山屋
白洋金礦山屋から大水窟山を越えて大水窟山屋へ |
歩行高度表 |
山小屋から見る玉山連峰は朝陽に染まる |
ビャクシンの枯れ木 |
秀姑巒山を背景に立つ枯木 |
秀姑坪起算のキロポスト |
新康山を望む、手前の大水窟草原には山小屋が見える |
西には玉山連峰 |
遠く玉里と背後に海岸山脈が見える |
平たい頂上の一角に登りついた、背後は秀姑巒山 |
@大水窟山山頂 |
これから歩く南二段の山々が連なる、奥の高い山は雲峰、その後に關山、手前のとんがりピークは達芬尖山 |
強い風で片側に枝がなびいて成長したビャクシン |
急になった坂を下る |
広い草原を行く |
大水窟池と山小屋 |
下弦の月が空にかかる |
17時過ぎに日が沈んだ後外に出てみる。下弦の月が西の空に浮かんでいる。中に入りしばらくすると、昨日と同じようにヘッドライトをつけてBさんがやってきた。彼は、われわれと同じように南二段を縦走していく。20時ごろに就寝する。外では、水鹿がやってきたようだが、今回はわざわざ外に出て見ることはしなかった。今日までは、12月8日に早めに歩き始めたことによる貯金があったが、明日からは当初の予定通りのスケジュールになる。
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第五日 12月12日(水) 大水窟山屋 - 南大水窟山 - 達芬尖山 - 搭芬谷山屋
大水窟山屋から妲芬尖山を越えて搭芬谷山屋へ歩く |
全体的に下りの歩き |
朝陽が大水窟の草原と山をピンクに染める |
登るにつれ、山小屋が小さくなる |
朝陽で雲海に黄金色の波がたつ |
玉山北峰の上に笠雲 |
広大な草原の向こうに雲海が広がる |
南大水窟山山頂 |
切り立った小ピークの向こうに達芬尖山 |
ピークの右側山腹をトラバースしていく、遠くは玉山連峰 |
松葉絨毯の道を行く |
もともとは荖濃溪へ下る道が分岐する場所と思われる |
4Kテント場、中心に池、キロポスト脇には動物の骨が置いてある |
達芬尖山が近づいてくる |
達芬尖山登山口近くに来た |
空身で急坂を達芬尖山へ登る |
山頂から望む玉山連峰(左)、大水窟山と手前の縦走稜線 |
山頂から南方向を望む、左が新康山,その右に三叉山,南雙頭山,右手前は轆轆山とその奥の雲峰 |
筆者@尖山、背後は玉山連峰 |
がけ崩れ部分を通過する |
アカマツ林を下る |
搭芬谷山屋 |
標高2600mの鞍部で松林に囲まれた山小屋は、風に揺れる松の音が途切れない。ここは小屋のある対面の壁から水が染み出し、よい水場をつくっている。ただし、小屋からちょっと離れたところにある、トイレはいただけない。汚物でいっぱいだ。玉山國家公園管理下にある山小屋は、この問題を解決しなければならないだろう。小屋の前には捨てられたガス缶やその他ゴミがある。台湾の登山者マナーもまだ問題だ。
残念なことに、小屋の前には多くのゴミ |
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第六日 12月13日(木) 搭芬谷山屋 - 搭芬山 - 搭芬池 - 轆轆山 - 轆轆谷山屋
搭芬谷山屋から百岳二座をを越えて轆轆谷山屋へ |
登りが基調の歩き |
小屋を後に出発 |
森の底はヤタケが密生している |
急坂を登る、背後には尖山 |
搭芬山頂上、向こうに轆轆山が見える |
山頂のメンバー |
北方向のパノラマ |
搭芬池 |
やせ尾根のカラマツ林を行く |
対向パーティとすれ違う |
岩場セクションを下る |
稜線の西側はタイワンツガの森だ |
立ち枯れの森から玉山方向を望む |
轆轆山頂上のメンバー |
轆轆谷山屋へ向けて下る |
霧が晴れてきて、谷間に小屋が見える |
轆轆谷山屋、小屋の向こうに明朝歩く道が見える |
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第七日12月14日(金) 轆轆谷山屋 - 雲峰 - 南雙頭山 - 拉庫音溪底山屋
轆轆谷山屋から拉庫音溪底山屋へ歩く、雲峰を往復し南雙頭山を越える |
長丁場の歩き |
轆轆谷山屋は電灯がつかない、ヘッドランプで朝食 |
20K近くの池 |
朝陽の差し込む松林を行く |
虹が出ている |
刀片岩を行く |
雲瀑が目の前で展開する |
主峰が眼前に現れる |
山頂のメンバー、背後は三叉山-向陽山 |
帰路上で、これから歩いていく尾根と南雙頭山を望む |
雲海上の登山者 |
分岐へ戻ってきた |
縦走路の岩場を過ぎる |
南雙頭山が近づいてくる |
稜線へ急坂を登る |
霧で展望がない南雙頭山上のメンバー |
霧の草原を下る |
高度がだいぶ下がり、対岸には明日登る三叉山への稜線が望める |
下方に沢が見える、小屋はもうすぐだ |
拉庫音溪を渡る |
拉庫音溪底山屋 |
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第八日 12月15日(土) 拉庫音溪底山屋 - 三叉山 (嘉明湖) - 嘉明湖山屋 - 向陽山 - 向陽山屋
拉庫音溪から三叉山へ登り、向陽山を経て向陽山屋へ |
歩行高度表 |
暗い中沢を渡渉する |
ヘッドランプを頼りに登る |
明けの明星が掛かる夜の底が赤くなる |
朝陽に草原が現れる、左は昨日登頂の雲峰、雲海の向こうは秀姑巒山から馬博橫斷の山々 |
日の出 |
茜色に染まる広大な草原 |
雲海に浮かぶ新康山 |
雲海と草原と峰々と |
長い登りももうすぐ終わる |
@新康山への分岐 |
@嘉明湖 |
向陽山(左)と向陽山北峰、縦走路が続く |
三叉山を背景に向陽山北峰に向けて登る |
嘉明湖山屋が見える |
@向陽山登山口 |
向陽山山頂の筆者 |
向陽山山頂から歩いてきた峰々の方向を望む、雲上の旅のフィナーレだ |
南方向を望む、關山が雲の上に頭を出している |
三叉山(左)と縦走中常に見えていた雲海に浮かぶ新康山 |
@向陽名樹 |
稜線を離れ向陽山屋へ下る |
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第九日 12月16日(日) 向陽山屋 - 向陽森林遊樂區 - 池上 - 台北
4Kあまりの下り道 |
ほとんど下りの歩き |
気温三度とちょっと寒い |
向陽登山口へ下る |
7時半に山道の終点に着き、林道を下っていく。8時半、向陽遊樂區入口に着く。ここで入山許可書類を係員に渡す。最近は熊が出没するので、これから入山する登山者に対し熊に関する説明をしている。熊鈴も置いてある。筆者は常に使っているが。9時50分にシャトルサービスのタクシーがやってきた。
向陽遊樂區登山口で乾杯!(Aさんカメラ) |
入口建物にはクマの目撃情報など |
南横公路から見る山並み |
池上駅で莒光號列車に乗車帰京する |
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九日間の山行は、去年夏の八通關古道横断以来である。その時は、調査隊に参加し食事などもすべてあつらえてもらった。それに比べると、今回はすべて自前である。筆者は、こうした高山縦走は、すべて自分で行ってはじめて意味があると考えている。自分で企画、荷物も自分で担いで進行する。別に山岳旅行社のツアーや協作ポーターを使用することを否定するわけではない。筆者の登山に対するこだわりの問題だ。このため、9日間の山旅だが食糧費などを除いた直接の費用は、山岳保険、交通費、向陽山屋の宿泊費(林務局管理下の山小屋は管理人が常駐し有料である)を含め約2700元、日本円で1万円足らずだ。コスパは実によい。もちろん、これは結果であって安くあげることが目的ではない。
大水窟の夜明け |
こんにちは。ルル山小屋で出会った8人組の陳です。またいつかどこのやまで会いましょう。
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