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2018-07-02

2018年6月30日 彰化橫山/南投集集大山 中部の小百岳二座

横山山頂
集集大山山頂
台湾の山岳は、盆地の台北付近にはぐるっと囲む多くの山があるが、中南部の平野部に近いところは東側にあるだけで対照的だ。これらの山の中に今回登山対象の横山(標高443m)と集集大山(標高1392m)がある。翌日日月潭のほとりにそびえる水社大山に登る前に、この二つの山に立ち寄った。前者は、彰化の東に南北に走る丘陵八卦山の最高峰になる。後者は、その名が示すようにずっと山容が大きい山だが、山頂にテレビなどの通信施設がありそのメンテ用に自動車道が続いている。そのため、ほとんど自分の足で登ることなく登頂できる。

二日間の登山対象(赤丸)
横山のハイキング軌跡(時計回李に回遊)
横山の歩行高度表
二座はともに、小百岳に選ばれている。日本では深田久弥の百名山がとても有名だ。台湾では、3000m峰を対象とした百岳がある。これは台湾島の背骨を構成する峰々が対象である。それに対し、台湾各地を代表する性格の山岳を、ハイキングなど健康増進にも役立つように選ばれた山が百座ある。それが小百岳である。百岳は、北から南に走る山脈に多く、縦走すれば一度に数座を走破することも可能だ。一方、小百岳は離れ島を含め、台湾全土に散らばっている。百座を完歩するのは、実は簡単ではない。

台地の畑の間から登った横山を振り返る
清水岩寺
筆者は今まで50数座を登ってきたが、中南部の小百岳を登るのはアクセスの問題で簡単ではない。今回水社大山は朝から登る必要がある。そのため付近に前日に宿泊するが,宿泊先へ向かう途上にある小百岳を登ることにした。参加者10名は二台のシェアカーに分乗して台北を出発する。台湾の小中学校は7月1日から夏休みが始まる。その初日前の休日は家族で出かける車も多いようだ。高速道路は、通常より車が多く、ところどころ渋滞している。9時12分、泰安レストエリアで、出発点の異なる二台は合流する。ここも人で溢れている。

甘露泉
第一高速道路を引き続き南下する。台中を過ぎる。彰化に入ってくると車の数がまた増え、スピードが遅くなる。76号快速道路に入ると、流量はぐっと減る。前方に八卦山台地が見えてくる。10時23分林厝インターチェンジで降り、137号線を南に清水岩寺を目指す。10時35分山門をくぐって寺院への道を進み、寺の前を過ぎて駐車場に着く。甘露泉と称される泉が近くに湧くお寺は、清朝時代からの古寺名刹である。周辺は整備されて歩道なども設けられている。

駐車場の上にある長青自行車道の説明板
道脇の竜眼
駐車場に車を停め、11時少し前駐車場の背後にある長青自行車(自転車)道に上がる。横山は、実は139乙号線の車道が、1㎞ほどで登れる觀日步道の入口前を通っている。そこまで車で行けば登頂はわけないが、それでは物足りない。我々は長青自行車道を登っていき、下山は十八彎古道をへて戻ることにする。左におれてゆっくり舗装路を行く。道端の龍眼がまだ少し小さいがたくさん実をつけてる。今年は、果物が豊作で価格も安い。10分ほどで右に山道が始まる。道標では長青自行車道挑戦ルートという位置づけだ。道はずっと舗装されている。

途中の休憩ベンチ、向こうには平野が広がる
長青自行車道もの残りすこし
自転車で走ることを想定しているので、挑戦ルートとはいえ、距離を取って勾配は緩い。すでに登山を終えた地元の人たちと思われるハイカーとすれ違う。今日は少し曇りぎみだが、中南部の夏はとても暑い。幸いに木陰でなおかつ風が吹いている。思っていたほどつらくはない。途中、木々の間から西に長く続く平地が見える。11時49分、139乙号線車道に出る。右前方に觀日步道入口がある。そこへ向かい少し休憩を取る。

觀日步道の入口
台地上の畑のわきを行く
横山山頂のメンバー
数分の休憩後、木階段を上る。階段が切れるとコンクリの道になる。長い階段を数分登り茶畑が広がる台地に出る。茶畑わきを進み、森が現れるとすぐ左に横山山頂(標高443m)が現れる。山頂といっても、背後は檳榔林で三角点が埋まっていることが、唯一山頂の証だ。展望はない。往路を引き返し、途中近道を下る。数分で139乙号線に降り立ち、左に進む。ほんの二、三分で十八彎古道の道標を見る。右に折れて、下っていく。すぐに台地に広がるお茶畑とパイナップル畑が現れる。パイナップルも今年は値崩れで、消費者は歓迎だが産地では大変だ。すでに収穫されている畑もまだの畑もある。

茶畑やパイナップル畑が台地上に広がる
土地公の角を曲がる
十八彎古道を下る
畑の間の真っすぐな道を行く。12時50分、10分ほどの歩きで畑が終わり少し下って民家が現れる。さらに進んで最近手入れがされて色彩が鮮明な土地公廟のわきを右に曲がる。やってきた方向をみると、先ほどの横山が長々と平らに広がっている。横山の名前はこれから付けられたのだろうか。12時56分、古道が下っていく。入り口には、ちょうど修理中の看板があり道がふさがれている。しかし、問題なく歩いて行けそうだ。そこで下っていく。台地は急に高度を下げていくので、ここは崖のような地形だ。急坂から橋をこえ、さらに進む。13時3分、涼亭が現れる。休憩をとる。涼亭には日めくりカレンダーが取り付けてあり、今日の日付になっている。地元民が毎日ここへきているのだろう。

涼亭で休憩
緩い坂の古道を進む
集集の街近くから見る集集大山
20分ほどゆっくり休み、緩くなった坂道を下る。一か所橋の工事が進行中だ。13時41分、古道入口に来る。ここも工事中の看板でふさがれている。右に進み清水岩園區に入る。その少し先で、13時51分出発点にもどる。約8㎞、三時間弱のハイキングであった。登りは累計380mだ。近くのお寺で顔や手を洗い、14時半に清水岩寺を後に集集大山へ向かう。

雨がふる中を集集大山へ登っていく
集集大山のメンバー(ZRさん撮影)
137号線を走り始めてまもなく、大雨が降り出した。137号線から152号、そして16号線を進む。前方に頭に霧をいただく大きな山が見える。集集大山だ。集集の街から投27号県道を進み富山小学校のわきを曲がって登り始める。山頂には通信設備が設けられ、それのメンテ用に一車線の道路が続いている。多くのつづら折りを経て高度を上げる。雨は降ったりやんだりだが、霧が立ち込め展望はない。檳榔畑が切れると竹林になる。途中落石が道に落ちているが、わきを通れる。15時40分、最上部に到着し車を降りる。雨模様の1400mの山は、肌寒い。先ほどの暑さとは別世界だ。集集大山電視轉播台と記されている建物のわきに、三角点(標高1392m)がある。ここも全く展望はない。

貓囒山から望む集集大山(2017/1撮影)

日月潭わきから見る水社大山
車で登頂したので、山登りとは言えないがもう一つ小百岳を訪れたことは事実だ。今年2月に訪れた巴塱衛山も全く歩く必要のない小百岳である。16時往路を下っていく。今回一台はSUVでもう一台はセダンだ。セダンは下りで車底をこすったそうだ。ここを訪れるには、4WDでなくても車高の高い車のほうが良いかもしれない。16号線にもどり、日月潭のわきを進む。明日登山の水社大山が湖面の向こうに大きくそびえている。17時40分、宿泊地の地母廟に到着。ここで、明日の水社大山登山に参加するほかの四名と合流する。近くの食堂で夕飯をとり、戻って22時までには就寝する。

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