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2020-11-04

2020年11月2日 三峽二鬮山-鳶山縱走 環台北天際線(スカイライン)を歩く

縦走の終わり近く長春嶺に立ち二鬮山から伸びる山並みを対岸に見る、背後は五寮尖から金面山

今秋の台北はぐづついた天気が多い。それでも、ここ三日間は晴れ間の日が続いた。最後の一日に以前歩こうと思っていた、三峽の二鬮山を歩くことにした。三峽は1000mを越える插天山脈をもカバーするが、この山域は三峽の中でも街に一番近いところだ。標高も200m~300mクラスの低山である。民家などが稜線のすぐ下まであるような場所もある。正直大したことがないと、タカをくくっていた。しかし、数年前に縦走したことがある五十分山や鳶山などの山々まで歩くと、標高にも関わらず相当の労力が必要だった。それは距離が長く、小さな上り下りが途切れることなく現れたことだ。

南側三峽二鬮からスート、逆コ字型に縦走
小刻みに上り下りを繰り返し、次第に高度を上げる
三峽の街のすぐ南西に、間に谷を挟んで二鬮山から長壽山への標高200m内外の山並みと、烏塗窟山から鳶山への300m内外の山が並んでいる。山の性格についての位置づけは台北市の南港山のような近郊低山である。つまり、付近の住人が良く通い、頂上に小屋を設けたり道の整備をしている。気軽に訪れることができる山である。特に鳶山から五十分山は、景色もよく整備もよい。一方、出発点の二鬮山付近も整備が良い。その間は、我々のように縦走する登山者が歩くだけのようで、草深いところもある。

台北盆地の南、平地との境辺りに位置する
コンビニ前の中央社區バス停で下車
平日でもあるため、メンバーは筆者をいれて六名である。MRT永寧駅から二鬮へバスがある。7時半ごろに永寧駅地上のバス停に着くと、すでに3名メンバーが待っている。そのうち二人が現れ、ちょうどやってきた9103番バスに乗る。本来二鬮と永寧を往復する藍46番バスのつもりであったが、この路線も二鬮を通過する。台3線は、現在MRTの高架橋工事が進行中だ。それが朝の混雑に輪をかける。約50分ほどかけてやっと中央社區バス停に到着する。

永福宮を見て右の道から登山口に入る
登山路上のカミキリムシ
天気予報は午後から下り坂の様子だが、まだ天気がよい。バス停わきの道を進み、橋を渡る。8時37分、永德宮の脇から山道に入る。幅が広い道を登っていく。道にカミキリムシがいる。死んでいるのかと思ったら、気配を感じたの動き始めた。送電鉄塔を過ぎ、8時52分二鬮山山頂(標高161m)がひょこり現れる。基石と山名表示などがなければ、山頂とは気づかない。山頂わきは檳榔林だ。

二鬮山山頂
広い稜線上の道が続く
小石牛
大石牛
苦茶樹の茂みを抜ける
幅の広い道が稜線を追っていく。道脇の樹木にその種類を示した板が取り付けてある。左側遠くには、五寮尖から金面山へと山稜が続く。9時5分、小石牛と名付けられた岩が道を塞ぐ。石を越えてさらに5分ほど進むと、道は大きく右に曲がる。9時12分、今度は大石牛が現れる。この石の由来についての説明文もある。大石の右側を進んでいく。今までのしっかり刈りこまれた道は終わり、草の間の細い道になる。送電鉄塔を過ぎ、20分ほど進むと苦茶樹の茂みを通り過ぎる。だんだん山が深くなる感じだ。ロープが取り付けられた急な坂が現れる。100m毎に現れる距離板が3000mを示すあたりで小休憩をとる。

竹林を抜ける
広い道を登り切り道標のある分岐に来る
小さな上り下りが続く。また道幅が広くなり、登りつめると左に長壽山への道を分岐する。標高は210mぐらいで、二鬮山から上り下りを繰り返し高度を上げてきた。左にとれば台3線公路にでる。10時53分、分岐部で休みを取る。25分ほどの休憩後、下っていく。ここで二鬮山の稜線を離れ、いったん谷に下って対岸の鳶山の稜線へ進む。風が相当強く吹き抜けていく。送電鉄塔を過ぎる。この道は保線路のようだ。最低鞍部をすぎ、左に大溪桃園右に三峽新北の道標がある分岐を右に取る。そのすぐ先右に降りる道を見て、左に進む。鉄の門を通り過ぎ、道は登り始める。右にまた送電鉄塔を見る。

この分岐は右へ進む


娘子坑山の向こうに桃園のビル群
岩が露出した稜線
道は稜線上を進む。11時38分、左に娘子坑產道への道を分ける。標高はまた200mを越える。大きな岩が現れたり、竹林を過ぎたりと、変化に富む。樹木の合間から、左の谷間に民家が、そしてその背後の娘子坑山の稜線を越えて遠くに桃園のビル群が見える。12時13分、分岐に着く(標高約225m)。 2017年日付の道標は弘道里北81となっている。もう一方は烏塗窟山だ。弘道里北81への道はほとんど歩かれておらず、途中で途切れる。

台北天際線(スカイライン)マークがある烏塗窟山への分岐

平らなコンクリ舗装の山腹道を行く

道端の鳥の羽
五十分山へ向けてすすむ。間もなく左より烏塗窟山の道を合わせる。その少し先でも、別ルートでくる烏塗窟山の分岐を過ぎる。上り下りを過ぎ、12時48分コンクリート舗装された道になる。山腹を行く道は平らだ。その後また登り始める。道に鳥の羽がたくさん落ちている。おそらくイタチなどに捉えられ餌食となったのだろう。間もなく五十分山への坂が始まる。けっこう急で長い。緩やかになってくると、13時10分五十分山山頂(標高296m)だ。北側が開け展望がよい山頂は、その片隅に帆布や竹で作られた小屋ができている。7年前に訪れたときは、ベンチだけだったがその後付近の住民登山者が作ったものだろう。中で休ませてもらい、昼食をとる。

帆布製の小屋が造られた五十分山山頂
五十分山からのパノラマ、大漢溪を挟んで桃園中壢の平地が広がる

五十分山を下る
約45分ほどゆっくりと過ごし、五十分山をあとに下る。10分ほどで舗装路が横切る最低鞍部に降り、また登り返す。稜線上の道を行き、少し左に下って彩虹壁を訪れる。最近ネット上でも多く取り上げられる赤や緑の模様がある岩壁だ。おそらく植物などが付着しているのだろう。また尾根上の道に上がり、少し下って左に涼亭をみてまた登る。左に永安宮への道を分岐し、最後の坂を福德坑山へ登る。14時43分、山頂(標高321m)に着く。今日の縦走中の最高点だ。

彩虹壁
@福德坑山山頂
福德嶺

長春嶺
下っていき、福德嶺の涼亭を見る。数年前は帆布がかかる簡単なものが、今は軽鉄構造でトタン屋根になっている。急坂を下りまた登り返す。15時11分、長春嶺に着く。ここも立派な涼亭がある。腰をおろし休憩する。前面には朝歩きはじめた二鬮山から続く長く低い稜線が伸びている。その背後は五寮尖の山稜、そしてその左は白雞山の山塊、その谷間の奥は熊空方面だ。金敏子山から金平山へと伸びる山稜も雲の下に見える。長春嶺を初めて訪れたときは、これら山はほとんど歩いていなかった。今は見えるピークはすべて足跡を残してきた。

岩の展望台から見るパノラマ
前の涼亭脇からまた山道を歩く
20分ほど長春嶺で休憩し、鳶山を目指す。右に送電鉄塔をみて、露出する岩を登り15時40分展望点に着く。ここはいつ訪れても、広い展望ができる。15分ほど展望を満喫し下る。大鐘の脇から舗装路をしばらく下り、覽勝亭の脇からまた山道に入る。この道は、入口には古ぼけた道標があるが、あまり歩かれていない。それでも道筋ははっきりしている。尾根を追っていく道は、少し登りその後下っていく。坂が緩くなり街並みが近くなる。16時42分、30分ほどの山道が終わり中山公園の脇にひょっこり出る。文化路に降り、近くの食べ物屋で排骨飯を食べる。少し雨がぱらつき始めた中復興路へ歩き、17時40分過ぎ高速道路経由のバスで台北に帰った。

山道も残りわずかだ
中山公園の脇に出る
ここで食事をとり帰宅
天気は一日もってくれた。五十分山山頂で、少し雨粒らしきものを感じたが、雨が降ることがなかった。終日風の強いのを感じた。そのため、太陽が照ってもほとんど暑さを感じなかった。距離約13.7㎞、登坂872m、下降884m、休憩込みの時間は8時間20分ほどだ。標高が低い山だが、距離がありその間に途切れることのない上り下りがあったので、累計では結構の登坂になっている。標高が低くても体力的に馬鹿にできない。コース定数は 28.4だ。ルートには困難な場所はない。

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