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2020-04-16

2020年4月15日 金金縱走 三峽金敏子山-復興金平山を歩き蝙蝠洞へ下る

桂竹林に囲まれた金平山山頂
数年前に一度訪れた、三峽の詩朗山とその周辺の山は、今年になって藍天隊により道の整備が行われた。最近は、かなりの登山者が詩朗山四山を訪れているようだ。この山は、実は台北市三峽と桃園市復興との境界をなす金平山を含む山稜へと続いている。そこでこの間をつなぐ稜線を歩き、蝙蝠洞へ下ることを計画した。これは、長い間行きたいを思っていた場所でもある。ただ、両方をつないで歩くのはそこそこの距離があり、不人気なルートで道の状態が良くないセクションがあった。ずっと様子見であった。

展望台から見る詩朗山稜(左は賽口坑山,右は詩朗山)
実際に訪れてみると、心配したセクションもしっかり道整備が行われていた。急坂には太いロープが取り付けられ、密生したカヤは幅広く刈られていた。もし、これらの整備がなければ、おそらく途中であきらめたか、かなり時間を要したと思う。特にカヤの部分はかなりの距離があり、この状態で通過するのは鎌で刈って進んだとしても、大変な労力だ。5年前に訪れた金平山は、その時予定して歩けなかった蝙蝠洞へのルートも十分な余裕をもって歩いた。金平山の山道でみた三井の土地境界石もしっかり残っていた。

北から出発、山を越えて西側の蝙蝠洞へ歩く
歩行高度、最高点は金平山
金敏バス停から詩朗山方向を見る
道の状態が悪いことを想定して、できるだけ早く出発することにする。三峽一站を7時に発車する807番バスで向かう。自宅から始発のMRTで景安へ行き、高速道路経由の908番バスで台北大學三峽學園區バス停で下車、急いで歩き6時57分に到着する。すぐに807番バスに乗る。メンバーの一人は間に合わず、タクシーで追っかけてきて途中で乗り、5名のパーティになる。この時間帯は通学時間なので、バスは大勢の学生がいる。途中で下車すると、ガラガラになる。7時半、金敏バス停で下車する。

藍天隊による路線図
地図が取り付けられているクスノキにて
大豹溪を挟んで、向こうにこれから登る詩朗山の山並みが見える。少し下って橋を渡り、登り返す。とっくに使われなくなった吊橋の門が残っている。土地公の脇を過ぎ、前面に岩壁が目立つ金敏子山を望みながら道なりに登っていく。7時52分、一本クスノキのある分岐に来る。幹には、真新しい藍天隊製の地図が取り付けてある。今着いたばかりと思われる、単独の登山者がいる。

舗装路を登山口へ登る
登山口
石段を登っていく
民家の脇を通り舗装路を登っていく。前方の岩峰が目立つ。8時、舗装路が終わり登山道が始まる。5分ほど歩くと、道脇に石壁だけの廃屋がある。その先には、畑もある。昔はここで暮らしがあった。8時10分過ぎ、道は勾配が強くなり山腹を登り始める。階段も現れる。この道は住人がその昔歩いた古道なのだろうか。8時20分、大きな石壁が現れる。そこで小休憩をとり、衣服を調整する。天気が良く、途切れぬ登りで汗が流れる。

急坂が続く
岩壁脇の道
大岩壁の下を登る
山道は引き続き急坂だ。薄暗い場所を通過、8時40分第二の大岩壁下に出る。覆いかぶさる岩壁にそって進む。一度途切れた岩壁は、その先でまた現れる。8時50分、左に展望台への分岐に来る。左に取り、展望台へ行く。展望台といっても単なる樹木が切れて展望ができる場所だ。近いほうの地点からは、深い谷の対岸に詩朗山から內金敏山への山々が見える。さらに少し行き、二番目の展望台からは、大豹溪を挟んで白雞山の山塊、遠くには三峽の街も望める。
展望台から白雞山の山並みを望む、左遠くには三峽



舗装路脇の分岐
金敏子山山頂
分岐に戻りさらに登る。石壁の下を行き、9時11分、舗装路脇にでる。ここは右へ金敏子山への分岐でもある。藍天隊の地図もある。右に取り、金敏子山へ尾根道を進む。ここは今しがた歩いた大岩壁の直上になる。9時16分、金敏子山山頂(標高630m)につく。山頂の周囲はしっかり木々も刈られ、遠くまでよく見える。先ほどの展望台小ピークがすぐ下だ。三峽の街の向こうは鶯歌とさらに大棟山の山塊が望める。三峽のすぐ左側は鳶山の山塊だ。

詩朗山山頂の筆者
孟宗竹林
金平山方向への分岐
往路を戻り、舗装路を少し行く。すぐ左に詩朗山への山道が登っていく。こちらを取り、桂竹林の中を進む。9時40分、竹林の中の詩朗山山頂(標高667M)に着く。展望はない。下っていくと孟宗竹林を通り過ぎる。少しの上り下りを行き、少し大きめに下ると、10時賽口坑山前の鞍部分岐くる。ここで右にとり、金平山を目指す。谷間の道を下っていき、三分ほどで舗装路にでる。左に少し登っていく。登りはすぐに終わり、平らな道を進んでいく。前方に金平山の山並みが見える。進みにつれて、左側に樹木を通して東眼山方向の山々が見え隠れする。舗装路を1.2㎞ほど歩き、10時20分登山口に来る。少し休憩をとる。

金平山登山口へ舗装路を歩く、樹木の向こうに目的の金平山
金平山登山口
草が刈られロープが取り付けられた道
登山口には3月8日付の藍天隊道しるべがある。心強い。登っていくと、道はしっかり草木が刈られている。道そのものはまだふわふわ感があり、それほど人が歩いていない感じだ。つけられているロープは太くて、真新しい。10分ほど登ると、道が途切れる。竹や倒木が道を塞ぐ。それを越えて進むとタケノコをとる竹林に出る。どうやらその方向が正しいようだ。この部分は、この所有者が登山者が歩くことを嫌って、わざと倒木や竹で道を塞ぎ、マーカーリボンを外しているようだ。

マーカーリボンが外された竹林を行く
ロープを頼りに急坂を登る
稜線上の大岩
刈られたカヤの間を進む
竹林を方向を定めて登っていくと、土の広い道を横切る。その先にまた山道が続いているようだ。少し登っていくと、果たしてまたマーカーリボンがあり、道筋もはっきりする。急な坂が何回か現れる。草は刈られしっかりとロープがあるので、助かる。もしそうでなければ、登るのにかなり苦労する。11時17分、尾根筋がはっきりしはじめる。少し休憩をとる。坂は緩やかになる。大岩が前方に現れる。右側は切れ落ちている。安全のためのロープが張ってある。竹林、密生したカヤを通り過ぎる。11時37分、ぽっかりとカヤから飛び出て前面に水槽やコンテナ、壁がない屋根だけの小屋がある。ここは農道の終点のようだ。

開けた場所にでて少し行く
稜線下の道を行く
広い道を少し行き、右に上がる。こちらもカヤがびっしりと生えている。そこにマーカーリボンがついている。そこが山道の入口ようだ。草をかき分けて入ると道が続いている。あまり上下のない稜線下の道を進んでいく。11時58分、道標を見ると金平山山頂前の坂道が始まる。桂竹林が現れ、12時7分山頂(標高992m)に着く。5年前に訪れたときに比べると、山頂のすぐわきに內詩朗山への道ができている。以前はなかったので、新しく開かれたもののようだ。

再びカヤの間を進む
金平山山頂のメンバー
三井の石柱はまだある
出発して約4時間半で登ってきた。道が良かったので、予想していたより早く着いた。これで主要な上りは終わりだ。メンバーが持ってきたビールで乾杯し、ゆっくりと昼飯をとる。太陽が雲に隠れると、少し涼しく感じる。12時43分、下山を始める。ここからの道は通常よく歩かれているので、状態がよい。数分で道わきに三井の石を見る。その先で分岐がある。右は內詩朗山への道だ。その先また左に桃119県道への道を分ける。まばらな杉林の間を行き、13時6分左に金平山南峰への道を分ける。右に開けた場所を行く。広々とした森の中で、とても気持ちが良い。

新旧の道標
よい道を下る
広々とした森を下る
右に內詩朗產道への道を分ける。コンクリ舗装された道が始まる。ジグザグに下っていく。前方遠くに通信用鉄塔を頂いた牌樓山がある。その右遠くには石門水庫の湖面も見える。5年前に比べると、道路の舗装や新たに開発された場所ができている。左に水源池を見て下り、13時44分分岐に来る。右に下って觀音洞に行く。前はまだ台座ぐらいしかなかった観音像は、ほぼ完成している。觀音洞前の駐車場でしばし休憩する。

遠くに石門水庫が見える
觀音洞とその上の観音像
蝙蝠洞へ下る
14時13分、蝙蝠洞への道を歩き始める。基本下りなので、気は楽だ。石畳の良い道が続く。少し下ると、右に滝見の場所がある。さらに下っていくと、石畳は終わり木板を使った階段になる。少し登り返し、下っていくと吊橋を渡る。14時50分、山道歩きが終わり、幅の広い舗装路になる。すぐに涼亭とそのわきの見晴らし台にくる。そこから蝙蝠洞への道が分かれる。

吊橋
蝙蝠洞
奥にかかる滝
涼亭でしばし休憩をとり、分岐する道を蝙蝠洞へ向かう。蝙蝠洞には、コウモリはいないがオーバーハングの岩がかぶさる沢沿いの洞窟だ。沢には滝もかかっている。往路を引き返し、さらにバス停に向かって歩く。15時38分、バス停広場につく。これで歩きは終わりだ。12.6㎞、累計1000mの登りである。後半は、物見遊山的な部分もありゆっくりと過ごした。活動時間は休憩込みで約8時間ほどだ。16時15分に5107番バスで大溪に向かい、さらに710番バスに乗りついて台北に戻った。

蝙蝠洞入口のバス停広場
長い間懸案の歩きができてよかった。さらに、道の状態が思いのほかよく、時間的にも余裕で対応できた。いつまでこの道の状態が続くのか、いつもことだがイタチごっこというのは、なかなか解決できないだろう。登山人口が増えて、どちらかというとマイナーな路線も歩くようになれば、だいぶ良い状態をキープできるだろうが。道は人が歩いて初めて道である。

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