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2020-04-11

2020年4月10日 五堵鄉長山 - 豎嶺山 友蚋溪谷 かつての炭鉱集落と付近の山

友蚋溪にかかる石炭運輸軽便鉄道の橋脚遺跡
台湾北部は、もともと多くの石炭を産出していた。比較的良質な石炭である。17世紀オランダの台湾南部統治時代に採掘の記録があるそうだが、本格的に採掘が広まったのは、20世紀初頭日本統治時代である。鉄道や港湾の完備で、石炭産業が発展する基礎ができたことが大きい。筆者が数多く訪れている平溪や石碇,雙溪などはすべて石炭で発展した場所である。日本もそうであるように、コスト上昇や石油の普及で、台湾の炭鉱も1980年代に衰退が加速し、今は操業している炭鉱はない。

五堵駅から回遊
歩行高度、後半は車道やサイクリングロード歩き
橋梁を渡る当時の軽便鉄道写真
今回訪れた、現在は基隆市五堵に属する友蚋溪の両岸には、多くの炭鉱があり、その石炭を搬出するための軽便鉄道が1970年代まであった。当時の小さなSLが石炭を載せたトロッコを牽引し走る写真を見たのが、今回ハイキングのスタートである。友蚋溪両岸の山稜は、すでに歩いているがその間の谷自体は未踏であったことも、訪問の動機だ。谷歩きの前に、以前歩いた刣狗寮山-圍貓尖山の稜線へ鄉長山から登り、豎嶺山-鹿寮山を経て友蚋溪上流に下った。その後流れにそって、石炭関連の遺跡をみて下った。山道は、台湾電力の保線路は問題ないが、その他の部分は道整備から2年以上たちだいぶ状態が良くないところもあった。谷に下った後は、車道や地元政府によるサイクリングロード歩きなので、まったく問題はない。

百年土地公
天気のよい今日は、平日だが14人が五堵駅に集合した。この時期好天の低山歩きは、まだそれほど暑くなく、実に愉快だ。8時15分駅から歩き始める。基隆河を渡る。そこで付近に住むもう一人のメンバーが参加し、15名となる。高速道路の下をくぐり、鄉長路を進む。この辺りは、石炭運搬のトロッコ線路が通っていた場所のようだ。8時22分、左に折れて山の方向に進む。右に百年土地公との表示がある小高い場所の廟がある。左は荷花池だ。今はまだ水蓮は咲いていない。

廃業のモーテル、ここは右に進む
鄉長山へ向けて登る
道なりに進む。道脇には町工場や、廃棄家屋などがある。歩くこと10分ほどで休業して久しいと思われるモーテルの前を右に折れる。左の道は、獅頭山へ続く。分岐から数分で、右に登る道がある。登っていくと番犬が吠え立てる。家屋には鄉長路20號の住所プレートがあるが、今は住んでいないようだ。山道は、家屋の前にところで登っていく。数分登ると、マーカーリボンがある。その先は、しばらく歩かれていないようで、棘の黃騰が道を塞ぐ。鎌を取り出し、邪魔な枝を刈り取り進む。しばらくして、状態がよいところまでくる。9時6分、樹木の間に鄉長山山頂(標高95m)が現れる。

鄉長山山頂
衣服に引っ掛かる棘の黃藤を切り取る
刣狗寮山から獅頭山へと続く稜線までは、緩やかな尾根だがそこそこ距離がある。道はすぐ左に下っていく道を分け、その先にまた右に伍聖宮へと下る道を分ける。そこまでそこそこの状態だった道は、また草深くなる。9時24分、もう一つ鄉長路の終点へと下る道を左に分けると、刣狗寮山から獅頭山への主稜線までの間には分岐はない。遠くにひっきりなしに通る車の音が聞こえる。ちょうど第三高速がトンネルで抜けるところの上あたりだろう。9時58分、右に刣狗寮山へ続く尾根道の分岐に来る。

刣狗寮山への分岐
草に埋もれた急坂を下る
ここからは、去年春に歩いた道だ。昨年以来道整備はされていないが、こちらは歩く登山者が多いのか、鄉長山よりの道よりは少しましだ。標高は低いが、上り下りが続く。なおかつかなり急で補助ロープの場所もある。鞍部に下り、登り返しが始まる。11時8分、送電鉄塔の脇にでる。ここからは、保線路になるので道は俄然よくなる。緩やかな道を登り11時18分、刣狗寮山山頂(標高271m)に着く。休憩をとる。

歩きやすい保線路を刣狗寮山へ進む
刣狗寮山山頂
圍貓尖山の急坂を下る
十数分の休憩後、保線路を進む。鉄塔脇を下り11時36分、分岐を右に圍貓尖山へ登る。5分足らずで、狭い圍貓尖山山頂(標高272m)を通り過ぎる。下りは、尖の名前がつくように急な補助ロープのある坂が二か所現れる。今日は15名なので通過に少し時間を要する。12時14分、坂を下り切り左からの保線路を合わせる。少し進み、右に豎嶺山方向への分岐をとる。少し登った後、尾根上を下っていく。12時28分、外十四坑產道の登山口に着く。天気が良いので、ここで長めの食事休憩をとる。

外十四坑產道の登山口
気持ちのよい豎嶺山への森の尾根道
40分の休憩後、豎嶺山へ向かう。緩やかな尾根は森の下が芝生上の草におおわれ気持ちがよい。そのうち小さな上り下りが始まる。11時21分、左に外十四坑產道へ下る道の分岐を過ぎ、登り返すと豎嶺山山頂(標高235m)に着く。山頂の北側は開け、谷を挟んだ向こうには赤皮湖山、仙洞湖山のなだらかな山並みが続いている。鹿寮山は近いので、往復する。一度下り、登り返していく。6,7分で鹿寮山山頂(標高210m)に着く。

@豎嶺山山頂
大石脇を下る
石公潭バス停
往路を戻り、豎嶺山を過ぎて分岐を右に下る。この道は、あまり歩かれていないようだ。急坂を下ること十数分、道脇に大石がかぶさる。開花時期が来た油桐花の白い花が地上にたくさん落ちている。さらにもう一つの大石脇を下り、すこし緩やかになると14時8分、舗装路の登山口に着く。ビールを開けてここで休憩をとる。

石公潭
廃棄炭鉱坑道入口
舗装路を下っていく。下ること10分足らず、基隆702番石公潭バス停がある。左におれて沢を渡り、石公潭へ向かう。14時34分、石公潭脇の涼亭が現れる。石公潭は、堰き止められた小ダムだ。地元のメンバーによれば、ここで水泳したとがあるそうだ。暑い時期に水遊びをするにもよさそうだ。沢に降りて、堤防脇で汚れた長靴を洗う。10分ほど過ごし、道の反対側にある廃坑口を見る。坑道は水没している。

サイクリングロード
大正15年竣工の諸繕橋前にて
往路を戻り、橋の袂から友蚋溪の左岸を行く自転車道を歩く。15時、右に沢をこす橋がある。下り橋を渡る。諸繕橋と記された橋は、大正15年の竣工となっている。大正の部分は、ご多聞にもれず国民党政府によって削られている。少し登り、しばらく右岸の道を行く。この部分は平らで以前のトロッコ道床だったのではないか。また下がって鹿寮橋を渡り、左岸の舗装を行く。15時14分、鹿寮坑車站と名付けられた涼亭と線路、その上に二台の台車がおいてある。勿論観光目的で造られたものだが、以前この地はこうしたトロッコがあったことを示している。

鹿寮坑車站
一坑のトロッコトンネル、今は遊歩道
鹿寮坑車站から5,6分行くと川の中に高い橋脚が5本立っている。道路わきには石積みの橋墩がある。これはトロッコの橋梁の名残だ。橋脚上の橋げたや線路はすでにないが、このトロッコ鉄道がいかに規模が大きかったかを示している。15時26分、友新橋を渡り、再び右岸を歩く。雑貨屋で立ち寄り飲料を買う。すぐ先には、復興小学校がある。歩いている車道は、その昔線路があった道床でもある。道をさらに行く。15時40分、一坑に来る。ここは、トロッコトンネルがあり、その奥の炭鉱まで線路があった。数分で702番バスがやってくる。みな乗車し、麗景天下社區バス停で下車、そこから徒歩で五堵駅へ歩く。16時12分に駅に着き、14分発の区間電車で帰途に就いた。

当時の台車と石炭運送トロッコ




歩行距離約13.5㎞、活動時間は休憩込みで約8時間である。山は低いがそれでも、累計で510mほど登っている。道がよければ、それほど苦労がないが、稜線を行く道は台湾電力の保線路になっている部分を除くと、今後はますます草深い道になっていくので、それなりの準備が必要だ。友蚋溪谷の歩きは、まったく問題ない。


今日唯一の展望、豎嶺山から北方向を望む

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