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2013-05-01

2013年4月29日 鶯歌石-大棟山-大同山 鶯歌から樹林へ桐花の稜線を歩く

石灰坑山から見る大棟山(アンテナが頂上に建つ)、右に多くの油桐花が咲いている
今年の四月は雨が多い。久しぶりに訪れた快晴は、長続きしそうもない。この好天を逃す手は無いので、昨日登った土城天上山の大漢溪を挟んだ対岸の山々を縦走した。登りはじめの鶯歌石周辺は昨年八月、後半の大棟山は2011年秋に訪れている。この二つのセクションを結んで歩くと、最高の大棟山でも標高405mと低い山々だが、そこそこの距離となる。天上山ほどではないが、こちらも油桐の花が咲いて、単調な山に変化をつけている。

満開の油桐の花
鶯歌駅から歩き始め、過去には炭鉱の搬出道であった孫龍步道を行く。紫玄宮の脇から山腹を登り、鞍部から牛灶坑山へ登る。百年大榕樹を経て石灰坑山へ続く主稜線を歩く。山道から車道を歩いて大棟山を登り、青龍嶺から大同山を経て樹林駅まで下った。鶯歌から百年大榕樹への山道、大棟山から樹林までの山道は、ともに地元行政の整備がありA、Bクラスの良い道だ。一方、石灰坑山前後の道は、殆ど道標もない踏跡の道で、Cクラスの上といったところだ。このセクションは、両端の山道に比べれば歩かれていないようだ。

南側の鶯歌から北側の樹林まで山を縦走
登り下りを繰り返す縦走の高度プロファイル
朝起きると、とてもよい天気だ。カラッと晴れ上がり、気持ちのよい晴天、前にコースを検討してストックしていた、鶯歌から樹林への縦走をすることにした。久しぶりの単独行となる。いつもより少し遅め、7時半に出発する。台北駅8時5分発の区間電車で鶯歌には8時半過ぎに到着。通勤通学時間帯を過ぎているので、駅はガランとしている。

大きな蝸牛が道を横切る
線路沿いに文化路を進み、踏切を越えて住宅の間の道を入る。正面の山腹に鶯歌石が飛び出している。北鶯公園わきの階段を登り、孫龍步道に出る。ここから登っていく道を上がれば、鶯歌石の基部に着くが、去年行ったので今日はそのまま孫龍步道を進む。ところどころ、油桐の花が歩道上に落ちている。道の真中を大きな蝸牛が横切っている。ここは人が歩くだけの道なので、のっそり横切っても潰されることはないだろう。農林禪寺からは、正面に大漢溪を挟んで三峽鳶山が見える。山腹には白い桐花が緑の肌に変化をつけている。

石炭搬送道の名残のトンネルを抜け進むと、紫玄宮に着く。道はここから階段の登り道になる。奇妙石の脇を登り、9時20分にあずま屋のある鞍部に着く。右に行くと展望台になる。ちょっとした下り登りで展望台に来る。晴天の今日は、絶好の展望ができる。北東側に碧龍宮が龜公山の山腹に建っている。碧龍宮の左側には、油桐花が群生している。目を大漢溪の方向に向ければ、対岸は三峡台北鎮の新開発住宅群、そしてその奥には白鶏山の山塊が控えている。その背後の獅仔頭山から熊空山への縦走路も一目瞭然だ。白鶏山の右側は五寮尖そして大溪金面山の山並みが続く。その奥に見えるのは北插天山などの三峽奥地の山塊だろう。昨日登った天上山山塊も東側に見えるが、朝の光線の中では逆光でもう少しはっきりしない。
展望台から碧龍宮を望む

展望台から三峽鳶山方向を望む
大漢渓を挟んだ対岸の山々(マウスクリックで拡大)
鞍部へ戻り、そのまま枝尾根を牛灶坑山へ登る。幅広の尾根道は、岩が露出している部分もあるが、概ね歩きやすい道だ。落ちた桐花をまとめてハート形が道の真中に作られている。月曜日の今日は他に登山者がいないが、昨日日曜日には多くの登山客が訪れ、残したものだろう。9時47分、牛灶坑山展望台(標高243m)に着いた。鞍部から約10分の登りだ。多く咲く桐花の向こうに、桃園の街が望める。

牛灶坑山から桃園方向を望む
大樹佛
左に尾根を進む。10分ほどで百年大榕樹へ続く主稜線道に合流する。右に少し下ると、車道に出る。車道を少し進むと、左側に階段で山道が登っていく。岩の上や階段を登って行くと、ベンチのあるピークに着く。すぐ近くに桐花が咲いている。普段は樹木の枝の高いところに咲いているので、すぐ近くに見るのは初めてだ。石段をくだり、また登り返すと10時20分に光明山大樹佛に着いた。ピーク上の大岩にガジュマロが生え、その根本に仏像や香炉が置いてある。手前の展望台には、水瓶に蓮が咲いている。展望台の下は、寺院の屋根が見える。その向こうは大漢溪の谷間が広がる。


百年大榕樹へ登る
光明山頂上から一旦下り、小沢を越える。ここからしばらく登りが続く。10時42分、車道のある分岐に着く。展望台も設けられている。ここからの展望も素晴らしい。樹林から桃園まで見渡せる。歩いてきた尾根道も判別できる。石灰坑山への縦走路が直進するが、左奥にある百年大榕樹に立ち寄る。樹齢は約350年ということだ。台湾の漢人による開拓が始まって間もないころから、台湾の歴史を見守って生きてきていることになる。手前には焼香台も設けられている。先に進んでいく道は、1号省道へ続く福源山步道だ。付近のテーブル・ベンチで休憩し、軽く食事をする。

百年大榕樹近くの展望台から見る(マウスクリックで拡大)
大榕樹
石灰坑山への山道
十数分の休憩後、展望台の場所へ戻り土の縦走路を登る。登り切ると右に道が分岐する。これが石灰坑山へ続く縦走路だ。ここから今までの道とは様相が異なる。しっかり踏まれて道筋ははっきりしているが、幅はずっと狭く歩行者が比較的少ない様子だ。11時13分に金色の小仏像が置かれている頂上に着く。何の表示も無いが、ここが石灰坑山(標高374m)だろう。小学校で使われていたような木製イスが三脚置かれている。進む方向を望むと、かなた向こうに通信用の鉄塔が建っている峰がある。大棟山だ。まだ、けっこう距離がある。概ね下り坂の道を歩いて行く。11時30分に福安宮の脇で車道に降りた。ここには野良犬が数匹たむろしている。病気の犬もいるようだが、吠えてくる。

石灰坑山頂上
大棟山へ車道を登る、アンテナが山頂
ここからは、北57県道を進む。数分下って行くと、道標があり右に下る道は山佳駅を指している。ここは前に大棟山を訪れた時、下っていった道だ。直進して、車道を登っていく。一旦峠を越え、少し下りのあと右からの道と合流、もう一度登り返すと東和街との分岐点に来る。新しい道標が設けられている。左は龜山へ下る道、右は山佳へ下る道、直進する車道は大棟山への道だ。12時7分、大棟山頂上(標高405m)に着く。鶯歌駅を出発して約3時間半、ここが今日の行程のほぼ中間点だ。あずま屋の中で、登山客が一人休んでいる。どこからと尋ねられ、鶯歌からと答え、所要時間を話すと割りと速いと言う。実際、今日は自分の体力確認も含めて割合と早足で歩いてきた。

大棟山から林口方向を望む
青龍嶺へ山道を下る
前回訪問に比べると、あずま屋周辺の地面が整備され綺麗になっている。北方向をみると、林林の台地とそこに建つ丸い体育館も望める。20分ほど休憩し、青龍嶺へ向け縦走路を下っていく。ここからの道は、木製階段も設けられ整備がされている。秋壇山の石碑を途中見て下り、東和街への道を分岐する。回音亭のあずま屋を過ぎ進むと、大きな墓地の上部に出る。その先には建設中の北霊宮がある。前回訪問時から1年半経つが、それほど建設が進んでいない感じだ。けたたましいエンジン音とともに、トライアルバイクに乗ったライダーが上がってきた。先程からエンジン音が聞こえていたが、このバイクだったようだ。乗るのは構わないが、排気ガスを吸っての山登りは勘弁してほしい。その先わずかで、車道に降り立つ。13時20分に青清宮のある分岐部に着いた。右奥の丘に建っているあずま屋でしばし休憩する。

大同山から天上山方向を見る
大同山から新荘、板橋方面を見る
大同山からの下り道
大同山へ向け、山道を歩く。この道はボランティアなどが掃除をしているのだろう、枯葉やゴミもなくとても綺麗な道だ。13時55分、細長い大同山(標高237m)に着いた。ここからは、天上山山脈が、樹林と土城の街を挟んで、真正面に見える。北方向を見れば、新荘や板橋の街が広がっている。急な階段道が南寮福德宮に向けて下っていく。人里近いこの辺りは登る人も多い。数人とすれ違い下り、14時10分大きな金色の像が建つ南寮福德宮の上部に着いた。

南寮福德宮の境内を通りぬけ、山門から下っていく幅の広い道を進む。14時30分、大安路の登山口に下り立つ。街の中を通りぬけ14時46分に樹林駅に着いた。ちょうど8分遅れの区間電車が来たので、都合よく乗車し台北に帰った。

南寮福徳宮の銅像と桐花
今日の歩行距離は14.9km,休憩込みの所要時間6時間8分である。山は低いが縦走路で登り下りを繰り返したので、累計高度は878mある。平均の速度は2.85kmで、途中舗装路もあるが山登りとしては速いほうだ。久しぶりの好天の山登り、気温が高くなったものの、様々な方向の展望ができ、もとてもよい歩きができた。

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